2010年3月17日水曜日

ラファエル・エル・ネグロ逝く

 トリアーナ生まれのヒターノ
力強く、男らしく、かつ優雅
そのブレリアスの一振りは
観る人誰をも虜にする。

マティルデ・コラルの最愛の夫君
ラファエル・エル・ネグロが
3月17日朝6時に
トリアーナのインファンタ・ルイサ病院で亡くなった。

本名ラファエル・ガルシア・ロドリゲス。
1935年生まれ。
シギリージャスにその名を残し、闘牛士を輩出したカガンチョの血筋。
妻マティルデとホセ・グレコなどの舞踊団や
タブラオ“エル・グアヒーロ”、“ドゥエンデ”
そして、マティルデ、ファルーコとともに
トリオ“ロス・ボレーコス”を結成、フェスティバルなどで活躍した。
妻とともに舞踊学校で教授活動をするも
病気のため舞台からは引退。
何度か妻の舞台のフィン・デ・フィエスタでブレリアを踊ったが
それはみごとなものだった。
数年前、オテル・トリアーナで開かれたトリアーナ・フラメンコ祭、
マティルデに捧げられたこの催しの最後に一振り踊った。
その粋なこと!
翌日のトリアーナは彼の話題でもちきりだった。

私のセビージャの家は彼らの家の近所なので、
よくパン屋やバルで会ったものだ。
いつもマティルデを思いやるやさしい人柄。
ヒターノも非ヒターノもない、
古き良きトリアーナのアルテを体現している人だった。

今すぐセビージャに飛んでいきたい。
彼に別れをきちんと告げたい。
が、現在日本でそれもかなわぬ私は祈るだけです。




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