2026年4月10日金曜日

ロシオ・モリーナ『カレンタミエント』記者会見とお話し会


 明日、4月10日から3日間、セビージャのセントラル劇場で上演されるロシオの新作『カレンタミエント』。初演のマドリードで9日間、先日までバルセロナでやはり9日間、全公演満席だったというこの公演、セビージャ公演も発売1時間で全席売り切れだったそう。マドリードではマドリードではアルモドバル監督もひざまづいたとか。

カレンタミエントとは時ウォーミングアップのことで、この作品は彼女の日課である、35分のタブラ・デ・ピエ、足技練習のパターンから始まって展開していくそう。詳細は明日、観てからお話ししますが、7歳の時から普段やっている足のパターン(本人曰くシンプルなもの、だそう)をはじめ、今回の作品は物語を語るわけではなく、演出家と話し、時間を過ごすうちにできた台詞も含め、彼女自身が体験してきたことなどが反映しているそう。そのウォーミングアップをすることによって、自分を取り戻して作品の稽古に入れる、という感じらしい。フラメンコにおいては性別や、ヒターノかどうかなどは関係ないところがある、とか、エネルギー話とかひたすら頷く。

フラメンコの囲いや壁を越えて、より多くの人に、結局はフラメンコの底力をアピールし続けているように思うロシオの新作、楽しみです。


2026年4月9日木曜日

サンドラ・カラスコ&ダビ・デ・アラアル『ヌンカ・メ・オルビデス』


サンドラ・カラスコの新譜、セビジャーナスのアルバム、『ヌンカ・メ・オルビデス』発表記者会見が4月8日、セビージャのインスティトゥート・アンダルース・デ・フラメンコで行われました。

物心ついてからずっとファンダンゴとセビジャーナスを歌ってきたという彼女。ダビの大胆かつ繊細でムイ・フラメンコな演奏と相まって、踊るための、ではなく、聴くためのセビジャーナスのアルバムとなっています。 12日に発売だそう。またリンク載せますね。



 

2026年4月2日木曜日

モン・ド・マルサン フラメンコ芸術祭


 スペイン国境に近い山あいの街、フランス、モン・ド・マルサンのフェスティバルが今年も開催されます。1989年以来、毎年7月の初めに開催されているこのフェスティバル、南フランス、ニームのと並ぶ、フランス屈指のフラメンコ祭で、下記の公演のほか、マヌエル・リニャン、メルセデス・ルイスのマスタークラスの他、ヘーレン財団による舞踊、カンテ、ギター、タブラオのクラスも行われるそう。

夏しか休みが取れない欧州のアフィシオナードが来ることも多いようです。
 

◇モン・ド・マルサン フラメンコ芸術祭

6/30~7/4

6/30(火)19時『ジャマメ・ロルカ』

[出]〈b〉マヌエル・リニャン、ゲスト〈b〉ラケル・エレディア“ラ・レポンパ”、ホセ・マルドナード、特別協力クーロ・アルバイシン、〈b〉イレネ・モラレス、イレネ・ルエダ、スサナ・サンチェス、ロシオ・モントジャ、クリスティナ・ソレル、クリスティナ・アギレラ、ノエリア・カルボ、アナベル・モレノ、〈g〉ホセ・フェルミン、〈c〉アントニオ・カンポス、マリアン・フェルナンデス、フィタ・エレディア、

[場]モン・ド・マルサン ポール

6/30(火)21時30分『デ・タブラオ』

[出]〈b〉サロメ・ラミレス、アンヘル・レジェス、アイタナ・ロウセアウ、ゲスト〈c〉イスマエル・デ・ラ・ロサ“エル・ボラ”、〈g〉エル・ペリ、〈c〉フアン・デ・ラ・マリア、ペチュギータ

[場]モン・ド・マルサン モリエール劇場

7/1(水)19時『アルテル・エゴ』

[出]〈b〉アルフォンソ・ロサ、パウラ・コミトレ、〈c〉イスマエル・デ・ラ・ロサ“エル・ボラ”、ロシオ・ルナ、〈g〉フランシスコ・ビヌエサ

[場]モン・ド・マルサン ポール

7/1(水)21時30分『グラナ・ポル・バンデーラ』

[出]〈g〉ホセ・フェルミン、〈c〉アントニオ・カンポス、フアン・アンヘル・ティラド、〈b〉ラケル・ラ・レポンパ、〈perc〉ミゲル・チェジェンネ

[場]モン・ド・マルサン モリエール劇場

7/2(木)19時『バベル、トーレ・ビーバ』

[出]〈b〉ダビ・コリア

[場]モン・ド・マルサン ポール

7/2(木)21時30分『デベニル』

[出]〈g〉アレハンドロ・ウルタド、〈b〉パトリシア・ゲレロ

[場]モン・ド・マルサン モリエール劇場

7/3(木)19時『マグニフィカ』

[出]〈b〉マリア・モレーノ、〈c〉ミゲル・ラビ、〈g〉ラウル・カンティサノ、〈perc〉ロベルト・ハエン

[場]モン・ド・マルサン ポール

7/3(木)21時30分『ウエジャス・デ・アルベロ』

[出]〈c〉セグンド・ファルコン、〈g〉パコ・ハラナ、マノロ・フランコ

[場]モン・ド・マルサン モリエール劇場

7/4(金)19時『ロマンセロ・デル・バイレ・フラメンコ』

[出]〈b〉メルセデス・ルイス。ホセ・マルドナード、〈c〉ダビ・ラゴス、マヌエル・ガゴ、〈g〉サンティアゴ・ララ、〈palmas〉ハビエル・ペーニャ

[場]モン・ド・マルサン ポール

[問]https://festivalarteflamenco.fr

2026年3月24日火曜日

第3回マドリード共同体ギター祭

第3回マドリード共同体ギター祭のプログラムが発表されました。

スペイン各地で様々なギター祭が開催されていますが、フラメンコギターに絞ったギター祭は少ないのです。今年はセビージャ出身のギタリスト、ニーニョ・リカルドへのオマージュとして、彼をテーマにしたメサ・レドンダ(座談会)や講演にギター・リサイタルの組み合わせがみっつとギタリストをメインに、歌や踊りゲストも迎えた4つのガラ公演が行われます。お楽しみに。



◇第3回マドリード共同体ギター祭

4/21(火)

18時30分〈メサレドンダ〉ペドロ・カルボ、ホセ・マヌエル・ガンボア、アレハンドロ・ウルタード、ノルベルト・トーレス、

19時30分 〈g〉ホセ・アセド、ホセリート・アセド、ウンベルト・ウィルケス

4/22(水)

18時30分〈講演〉ノルベルト・トーレス

19時15分〈g〉アレハンドロ・ウルタード

4/23(木)

18時30分〈講演〉ホセ・マヌエル・ガンボア

19時15分〈g〉ラファエル・ロドリゲス

[場]マドリード カナル劇場 サラ・ネグラ

4/23(木)21時

[出]〈g〉フランシスコ・ビヌエサ、ゲスト〈c〉イスマエル・デ・ラ・ロサ、ゲスト〈b〉アルフォンソ・ロサ

4/24(金)21時

[出]〈g〉マノロ・フランコ、ゲスト〈c〉アンヘレス・トレダーノ、ゲスト〈b〉ハビエル・バロン、〈c〉エル・ガジ

4/25(土)21時

[出]〈g〉チクエロ、ゲスト〈c〉マイテ・マルティン、ゲスト〈b〉フアン・トマス・デ・ラ・モリア

4/26(日)19時30分

[出]〈g〉ホセ・アントニオ・ロドリゲス、ゲスト〈c〉カルメン・リナーレス、ゲスト〈b〉マルコ・フローレス

[場]マドリード カナル劇場 サラ・ベルデ

[問]https://www.madrid.org/sumaflamenca/2026/guitarra/



 

2026年3月21日土曜日

アルベルト・セジェスen トーレス・マカレーナ

いやあもうなんといったらいいかわかんないほど楽しくて最高でありました。

水曜日の水曜日のフロレンシア・オスでのフラストレーション一気に解消。そうそう、私が好きなのはこういうフラメンコなのですよ。心を動かして幸せにしてくれるやつ。

一部のギターソロからのタラントでは泣きそうになり、レトラの時に足入れるの大嫌いなのに、君なら何やってもいいの、ってなってしまう自分に困惑するほど。とにかく全身でずっと語りかけてくるのであります。伝わってくるものがすごい!それはタラントらしいコラへだった、重苦しい気持ちだったり、僕は踊るのが好きだ!フラメンコだぞ!だったり、いや、そんなふうに言葉にならない言葉がずーっとこっちの心に流れ込んでくる感じ。



超テクニックで、でも、そのテクニックが彼の中にあるものを見ている人に伝えるために使われている。曲の持つキャラクター、カンテのインテンシオンを汲んで動くので全てに意味があるのだ。タンゴの間合いの取り方も秀逸で、いかに彼が愛しているかが伝わってくる。


二部は昨年ヘレスでアルベルトとの共演作を発表したミゲル・アンヘル・エレディアのカンテソロでのソレア・ポル・ブレリアに始まり(ヘレスの粋!)


アレグリアスは歌いながら登場し、踊り歌い踊るというもの。


エスコビージャとかもして、ここからブレリア・デ・カディスか?と思いきや、バンビーノのルンバで知られるVoy a perder la cabeza por tu amorを歌い始めそこからは歌謡曲?というか、コプラ、ボレロ(ラテン・バラード)をミゲル・アンヘルと歌って踊って。


いやもうこれはカラオケ大会的でもあるのだけど、歌う二人がめちゃフラメンコでどどっと足踏んだり、一振りしたりするからめちゃフラメンコで、歌い踊る彼らが楽しんでいるだろうことも伝わるから、もうこれはうちわのフィエスタ気分。もう観てるみんなもニコニコで。楽しい一夜は明けたのでありました。

フィン・デ・フィエスタはマリ・ペーニャの娘マヌエラが口火を切って若手たちが次々と。



客席にはチョロやマリア・モリーナもいたという。いやあ、トーレス・マカレーナほど第一線で活躍するアーティストたちが舞台の上にも下にもいるペーニャってないんじゃないかな。そしてバイレをわかっている会員が多いペーニャも。



ヘレスのフェスティバル/各賞


地元紙ディアリオ・デ・ヘレスの観客賞はマリア・モレーノ 


© Festival de Jerez/Esteban Abión


 批評家/ジャーナリストらの投票による ギター賞/マルコ・デ・シルビア(ホセ・マジャ『コロール・シン・ノンブレ』) 
© Festival de Jerez/Rina Srabonian

作品音楽賞/アレハンドロ・ウルタード
© Festival de Jerez/Rina Srabonian



 ゴメス・デ・ヘレスとアナ・マリア・ロペスの協力でおくるヘレスのペーニャ協会による
伴唱賞はマヌエル・デ・ヒネス(アンダルシア舞踊団『ティエラ・ベンディタ』

特別賞にフニャリト(ベレン・ロペス『ラティード』)
© Festival de Jerez/Rina Srabonian



新人賞はマヌエル・デ・ラ・ニナ(ペーニャ、フェルナンド・テレモートのリサイタル、伴唱ヘスス・ロドリゲス)


そして批評からの投票による批評家賞はエステベス/パーニョス・イ・コンパニアの『ドンセジャス(フエルガ・ペルマネンテ)』に決定したと20日発表がありました。

© Festival de Jerez/Rina Srabonian

これで全部の賞が発表されました。受賞者の皆さんおめでとうございます。



2026年3月20日金曜日

フロレンシア・オスen Torres Macarena

 ペーニャでフロレンシア・オス。

ダビ・カロのギターソロの後、客席を歌いながら現れたマヌエル・パハレスのマルティネーテがめっちゃ良かった。

フロレンシアのシギリージャは、うん、めちゃくちゃうまいんだけど、なんというか、足の練習見せられているような、というか、無機質。超テクニックだけど、だから何?って言ったら失礼だけど、伝わってくるものが何もなく空虚な感じ。いや、うまいのよ、でも、シギリージャの持つ悲劇性や重み、深みなどなーんも見えてこないのですよ。うーん。

休憩挟んでカンテソロからのアレグリアス。


ご覧の通りのバタ、マントン。なんだけど、舞台小さいのに慣れてないのか最前列中央に座っていた人たちの顔面掠めていくんですよ。いや、うまいのよ。バタもマントンもちゃんと使える。で、アレグリアスのとこいは少し、歌やギターとの会話も見られて、シギリージャよりは良かったかもだけど、でもやっぱ、なんというか、この人が何好きなんだか、何考えてるんだか、まーったく見えない感じない。マントンも忙しくくるくる回す、今、流行りのやつやるんだけどさ、体操じゃないんだからって気になる。スピードいらないのよ。アルテが欲しい。

といささか欲求不満で終わったのでありました。今日の収穫は歌のマヌエルくん。


5月、田村陽子さんの公演で来日するそうですよ。要注目!

2026年3月17日火曜日

萩原淳子 La Yunko en Empeñados" Peña El Chozas"

ビエナルがセビージャのペーニャ協会との協力で開催中のエンペニャードスに萩原淳子が出演。セビージャ市の端っこにあるペーニャ、ラス・チョーサスに出演した。

会場は入場無料ということもあって地元民で満員。

ティエント/タンゴスと


ソレア・ポル・ブレリアを熱演。


どちらの曲も観客総立ちでした。

萩原というとバタ・デ・コーラ、マントンの印象が強く、バタ、マントン無しの公演を観るのはひょっとすると初めてだったかもしれない。足も強いんだなあ、と再確認。
きちんとモーニョを結って衣装もアクセサリーも過不足なく。ベテランの佇まい。
なんか日本人とか意識せずにみられる感じ。いやアジア人の風貌ではあるんだけどね、それがマイナスにはならないというか。動きがスペイン人のそれになってるということかも。

ギターのクーロ・バルガス(コンチャの息子)もとても良くて、去年のフェスティバル、ヘレスでも聞いてきたわけだけど、うん、もう貫禄風格すら感じさせられます。今後も楽しみ。







2026年3月9日月曜日

ヘレスのフェスティバル最終日ラ・ルピ『ロ・インエディト』

© Festival de Jerez/Esteban Abión

ラ・ルピが昨年マラガのビエナルで初演した作品で、ゲストにスペイン国立バレエ団監督アシスタントのミゲル・アンヘル・コルバチョとコンテンポラリーダンサーのイバン・アマジャも出演。そのイバンとの場面にはじまり、ペテネラへ。黄色やペテネラは不吉と言ってフラメンコたちでは避ける人も多いものをあえて使い踊る。

© Festival de Jerez/Esteban Abión
ゲストのミゲル・アンヘルのソロからパレハ、

マントン大会。
最初、ミゲル・アンヘルが両腕に一枚づつ、さらに体に一枚巻いて出てきたのにはびっくり。


どれもフレコの長い、上等なマントンで、動かした時の軌跡がきれい。これ重要。ミゲル・アンヘルのマントンあしらいはちょっとした細部がエレガントで美しく、私には彼のマントン捌きしか目に入らなかったくらい。
© Festival de Jerez/Esteban Abión

ギターが夫のクーロ・デ・マリアに代わって仮面つけてのソレア

© Festival de Jerez/Esteban Abión
最後はハードロックがかかり最初の衣装を燃やそうとして幕。
© Festival de Jerez/Esteban Abión

劇場作品としての構成はちゃんとしている。演出家が入って脚本演出手掛けている成果だと思う。照明もきちんと出演者を見せてくれて、美しい(資料を読むとデザイナーさんが最近亡くなってその方に捧げる公演だとあった)。最近照明が暗くて演者の顔が見えないのが続いていた(ベレン・マジャ、ヘスス・カルモナ、マリア・モレーノ、ホセ・マジャ)のでちゃんと見えるというだけで評価アップ、なんだけど問題は踊りの中身なんですよ。
姿勢、肩が前に出て首が落ちてせむし気味。スカート持ち上げすぎるなど全体に美しくない。はすっぱな感じというか、お下品。コンテンポラリーダンサーとの絡みでもユーモアあるのはいいんだけどスカートの下に入り込むのを多用するなど,はお下品な感じになってしまうよね。映画『サクロモンテ』で語られていた貧しいヒターノたちがお金を稼ぐためにスカートを捲ったという話を思い出す。ま、伝統を守るといえばそうなのかな、でも、品格が欲しいと私は思う。ここら辺は好みの問題なのかもではありますが。また。コンテンポラリーのダンサーもコンテンポラリーを勉強した人だとはわかるけどオルガ・ペリセ公演の時のダンサーとは月とすっぽんだし、ルピもオルガやロシオ・モリーナやベレン・マジャのようなコンテンポラリーの理解、勉強が不足というか、もともと身体のコントロールに長けている人ではないから中途半端な感じになってしまう気がする。
他ジャンルの要素を取り入れたり、セリフがあったり、色々みんな工夫して、なんとか新しい作品を作ろうとしているというのはわかるけどね。











2026年3月7日土曜日

ヘレスのフェスティバル15日目ホセ・マジャ『コロール・シン・ノンブレ』

 ソロでは初登場のホセ・マジャ。抽象画家マーク・ロスコ(wiki)の作品にインスパイアされて作った作品。記者会見で「この人は悲劇とエクスタシー、死に、多くインスパイアされていた。それはフラメンコにも通じる」と話していたのだけど、デジタルアート(と記者会見では言ってたけどビデオゲームのような映像)の中にロスコの作品を思わせるものがたくさん出てくるのであります。おそらく著作権の関係で作品を使うことはできず苦肉の策なんでしょう。

ロスコが線や形を使わず一面に色を塗るような作品を描いていたことからか、最初はロスコの作品に囲まれたような映像と、チェロに音楽で、フラメンコの伝統的な動きではなく、もっと自由なコンテンポラリーチックな動きから始まります。

© Festival de Jerez/Rina Srabonian

すごいフラメンコな人なのになんでこんな中途半端なダンスめいたものをやるんだろう、と正直、思ったけど、それがフラメンコへと近づいていくと、やはり唸らされる。コンテぽい動きも彼にとって必要なものだったのでしょう。

© Festival de Jerez/Rina Srabonian


衣装がずっとパジャマみたいなルーズフィットのもので、それが汗で色が変わるくらいしか変化がないのだけど、そんな衣装ですら、凄さが伝わるのだから、どんだけすごいんだってことではあるけれど、もう少しちゃんとした衣装だったらどれだけ、とは思いました。男性の衣装は女性衣装に比べ、変化がつけにくいので皆苦労するところかもですが、それを考えるのもやめて最初から最後まで1着というのはかえって清々しいのかもしれません。
© Festival de Jerez/Rina Srabonian

映像はほぼずっと流れていて、いろんな想いが詰まっているのだろういるのだろうことは理解できないわけじゃないですが、なくても良かったように思います。反対に気が散る。あと、歌はカンシオンぽいのりというかちゃんと歌える人たちがコーラスみたいな感じで歌ったりするのにもちょっと抵抗がありました。ギターのマルコ・デ・シルビアはヘレス出身の19歳ということですが、巧い!今後の展開も楽しみです。

最後の無伴奏のソレア!ホセの歌が、最近よくある踊り手も歌いますよ、っていう感じをはるかに超えるくらいに良くて最高で、ひとふし歌って踊るそのかっこよさ。もうこれだけで何もいらない。圧倒的な力!なんかもうひれ伏すしかない、っていうくらいの凄さでありました。みんなこれが観たかったんだ!っていうくらい。


© Festival de Jerez/Rina Srabonian

2026年3月6日金曜日

ヘレスのフェスティバル14日目マリア・モレーノ『マグニフィカ』

踊り続ける。1時間ちょっとの間ほとんど舞台に出ずっぱりで踊りまくり叫び歌い、全身で「マグニフィカ!」を表現している。そんな作品。マグニフィカとは聖母マリアの受胎告知を喜ぶ言葉だそうで、聖母マリアにちなんでか、ロシオ巡礼の太鼓の音、サエタやビジャンシーコと言った宗教絡みのフラメンコ曲で始まり、とにかく最高!っていう祝祭の気分を表現しようとしているのだろう。

昨年マドリードで初演。私は11月セビージャで観たので2回目。その時のブログを今見たのだけど、作品の流れもテンポよく進んでいくのも一緒だけど、マントンの連続技、

© Festival de Jerez/Esteban Abión

前回はアルテがあると思っていたのに、昨日は新体操のリボンのように見えてしまったのはなぜだろう。間合いがないせいかな。マントンが軽めのものだったからかな。でも多分同じものを使っていると思うので、印象があまりに違うのに自分でも驚いている。ファルーカを座って踊るところのラウル・カンティサノのギターがよかった。この人超前衛的なこともするけど伝統をしっかり抑えているからなのだなと再確認。良き。

ロベルト・ハエンとのコンパスのやり取りは今回も最高。写真がないのは残念だけどビデオの初めの方にあります。反対にビデオにはマントンやバタの部分がないけど。今回、全体的に舞台が暗く、顔が影になって表情がよく見えなかったのはとても残念。セビージャで観た時は前の方の席だったからかな。そんな印象はなかったんだけど、今回はこれ、夜のイメージとかなのかしらんとか思わせるほど、でもそうだとしても顔見えないのは変だよね。

女優さんとのハレオの言葉繋げた呪文のようなセリフのとこはやっぱ面白い。難しすぎるから無理だあけど覚えたいくらい。ただこれはもう少し短い方がより効果的かと思ったのは前回と一緒。彼女は聖母マリアがマグニフィカ!と言った時一緒にいた従姉妹のイメージなのかもね。
© Festival de Jerez/Esteban Abión



セビジャーナスの場面でエレキギターを演奏するカンティサノが羽つきの帽子、ロベルトが兵帽をかぶっているのは聖週間の行列のイメージから。ラビが演奏していたカーニャという竹の棒を割った楽器、最近はあまり観なくなりましたが、ロシオやフェリアにつきものの楽器です。
© Festival de Jerez/Esteban Abión

ミゲル・ラビのギターを弾きながらのシギリージャ、やっぱシギリージャのような曲はギタリストにちゃんと伴奏してもらいたかったかも。カスタネットの音もちょっと気になった。なんか違和感。通常のより音質が高いのかも?

© Festival de Jerez/Esteban Abión
というわけで粗探しみたいになってしまったけど、本人が楽しみつつ踊っているというのは伝わってくるし、良い作品だと思います。


2026年3月5日木曜日

ヘレスのフェスティバル13日目夜へスス・カルモナ『テンタティボ』

ヘスス・カルモナが先週末、マドリードで初演したばかりの新作『テンタティボ』試み、と言った意味。この人はきっとアイデアが泉のように湧き溢れる人なのだろう。作品ごとにいろんな仕掛け、仕組み、アイデアで驚かせてくれる。今回もそれは同様。
前半はコンテンポラリーチック(というのか?)にヘススと他のダンサーたち(ルシア・カンピージョ、アイタナ・ロウセアウ、フアン・ブラボ、ペドロ・エヘアとプログラムや資料には名前のないソフィア某)が個対群みたいな感じで踊っていく。

袖幕もホリゾント幕もない裸の舞台。照明も目に入る位置に。
ヘススが引っ張ってきた大きな袋に入っていたタンバリンを舞台いっぱいにならべその間を縫うようにして(だと思う、1回後方の席からはタンバリンを踏んでるのかどうかは見えない)、先生と生徒のように呼吸法を教えるようにして踊ったり。
© Festival de Jerez/Rina Srabonian
タンバリンを拾い集めヘススの腕に置いていくというのを繰り返して舞台をきれいにして
© Festival de Jerez/Rina Srabonian
ヘススが一人ずつ靴を履かせて
© Festival de Jerez/Rina Srabonian
後半はよりフラメンコなパートへ。
© Festival de Jerez/Rina Srabonian


ヘススのソレア
© Festival de Jerez/Rina Srabonian
ルシアのペテネーラ
© Festival de Jerez/Rina Srabonian
アイタナのグアヒーラ
© Festival de Jerez/Rina Srabonian
写真はないけどフアンとソフィアのコンテ風、

パブロの民族舞踊風
© Festival de Jerez/Rina Srabonian

そしてタンゴ、
© Festival de Jerez/Rina Srabonian



大掛かりな衣装を脱いだヘススのブレリア。
© Festival de Jerez/Rina Srabonian

ヘススはいつもながらにすごいんだけど、とにかく情報量多すぎて少々辟易、余白がなくて、オレが出る場所もない。詰め込みに詰め込んだ感じというか。
あと歌い手がちょっと苦手なタイプだったので、そこに引っ張られてオレに行かないのかも。下手とかそういうわけではなく好みの問題。オルーコの公演の直後だったから余計にその違いが気になったのかもしれません。
これでもかこれでもかとやってくるコンパスとテクニック。すぎたるは及ばざるが如し。

オルーコとヘスス・カルモナ。コンパスにもテクニックにもアルテにもいろいろありますね。






ヘレスのフェスティバル13日目午後ホセ・マヌエル・ラモス“エル・オルーコ”『パトロン』

 ロシオ・モリーナやエバ・ジェルバブエナなどの舞台でパルメーロとして活躍しているエル・オルーコが、ロシオやエバの手も借りて(共同演出として名前が掲載、ロシオは出演も)挑んだ作品。

ヘレスのフェスティバル18時30分開演の作品は、20時30分から次の公演もあるということもあって基本1時間、マックスで1時間10分と決まっているのだけど(本人が記者会見で言ってた)、それを大幅に超える1時間半の作品となってしまったくらい、力が入った作品。おかげで後半は時間が気になって舞台に集中できないという。

これは、ビジャマルタ劇場でやるべき作品でしたね。ゲスト出演者も多いし。作品としてはちゃんと構成されているのだけど、要素が多すぎ、その場面場面が長く、というのは初演ということもあってコントロールできてないんでしょうね。多分再演時にはずっと良くなっているんじゃないかと。

始まりを思い出すこどもと語り

メトロノームでのリズム遊び、

© Festival de Jerez/Esteban Abión


師匠トロンボとの机とドミノでのリズム遊びからのトロンボのカンティーニャ

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を引き継いでのミラーが使われて、自身がミラーボールのようになって踊るオルーコ。

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カルメン・レデスマのアルテと人生についての語りと踊りブレリア・ロマンサーダ

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赤い糸で結ばれた妻カロリナ“ラ・ネグラ”と出会い、

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カロリナのソロでソレア。

© Festival de Jerez/Esteban Abión

机でのリズム遊びからのロシオ!
© Festival de Jerez/Esteban Abión

これで終わりかと思いきや歌い手3人のロンダ・デ・トナからのシギリージャ
© Festival de Jerez/Esteban Abión

そしてまた最初のように椅子に座って、メトロノームのリズムでりんごかなんかをナイフで切りながら食べるオルーコでおしまい。

オルーコの地に足がついた踊りはちょっとした回転の終わりのとことか、オレ!がもれ出てしまうようないいデテールがたくさんで、ファルーコ系の大人の男のセビージャの伝統を感じさせてくれるし、トロンボやカルメンも昔ながらの伝統を受け継いで自分だけの世界を作っている。ロシオはもう天才だし、カルメンとロシオの間に踊ったカロリナの重圧やいかに。

それもいいギター、いい歌、いいパーカッションがあってこそ。。フアン、カンパージョ、ぺぺ・デ・プーラ、ホセ・アンヘル・カルモナ、ペチュギータ、パコ・ベガ。いいフラメンコがあってこそだな、と思ったことでした。






2026年3月4日水曜日

ヘレスのフェスティバル12日目サロメ・ラミレス『パロ・コルタード』

昨年のラ・ウニオンの覇者、ご当地ヘレス出身のサロメ・ラミレス。ヘレスなどののタブラオやファルキーとやエドゥアルド・ゲレーロの作品にも出演している中堅。たびたび来日しているのでご存じの方も多いことだろう。その彼女の初めての作品。

タラント
© Festival de Jerez/Rina Srabonian

マントンとバタ・デ・コーラのアレグリアス
© Festival de Jerez/Rina Srabonian
そしてソレア。
© Festival de Jerez/Rina Srabonian

3曲の間にカンテソロやギターソロも、というのはファルキートと同じだけど、ゲストのミゲル・アンヘル・エレディアとの絡みがあったり、歌い手たちが舞台の上をあちこち歩き回ったりという趣向があったりしたのは、“作品”を意識してのことだろう。
写真はないが(ビデオにはあるのでぜひご覧ください)、ミゲル・アンヘルとの歌や踊りでの絡みは面白かったけど、歩き回ることの意味はわからない。

アレグリアスの白いバタは綺麗だが、マントンは縫い付けたのかなんなのか踊りにくそうで実際、落としそうになったりもあったし、ラメ生地の衣装も写真で見ると綺麗だけどビデオで見るとわかるようにキラキラしすぎなのと、スカートを高く持ち上げるので足の付け根まで見えてしまったりもあったり。力が入りすぎちゃったのかな、という感じ。歌(マヌエル・パハレス、フアン・デベル)もギター(マノリン・ガルシア)も普段から彼女が共演している人なのかな?特にプログラムにあったホセ・デル・カジに代わったフアンはサンルーカルの人だそうだけどカンシオンぽい歌い方が気になりました。サロメの踊りも先日のメルセデス・ルイスらとの舞台の時の方が良かったかも。次回に期待。