2025年8月2日土曜日

ラ・ウニオン2025/二日目アントニオ・レイ

 ガラ初日はアントニオ・レイのギターソロ。

2003年にこのフェスティバルのコンクールで優勝。それまで日本でも演奏するなどしていたもののスペインでも無名の存在だった彼が、ソロ演奏者として一歩踏み出すきっかけになったこの地にふたたびやって来て、休憩なしで2時間近くのリサイタルを立派に成し遂げました。

タランタにはじまり、セカンドギター、パルマ/コーラス、カホン、ベース、そしてフルートというグループも加わりルンバ、姉マラ・レイがカンテで加わりアレグリアスと、流れるように進んでいきます。

©︎ Festival Internacional de Cante de Las Minas

日本でもリサイタルを行っているから、知っている人は知っているだろうけど、とにかく超テクニック。いやいや、指何本あるの、右手左手2つずつあるんじゃないの、っていう感じ。
強いラスゲアード聴かせたとおもったらすぐに早弾き。
で超早弾きをしてもリズムが絶対に崩れない。きっちりしている。舞踊伴奏を長らくしていたことも関係あるのでしょう。ソロを弾くには歌や舞踊伴奏が必須、というけど、こういうことなんですね。
メンバーなしの全くのソロの時は、あ、ここでもう少しためがあったらもっと気持ちいいのに、と思うところもちょこちょこあったりしたのだけど、アレグリアスやタンゴなど、これ、絶対踊れる、と思わせるような、はっきりしたリズムが生き生きとしていて見事なものでした。サパテアードであのスピードについていくのはかなり難しいかもだけど。気持ちが上がります。

©︎ Festival Internacional de Cante de Las Minas

ホアキン・コルテスやアントニオ・カナーレスの音楽で活躍したフルートのフアン・パリージャとの掛け合いやソロも素晴らしかったです。彼は今年のコンクールの審査員でもあります。
ブレリアとかタンゴとか即興の掛け合いもあるという感じだったのだけど、本当に良かった。
反面,パルマやカホンはずーっと同じ調子でアクセントがなくて演奏にうねりが出てきにくい感じ。

©︎ Festival Internacional de Cante de Las Minas

アントニオのお父さんのトニもちょこっと出演したりして、アンコールではパコ・デ・ルシアにちなんで、『愛のうた』、アランフェス協奏曲、『スペイン』などをメドレーで。ポピュラーなものを選んで観客に楽しんでもらおうということなのでありましょう。

終演後は会場に向かう道に名前を刻んだ敷石がお披露目される、というイベントもあり、この日、カスティジェーテ・デ・オロという名誉賞を受賞したジェライ・コルテスも訪れていたのでした。

©︎ Festival Internacional de Cante de Las Minas


このあとは真夜中のフラメンコ公演が、エル・アルマセンというバーのパティオであり、地元ムルシアのアルカンタリージャの歌い手バスティアンが、アントニオ・ムニョスのギターで歌いました。四六時中歌いまくっているというフラメンコマニアみたいなおじさんで、次々に歌が出てくる出てくる。最後に、ゲストなのか、舞台に出てきた踊り手がフアン・オガージャなのでした。びっくり。



カディス出身で、クリスティーナ・オヨス舞踊団で長らく活躍した人で、聞けばムルシアの人と結婚して教室をしているとのこと。なのでセビージャ近辺ではあまり見かけなくなってしまったけど、まだ海外公演などもバリバリこなしているそう。そういえば、今年のヘレスのフェスティバルでも妹ピラールのカディスフラメンコ舞踊団でファルーカ踊ってましたね。まっすぐなフラメンコ、また観たいものです。



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