2019年3月1日金曜日

へレスのフェスティバル7日目その2 アンダルシア舞踊団『ナトゥラルメンテ・フラメンコ』

2月28日はアンダルシアの日。というわけでアンダルシア舞踊団の公演。

昨年までアンダルシア舞踊団監督を務めていたラファエル・エステベスが12月いっぱいで任期終了し、金銭や権利関係についての意見の食い違いから任期延長せず、何人かのダンサーとともに退団。急遽、リハーサル監督を募集し、任命されたのがウルスラ・ロペス。当初、エステベス作品を公演する予定だったのだけど、エステバス側が上演禁止といい、アンダルシア州側では自身に上演権はあると考えるものの、トラブルを避ける意味から急遽、新作を作ったのがこれ『ナトゥラルメンテ・フラメンコ』。
制作期間も少ない中、頑張って作ったわけであります。
振り付けに当たったのはウルスラと、元アンダルシア舞踊団監督、ルベン・オルモ。

全員によるロマンセ/ブレリア/ハレオで幕開け。
全員が正面向いて同じ振りという、スタジオでのレッスンみたいな振りが続く。これは全編通して多かった。
© Javier Fergo / Festival de Jerez”
ボルハ・コルテスのソロでファルーカ。黒バックに黒衣装、ってフラメンコでよくあるけど、これ、照明考えてくれないと見づらい。んで、最後の引っこみとか、まだ踊っているのにほぼ照明なくて、全然見えない。踊りは見てなんぼでございます。
© Javier Fergo / Festival de Jerez”
 サラ・バラス風、白い衣装で女たちのティエント/タンゴ。上級クラスの発表会的印象。
© Javier Fergo / Festival de Jerez”
 ルベン振り付けのシギリージャは、ウルスラと4人の男たちで。
© Javier Fergo / Festival de Jerez”

© Javier Fergo / Festival de Jerez”
白いバタ・デ・コーラの女性3人と、トラへ・コルトの男性3人でのカーニャ。
© Javier Fergo / Festival de Jerez”
最初のポーズは綺麗だったし、白い衣装はそれだけで華やか。でも最後、アバンドラオになるのはロンダつながり?いやいや。
© Javier Fergo / Festival de Jerez”
 ウルスラのソロはコルドバのアレグリアスとプログラムにあるのだけど、ホタ合唱に始まり、アルベニスの曲が入ったり、のよくわからない音楽構成。
でせっかくのバタ・デ・コーラも、半分以上抱えて踊るって、いったいどうしちゃったんだろう。裁断のせいか、カンカンつけすぎで重いせいか、蹴り上げてもうまく舞わないし。なんか残念。
© Javier Fergo / Festival de Jerez”
 最後は、モロンの民族舞踊で華やかに。ディエゴ・デル・ガストールぽいフレーズが装着されてる。これもルベン・オルモの振り付け。
© Javier Fergo / Festival de Jerez”

© Javier Fergo / Festival de Jerez”

フラメンコだけで、華やかな舞台づくりを志したのはいいと思う。でも時間が少ないから、というのは考慮に入れるにしても、もう少し、振り付けもダンサーもクオリティあげてほしい、というのが正直なところ。
考えてみれば、ルベンは自分の舞踊団持っていたこともあるし、アンダルシア舞踊団の監督もしてるから、振り付けの経験豊富だけど、ウルスラはアンダルシア舞踊団でもスペイン国立バレエ団時代でも、踊り手であって振付家ではない。妹タマラとレオノール・レアルとの公演などもあったけど、群舞はなかった。なので、仕方ないのかなあ。
振付家であるラトーレはフェスティバルのクルシージョの生徒たちと1週間で一つ振り付けしちゃうけどね。

あと、ラファエラ・カラスコ監督時代のような、アナ・モラーレスやウーゴ・ロペスのような、ソリストがいるだけで舞台が引き締まるはずだけど、団員はオーディションで決まるし、応募がないのかなあ。若い人に経験を、という意味ではいいのか?いやでもなあ、アンダルシアの名前背負っていくならやっぱもう少しレベルがほしい。

初演だし、これからもっといい作品になっていくことを、もっといい舞踊団になっていくことを祈ります。はあ。。

ビデオはこちら

なお、この日は13時からボデガでアナ・サラサールやイニエスタ・コルテス、アンヘレス・ガバルドンらによる『フラメンコ・キッチン』の公演も。
これ面白かったようで、見れず残念。
© Javier Fergo / Festival de Jerez”
© Javier Fergo / Festival de Jerez”

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