2011年2月19日土曜日

トリポラール

アンダルシア政府主宰のフラメンコ公演シリーズ、
フラメンコ・ビエネ・デル・スール。
今年で14年目!となるこのシリーズの幕開きを飾ったのは
クロエ・ブルールとマルコ・バルガスの舞踊コンビに
歌い手フアン・ホセ・アマドールが加わった作品
「トリポラール」

セビージャ、セントラル劇場。
客席に入ると舞台は裸のまま。
つまり袖幕も奥のホリゾントも
なーんにもない舞台で
奥にはつかわれてない照明機材が並んでいる。

客席がくらくなってもそれは変わらず
キャットウォークというのか、
舞台の上の回廊を懐中電灯片手に歩く人影が
舞台の上に箱を落として行く

箱 箱 箱 箱 箱
やがて舞台に現れたマルコとクロエは
箱をあちらこちらに移動する


マルコとクロエは
フラメンコ+コンテンポラリーな作品をいっしょに発表し続けている。
今回もオープニングはコンテンポラリー
フラメンコ的な動きもあまりつかわず
で、観客の頭に?が浮かぶ頃
フアン・ホセが現れても、最初はベッドに寝ているだけで
そのまわりを小鬼のような二人が飛び回るだけ

がそのフアン・ホセが起きると
一気に舞台をフラメンコに染める
録音のルンバにはじまり
歌い弾き踊り
(ギタリストの物真似は抱腹絶倒もの)
芝居する

二人ともいい踊り手だし
彼らのインキエトゥー、
ひとところにおちつかず次々と新しい試みにトライする精神も
大好きなのだが
うーん 今回は私と波長があわなかったような。
伝わってくるものがなにもない
これは受け手であるこっち側の問題?

コンテンポラリーもいい
でもコンテンポラリーの専門家にはかなわない
その、コンテンポラリー風を長々と見せられるのはかなわない。
なにを伝えたいのだろう

いやそんなことはわからなくても
とにかく酔える舞台ならそれもいい
が今回はそうでなかった。少なくとも私には。

二人がひとつの身体であるかのように
お互いの身体を叩きあい
パズルのように組み、解いて、踊るのは面白い
でもそれは遊びの域をでない

もう一歩前進! 
がほしいと思ってしまうのは私だけなのだろうか

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