初日の講演の後は皆で食事。その後、レストランで本のプレゼンテーション。
初日はこのフェスティバルの監督である、ホセ・ルイス・オルティス・ヌエボの最新作『トレメンド・アソンブロ』。1790年から1850年にかけてのキューバでの、フラメンコに関する記録を集めたもの。
と言ってもここでいうフラメンコは、フラメンコがフラメンコとして成り立つ以前の、フラメンコ的なものの記録でもある。
スペインでは、刃傷沙汰か上流社会との何かがない限り、ほぼ報道されることがなかった、成立前後のフラメンコの様子は、スペイン本土を遠く離れた、植民地だったキューバでは細かく報道されており、それがフラメンコを知る上でかけがえのない資料となっているという次第。読むのが楽しみ。
スーシ・ゴンサレスという女優の一人語りに歌い手、ラウラ・ビタルの歌とエドゥアルド・レボジャールのギターが絡むというもの。
歌われるのはもちろんパストーラのレパートリー。
語りはパストーラの伝記を参考にしていると思われるが、これじゃ、彼女のこと、何もわからないんじゃ? という感じ。まずはパストーラがすごい歌手だったことをきちんと伝えてから、エピソードに行かないとダメじゃないかな、などと思う。
ラウラは幅広いレパートリーを熱唱するだけでなく、ちょっと踊ったりもするのだが、うーん、これじゃ、語り入りのリサイタルの方が良かったかも。
21時からは高校の校庭の特設舞台でホセ・ルイス・オルティス・ヌエボとルイサ・パリシオ『クアトロ・ノーチェス・イ・ウン・アマネセル』
2008年のビエナルで初演した作品。
横暴で残虐な王様が、愛に目覚めるという話。
マラガ県エステポナ生まれのルイサ・パリシオの踊りが見事の一言。
舞台に出てくるだけで、気品があって、美しく、あたりを圧倒する。
小物使いも、体使いも一流で、朝のヘネシスの講演を思い出す。
女性の自由と尊厳を体現するかのような舞。
アバニコでのグアヒーラ、
バタ・デ・コーラでのペテネーラ。
ソレア。
そしてマントンを使ったアレグリアス。
どれを取っても文句のない、素晴らしい踊りだった。
踊りの中に入っていく、というのか、演技が自然で、目線ひとつで表現する。
終演後、話すと、リハーサルもなく、出入りもちゃんと決まってなかったそうだけど、いえいえ、そんなことは感じさせない出来でありました。
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