2010年2月28日日曜日

ヘレス・フェスティバル1 アンダルシア舞踊団

第14回ヘレス・フェスティバル初日


上演の前にヘレス・フェスティバル監督イサマイ・ベナベンテが
このフェスティバルを先日夭折したフェルナンド・テレモートに
と語り、劇場は拍手につつまれた。


初日の公演は
クリスティーナ・オヨス率いるアンダルシア舞踊団
「ポエマ・デ・カンテ・ホンド・エン・カフェ・デ・チニータス」

スペインを代表する詩人ガルシア・ロルカの
詩集「ポエマ・デ・カンテ・ホンド(カンテ・ホンドの詩)」と
彼が採集した
「カンシオネス・ポプラレス・アンティグアス」
をミックスして舞台に登場させたもの。



スペインでも有数の演出家ホセ・ルイス・プラサが脚本/演出
ステンドグラスを模した背景に移動する小さな舞台という豪華なセットに
華やかな衣装
16人の踊り手、3人の歌い手にギタリスト
シンプルな作品が主流である今
こんな大掛かりな作品はめずらしい。

ロルカを舞台に取り上げたフラメンコたちは多い。
アントニオ・ガデス、マリオ・マジャ、カルメン・リナーレス、
カルメン・コルテス、アントニオ・カナーレス…
最近ではホセ・アントニオ「カフェ・デ・チニータス」(スペイン国立バレエ団)
そしてラファエラ・カラスコ「バモス・アル・ティロテオ」
それぞれが皆、自分のロルカを探した。
が、ここにあるのはつかいふるされた典型的なイメージ。
パラーラ緑の長いコーラをひき
カフェ・デ・チニータスでは闘牛士の衣装をまとう、
と歌詞をそのまま形にしているだけ。
そこにクリエーションはない。
あるイメージをなぞるだけだ。

しょっぱなからコンパスを外し
肩が前にでているおかしな姿勢の踊り手たちに驚かされた。
それも中盤舞台に登場したクリスティーナ・オヨスをみて納得
年齢のせいだろうか、以前患った病気のせいだろうか
彼女の肩が前屈みのようになっていて
胸をひらいて腕を後ろにやることができないのだ。
それを手本とする若手の姿勢がおかしくなるのも当然だろう。
かつてガデスとの共演ですばらしい舞台の数々をみせてくれたオヨスだが
あのかつての素晴らしさは遠い昔の出来事になってしまったようだ。
瞬間にかつての残り香が感じられることはあったとしても。


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