2016年9月20日火曜日

アンダルシア舞踊団「ティエラ・ロルカ。カンシオネロ・ポプラル」

毎年夏、アルハンブラのヘラリフェ庭園にある野外劇場で行われている公演「ロルカとグラナダ」として、今年の夏、グラナダで上演されていた公演「ティエラ・ロルカ」。ロルカが採集したポピュラーソングをテーマにした作品。

上下2段、10のパネルに次々と映し出されるのは、ロルカ風のイラストレーションとガルシア・ロルカゆかりの写真。
その後ろでシルエットで浮かび上がった踊り手たちが前にでて見事な群舞をみせるオープニング。

「ソロンゴ」を、ヘマ・カバジェーロが美しいソプラノで歌い、それをパブロ・スアレスのピアノがサポートする。水玉がまばらについた白い衣装のラファエラが、アルヘンティニータの写真とともに踊る。その細やかな女性らしい動きの美しさ。
Archivo Fotográfico La Bienal de Flamenco. Fotógrafo Óscar Romero.
「アンダ・ハレオ」はペテネーラのリズムでアントニオ・カンポスが歌う。黒いバタ・デ・コーラのアナ・モラーレスが踊る。バタさばきの美しさ。身体遣いのみごとさ。

「トリノ・イ・プア」は男装の女性と男性たちの群舞でみせる。
Archivo Fotográfico La Bienal de Flamenco. Fotógrafo Óscar Romero.
 ヘマが歌う「ロス・クアトロ・ムレーロス」4人のラバ飼い、美しいマントンさばきをみせるのはラファエラ。

Archivo Fotográfico La Bienal de Flamenco. Fotógrafo Óscar Romero.
基本の技術はマティルデ・コラル的なもので、ブランカ・デル・レイのような、頭にかぶったりスカート的につかったりはせずシンプルにみせる。

Archivo Fotográfico La Bienal de Flamenco. Fotógrafo Óscar Romero.
そこにでてきたダビ・コリアが加わり、マントンを絆のようにつかったパレハとなる。

Archivo Fotográfico La Bienal de Flamenco. Fotógrafo Óscar Romero.

ダビがマントンを動かす時は女性風ではなく、男性的な動きでするのがいい。
ダビがそのまま残りファルーカ。ヘスース・トーレスのオリジナル曲で、さまざまなファルーカの要素を取り込んでつくりあげたファルーカ。ダビは立っているだけでオレ!といいたくなるほど姿勢がいい。スペイン舞踊的な美しさとフラメンコ的な味わいが同居する。

グラナダのタンゴは残ばらが身の群舞が一人ずつソロを取り、「カフェ・デ・チニータス」ではウーゴ・ロペス、アルベルト・セジェス、エドゥアルド・レアルがブレリアでみせる。

「ラス・モリージャス・デ・ハエン」、ハエンのモーロ娘たちは、ラファエラがアバニコで踊る。

ロルカとアルヘンティニータのオリジナル録音で「ソネス・デ・アストゥリアス」。アストゥリアス地方の歌はカスタネットを使って。穴とダビがパレハでちょっと踊るところの美しさ!きちんと勉強して経験をつんできた人だけがもつ風格。

 最後は「グラナダのファンダンゴ」を全員ではなやかに。

パレハの「ロス・クアトロ・ムレーロス」など、ラファエラの旧作「バモス・ア・ティロテオ」でのモチーフもあったが、それもブラッシュアップ、パワーアップされており、満足満足。なんとも美しいフラメンコだ。


こうしてラファエラ・カラスコ監督のアンダルシア舞踊団の最終公演はおわった。
次の監督も公募で決定されるとのことだ。




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