2016年3月2日水曜日

ヘレスのフェスティバル12日目/ヘスース・カルモナ「インペトゥス」


Foto Javier Fergo para Festival de Jerez
いやいや、びっくりした。
なんといっても作品中盤のブレリア。
抜群のセンスで、次々と違う振りでマルカールしてレマタールする。
その回転の美しさ。呼吸のよさ。
スペイン舞踊系とでもいうか、クラシックバレエの基礎をもち、コンセルバトリオでしっかり学んできた、スペイン国立バレエにいるダンサーのようなタイプは、スペイン舞踊はきれいに踊るが、フラメンコはちょっと苦手というか、フラメンコの強さや呼吸を表現するのがあまり上手じゃないという印象があるのだが(もちろんそうでない人もいます)、彼は完璧なテクニックでフラメンコを巧みに表現しているのである。いやあ、すごい。
高速サパテアード、ただ回数を回るというだけでなく一つ一つの回転にニュアンスをつけていくような感じ。抜きもうまいし、いやあほんとに脱帽でございます。

オープニングはアルベニスのアストゥリアス。照明の効果で手品のように人が現れては消えて行く。面白い演出だし、何より美しい。

Foto Javier Fergo para Festival de Jerez

リケーニタランタ、そしてタンゴ。タンゴの群舞は忙しいというかせわしないというか、次々に繰り出される動きにちょっとめまいがする。止まることも必要だと思うのだけど?
タイトルにもなっている「インペトゥ」マリオ・エスクデーロの名曲でタマラ・ロペスとフェルナンド・ヒメネスが踊ったこの場面も、続くヘスースのブレリアとともにこの夜の頂点。バレエのような動きのタマラとフラメンコなフェルナンド。これこそクラシコ・エスパニョールの再構築、再創造である。昔風のスペイン舞踊をそのまま踊るわけではなく、だが、そのエッセンスや品格を失うことなく現代のテクニックで美しくよみがえらせたという感じ。
Foto Javier Fergo para Festival de Jerez

マリアーナ、ファンダンゴ、そしてヘスースのシギリージャ。
Foto Javier Fergo para Festival de Jerez

最後はカーニャ。

一人で歌い上げたフアン・ホセ・アマドールにも脱帽である。

Foto Javier Fergo para Festival de Jerez

この写真、一番左のフェルナンドは初日のエバ、先日のロシオ・モリーナとすごい公演で脇をしっかり支えているなあ。。。
すごいダンサーがいるものであります。


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