2014年10月6日月曜日

閉幕ガラ「エル・カンテ・セ・エスクリベ・コン・エレ」

ビエナル閉幕ガラはレブリハーノが主役。
これまでの歌い手人生をふりかえるコンサート。
タイトルの「エル・カンテ・エスクリベ・コン・エレ」は1978年発表の彼のアルバム。
彼がレブリーハ郊外を歩くビデオにはじまり

彼のルーツをイメージした“ファミリア”のシーンでは
イネス・バカンのロマンセ風ソレアと
カルメン・レデスマが 踊るトマス・ペラーテのカンティーニャ/アレグリアス。
レブリーハの土着のカンテで彼が育った風土を知らせる。
イネスのあったかみとトマスのフラメンコな声。
フラメンコの大地を感じさせる。

レブリハーノ自身もソレアとシギリージャを
甥ペドロ・マリア・ペーニャの伴奏で歌い上げる。
深い知識を感じさせる堂々のカンテ。

Bienal-A.Acedo
レブリハーノといえばその名の通り1941年レブリーハのフラメンコ名門に生まれ
若くしてタブラオやガデス舞踊団などで歌い、
レコード録音。
ホセ・メネセやカマロンらのちょっと前の世代で
42年生まれのエンリケ・モレンテと同世代。
ニーニョ・リカルドやパコ・デ・ルシアとの録音もあり
フェスティバルのスターだった重鎮。
数年前に大病を患い、復帰もあやぶまれたが
こうして元気な姿を、カンテをきけてうれしい。

甥ドランテスのピアノをはさみ
ピアノ伴奏でホセ・バレンシアが
アルバム「パラブラ・デ・ディオス・ア・ウン・ヒターノ」(1972年)の
ブレリア「 ビエンアベントゥランサ」を熱唱。
こうしてみるとホセの歌い方はレブリハーノの影響もあるのかもしれない。

ジプシー迫害の歴史を歌ったアルバム「ペルセクシオン」(1976年) から
「リブレス・コモ・アイレ」をフアン・ホセ・アマドールが歌い上げる。
フラメンコ・ミュージカル的なこの作品。なつかしい。
そこでカルペータ登場。
ファルーコの娘ファルーカの三男坊は1998年生まれだから16歳。
こどもではなくもうおとな。
颯爽と踊りだしたのはよかったが、
今回のように決まった曲で踊るという機会はあまりなかったのだろう。
少しやりにくそう、というか、勝手が違う感じ。
同じパソが何度もでてくるし、
舞台でのいかたや歩き方などまだ課題はある。
きっとだんだん解決して兄たちをおぼやかす存在になってくれるだろう。


同じアルバムから「ミ・コンデナ」はレブリハーノが歌い、
そのまま1999年の「ラグリマス・デ・セラ」
そしてモロッコのオルケスタ・アンダルシと共演し
大ヒットしたアルバム「エンクエントロ」(1983年)から
「ダメ・ラ・リベルタ」を
ウード/アラブ語ボーカル、バイオリン、カーヌーン(アラブ琴)、
パーカッションを加えて。
Bienal A.Acedo

アラブ風フラメンコもレブリハーノの代表作で
その後「カサブランカ」をもリリースした。

最後はディエゴ・カラスコがギターを手に登場。
「サ・ケ・テ・キエロ・ベル・バイラール」を歌う。
よくブレリアやフィン・デ・フィエスタなどで歌われるこのオリジナルが
レブリハーノだったのだそうだ。
レブリハーノが踊る。
カルペータが、カルメンが踊る。
全員でのフィン・デ・フィエスタは最後
まとまりなくカオスで終わってしまったのが残念だけど
こうしてビエナルは幕を閉じたのでした。




 

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