2011年8月23日火曜日

新人公演雑感 その2

今回みせていただいた新人公演。
えらそうにちょっと総評。

日本でこんなにたくさんの人たちが
毎日一生けん命
フラメンコを続けてる
ってのを改めて感じて
とってもうれしかった。


けど
フラメンコの基本だと、私が思う、
各曲種の性格を理解し表現する
ということができていなかった人が多々あったり
コンパス自体に問題があったり
という人もいたのは非常に残念。
あともっと古いものを
たくさんきいてみてしてほしい。
自分が踊る、歌う、弾く上で
これはあんな感じで
とイメージすることはマイナスにはならないんじゃないかと思うよ。

フラメンコの魅力のひとつは
その曲種の豊富さにある。
バラエティにとんださまざまな曲種。
大きくわければ
シギリージャやソレアのようなシリアスな曲
アレグリアスやブレリアのような明るい曲
南米風、コロニアルチックな明るい雰囲気のグアヒーラ、
炭鉱の悲しみを歌った歌詞が多く暗い雰囲気のタラント
振り付けももちろんだが
それぞれにあった衣装や髪というのもマスト、じゃないかと思うんだけど
どうなんだろう。
今はなんでもあり?
いやいや壊すためにはまず熟知から、でしょう
と私は思うんだけどね。

踊り手としての基本のテクニックであろう、
ブエルタやブラソ、
体全体のコーディネートが
きちんとできてない人もいたのは非常に残念。

って踊りからはじめちゃったけど
ギターでも
ファルセータだけでなく
もっと曲としての構成まで考えてほしかった気がするし
(スペインでもギターのコンクールでは作曲者としての能力まで試されてしまうことについては
論議があり、ハビエル・コンデのように先駆者の名曲を弾いて
コンクールに出場し受賞したものもある。
これはコンクールのルールに明記すればいいわけだよね)
カンテでは
発音、音程、節回し。声作りすぎるのもどうかと思う。
好きで気持ちが入ってる歌いっぷりは好ましいが
音程外れでコンパス無視だとやっぱきつい。

舞踊では
サリーダもなく突然カンテからはじまっちゃうってのは
制限時間のせいかな?
あと舞台の中心で後ろ向いてサス、ではじまる振り付けが多かったのは流行?
流行おうのもいいけど
伝統しっかりやるのも今かえって新しいかもって気もする。

今回最も印象的だったのはそっくりさんの二人。
奨励賞をとった黒田さんや話題賞の秋山さんのように
大好きなファルキートやイスラエル・ガルバンをとことんおうのもありだとは思うけど
今のままでは結局コピーにしかみえない。
いやコピーだって難しいしあんだけできればいいともいえるんだけど、
黒田さんでいえば私が思うファルキートの一番の長所、特徴である
歌をきいてそれに感応して踊るところがあまり感じられなかったのは残念。
ファルキートみたいだけどファルキートよりも回転が速くてきれい、
とかいわれるくらいにまでなってほしい、と思う。
パコより早いダビ・セルドゥエラみたいにね。
あ、舞台全体を大きくつかってたのはいいね。
秋山さんの微妙な呼吸をうまくとっているとこにはオレ!もでちゃったんだけど
同じ振りを繰り返すのではなく、
イスラの振りを換骨奪胎し自分のなにかがふりかけられたら
もっともっとすごいなにかがおこりそうな気がする。
ま、なんでも最初はコピーから。
二人とも今後の展開に期待しちゃうぞ。

賞からもれた中にも普通にうまい人はたくさんいて
日本のフラメンコの底力、感じさせる。

がんばれ日本のフラメンコ。

0 件のコメント:

コメントを投稿