2010年1月30日土曜日

エステベス/モネータ


セビージャの木曜恒例フエベス・フラメンコ。
エステベス/モネータ
ウエルバ出身の若手舞踊家/振付家ラファエル・エステベスと
グラナダを代表する若手舞踊家ラ・モネータの二人舞台。
写真のアレグリアスにはじまりトナー
モネータのシギリージャ
ラファのグラナイーナ/マラゲーニャ
モネータの黒いのバタ・デ・コーラでのグラナイーナ
(絶品。ただしバタが重さがたりないのか生地のせいか
テクニックはちゃんとしてるのにうまく舞ってくれなかったりは残念)

二人でのタンゴ
モネータのティエントス
そして二人でのソレアレス/コリードス(ロマンセ)

ムイ・ムイ・フラメンコな舞台でありました。
モネータ、ここんとこまたすごくいい!
天性の目力、テンペラメントが
確実なテクニックで花開いている、とでもいいましょうか。
むっちゃフラメンカ!
思わずオレ!と叫ばずにはいられませぬ

ラファは知らない人がみたらイスラエルの影響?
とか思うかもしれないけど
実はイスラはそれほどみてない人なので
古いフラメンコをつきつめていくと同じような表現になる
ってことなのかもしれませぬ
あと本人は絶対否定するだろーけど
ちょっとカナーレスも思い出した
迫力? 存在感? 強さ?

でもほんと
若手がどんどんがんばってくれているのはうれしい限りです

あ、前日の座談会で
ラファが昔マノロ・マリンのアカデミアで代教だった
カルロスの名前をだしたのはすごくうれしかった
知ってる人は知っている
ダスティン・ホフマン似の彼に習った日本人は数多いはず。。。




2010年1月29日金曜日


スペインを代表する詩人/劇作家の一人で
フラメンコとの関わりも深いフェデリコ・ガルシア・ロルカ。
スペイン市民戦争時に暗殺されたこの詩人の作品は
「血の婚礼」「イエルマ」「ベルナルダ・アルバの家」などのように
フラメンコ・アーティストに取り上げられることも多い。

そのロルカが友人で、詩人で闘牛士のイグナシオ・サンチェス・メヒーアスの死を悼んだ
「イグナシオ・サンチェス・メヒーアスを嘆く」
をエンリケ・モレンテが歌ったアルバムが発表されました。

グラナダはフエンテ・バケーロスにあるロルカの生家博物館のみにての販売ですが
iTunesストアでも販売予定とか。

ロルカと同じグラナダ出身ということもあってか
モレンテはこれまでにもロルカのいくつかの作品を歌っており
そのものずばりの「ロルカ」というタイトルのアルバムもあるほどです

2010年1月28日木曜日

若き才能たち

1月26日、フラメンコラジオの主催で
若い歌い手のライブ録音があるということでセビージャの某所に行って参りました。
食事会のあと、公演。
まずは正統派カンテのメッカ、プエブラ・デ・カサージャ出身の“ジージャ”が登場。
フェルナンド・ロドリゲスの伴奏でまずはマラゲーニャ。
これがなかなかよかったのですが、マラゲーニャはレトラ一個だけでアバンドラオ。
うーん。もいっこ歌ってほしかった。
後、シギリージャ、ソレア・ポル・ブレリアなどいろいろたっぷり聴かせてくれたのですが
うーん。テンポがいずれもゆっくりすぎで、わりと一本調子。
いろいろと勉強はしてそうなんだけど、ね。
顔もつくりすぎ、かな。

その後、マヌエル・タニェとルビオ・デ・ポルクーナ。
こちらはさすがにプロの貫禄。
踊り伴唱をしてるアルティスタはコンパスがしっかりしてるので聴いていて気持ちいい。

最後に登場したのはウエルバはパロ・デ・フロンテーラの13歳の女の子。
ベアトリス・ロメーロ。
いやー、この子がうまかったです。アルカンヘルの生徒?なのかな。
とても13歳とは思えないほどの巧さ。
このままいくとすごいことになりそーな。
はい。順調に育ってほしいもんです。

2010年1月26日火曜日

カルロス・アルベロ追悼

アンダルシアの放送局、カナルスールで長らくフラメンコを担当し
現在、カナルフラメンコラジオ所属のベテラン・ジャーナリストで写真家の
カルロス・アルベロが1月25日夜、亡くなったそうです。67歳。

アルゼンチン出身。独裁政権をのがれやってきたスペインでフラメンコを愛し
1985年頃からフラメンコの写真を撮り始めた。
アンダルシア州の放送局として誕生したカナルスールでは
ラジオ、テレビでフラメンコを担当。
著書に写真集「マティセス・フラメンコス」
「フラメンコ写真の歴史」
「グラナダ/フラメンカ」などがある。

つい先頃まで記者会見や公演などで見かけていたのに。
急な病気だったようだ。冥福を祈ります。

第20回クルソ・フラメンコ 2010




ギタリスト、ヘラルド・ヌニェスとバイラオーラ、カルメン・コルテス夫妻が
カディス県はグアダルキビル川、河口の町、サンルーカル・デ・バラメーダで主催する
フラメンコのクルシージョ、クルソ・フラメンコが今年も開催されます。

ふだんはマドリード郊外住まいですが、サンルーカルの町に別荘をもつ二人が
なかなか来れないなら仕事にしてしまおう、ということではじめたこのクルシージョも
今年で20周年を迎えます。

毎年、世界中から、初心者からプロまでたくさんの生徒が集まってくるこのクラス、
7月12日から17日まで、バイレやギター、パーカッションにカンテ、カンテ伴奏と
それぞれのジャンルのクラスに加え、
夜はミニコンサートや、生徒たちの参加するコンサート/フィエスタなど催しも盛り沢山。
昼間習ったパソを夜披露することもできるという参加型がとってもうれしい。
普通のクルシージョとひと味もふた味もちがう、ファミリーな雰囲気が特徴。
クラスの合間に海岸へ行くことも可能とあってバケーション気分も楽しめます。

シェリー酒の一種、マンサニージャの故郷だけに
おいしいタパのバルやレストランがたくさんある町だし
お楽しみはさまざま。
一度行くとまた行きたくなることうけあいです。


2010年1月25日月曜日

ノーチェ・ブランカ・デル・フラメンコ

コルドバというと今年で30周年を迎える,7月のギターフェスティバル
3年ごとに開催されるプレミオ・ナショナルのコンクール
(これまでは5月だったが今年は秋の開催)が有名ですが
もうひとつ3年前からはじまった大きな催しがあります。
それが“ノーチェ・ブランカ・デル・フラメンコ”。
直訳すればフラメンコの白夜、というタイトル通り、
一晩中フラメンコの公演が繰り広げられるというもの。


その今年の出演者の一部が下記の通り発表されました。


◆第3回ノーチェ・ブランカ・デル・フラメンコ
619(土)22時〜翌朝7
[出]〈c〉エンリケ・モレンテ
[場]コルドバ テンディージャス広場
[出]〈c〉エル・カブレーロ
[場]コルドバ アセルキア劇場
[出]〈c〉ニーニャ・パストーリ、マヌエル・ロンボ、ピティンゴ
[場]コルドバ レプブリカ・アルヘンティーナ通り
[出]〈c〉エル・ペレ
[場]コルドバ コレデーラ広場
[出]〈ピアノ〉ドランテス
[場]コルドバ オレンジの中庭


ほかにも、コルドバのコンクールへのオマージュ公演がアルカサルで行われたり、
市内各所で催しが満載の予定です。


なおまだオフィシャルウエブには予定が掲載されていませんが、去年の様子のレポートなどがありますよん。




2010年1月23日土曜日

ラ・スーシ!



1月21日、セビージャのカハソル文化センターでの木曜恒例
フエベス・フラメンコの出演はラ・スーシ。

マヌエラ・カラスコの夫であるギタリスト、ホアキン・アマドールの妹。
ベテランだがおごらず真摯にカンテに取り組む一人。

2010年1月21日木曜日

ビエナルのポスター発表



1月21日、セビージャ市役所において市長列席のもと、
今年の秋のビエナルのポスターが発表されました。

セビージャのグラフィティのアーティスト4人による共同制作によるもので
原画の4つの円をひとつにしたというオリジナルなデザイン。
やわらかな色彩でごちゃごちゃなのにバックが白でシンプル。。。
不思議な感じです。


会場にはイサベル・バジョン、メルセデス・ルイス、ラ・モネータ、ペパ・モンテス、アントニオ・カンポ、ホセ・デ・ラ・トマサ、ラファエル・カンパージョら多くのアルティスタの顔もみえました。

プログラムの発表はまだですが、彼らが出演するのかな?






2010年1月20日水曜日

第18回カハ・マドリード・フラメンコ祭

第18回カハ・マドリード・フラメンコ祭のプログラムが発表されました。
これまでの会場だったアルベニス劇場が閉鎖されたため
シルコ・プリセが会場となります。
プログラムは下記の通り。

2/15(月)21時
[出]〈c〉カルメン・リナーレス(伴奏〈g〉サルバドル・グティエレス、エドゥアルド・パチェコ)、ビセンテ・ソト(伴奏〈g〉ペペ・デル・モラオ、マヌエル・バレンシアほか)
2/16(火)21時
[出]〈g〉エンリケ・デ・メルチョール(〈b〉アルフォンソ・ロサほか)、〈c〉マイテ・マルティン(伴奏〈g〉フアン・ラモン・カロ)
2/17(水)21時
[出]〈b〉トニ・エル・ペラオ、ラ・ウチ、〈g〉ディエゴ・エル・シガーラ
2/19(金)21時
[出]〈c〉アルカンヘル(伴奏〈g〉ミゲル・アンヘル・コルテスほか(、〈ピアノ〉ドランテス(〈b〉ホアキン・グリロ)
2/20(土)21時
[出]〈c〉エンリケ・モレンテ




入場券はこちらで入手可能です。

ニーニョ・デ・ウエルタ全録音

オペラ・フラメンカ時代の人気歌手でファンダンゴの名手として知られる
ニーニョ・デ・ウエルタの全録音が4枚のCDに復刻された。

これはニーニョ・デ・ウエルタの出身地である
セビージャ県ローラ・デル・リオのペーニャ“エル・ラウレル”の企画/制作によるもので
企画から3年かけて実現したもの。

SP収集家のコレクションからSPの全録音を集めただけでなく
ニュース映画に収録された曲をも復刻している。
彼の人生などにふれた小冊子付きで20ユーロで、ぺーニャで販売しているという。
冊子は遺族から借りるなどした写真も豊富。
ファンダンゴだけでなく、ソレア、シギリージャ、ミロンガ、グライーナなどもある。
でもやっぱり多いのはファンダンゴ。

写真はこの企画をバックアップしたアンダルシアフラメンコ振興公社での記者会見。


2010年1月18日月曜日

ホセ・エレディア・マジャ逝く

ホセ・エレディア・マジャ。

グラナダのヒターノ詩人で、グラナダ大学教授。
マリオ・マジャの作品「カメラモス・ナケラール(私たちは話したい)」
エンリケ・モレンテらが出演した「マカマ・ホンダ」などの原作者。
1997年には福者(聖人の次の段階)となったヒターノ、
セフェリーノ・ヒメネス・マジャに捧げる「ウン・ヒターノ・デ・レイ」も発表している。

その彼が1月16日、病で亡くなった。

1947年1月2日グラナダの南、アルブニェラ生まれ。
こどものときから詩を書き始め、教育学、ジプシー文学を学び、
スペイン初の、ヒターノの大学教授となった。

冥福を祈る。

2010年1月17日日曜日

カハソルのフエベス・フラメンコ

1月14日イサベル・バジョンの公演にはじまった、
セビージャの銀行カハソル主催のフラメンコ公演シリーズ
フエベス・フラメンコも今年で10年目とか。
かつてはエル・モンテとよばれていましたが、銀行合併によりカハソルとなって3年。

セビージャの中心地区にある文化センターのホアキン・トゥリーナ・ホールは
おそらく収容人員350名くらいの小劇場。
舞台の奥行きもそれほどなく、公演に最適の環境とは必ずしもいえないのですが、
プログラムを組む、元ビエナル監督、マヌエル・エレーラの人柄からか、
ベテランから若手まで一流のアルティスタたちが出演。
素晴らしい舞台をみせてくれます。

これまでの公演で印象を強く残した人には
いつまでも弾き続けたかったウエルバのギタリスト、ニーニョ・ミゲルや
病から立ち直り、美しいリサイタルを聴かせたラファエル・リケーニがいます。
ほかにもチョコラーテやカレーテ、ペラオらベテランも
すばらしい舞台をみせてくれました。

これからのプログラムを書いておきましょう。
今年も若手ベテラン中堅と、フラメンコ三昧ができそうです。

1/21 〈c〉ラ・スーシ、〈g〉アルフレド・ラゴス、ホセ・ルイス・ロドリゲス
1/28 〈b〉ラファエル・エステベス、ラ・モネータ、〈c〉エル・ガジ、ミゲル・レビ、〈g〉 ミゲル・イグレシアス、パコ・イグレシアスほか
2/4  〈c〉エル・ペレ、〈g〉パトロシニオ・イーホ
2/11 〈b〉アンドレス・マリン、〈g〉セグンド/ファルコン、ホセ・バレンシア、〈g〉サルバドール・グティエレスほか
2/25 〈c〉ラ・マカニータ、〈g〉マヌエル・フェルナンデスほか
3/4  〈b〉マヌエラ・リオス、〈g〉ラファエル・ロドリゲス、〈c〉アントニオ・カンポス、モイ・デ・モロン、ルビオ・デ・プルーナ
3/11 〈b〉コンチャ・ハレーニョ、〈g〉フラビオ・ロドリゲス、〈c〉ダビ・バスケス、ヘマ・カバジェーロほか
3/18 〈g〉ミゲル・アンヘル・コルテス、ニーニョ・マルティンほか
4/8  〈b〉ミラグロス・メンヒバル、〈c〉パコ・タラント
4/15 〈b〉ベレン・マジャ、オルガ・ペリセ
5/13 〈b〉アデラ・カンパージョ、〈c〉ホセ・バレンシア、へロモ・セグーラ、ハビエル・リベラほか
5/27 〈c〉アントニオ・カンポス、ネネ・デ・サンタ・フェ、〈g〉ダニエル・メンデス、パコ・コルテス
夏休み
10/28〈c〉ティナ・パボン、ミゲル・オルテガ
11/11〈g〉ホセ・アントニオ・ロドリゲスほか
11/25〈g〉マヌエル・デ・ラ・ルスほか
12/2 〈c〉カリスト・サンチェス、〈g〉マノロ・フランコ
12/16〈c〉ダビ・ラゴス、メルチョーラ・オルテガ、〈g〉アルフレド・ラゴス
12/23〈b〉イスラエル・ガルバン

2010年1月16日土曜日

ラファエル・ロメーロ百周年



ラファエル・ロメーロ“ エル・ガジーナ”

古いカンテを熟知し、味わい深い声をもつカンタオール。
ヘレス生まれのギタリスト、ペリーコ・デル・ルナールが編集した、
カンテの聖書とでもいうべきアルバム「アントロヒア・デ・カンテ・フラメンコ」
通称 ペリーコのアンソロジー
にも参加して、カーニャやミラブラ、トナーなどを歌っている。

若き日は1955年のフラメンコ舞踊団の一員として来日した彼だが、

1988年、来日しカンテソロのリサイタルを行った。
カンテソロのリサイタルのためだけにスペインから招聘された
初めてのアルティスタ。

その模様を録音したCDやビデオが発売され、
フラメンコは舞踊だけでなく、
カンテもほんとうにいいもんだ、
と日本のフラメンコ・ファンに印象づける結果となったこの公演が
その後の日本のカンテの隆盛のきっかけになったに違いない。

その影にあった、堀越画伯やエンリケ坂井さん、濱田先生、小山社長など
たくさんのアフィシオナードたちの尽力。

その2年前、初めてのスペイン旅行で彼の歌を聴いた。
悠然かつ毅然としたたたずまい。
歌い始めると
それはもうほんとうにすごいとしかいえない。
なんともいえないあったかみが身体を包んだあの感じ。
本当の本物のフラメンコを観たという充足感。
わたしの最初の一歩にも彼がいた。

1910年ハエン県アンドゥーハル生まれのラファエルが
1991年マドリードで亡くなると
日本のアフィシオナードたちはお金を集め
生まれ故郷のアンドゥーハルに記念碑を建立した。
地元との交流は今も続いている。

今年はラファエルの生誕百周年。
アンダルシア・フラメンコ振興公社は
それを記念して講演やコンサートが開催されるほか、CDなども企画しているという。

時代の流れの中で忘れられがちな カンテを支えて来たふるいアルティスタたちに
スポットがあたることは本当にうれしいことだ。

2010年1月15日金曜日

イサベル・バジョン

セビージャの木曜を彩る、フエベス・フラメンコがようやくはじまりました。
開幕公演を飾ったのはイサベル・バジョン。
言うまでもなくセビージャを代表する、
セビージャらしいバイラオーラの一人。
今回はこれまでの作品の中のフラメンコ曲を集めたもの。
シギリージャ、ファルーカ、そしてアレグリアスの3曲を踊りました。

私の一番のお気に入りの振り付けは
前回のビエナルで初演された「トルトラ・デ・バレンシア」のファルーカ。
身体にぴったりとした黒い上下。スカートはかなり短めです。
モダン。
でもその合間にしっかりとした伝統が息づいています。
 ファルーカの曲の特徴である、止めのところで
床を軽くけってアクセントをつける、その粋さ。
ブラソ、回転、すべてが美しく、緻密に構成されています。

最初のシギリージャも
イサベルが一番好きな曲だという、アレグリアスも三重丸。
とくにアレグリアスのバタさばきがとても自然。
身体の一部になっているという感じ。
バタをひけらかすのではなく、さらっと踊っているのがめちゃくちゃかっこいい。
さっとけって手にもってブレリアを踊っているときなど、
バタであることを忘れさせてしまうほど。

シンプルなフラメンコだからよりいっそう
そのテクニックの素晴らしさが際立つのかな。
来週はスーシが登場です。


2010年1月14日木曜日

フラメンコ・ビエネ・デル・スール

アンダルシア州主催のフラメンコ公演シリーズ、
フラメンコ・ビエネ・デル・スールの日程が発表されました。
2月19日から5月19日までの3ヶ月間に
アンダルシア8県で24作品41公演が行われます。


セビージャのセントラル劇場ではじまったこの公演シリーズも今年で14年目。
これまでの13年間に261人のアルティスタが出演してきたそうです。

今年のプログラムは下記の通り。
アンダルシアにおいでの際はぜひ観に行ってください。
セビージャのセントラル、グラナダのアルハンブラ、マラガのカノバ、
3つのアンダルシア州立劇場での公演は入場料15ユーロ。
そのほかの劇場の公演も比較的安い設定なので
タブラオに行くより安く、質の高いフラメンコを観ることができます。
いや、もちろんタブラオにはタブラオの良さがありますけどね。

公演予定は以下の通りです。


◆フラメンコ・ビエネ・デル・スール
セビージャ セントラル劇場
2/23(火)21時「プエンテ・デ・トリアーナ」
[出]〈b〉ラファエル・カンパージョ、アデラ・カンパージョほか
3/2(火)21時「コルドバ…エン・エル・ティエンポ」
[出]〈g〉ホセ・アントニオ・ロドリゲス
3/9(火)21時「ポル・ウン・スエニョ」
[出]〈b〉エル・フンコ
3/16(火)21時「Time Table」
[出]〈b〉マルコ・バルガス、クロエ・ブルーレ
3/23(火)21時「レシタル・フラメンコ」
[出]〈c〉ホセ・デ・ラ・トマサ、ラウラ・ビタル
4/13(火)21時「デ・ミ・ティエラ…カディス」
[出]〈c〉マリアナ・コルネホ、エンカルナ・アニージョ
5/4(火)21時「アル・コンパス・デル・ビエント」
[出]〈c〉マリア・ホセ・フランコ
5/11(火)21時「エントレ・ドス」
[出]〈c〉メルチョーラ・オルテガ、ダビ・ラゴス
5/18(火)21時「オリヘン・フラメンコ」
[出]〈g〉カニサーレス
[場]セビージャ セントラル劇場


グラナダ アルハンブラ劇場
2/22(月)21時「フラメンコ・ウニベルサル」
[出]〈b〉ペパ・モンテス、〈g〉リカルド・ミーニョ
3/8(月)21時「レシタル・フラメンコ」
[出]〈c〉ホセ・デ・ラ・トマサ、ラウラ・ビタル
3/15(月)21時「パストーラ」
[出]〈b〉パストーラ・ガルバン
3/22(月)21時「エン・コンシエルト」
[出]〈ピアノ〉ペドロ・リカルド・ミーニョ
4/12(月)21時「ソナタ」
[出]〈b〉ドス・ポル・メディオ舞踊団
4/19(月)21時「レシタル・フラメンコ」
[出]〈c〉カリスト・サンチェス、ホセ・バレンシア
4/26(月)21時「ポル・ウン・スエニョ」
[出]〈b〉エル・フンコ
5/10(月)21時「エン・コンシエルト」
[出]〈g〉ミゲル・アンヘル・コルテス
5/17(月)21時「バイラオール・フラメンコ」
[出]〈b〉エル・ミステーラ
[場]グラナダ アルハンブラ劇場


マラガ カノバス劇場
3/3(水)21時「コルドバ…エン・エル・ティエンポ」
[出]〈g〉ホセ・アントニオ・ロドリゲス
3/10(水)21時「レシタル・フラメンコ」
[出]〈c〉ルイス・デ・コルドバ、ヘスース・メンデス
3/17(水)21時「パシート・ア・パソ」
[出]〈b〉セルヒオ・アランダ
3/24(水)21時「ポル・ウン・スエニョ」
[出]〈b〉エル・フンコ
4/7(水)21時「レシタル・フラメンコ」
[出]〈c〉ホセ・デ・ラ・トマサ、ラウラ・ビタル
4/21(水)21時「バイレス・アレグレス・パラ・ペルソナス・トゥリステス」
[出]〈b〉ベレン・マジャ
4/28(水)21時「オリヘン・フラメンコ」
[出]〈g〉カニサーレス
5/5(水)21時「エントレ・ドス」
[出]〈c〉メルチョーラ・オルテガ、ダビ・ラゴス
5/19(水)21時「フラメンコ・ウニベルサル」
[出]〈b〉ペパ・モンテス、〈g〉リカルド・ミーニョ
[場]マラガ カノバス劇場


カディス ファリャ劇場
4/7(水)「デ・ミ・ティエラ…カディス」
[出]〈c〉マリアナ・コルネホ、エンカルナ・アニージョ
5/7(金)「ドス・ボセス・パラ・ウン・バイレ」
[出]〈b〉ハビエル・バロン
[場]カディス ファリャ劇場


コルドバ グラン・テアトロ
2/22(木)21時「ドス・ボセス・ポル・ウン・バイレ」
[出]〈b〉ハビエル・バロン、〈c〉ミゲル・オルテガ、ホセ・バレンシア、〈g〉ハビエル・パティーノ、リカルド・リベラ
3/13(土)21時「フラメンコ・クラシコ」
[出]〈c〉マイテ・マルティン、〈g〉フアン・ラモン・カロ
5/13(木)21時「レシタル・フラメンコ」
[出]〈c〉カリスト・サンチェス、ホセ・バレンシア、伴奏〈g〉マノロ・フランコ、サルバドール・グゥティエレス
[料]5~15ユーロ
[場]コルドバ グラン・テアトロ


ハエン インファンタ・レオノール劇場
2/19(金)「アボレンゴ」
[出]〈g〉パコ・セペーロ
3/27(土)「フラメンコ・クラシコ」
[出]〈c〉マイテ・マルティン
4/22(木)「ドス・ボセス・ポル・ウン・バイレ」
[出]〈b〉ハビエル・バロン
[場]ハエン インファンタ・レオノール劇場


アルメリア アポロ劇場
2/25(木)「パストーラ」
[出]〈b〉パストーラ・ガルバン
3/25(木)「レシタル・フラメンコ」
[出]〈c〉カリスト・サンチェス、ホセ・バレンシア
5/13(木)「アル・ソン・デ・モライート」
[出]〈g〉モライート
[場]アルメリア アポロ劇場


ウエルバ グラン・テアトロ
3/5(金)「フラメンコ・クラシコ」
[出]〈c〉マイテ・マルティン
4/9(金)「バイレス・アレグレス・パラ・ペルソナス・トゥリステス」
[出]〈b〉ベレン・マジャ
4/30(金)「アボレンゴ」
[出]〈g〉パコ・セペーロ
[場]ウエルバ グラン・テアトロ

2010年1月11日月曜日

カンテ・ホンド大祭inマドリ

1月22日、マドリードのサン・フアン・エバンへリスタ音楽ジャズクラブにおいて
グラン・フェスティバル・デ・カンテ・ホンドが開催されます。


グラン・フェスティバル、大祭の名に恥じず、大勢のアルティスタたちが出演。
アルメリア出身のベテラン・カンタオール、アルフォンソ・サルメロンのフラメンコ人生50周年を記念して彼に捧げられ、本人も出演するとのこと。
出演は、
カンテに
マイテ・マルティン、
アルカンヘル、
アルヘンティーナ、
カンカニージャ・デ・マルベージャ、
ガブリエル・モレーノ、
エル・ニーニョ・デル・ガストール、
エル・ジェジェ・デ・カディス、
マリア・ホセ・ペレス、
ホセ・メルセ、
マリア・バルガス、
ビセンテ・ソト、
エル・ジュンケ、
ヘスース・チョーサス、
トニ・フェルナンデス、
アルフォンソ・サルメロン、
ギターに
セラニート、
ホセ・マリア・モレーロ、
フアン・デ・マドリ、
アントニオ・マジャ、
ラファエル・アンドゥーハル、
アントニオ・レジェス、
フアン・アントニオ・ムニョス。

開演は20時30分ということですが、さて終演は何時になることやら。
入場券はこちらで前売中。

サン・フアン・エバンへリスタ音楽ジャズクラブは、マドリード大学の大学寮に付属した劇場で、“ジョニー”の名で親しまれています。
昔からたくさんのフラメンコ公演が行われてきました。
92年1月、死の半年前のカマロンも舞台に立ったという歴史的な場所。
72年に開かれた最初のフラメンコ公演では、
フォスフォリート、カマロン、ホセ・メネセ、レブリハーノ、
メルチェ・エスメラルダが競演しています。

フローレス・エル・ガディターノ

フローレス・エル・ガディターノの名前を知っている人はかなりのアフィシオナード。

1921年カディス県アルへシーラス生まれ。
チケテテの父、ローレ・イ・マヌエルのマヌエル・モリーナの父と3人で
トリオ・ロス・ガディターノスとして活躍。
後、ローラ・フローレスの一座などにも参加。
ファンダンゴスを得意とし、
カンテ・ファン必携のアンソロジー「マグナ・アントロヒア・デル・カンテ」には
4曲のファンダンゴが収録されている。
表舞台から遠ざかってかなりになるが、88歳の今も故郷アルへシーラスに健在。

地元アルへシーラスのアテネオ(文芸クラブ)がその2010年度のプレミオ(賞)をおくる とのこと。本人も、故郷が自分のことを忘れずにいてくれたことを喜んでいるという。

2010年1月10日日曜日

ヒュー・グラントも…

新作「噂のモーガン夫妻」のプロモーションで来西したヒュー・グラント。
夜はタブラオでフラメンコを楽しんだとか。

彼が訪れたのは「カサ・パタス」
マドリードの中心地、ソルを南に下ったあたり、
フラメンコ留学生におなじみのスタジオ、アモール・デ・ディオスからもすぐにある店です。
かつては週末だけ、レストランの奥にある舞台で、
チョコラーテやランカピーノらベテラン・カンタオールたちや
アントニオ・カナーレスやサラ・バラスなど人気バイラオールたちなど、
選りすぐりのフラメンコたちが出演する、
伝統的なタブラオとはひと味ちがったフラメンコのライブハウス、
といった感じだったところです。
レストランということもあってコンサート帰りのアルティスタがやってきたり、
ショーの観客もアルティスタ仲間や映画監督ペドロ・アルモドバルら著名人も多く、
独特の雰囲気ーそういえばナオミ・キャンベルも来たよねーだったのですが、
その後方針転換。
現在は若手中心でショーは日曜を除く毎日、と、すっかり普通のタブラオです。

1月4日から9日まではラケル・ビジェガスとミゲル・テジェスが出演しています。
11日からの週はラ・タラゴナとカロリナ・レオン。
18日からはモニカ・フェルナンデスとポル・バケーロ夫妻
25日からはイサベル・ロペスとルベン・オルモのセビージャ組が出演予定。

 出演予定はオフィシャルウエブで確認できます。

2010年1月9日土曜日

やっぱりスペインはフラメンコ

スペインがこの6ヶ月間、欧州連合の議長国となるのを記念する
催しが首相や国王夫妻を迎え、1月8日、マドリードの王立劇場で行われました。

国立合唱団が歌う第九(欧州連合の歌なんですね〜)にあわせて
スペインを代表するクラシックバレエのスター、タマラ・ロホとともに
フラメンコのマリア・パヘスが二人で共演。
二人で一緒に踊ったのは初めてだそうです。

もちろん、ソロでフラメンコも踊りましたとも。
ってテレビのニュースでみただけですが、
マントンのアレグリアスとか。
あれはセルフポートレートで踊ってたのかな? ちょっとうろ覚え。


そうだよね、スペインといったらやっぱりフラメンコは欠かせないよね。

フジヤマゲイシャ的に、敬遠されたりすることもあるけれど
スペインを代表するアートといえばなにがなくてもフラメンコ
なのであります。

愛知万博同様、上海万博でもフラメンコ公演があるそうだし、
ペイン政府も
やっぱりフラメンコ!
って思っているということかもしれません。

2010年1月8日金曜日

ニーム・フラメンコ祭

1月7日、世界にさきがけ?
フランスのニームのフラメンコ祭が開幕しました。

デニムの語源となったこの町は今も闘牛場として使われているローマ競技場のある歴史の町。
熱心な闘牛ファンが多いことも、今年で20周年を迎えるフラメンコ・フェスティバルの開催に関係しているのかもしれません。

開幕はマドリード在住、イタリア人バイラオーラのこども向け作品「パサポルテ・フラメンコ」。
日本人バイラオーラ、おおはしゆみさんも出演するこの作品は今回が初演。
ほかのフェスティバルで観た作品も多く登場するこのフェスティバルで
私が最も観たかった作品。

セビージャでもやってくれないかなあ。。。。

2010年1月6日水曜日

ホアキン・コルテス

最近は来日公演もご無沙汰なホアキン・コルテス。
現在、マドリードのヌエボ・アポロ劇場で「カレ」を公演中。
「カレ」(ヒターノという意味)は彼の20年のキャリアを振り返るもの。
「シバジ」
「ジプシー・パッション」
「ソウル」
「ライブ」
「アモール・イ・オディオ」
「ミ・ソレダ」
といったこれまでの作品からベストのものを選び抜き、
1年前に亡くなったお母さんに捧げる作品。

2月には同じ作品でメキシコ公演を予定。メキシコ・シティやグアダラハラを巡演します。

2010年1月5日火曜日

フゲテス(おもちゃ)・ポル・ブレリアス

1月3日のお昼、バルセロナのディスコ、アポロにおいて
観客はこどもたち。入場料はおもちゃ1個、という
珍しいフラメンコ公演が行われました。

これはバルセロナにあるラバル子供の家におもちゃを届けようという慈善公演。
1月6日はスペイン版こどもの日レジェスで、こどもたちはクリスマスでなく、
この日にプレゼントをもらうのです。
今はクリスマスにももらうところもあるようですが、レジェスの方が伝統的。
キリストの誕生にお祝いをもって東洋の三博士がやってきたという故事にちなみます。

出演したのはホアキン・ゴメス“エル・ドゥエンデ”踊り手イニャキ・マルケスら。
こどもたちもフラメンコのリズムを楽しみ、
恵まれない子供たちもおもちゃを楽しみ、と、ちょっといい話です。

2010年1月2日土曜日

パリージャの記念碑

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
2010年もたくさんのいいフラメンコに会えますように!


さて、新年1月1日、ヘレスのプラスエラにパリージャの記念碑が設置されました。
昨年亡くなったヘレスの伝統を守ったギタリスト、マヌエル・パリージャが
ギタークラスを開いていた、ペーニャ・ロス・セルニカロスの肝いりで
つくられたタイル製です。
1月1日はマヌエルの日でもあり、それにちなんだとのこと。
その除幕式には休日にも関わらず、ヘレス市長をはじめ、
パコ・セペーロ、モライート、フェルナンド・デ・ラ・モレーナ,フェルナンド・テレモート、マカニータらアルティスタもかけつけたとのこと。

このすぐそばにはパケーラやローラ・フローレスらの記念碑もあります。
またマヌエル・トーレやフアニート・モハマらフラメンコの歴史に残るカンタオールたちも
この近辺で生まれ育ち、アグヘータ・ビエホ(マヌエル・アグヘータの父)やティオ・フアネ(ナノ・デ・ヘレスの父)らの鍛冶屋もあったという、ムイ・フラメンコな地区。

パリージャを忍んで、今日は彼のアルバムでも聴くといたしましょう。