2013年3月1日金曜日

ヘレス・フェスティバル2013振付けタジェール

ハビエル・ラトーレの振付けタジェールも3年目だそう。
で最終日の発表会。
まずはハビエルのソロ。

ベルディの曲で踊る彼の優雅なこと。
腕、手首、手の動き、
身体全体で音楽をなぞっているかのようだ。
マルティネーテへと進み
サパテアードをきかせる。
フラメンコ!

続いてラトーレの助手をつとめたシンティア・カーノのソレア。


そしてタジェール参加者による群舞
ソレア・アポラー

といっても速度早めでソレア・ポル・ブレリア的な感じ?
黒と赤の、思い思いの衣装を着て
上手な人もそれほどでもない人も
それぞれに光る。
それぞれに得手、不得手がある。
振付の流れをとらえてはいても
細部は自分勝手になってしまう人やら
足はいい加減だけど、
表情や手のかたちはいい人やら。
皆けっして完璧ではないのだけどいいところもそれぞれにある。
みているこちらもいろいろ学べる。
上級者ほど自分の方にひきよせて振りを解釈する感じがあるかもしれない。


でもみんな
本当に短い間によくがんばったね。
もう少し時間をかければ
また違うものになったろう。

パソをならうだけのクルシージョではなく
振付けを学び、群舞での舞台のいかたまで学べる。
このクラス、おすすめです。

ちなみにこの日、ラトーレの国立バレエ時代の盟友カナーレスもみにきてた。



ヘレス・フェスティバル2013ロサリオ・トレド


ビエナルで最優秀作品に選ばれた
ロサリオ・トレドの
「アレルヤ・エロティカ」

元となっているのはロルカの戯曲
「ドン・ペルリンプリンがお庭でベリサを愛する話」で
老年の亭主ペルリンプリンが歌い手ホセ・バレンシア
奔放な若い妻ベリサがロサリオ・トレド
そしてギターにダニ・メンデスと、
3人のフラメンコたちが
演じている。


なぜか会場はビジャマルタ劇場ではなく
サラ・パウルでの公演。
大掛かりな舞台装置もあるのに
全部あの舞台に乗りきるんだろうかと心配しながらでかけていくと

満員で、予備の椅子までだしていた。
装置も無事舞台におさまっていたけれど
いささか窮屈そう。

タラント、アレグリアス、ソレア…
極上のフラメンコに彩られ物語はすすんでいく。

ロサリオのベリサはビエナルのときより
よりセクシーで奔放で
あでやかではなやかで
この世の春、自由を謳歌している感じ。

それに対して不器用で
一人からまわりしてしまうドン・ペルリンプリンのホセは
髪に白い粉をかけ白髪に変身し
歌で、コンパスで、動作で表現。


Javier Fergo

Javier Fergo

Javier Fergo

ドン・ペルリンプリンを失って
その大きさに気付き
物狂いのようになるベリサ
 Javier Fergo
Javier Fergo



ビエナルで観たときはそのマーケットがわからない、
などと思っていましたが
これはフラメンコとしても芝居としてもみることができるのですね。
どちらの観客にもアピールできる。
そしてフラメンコと演劇、
その二つの要素がとけあい方の完成度が高いんですね。
そうなるためには演出の力もそうだし、
ロサリオとホセの芝居っ気というか、演技力も大きいし、
また3人のフラメンコ力の高さも大きいだろう。







2013年2月28日木曜日

フラメンコ・フェスティバル2013アンヘレス・ガバルドン

イサベル・バジョンの興奮さめやらず
氷雨降るヘレスの町をサラ・コンパニアへ

アンヘレス・ガバルドンも新作「コン・コリエンテ」を。

白いブラウスに黒いスカートが
一時期はやったアマソナ(女性の乗馬服)風。
コルドベスを使ってのガロティン。
伝統的な帽子づかいからはじまって
帽子を横にもって帽子と踊るようにしたりのオリジナル性もみせる。

シギリージャは漆黒のバタ・デ・コーラにパリージョ。
Javier Fergo

金色のアバニコを使ったグアヒーラも最初のガロティン同様、
伝統的な使い方から彼女らしい個性をもみせる。

Javier Fergo
最後のアレグリアスは白いバタ・デ・コーラにマントンと
フラメンコの王道。
華やかにみせる。
Javier Fergo

Javier Fergo

イサベルの新作と
ダビ・ラゴスとロンドロという歌い手二人以外にも
共通する部分が多かったという印象。
伝統を探り、その中に自分の個性を見いだして行く、
とでもいうのか。

歴史に学び前進していく。
文学、音楽、演劇、サーカス…
コンテンポラリーやジャズ、ロック
他のジャンルの芸術との交流。
様々な試みで探していたものは
フラメンコそのものの歴史の中にあったのかもしれない。




















フラメンコ・フェスティバル2013イサベル・バジョン

結局フラメンコなのだ。

イサベル・バジョンの新作
「カプリチョス・デル・ティエンポ」
ビデオはこちら

ここ数年、演出家をたてて物語やプロットのある作品に挑んで来たイサベル。
今回は演出家も物語もない
素のフラメンコの舞台。



メトロノームのような時計の音で幕があくと
裸足のイサベル。
足にだけ光があたる。

舞台後方の椅子に座ってのサパテアードはマリオ・マジャ譲り。
Javier Fergo

ダビ・ラゴスとロンドロの絶品マラゲーニャから
アバンドラオ。
Javier Fergo
昔風のベルディアーレスの振りが入っていたりするが
全体としては現代的なスピード感のある振付けだ。
形の美しさに、フラメンコ性に思わずオレ!

ファルーカ
Javier Fergo

そしてグアヒーラ。
Javier Fergo

サビーカスの響きを古風にそして今風に

バジェーホのシギリージャが
生演奏のシギリージャに。


と、ここまでずっとイサベルは同じ衣装。
マントンやフリンジ、帽子などで変化をつけているだけだ。
同じ衣装でもこんなにも曲によって踊り手の身体の表情は変わるものか、
と思いつつも、衣装も変えてほしかったな、という気もしないではない。

舞台美術も何もない舞台。
唯一、ミュージシャンたちの椅子の位置で変化をつける。

いい踊り手、いい歌い手、いいギタリスト。
それだけでいい舞台はできるのだ。

最後はバタ・デ・コーラに着替えてアレグリアス。

Javier Fergo

マティルデ譲りの柔らかな、女性的な動きが
今の感覚で再構成されている感じ。
シレンシオの美しいギターの響きとゆっくりした動き。
エレガント!コケット!そしてフラメンコ!
バタさばきの素晴らしさ。

歌い手とギタリストも一緒に踊るという
最後もしゃれていて

極上のフラメンコに酔わせていただきました。
セビージャのフラメンコに乾杯!

Jvier Fergo

 それにしても
公演の間中、よだれ流しそうな笑顔になっていた私だけど
シンプルにいい!もの説明するのってすごく難しい。
イサベルのすごさは
ロシオ・モリーナの天才とはまたちがう。
難しい事を涼しい顔でいともやすやすとやってしまう
セビージャの香り高いフラメンコ
もっとみんなにみてもらいたい。


2013年2月27日水曜日

フラメンコ・フェスティバル2013マリア・ホセ・フランコ

アルカサルから早足でサラ・コンパニアへ。
21時から
マリア・ホセ・フランコ
「アブリエンド・プエルタス」

カディス生まれでアントニオ・エル・ピパの舞踊団で活躍、
このヘレス・フェスティバルでも何度かソロ公演を行っている中堅。
なのであるが。。。

下手にギター2、カンテ2、バイオリン、パーカッションと
ミュージシャンをまとめ
踊るスペースは下手より。
黒い衣装で横たわったマリア・ホセがおきあがり
シギリージャ。
Javier Fergo
コンテンポラリーのダンサーと
カディスのピアニスト、マノロ・カラスコの「ルフリア」の録音で踊る。
Javier Fergo


白い衣装でのブレリア。
バタ・デ・コーラでのナナ。
Javier Fergo
オレンジの衣装でのアレグリアス。
Javier Fergo
そしてソレア。

構成も考え、一人でよく踊ってはいるのだが
回転ひとつにしても基礎ができていない感じ。
頭がそのままくるっと回ってしまったり、
身体の芯が安定していないのだ。
サパテアードも利き足に頼り過ぎだ。
こうして写真をみていると美しいし、
たしかに長身ですっきりした美人なのだが。


また衣装も写真のように曲ごとにかえてくるのだが
バタ・デ・コーラのスカートは張りがまったくないので
美しい動きをみせることは不可能だったし
アレグリアスの衣装は膝上までぴったりしているので
足の動きが制限されるし
スカートを持ち上げるときもよいしょっとたぐるようにしていて美しくない。
ヘレスのフェスティバルにくるといつもいってるように思うが
衣装は大切。
見た目だけでなく、動きまで考えないと
せっかくの舞踊がいきてこない。




ヘレス・フェスティバル2013靴屋と大工

マイク、音響なしのリサイタル・シリーズは
アルカサル、ビジャビセンシオ宮殿で。
 Javier Fergo

トリアーナのカンテを得意とする
セビージャ郊外ビジャヌエバ・デ・アリスカルの歌い手
マルケス"サパテーロ”(靴屋、靴直し屋)、
モロンの歌い手カルピンテーロ(大工)
二人のベテラン歌手が登場。

まず舞台に上がったのはダニ・デ・モロン。
ギターソロで聴かせるロンデーニャ。
そのダニを真ん中に二人が舞台に上がり、
始まりはカルピンテーロのタンゴ。
Javier Fergo
オーソドックスな形を朗々と歌う。
ダニの伴奏も昔風で、同じモロン出身だけに息もぴったりだ。

83歳というサパテーロは
トマス・パボンのソレア・ポル・ブレリア。
Javier Fergo

年齢を感じさせない見事な声量。
こちらの伴奏も昔風に弾いているが、
まだぴったりあうとまではいかない。

カルピンテーロはアルボレア。
昨日の記者会見ではカンテヒターノが好きだと言っていたが、
発声、声質はその反対というか、美声タイプだ。
いかにもモロンな細部、
ちょっとした音の上げ下げなどがあったりするのも面白い。
ホセレーロ風というのかな。
タンゴでしめる。

サパテーロはスラケのソレア。
次々に繰り出すレトラの数々。
通常のそソレアのように
ひとつのレトラの部分を繰り返したり引っ張ったりせず、
次から次へと軽やかに、スピーディに歌いつないで行く。
トリアーナのソレア独特の、美しい節回しの、
バリエーションを堪能させてくれた。

それに対するカルピンテーロはアルカラのソレア。
声質が変わったかのような低音がきいている。
サパテーロはマラゲーニャ。
カルピンテーロはシギリージャ。
サパテーロはトリアーナのソレア・グランデ。
本人はソレア・アポラーと呼ばれているが、と言っていたけど、
アポラーとは似て否なるものだった。

アンコールはロンダ・デ・トナー。
歌い継ぐトナーの響きに香る伝統。

職業をほかにもちつつも
一生涯、歌い続けて来たフラメンコの伝統。

プロの磨き抜かれた技もいいが
こうして好きな歌をじっくり歌い続けて来た人たちに
フラメンコは多くのものを負っている。








2013年2月26日火曜日

マックス賞ノミネート

スペインの舞台芸術のアカデミー賞的存在の
マックス賞のノミネートが発表された。

舞踊部門でノミネートされたフラメンコ関係者は以下の通り。

舞踊作品
ロハス&ロドリゲス「恋は魔術師」
振付け
マヌエル・リニャン、ダニエル・ドーニャ「REW」
男性舞踊手
マヌエル・リニャン(「タシータ・ア・タシータ」)

受賞の発表は5月13日だ