マドリードの若手中心の舞踊団員たちによるアレグリアスやグラナイーナ、シギリージャ、ソレア・ポル・ブレリアなどのソロや群舞に続くカルメン・コルテスのソレアで作品は終わり、メンバーが一通りお辞儀した後、カルメンはこの作品での引退すると話す。67歳。スペインでも定年で、年金生活に入る年ではある。私が最初に彼女の踊りを見たのは80年代末のこと。長い手足を生かした個性的でモダンな踊りは当時とても新鮮だった。革新的というか、あの時代、新しい道を切り拓いていった一人ではないかと今となっては思います。作品制作にも意欲的で、代表作『サロメ』や『イエルマ』などでは、ヘラルド・ヌニェスの音楽と相まって感動的な今も忘れられないシーンがいくつかある。フラメンコ曲ではソレアが代表曲で、そのソレアを踊って舞台とお別れ。
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© Festival de Jerez/Tamara Pastora |
彼女が世に出るきっかけとなったマリオ・マジャの『アイ!ホンド』の衣装のような、黒いワンピースに白のシージョで踊ったのもそういうことなのでしょう。メモリアス、記憶の数々、というタイトルも、引退を前にして今まで歩いてきた道を振り返るということだったのかもしれません。
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11時からはティオペぺで知られるゴンサレス・ビアスの酒蔵でのマカニータ。2年前にもここで公演したばかりだから、行こうかどうか正直迷った。でも行って良かった。大正解。
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© Festival de Jerez/Esteban Abión |
トリージャに始まり、シギリージャ、ソレア、フェルナンド・テレモート作だという曲、タンゴと続く前半が全部良かった。マカナが一旦はけてギターとパルマによるブレリアも絶品。これぞヘレス!という感じで、最高でありました。その後、ピアノがソロでモライートのタンゴを演奏、衣装を変えて再び登場したマカナによるサンブラやパケーラのヒット曲『ソレア・デ・ミス・ペサーレス』で最後はブレリア。
ピアノはなんか音が良くなくて、せっかく盛り上がったヘレスのフラメンコ感が薄まる感じもあって、個人的にはピアノはいらないなあと思ったのでありますが、一人で1時間というと、やっぱどうしてもこういうちょっと違うことをすることになるのでありましょう。そういえば前回もピアノが入ってたなあ。
ちなみにギターはアントニオ・イゲロとマヌエル・バレンシア、パルマはチチャロ、マカノ、ディエゴ・モントージャとハビ・ペーニャ。オールヘレスの底力でございますね、パルマの心地よさがすごくて、あれだけでもずっと聴いていられるという感じ。ヘレスはやっぱりいいなあ。
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© Festival de Jerez/Esteban Abión |
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