4月21日、座・高円寺で行われた第2回全日本セビジャーナス・フェスティバルで、昨年に引き続き、審査員を務めさせていただきました。
出場者の皆さん、お疲れ様でした!
入賞した方も、惜しくも逃した方も、みんな、良かったです。
今年はスペイン人の審査員はいなかったのですが、もしいたとしたら、皆さんのフラメンコ愛にきっとびっくりしたことと思います。
日本のフラメンコを、世界のフラメンコを支えているのは皆さんなんだ、と改めて感じさせてくれました。
セビージャの春祭りフェリアで踊られるセビジャーナス。
今年のフェリアの開催は例年に遅く、5月に行われますが、セビージャに先駆け、高円寺がフェリア色に染まりました。
賞は、審査員5人全員で話し合って決まりました。
前回同様、生徒の出演している審査員は、そのグループについての審査には関わっていません。賞の中立性は保たれているとご理解いただければ幸いです。
またどの賞についても、審査員からの異論はありませんでした。
今回、昨年の半分の参加にとどまり、また、最優秀賞は残念ながら該当者なし、となってしまいましたが、出演者の健闘をたたえる新しい賞も作られ、おくられました。
入賞者の皆さんおめでとうございます。
舞台を、踊ることを楽しんでいる姿勢が今回の結果に繋がりました。
入賞しなかった方も、だからダメだった、というわけでは決してありません。
それぞれにいいところはあったと思います。
セビジャーナスはお祭りの踊り、見ている人を楽しませるというより、踊る人たち自身が楽しんで踊るものです。セビジャーナスの曲を使って表現することも、ドラマを見せることもできますし、セビジャーナスの曲にも悲しいものやドラマチックなものもありますが、基本はお祭りの楽しい踊りです。なので、楽しんで踊っている、楽しそうに踊っている、というのは今回も評価のポイントの一つとなりました。
スペインでのセビジャーナスコンクールでは、主催者側が用意した曲で、パレハで踊るのが基本ですが、このフェスティバルではそれぞれの参加者がセビジャーナスという曲を使って自由に表現します。バタ・デ・コーラ、マントン、アバニコ、バストン、カスタネット、帽子。皆それぞれ工夫して、さまざまなテクニックで、フォーメーションを変えて、見せてくれました。人数も2人から7人とさまざまなら、年代も子供から年配の方までさまざまです。プロもアマチュアも、初心者も、誰もが自由に、自分たちのセビジャーナスを楽しむことができるんです。
表彰式の後、全員が舞台で踊ったセビジャーナス。グループでの出番では緊張していた人もリラックスして楽しんで踊っているのも、見ているだけで楽しくなる感じでした。
セビジャナース、楽しいなあ。
さて、昨年に引き続き今年も志風個人の感想を短く記したいと思います。
これはあくまでも志風個人の印象で、他の審査員の方のとは関係ありません。
1La Puerta Abierta II
4人の女性がシンプルな白いマントンで踊る。マントンの技術がまだまだ練習が必要。髪に大きな花をつけ、それを避けるように扱ってはいるのだけど、絡まってしまったのはアクシデントだから仕方ない。プロでもマントンの時は髪のあしらえをシンプルにしているのだから、そのあたりも考えても良かったかも。
2La Puerta Abierta
白い肩を出したドレスでアバニコを使ってクラシコ風に踊る。1番目のグループが初級としたらこちらは中級?表情は良い。
3ラスグアパスグループ 親愛賞Premio Simpatía
年配の方3人。赤と黒の衣装にコルドベスをかぶりバストンでリズムを取りつつ。とにか楽しそうに踊っているのでこちらも楽しくなる。セビジャーナスのリズムのきまり、止まるところも打ち続けているのはご愛嬌。
4ラティドスJr セビージャ賞Premi Muy de Sevilla
こどもたち7人のグループ。とてもいい笑顔で元気いっぱい、しっかり踊っている。このままセビージャのフェリアに行って踊れます。こどもだということを割り引いても、私的にはこの日一番印象に残ったかも。セビジャーナスのエネルギー、楽しさなどを伝えます。
こどもとはいえブラソもちゃんとしている子もあり、将来楽しみ。
5La Vía Láctea
ピンクのバタ・デ・コーラでカスタネットを使って踊る3人。頭の花のつけ方が独特。フリーダ・カーロみたい? フォーメーションなども含め、テクニック的には屈指のグループだったのだけどこれだけテクニックあるなら表情や、身体表現でももう一歩進めるはず。Animo!
6La Primavera
バタ・デ・コーラで踊る5人。難しい曲を選びましたね。そのせいもあるのかな。表情があまりないのが残念。踊るというのは足どりだけでなく、顔の表情も含めて、だと思います。
7Hey!Sevi! Jump! 希望賞Premio de Esperanza
白い衣装に色とりどりのマントンを巻いて、楽しそうに踊る5人。セビジャーナスの王道でございます。そのままフェリアにいそう。
8Maletilla マエストロ賞Premio Maestría
帽子の男性、バタ・デ・コーラの女性のパレハ。男女パレハはセビジャーナスの基本だけど、今回はこの二人のみ。劇場でのセビジャーナスという感じで、抜群の安定感とフラメンコ性。顎を上げるなど、姿勢をもうちょっとだけ直せばもっと素敵に見えるはず。
9Rosa y Verde 希望賞Premio de Esperanza
バタ・デ・コーラの女性6人。バタがひっくり返ってそのままになっちゃうのが多いのはバタの仕立のせいか、技術の未熟か。でも楽しそうなのがいいですね。
10Hemozo Marzo
水玉の衣装で4人。カスタネットも使い踊る。舞台で真正面向くのではなく斜めに構えているのがいい。奥行きが出る。細かいことだけど、上級者でも忘れる人もいる。
11どみちゃんはるちゃん
男二人のセビジャーナスも珍しい。奥濱さんさすがのアレンジなのだけど、男前セビジャーナスを極めるには相手役が力不足だったかも。
連休には立川フラメンコでの500人セビジャーナス、また2020年にはフラメンコ協会の2020人のセビジャーナスもありますが、みんなが通る道、セビジャーナス。
もっともっとセビジャーナス、楽しめるイベントあってもいいですね。
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