2017年6月9日金曜日

マエストランサ劇場のフラメンコ

6月8日、セビージャのマエストランサ劇場でフラメンコ公演。
セビージャのオペラハウスであるこの劇場では、ビエナル以外にも毎シーズン3つのフラメンコ公演がプログラムされており、これもその一つ。

ヘスス・メンデス、アントニオ・レジェス、ドゥケンデ、ダニ・デ・モロン、パトリシア・ゲレロと出演者の名前だけで告知。公演名は「ロコ・デ・ロス・トレス・メタレス」
三つの声に夢中、とでもいう感じ。

が、このメンバーを見てもしや、と思った通り、内容的にはビエナルでのダニ・デ・モロンの公演「23」のバリエーション。
すなわち、メインはダニ。

ダニのソロに始まり、ヘスス・メンデスがブレリア・ポル・ソレアとシギリージャ。
パトリシアの無伴奏ではじまるファルーカ、アントニオ・レジェスのソレアとファンダンゴ、ダニのソロ、ドゥケンデのレバンテとタンゴ、全員でのブレリアという構成。

ダニのソロもビエナルと同じ、シギリージャからブレリアになる曲とグラナイーナ。
ビエナルの時のロシオ・マルケス、アルカンヘル(見に来ていた)に代わってアントニオ・レジェス、イスラエル・ガルバンに代わってパトリシア、というわけだ。

ヘススの、いつもの、声量たっぷりに朗々とし歌い上げるあの歌いっぷりに加え、テレモートばりの、ちょっとかすれた感じの声使いなども加わっていたのが、嬉しく、ヘレスの魅力を実感。
パトリのファルーカはパンタロンに白いブラウスとフリンジのベストで。伝統的なファルーカとは全く違う、スーパーモダンな振り。ルベン・オルモ的な感じで、そこにちょこちょこ伝統的な形も顔を出す。テクニックも凄いんだけど、うーん、どうなんだろう。彼女の魅力が最大限に出ている、という感じではないかも。
アントニオが、この夜の観客に最も人気があったようだ。昔ながら、を感じさせるうたいっぷり。ファンダンゴは立って、マイクを手にする、地元の先輩、ランカピーノ風。(元々はマノロ・カラコール?そういえばベニ・デ・カディスも立って歌っていた)
個人的には一つ一つを長くの場して歌う、ペーニャ風な感じは好きじゃない。
ドゥケンデはやはりあの声、カマロン風の歌い回し、声のスピード、やっぱ素晴らしい。タンゴではパコとのツアー歌っていたレトラを最初に三つ。懐かしさでいっぱいになる。
でもダニはパコと演奏したことはあってもパコじゃない。

伴奏も、歌を立てる、というよりもバンバン自己主張もしていく感じ。考えすぎ?
グラナイーナは素敵なフレーズがいっぱいあるんだけれど、全体としてもまとまりがもう一息のような。

最後の全員でのブレリアもフィエスタ感は全くなく、アントニオ、ドゥケンデが、それぞれ一曲、という感じで歌い、最後はマイクを外して歌うヘススにパトリが踊る。マイク外してもしっかり聞こえるヘスス!やっぱすごいなあ。

なんとなく消化不良な夜でございましたが、ヘススとドゥケンデだけで私は満足でございます。

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