2012年4月11日水曜日

FVS フアン・ラモン・カロ

4月10日セビージャのセントラル劇場は
フアン・ラモン・カロのギター・リサイタル

フアン・ラモンは
マイテ・マルティンやミゲル・ポベーダらへの伴奏で知られる、
1972年バルセロナ生まれのギタリスト。
2010年に初のソロアルバム「ロサ・デ・ロス・ビエントス」を発表。
この日のリサイタルもこのアルバムからの曲を。

一人で舞台に出てソレア。
「ラ・カンパナ」と題されたその曲は
スタイル的にビセンテ・アミーゴの影響を感じさせるが
歌伴奏で鍛えたコンパスと歌心を伝える。

ヘスース・トーレスや
ミゲル・アンヘル・コルテスら
ふだんの舞台は伴奏主体だけど
ソロ・アルバムをリリースし
ときにリサイタルを開くギタリストたちもいる。
ふだんは主役の影に隠れている彼らの実力に
驚かされることは珍しいことではない。

今回もこの渾身のソレア
続くブレリア「レコルター」
そしてグアヒーラ「アスカリート」と
最初の3曲でぐっと観客の心をつかんだ。

主役フアン・ラモンのモニタースピーカーが故障するという
アクシデントにも落ち着いてユーモアをもって対処。
自分の音もまわりのパルマもきこえない中
あせることも怒ることもなく平常心。
経験ゆえ、そして彼の性格なのだろう。

タンギージョでゲスト、ラファエル・デ・ウトレーラのカンテが入り、
アレグリアス「バジェ・デル・ソル」ではゲスト、マルコ・フローレスの踊りも入る。
奥方に捧げたタンゴ「ヒターナ」
リブレから入るブレリア「シウダデラ」
そして最後のシギリージャ「シカゴ」と
歌や踊りが入ると彼はまたいつもの顔に戻る。
アルバムにはモレンテ、アルカンヘル、ポベーダが参加してるが
ここではラファエル一人。
やっぱりちょっと物足りない。

それにしても今いるギタリストってほとんどみんな
ビセンテとパコ・デ・ルシアの影響うけてますね。
コピーではないんだけど
ちょっとしたフレーズとか
文法というのかな、展開方法とかにそれが伺える。
今風でありながら古いフラメンコの香もかおる、
フアン・ラモンのトーケも例外ではない。

1時間半たっぷりのコンサート。
個人的にはもっとソロを聴きたかったけど
スタンディングオーベーションでも
アンコールにはならなかったから
皆まずまず満足だったということでしょう。




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