2010年3月31日水曜日

セビージャのペーニャ・デ・グアルディア

恒例、ペーニャ・デ・グアルディアが今年も4月5日からセビージャで開催される。

2005年秋からはじまったこの催し、
セビージャで、ビエナル開催期間中に限らずいつでも
いいフラメンコを観れるようにと
今年も春は6月まで、そしてまた秋10月、11月と開催予定。

春は、市内7つのフラメンコのペーニャを会場に
夜22時から若手アーティストたちによるショーが行われる。
入場料は6ユーロと気軽に立ち寄れるお値段。

出演アーティスト、日時、場所など詳細はこちらに掲載されている。

4月5日の開幕を飾るのは
踊りにパコ・イダルゴ、歌にトリニ・デ・ラ・イスラ、モイ・デ・モロン、
ギターにヘスース・ゲレーロという面々で
場所はトリアーナはカスティージャ通り47番の“カンテス・アル・アイレ”。
6月3日の閉幕まで21公演、
ほかに踊りはラ・トロンバ(エル・トロンボの妹)、アベル・アラナ、
アナ・ペレス、マルタ・バルプラダ、マヌエル・ベジード、
マリア・タボラ、ルイス・デ・ウトレーラの6人が出演予定だ。


写真はマリア・タボラ

カルロス・サウラの「フラメンコ・オイ」バルセロナ公演

昨年の夏、マドリードで初演されたカルロス・サウラ監督の「フラメンコ・オイ」
4月15日から5月2日までバルセロナ・テアトラ・ムシカル(BTM)で再演されます。
ボブ・ディランやスティングもコンサートを行ったこの劇場、
昔のスポーツセンターでバルセロナ五輪の新体操会場。
2000年に改装されて大規模なショーが行われる劇場となりました。

チャノ・ドミンゲス音楽監督、ラファエル・エステべスとナニ・パーニョが振り付けを担当。
歌にヘスース・メンデスとダビ・パロマール、
舞踊にはパストーラ・ガルバンとラウラ・ロサレンら
若手のホープが出演しています。

入場券は20~40ユーロでこちらで発売中。

2010年3月30日火曜日

コルドバにフォスフォリート・センター

コルドバの観光の中心、メスキータ・カテドラルから東へ。
エキゾチックな美女たちの絵で知られるフリオ・ロメロ・トーレスの美術館(お勧め!)のある
ポトロ広場は、セルバンテスが「ドン・キホーテ」にもその名を記しているという歴史のある広場。
この広場の美術館の向かい、ポサーダ・デ・ポトロも15世紀につくられたという古い家。
ここにはコルドバ(県プエンテ・へニル)がうんだ歌い手、フォスフォリートを記念する
フラメンコ・センターとなり。3月25日にオープンしました!
フォスフォリートの録音や私物などがおさめられるほか展覧会場ともなり、
オープニング記念には2004年、2007年のコルドバのコンクールの写真展が行われるとか。

ちなみに3年に1度行われるコルドバのコンクールの今年は開催年ですが
これまでの5月ではなく、秋に開催予定とのことです!

2010年3月28日日曜日

日本のフラメンコ最前線4 AMI & 萩原淳子

前回、書いたAMIのエル・フラメンコ公演。
AMIのあまりの素晴らしさについ書き過ぎて
共演の萩原淳子にふれなかった。

その萩原だが、
1年くらい前に、セビージャで観たときよりも確実に成長している。
スペインでも数多くの舞台に立ってきた自信もあるだろう。
舞台度胸がついてきたし、
現地にいる強みをよくいかし、
スペインの、今のフラメンコの感覚をよくつかんでいる。

赤いバタ・デ・コーラでのアレグリアスは
表情は少し固かったようにも思うが、
舞踊自体には余裕すら感じられた。

タラントの方は、振り付けがまだ開発途中?なのかな。
いろいろやりたい気持ちが先走り、
まだ構成も整理できていないのではないように思えたのが少し残念。
歌ぶりで客席に背中を向けてレトラ半分以上というのもよくわからない。

これはなにも彼女だけの問題だけでなく
スペインの若手などでもよくあることなのだが、
次の振り、次の振りへと頭がいくあまり、気がせいて
ひとつひとつの振りがきちんと終わらず、
最後がおざなりになってしまう感がある。

観ている方からいえば
いくら難しいテクニックをつかってもそれほどわからない。
わかったとしても、感心はしても感動するところまではいかない。
最初から最後まで全速力で走り続けるのではなく
緩急自在、ここぞというところでみせる工夫もあっていい。

回転の処理、目線、表情、首の位置…
細かいところまで、もう少し考えれば
もっとずっと良くなるはずだ。

なんて、厳しいことをいうようだが、
上をみてもう一歩、もう一段と、階段上って行かねば。
って、これは誰にでもいえること。
志を高く、前進あるのみ!

2010年3月26日金曜日

日本のフラメンコ最前線3 AMI 再び (長いよ)

いや~よかったです。
もう、ほんと、これはみんなに見てもらいたい。
私的にはスペイン人、それもアルティスタたちにみてもらいたい。

私をそんな気持ちにさせたのはAMI。
エバはなんというだろう、ベレンは? 
彼女たちなら踊りそのものをみてくれるはずだ。
仲間がここにいる。そう思うはずだ。

やっぱフラメンコは国境をこえるよ。
AMIが踊ったのはフラメンコ。
シンプルな“フラメンコ”
日本人のフラメンコ、ではなく、スペイン人とだって、
じゅうぶん、がちんこ勝負できる、
第一線に通用する本物のフラメンコ。
あ、もちろんフラメンコは勝ち負けじゃないし、
勝負するもんじゃないけどね。
同じ土俵にAMIはいるんだ。
んとね、いいたいことは、日本人の、という枠をとっぱらってみても
普通に、そして本当に素晴らしい踊りだったということ。


私はもともとスペイン人でも、日本人でも、同じ視点でみている。
本人は少なくともそのつもり。
スペイン人だってみんながみんなエバ・ジェルバブエナやサラ・バラスではないし
エバやサラだって日によっていいとき、わるいときもあるし
(彼女たちは調子が悪くても一定のレベルを保っている。それだけで感謝だが)
舞踊だけでなく、作品としてみた場合、不満を感じさせられることもある。
スペインのフラメンコ舞踊のレベル、とくにテクニック面の最低基準は、
この20年でぐーんと上がったように思う。
いや、若手の中には正しい姿勢も満足にとれないうちにばりばりやってる人もいるから
正確にいえば、そうではないのかもしれないけれど、
たとえばサパテアードの複雑さ、とかはそうじゃないかな。
だからテクニックそしてコンパスがちゃんとしているというのは実は出発点にすぎない。
そこからどのように自分の思いを伝えるか。
フラメンコの枠からはずれることなく自分をだしていくか。
これがとっても難しい。
これができると同じような位置にいる踊り手たちの中からひとつ頭をだすということだ。
生まれながらの天才も努力で磨かれ開花する。

昨日、25日「エル・フラメンコ」でのAMI
どこをとっても文句のつけどころがない。
テクニック、構成、思いの込め方、伝え方。
ほぼパーフェクトだ。
神は細部に宿る、というが、彼女の踊りも細部がことに素晴らしい。

回転したバタ・デ・コーラの先がコンパスの止めできれいに止まる。
指の動きひとつ、首の向きひとつとっても美しく、フラメンカだ。
まなざしひとつで語る、語る。値千金の目力。
表情にいたるまで気を抜かない。
ひとつひとつの動きを最後まできっちりやって次の動きへとつなげる。
(これって振り付けに追われてたりする人や、
先へ先へと行ってしまう人にはできないけっこうむずかしいことなのだ)
ひとつひとつの動きにセンティード/方向性・意味がある。
腕を伸ばせばその先へと心も動く。その心の動きに観客の心も寄り添う。

そして構成の素晴らしさ。
振り付けは難しい。
サリーダ、歌振り、サパテアード、ジャマーダの組み合わせ=振り付け、
なんていうような単純なものではない。
今まで習ってきたパソの組み合わせだけでもできないことはないだろうけど
あれもこれもと欲張ってただ忙しいだけじゃ、観ているこっちにゃ伝わらない。
いくら難しい足をやっても、関心もたれたり、感心されたりはしても感動はこない。
それで何を伝えたいか。その“何”は言葉にならなくてもいい。
でもその“何”をもっているかどうか。
それを伝えるための工夫。そのどちらもが必要。
ディナミスモ、ってスペインではいうんだけど、
強弱、ニュアンスの変化、など、起承転結じゃないけれど、
いいたいこと、やりたいことがきちんと整理されてこそ伝わる
っていうことがあるんだよね。
踊りだけじゃなくて、ギターやカンテでもいっしょ。
ぜんぶ超絶ファルセータでも、絶唱しまくりでもオレ!の声はかからない。
歌の最後のかすれるようになるところや、
ここぞというところで怒濤のようにたたみかける強さに人は熱狂する。
そういうもんじゃありませんか?

そんな細かくもうるさい観客(私のことだ)の注文にもこたえてあまりあるバイレ。

先週、扱いにくそうなバタだなあ、と
そこにばかりとらわれてしまったティエントも
今回はそんなこと考えたことすら忘れさせるほどに見事な出来。
同じ衣装にもかかわらず、で、あります。
あ、そうなんだ。とすごく納得。そんなバタつかいでありました。
ゆるやかな始まり。リズムをたぐいよせるように踊ると
テンポアップしたタンゴへ昇華していく。
ほんとぞくぞくした。
そして先週に引き続きソレアの素晴らしさ。
ドラマチックで、これはこうとしか踊れない、
今の彼女のソレアなんだ。
はやってるから、というような“狙って”つくったものじゃない。
今の彼女を伝えるためには、この振り付けじゃなくてはいけなかったんだ、
と素直に思える、そんなソレア。
マイムのようにもみえる、モダンと観る人もいるかもしれないはじまりから最後まで
息をもつかせぬ緊張感のある、ドラマチックなソレア。
言葉にならない思いがこめられたソレア。


ミラグロス・メンヒバルやアンドレス・マリンをはじめ
彼女が師事した多くの先生たちや、
彼女が観てきた沢山のアルティスタたちから吸収してきたものは
あちこちにみえる。
でもそれは単なる真似なんかではむろんなく、
そこから栄養をえて今や
彼女独自のスタイルとして確立されている。

いやあ、ほんとうにまったく、文句のつけようのない舞台でした。

ほんとうに感謝。んでもってなんだか人に自慢したくなるような気分。
でもここまでくるためにはほんと、絶え間ない努力があったに違いない。
テクニックあってこそ心は伝わるんだ。
心を伝えるためのテクニックを自分のものとして自由に使えるよう身につけるまで
めっちゃくちゃ大変だったと思う。
才能は生まれながらのものかもしれない。
でもそれをいかすことができるのはこれまでの、
長い年月の努力ゆえ、アフィシオンゆえ。

いやあ、ほんとうにありがとう。
またぜひ観にいきます。
で、スペインでもぜひまた一度。
お願いします!

2010年3月25日木曜日



サラ・バラスがマドリードなら
ホアキン・コルテスはバルセロナで。
4月14日から25日までの2週間、
最新作「カレ」をコリセウム劇場で公演する。
亡くなった、母に捧げたこの作品は
昨年3月に初演されたものだが
メキシコシティでは9千人もの観客を集めたという。
前売り券はこちらから。



前売りといえば、ビエナルの、パコ・デ・ルシア公演は初日で売り切れたそうです。
ファルキートもいい席は全部売り切れ。
エストレージャも1階はほぼ売り切れ。
そのほかチョニ、イサベル・バジョン、ラファエラ・カラスコらの公演も
残りわずか。

2010年3月23日火曜日

サラ・バラス マドリード公演

スペインで最も人気のあるバイラオーラ、サラ・バラスが
今日、3月23日から4月11日までマドリードのカルデロン劇場で
昨年末、パリで初演した新作「エセンシアス」を公演。

この後、17、18日はパルマ・デ・マジョルカで
21日から25日までカディス、ファリャ劇場での公演を最後に一時休業するという。
それは母になりたい、という思いゆえ。
お医者さんからのアドバイスで12年間の舞踊団のキャリアにいったんピリオドを打つ。

これまでの作品の中の名場面集とでもいうべき「エセンシアス」
「センセーション」のファルーカや
「狂王女フアナ」のソレア、
パコ・デ・ルシアの音楽による「カルメン」のタンゴ…
これらの曲を25日生まれ故郷の、38歳になるサラはどんな思いで踊るのだろうか。

2年後にはまた舞台復帰の予定という。
母となった彼女の舞台を楽しみに、拍手で彼女を見送ろう。