2017年3月21日火曜日

タブラオ ロス・ガジョス

18日土曜日、久しぶりにタブラオ、ロス・ガジョスへ。
20時30分からの回を見る。

セビージャ一の老舗タブラオ。
その昔はクリスティーナ・オヨスやメルチェ・エスメラルダ、マヌエラ・カラスコらも出演していたという名門。私の最初のスペイン旅行の時はフアナ・アマジャやピラール“ラ・ファラオナ”らが出演していた。その後も何度となく訪れ、ローリ・フローレス、ラモン・バルール、ベレン・マジャやイニエスタ・コルテス、エル・フンコなどたくさんのアルティスタたちを見てきたところ。舞踊団で活躍する人や劇場でソロ公演を行う人の踊りを間近で、生音で観ることができるのはうれしい。

最初はなんとマラゲーニャ。ギターのイントロに誘われて歌い始める。あら、珍しい、と思ったらそこに踊り手が登場し、カスタネットで合わせ、アバンドラオに。三人の踊り手が踊る、というオープニングなのでありました。
ギターとカンテ、そして踊り、と紹介していくわけですね。面白い。

フアン・カルロス・ベルランガのギターソロ、グラナイーナ。
続いてサライのバタ・デ・コーラでのアレグリアス。
何より驚いたのは後ろに垂らした三つ編み。
セビージャのタブラオ、それもロス・ガジョスとエル・アレナルといえば、伝統的に、きちんとした格好でないと踊れない、というところであったのであります。
いわゆるセビージャ風。髪はきちんとモーニョを結って、花もアクセサリーも落としたら罰金、くらいの気持ちで。衣装も伝統的な、きちんとしたもの、というのが原則。
マドリードのタブラオだとざんばら髪で踊る人もいるけれど、セビージャでは絶対そんなことない、はずでありました。いや、ざんばらではないけれど、でもやっぱり気になる三つ編み。うーむ。

続いてセルヒオ・アランダのタラント。これでもかこれでもかというサパテアード。最初、ジャケットのボタン止めてたのですが、そのせいで衣装に変なシワできるし、美しくなくちょっと残念。

三人目はアンヘレス・ガバルドンで、ガロティン。いやあ、ガロティンなんて久しぶりだ〜と思ったのですが、いやあ、これが良かった。コルドベスをかぶって出てくるのですが、その帽子の角度、花の位置、ともに完璧。顔の角度も美しい。いいなあ。そして帽子を前に後ろに、今まで誰もやったことのないような動きを見せる。帽子とデュオで踊っているような、といえばわかってもらえるだろうか。いやあ面白い。ガロティンといえば、古風な感じだけど、こんな風にもできるんだ、と目からウロコ、でありました。

トリはラファエル・カンパージョ。ソレア。歌の時はほとんど動かない。耐えて耐えて、どん、と爆発する。
この人は昔から姿勢が美しいけれど、その腕が動くと、“気”が動く。という感じ。空気を大きく動かすような。すごいです。
回転にしても足にしても別格。ブレリアの粋さ。ちょっとした仕草が色っぽい。歌舞伎でいう色仇って感じでございますな。本人真面目な人ですが、面白い。
最後は全員でブレリア。

楽しめます。
スペイン人はあまりタブラオ、行かないけれど、気軽に一流のアルテが楽しめる場所。やっぱオススメでございます。


写真撮影禁止なので始まる前の何もない舞台のみ撮影。



帰り道のヒラルダも美しく春の気分。いいもの見ると元気が出るね。

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