2016年2月20日土曜日

ヘレスのフェスティバル初日/エバ・ジェルバブエナ「アパレンシア」

ギニアビサウ出身の歌手とパーカッションによる音楽で
舞台で踊っているのは赤い衣裳を着て髪のない、筋肉隆々とした男性?
コンテンポラリーダンサーなのかな、エバの振りを上手に踊るなあ、
と思ったらエバ本人だった。

Fotografías de Javier Fergo para el Festival de Jerez

アパレンシア、外観というタイトル通り、人はみせかけにだまされてしまうこともある、といういい見本、かもしれない。
クリスティアン・ロサーノ、ダビ・コリア、フェルナンド・ヒメネス、アンヘル・ファリーニャという4人の、フラメンコだけでなく、バレエの基礎があり、スペイン舞踊もきっちり踊れる男性舞踊手とともにつくりあげていくのは、いつものエバの世界。
彼女にはことばにならない伝えたいことがいっぱいあるのだろう。
それを身体と舞台で伝えようとしているように思う。
伝統的なフラメンコの技術だけではことばが足りず、そのほかの要素をいろいろつかって伝えようとしているのだろう。
だが、それが私にはよく伝わらないようで、ああ、これはなんなんだろう、とつい考えてしまう。

上半身裸で黒いスカートをはいた男たち。
黒いパンツに白い闘牛士のガウンのようなものをまく男。

Foto Javier Fergo para Festival de Jerez


くるくる回るとトルコのスーフィー舞踊を思い出させる。
スカートは女性だけのものではないのだ。
男がきているワンピースのようなものはキリスト像がきているガウンのようにもみえるのは髭のせい?
Fotografías de Javier Fergo para el Festival de Jerez

仮面。マントン。

Foto Javier Fergo para Festival de Jerez
ブランカ・デル・レイのマントンのソレアのように、身体にまきつけたりさまざまに動かしてみせる。その昔ボクサーみたいといわれた、エバのぐっと腕を突き出すような振りとの組み合わせはミスマッチのようだけど個性的。

突然話しだす踊り手。

それぞれにきっと意味があるのだろう。だが、それは私にはわからない。
わからなくてもいいのだろう。きっと。
すべてをわかろうとするのは、理解しようとするのは悪い癖なのかもしれない。

最後は緑色の衣裳でソレア。

Fotografías de Javier Fergo para el Festival de Jerez


彼女のソレアはやっぱりすごい。圧倒的な力でことばにならない何かを訴えてくる。
最後のブレリアでのおばあさんのような昔ながらの振りの、抜き加減も心地よい。
以前のように、最後のソレアが素晴らしくよくてほかが全部ぶっとんでしまう、ということはなかったけれど、やはり自然にオレ!がでてしまう。カタルシス。

なんでつい、これだけでいい、不可解な前半はこれをみるためのお代?、などと思ってしまいがちなんだけど、今回は実はけっこうおもしろがっていたかも。
ダビ・コリアの美しいかたちやクリスティアン・ロサーノの風格も楽しめたし。でも男たちのソロはもう少し短くてもいいような気も。

David Coria y Eva. Fotografías de Javier Fergo para el Festival de Jerez



パコ・ハラーナの音楽はいつものようにエバを支え、ホセ・バレンシアとアルフレド・手ハーダのよくのびる声はエバを生き生きとさせる。とくにホセが、なんというのだろうか、今が旬なん?っていうくらいすごくよかった。




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