スペイン国立バレエのポスエロ公演。
ポスエロはマドリードの郊外の町で
テラスハウスや一軒家がずらーっと並ぶ典型的なベッドタウン。
この町のショッピングセンターの隣にある劇場での公演。
「リトモス」「ビバ、ナバッラ」「ファルーカ」「ボレロ」
休憩はさみ
「グリト」
というプログラム。
1984年、名作「メデア」とともに初演されたという「リトモス」は
アルベルト・ロルカの振付け。音楽はホセ・ニエトのオリジナル。
先だって行われた国立バレエのガラのために
ホセ・アントニオがきて振り移ししたそうだ。
美しい動き。
たっぷりしたスカートの広がり。
サパテアードの響き。
30年の時を経ても決して古びない。
スペイン舞踊の名作のひとつだろう。
ベティ先生振付けの民族舞踊「ビバ、ナバッラ」
1978年初演からカルメン・クビジョが踊り
一昨年の国立バレエによる初演時も彼女が踊っていたのだが
今回はバレエ団ソリスト、ミリアム・メンドーサが。
踊り手が若くなった分より軽快になり別の曲のようだ。
日本で何度も上演されている男3人の「ファルーカ」。
フアン・キンテーロの振付けのこの曲を
フラン・ベラスコ、エドゥアルド・マルティネス、ホセ・マヌエル・ベニテスで。
ホセ・マヌエル・ベニテスの細部が素晴らしい。
そして一部の締めは「ボレロ」
ただし日本公演でおなじみのホセ・グラネーロ振付けの「ボレロ」ではなく
ラファエル・アギラール振付けの「ボレロ」で国立バレエの初演になる。
衣装はオリジナルのものにインスパイアされた新作だ。
グラネーロ版のような華やかな装置はない。
椅子に座った、扇を手にした女性の群舞の中に
上半身裸の男性、ソリストのセルヒオ・ベルナルが現れ、
見事なソロをみせる。
途中、女性たちも少し動くが
その半分以上が彼のソロ、という感じ。
鍛え抜かれた美しいダンサーの筋肉が衣装以上の衣装。
バレエダンサーもかくやという彼の動きに目が離せない。
半ばを過ぎ登場する男性群舞の迫力。
カオスの中の終幕。
振付けはシンプルでバレエ団のポテンシャルをいかしきっていない感があるが
セルヒオの魅力でみせる一曲となった。
アントニオ・カナーレス振付け「グリト」は衣装が一新し
振付けすら新しくみえるのが面白い。
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