2011年3月7日月曜日

ヘレス・フェスティバル10 ロサリオ・トレド「君の瞳に炎」

写真;Javier Fergo

カディス出身のバイラオーラ、ロサリオ・トレドが
初のビジャマルタ劇場で主役をつとめた公演
「アイ・フエゴ・エン・トゥス・オホス」
君の瞳に炎がある

舞台の上の台で
「牧神の午後」の牧神か、「真夏の夜の夢」のパックのようなイメージの
身体にぴったりした衣装で踊るロサリオ。
ラジオの雑音のような音と
時計のような音だけで踊る。
オープニングから?
いったいこれは何?

プログラムによると
ギリシャ哲学の伝統により
火、風(空気)、土、水の4要素が
それを結合させる愛と別れさせる不和で
くっついたり離れたりしながら宇宙をつくっているという考えに端を発し、
これまでの彼女のキャリアを振り返り
それぞれのときに強い影響を与えたギタリスト4人それぞれに
4要素をあてはめ4曲をふりわけたのだという。

ミゲル・イグレシアスによるシギリージャは火
ダニエル・メンデスによるソレアは風
カディスのケコ・バルドメロのアレグリアスは水
アルフレド・ラゴスのタラントは土


というわけで照明も舞台もそのイメージでつくっているのだろう
シギリージャは黒いずきんをかぶったようなパンツスーツ

写真;Javier Fergo

バタ・デ・コーラのアレグリアスは青く薄暗い照明でさびしげ
ゲストの白いジャケットのホアキン・グリロが登場すると
死んだごきぶりのように手足を上にひっくり返ったのはなぜ?
イスラエル・ガルバン「メタモルフォシス」では
朝おきたら虫になっていたという物語があったからだけど。

ソレアでも
アルフレド・ラゴスのすばらしい演奏でのタラントでも
シギリージャやアレグリアス同様に
フラメンコの殻を破ろうとしているのか
衣装も踊りも伝統的なフラメンコの枠をこえ
違和感をおぼえる.

ロサリオはいったい何がいいたいのだろうか。
奇妙な動きは
演出と振り付けをロサリオとともに担当した
マルコ・デ・アナ(イスラエルのアシスタントだったそうだ)の影響だろうか。
拍手はゲストのホアキンにもっていかれる。

写真;Javier Fergo

彼女の魅力をじゅうぶんに発揮できないまま終わってしまった、
そんな気がする。

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