2011年3月2日水曜日

ヘレス・フェスティバル5 アンヘル・ムニョス「アンヘル」


写真;Javier Fergo

ここ数年、ヘレス・フェスティバルでのクルシージョ講師の常連となった、
アンヘル・ムニョス。
1973年コルドバ生まれでハビエル・ラトーレ門下。
1994年コロドバでプレミオ・ナショナル受賞し
ホセ・アントニオやマリア・パヘスのカンパニーで活躍。
またパコ・ペーニャ、カニサーレス、セラニートら、
ギタリストとの競演も数多い。
かつてカルメリージャと新宿「エル・フラメンコ」にも出演していた、
というと思い出す人も多い事だろう。

その彼が2006年のカニサーレスとの競演についで
ヘレス・フェスティバルに出演。
前回に引き続き会場はサラ・ラ・コンパニア。
アンダルシア・フラメンコ・センターにほど近い小劇場だ。

舞台奥に黒幕。
歌い手(ミゲル・オルテガ、ホセ・アンヘル・カルモナ)も
ギタリスト(昨日のバロンに引き続きハビエル・パティノ)も
踊り手、アンヘルも皆黒い衣装。
照明がかろうじて彼の動きをみせる。

心臓の鼓動のような音に
古いフラメンコの録音が遠くきこえる
そんなオープニングからエンディングまで
黒と白の舞台
おしゃれなのかもしれないが
暗く観づらく眠気を誘う

長身に甘いマスク、長い腕。
一通りの技術をしっかり身につけているし
決して悪い踊り手ではない。
なんでもきちんとこなしても
アクセントが不足している、とでもいおうか、
ためやアクセントがないので
平板な印象が残念。

独り舞台をつとめるにはプラスαがほしい、
とは贅沢だろうか。

エネルギーをぐっとためて我慢してばっと解放する、
といったような静と動で
踊りはどんどん栄えてくるのではないだろうか

パティーノのギターは美しく
ホセ・アンヘルのファンダンゴは熱唱だが、
フルート、サックス、ハーモニカはうるさいばかり。
こういう楽器類はうまくつかわないと今や時代遅れにみえてしまう。
フルートやバイオリンが入ると今風、という時代は過ぎ
今やシンプルなギターとカンテの方がかえって新しいのかも。

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