2023年10月2日月曜日

エストレージャ・モレンテen Teatro Central

アントニオ・カルボネルやアンヘル・ガバーレらが舞台中央で輪になってトナを歌い始める。やがて下手奥からエストレージャが登場し、そこに加わり、気がつくと民謡クアトロ・ムレーロを歌うオープニング。

エストレージャ・モレンテはフラメンコのアーティストの中でもちょっと変わった存在。
父は20世紀後半のフラメンコを代表する存在の一人、エンリケ・モレンテ。母はマドリードのフラメンコ・ファミリーで、この日も共演したギタリスト、モントジータ、歌い手アントニオ・カルボネルは母の弟、アンヘル・ガバーレは母の妹の旦那、とほぼ常にファミリーで舞台に立っている。結婚相手はマラガの闘牛士で、美男美女のカップルとしてメディアにも大きく取り上げられたこともあって、一般の知名度も高い。フラメンコの歌い手だけど、歌謡曲的なものも得意とし、この日もフラメンコの中にいくつかカンシオン・ポル・ブレリアスもありました。

途中、音響トラブルがあって、一旦、歌うのをやめたかと思うと、前に出てマイクなしで歌って盛り上げる。トラブって袖に入ったパーカッションの男の子とは対照的。こういうことが自然にできるっていうのが本当のアーティスト。スターだなあ、と思う。

彼女の歌の中には、メロディやちょっとした歌いまわし、声の感じなど、あちこちに父エンリケがいて、ちょっときゅんとする。

カーニャ、タンゴ、カンテ・デ・レバンテ、マラゲーニャ、シギリージャ…曲ごとに表情も変わる。そういうところもいい。でもフラメンコだけに収まらないというか、フラメンコの奥までどんどん進むよりも間口を広くとっているというか、フラメンコに徹しきってない感じがあるような感じ。
そういうところを嫌うアフィシオナードもいるだろうなあ、とも思うけど。












 

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