2021年1月15日金曜日

スペイン国立ダンスカンパニー『ジゼル』セビージャ公演/写真とスペイン語抄追加

 スペイン国立の舞踊団は二つあります。日本でもお馴染みの国立バレエともう一つが国立ダンスカンパニー。スペイン舞踊専門が国立バレエで、クラシックやモダンのバレエ、コンテンポラリー専門が国立ダンスカンパニー。最初にできたのが1978年の国立バレエで、翌年、国立クラシックバレエ団が創設されました、後、一時は合併したこともありましたが、またわかれ、バレエ・リリコという名で92年には来日公演も行っています。90年から20年間監督を務めたナチョ・ドゥアトのもと、ダンスカンパニーという名に変わり、現在に至ります。ナチョのもとコンテンポラリー作品のカンパニーという位置付けでしたが、2011年のパリ、オペラ座で活躍したジョゼ・マルティネズ監督就任以降またクラシックの作品も多く上演するようになりました。2019年からはニューヨークシティバレエ団で活躍したホアキン・デ・ルスが監督です。

そのホアキンの演出/振付での『ジゼル』。日本人ダンサーが出演していると聞いて観に行ってきました。クラシックバレエ公演見るのなんて何年ぶり?という感じ。

プログラムもウエブで見るのですが、主な配役が舞台の上に表示されてました。


劇場は検温、消毒、マスク着用、座席の間を開ける、など感染対策をきちんとやっています。オケピの中の人も皆、観劇のたびに楽しみな地下のバーも閉鎖。入り口に入る前のところに簡単なバーができていました。

国立ダンスカンパニーのソリスト、大谷遥陽さんがジゼルを踊るのを見ることができたのはラッキーでした。マドリードでの初演でも踊っているのですが、セビージャの初日は他のダンサーが踊る予定だったそうです。それが怪我で急遽、彼女になったとか。この数日前マドリードは大雪だったので、セビージャに来るだけでも大変だったと思います。


最初、舞台に敷き詰められたドライフラワーの上を下手から上手に歩いていくのですが、それがもう少女そのもので、おっと思いました。15歳くらいの少女に見えるのです。

CND. Foto:Alba Muriel


表情が素晴らしいのです。表情というのは顔だけでなく、首や頭の位置、指先、爪先までおろそかにしない、隙のない美しい形や動きの緩急の付け方で、体全体に出てくるものだと思います。バレエの専門家じゃなくても、他の誰にも負けないしっかりとした技術があって、それがあるからこその表現だということがわかります。

全てがコントロールされているからこその表現。すごいなあ。

とまどい、ときめき、よろこび、そして絶望。ほんの小さな仕草までおろそかにせず演じているのが素晴らしいです。

Teatro Maestranza CND. Foto:Alba Muriel




第二部で精霊となったジゼルはグッと大人っぽく、そして精霊らしく重さが感じられません。ふわふわと空中に浮くかのようなジャンプ。でも重心はちゃんとあるというか。アルブレヒトとのパドドゥも素晴らしく。美しく。

Teatro Maestranza CND. Foto:Alba Muriel

今、現在、たくさんのダンサーが海外のバレエ団で活躍しています。外出禁止の中、自宅でレッスンを続け、大変な中でも常に努力していた様子をTwitterで拝見していたこともあり、アンコールでは本当に胸が熱くなりました。

これだけの実力があれば誰からも文句言われずに主役踊れるのが当然なスペインっていいなあ。外国人だからと差別することがなく、実力で判断。当然と言えば当然だけどやっぱ素晴らしい。

なお、国立ダンスカンパニーには以前も日本人や韓国人ダンサーが在籍していましたし、(ミルタを踊ったカヨコ・エバハートも東京生まれですし)国立バレエにも韓国人の方がいます。アジア人であることはもうデメリットではないと思います。もちろん、海外で活躍するためには非常に高いレベルが要求されるし、強いハートも必要です。ほんと、活躍してる人たちみんなすごいと思います。

どんなにすごい踊り手でも踊るだけでは食べていけないのが日本。舞踊教授ならまだしも、舞踊とは関係ない他のバイトをしつつ踊りを続ける人も多いと聞きます。その点、海外ではお給料がもらえて踊ることに専念することができる。ひょっとするとそのありがたみを知っていることが彼らの強みになっているのかもしれません。

またぜひ彼女の他の作品も観てみたいです。あれだけの技術と表現力があれば、と期待が高まります。


ちなみに大谷遥陽さんは3歳からバレエを始め、2010年から佐々木三夏バレエスクールに。2014年にはローザンヌのコンクール準決勝まで進みます。同じ年、第1回国際バレエコンクールin東京でグランプリを獲得。審査員長だった、当時スペイン国立ダンスカンパニーの監督を務めていたジョゼ・マルティネズから同バレエ団3ヶ月研修の賞を得て、同バレエ団日本公演時のレッスンに参加したところ、入団を打診され、2015年入団。2018年ソリストに昇進。その前からソリスト格以上の役を数多く踊っています。『ドン・キホーテ』のキトリや『くるみ割り人形』の金平糖の精をはじめ、多くの作品で重要な役を踊っています。

CND. Foto:Alba Muriel

ちなみに今回のホアキン監督による新演出は、『ジゼル』の台本を書いたゴーティエがその前年1840年、スペインを旅していたことに想を得て、スペインはセビージャ生まれの抒情詩人ベッケルを絡ませているのが特徴です。貴族と村娘の悲恋は、スペインを訪れる外国人とスペイン人女性に通じるという考えがベースにあるそうです。なので19世紀のスペインのイメージの衣装で、村人の群舞にホタみたいなパソが出たり、とスペインらしさも出していました。

スペインというとフラメンコばかりが有名ですが、クラシックでも世界中で活躍しているダンサーたちが数多くいますし、国立バレエだけでなく、国立ダンスカンパニーにもぜひ、ご注目ください。


Resumen corto de blog en español

La bailarina japonesa y solista de Compañía Nacional de Danza, Teruhi Otani bailó papel de  Giselle en Teatro Maestranza de Sevilla. En el principio ella cruza escenario andando pero ya era una niña, niña de 15 años. Así me pareció y me cautivó. 

¡Cómo expresa su sentimiento de cada momento! Perplejo, palpitación, alegría y desesperación... Es muy expresiva. Su técnica es eje principal. Cómo coloca la cara, en qué velocidad mueve la mano y qué delicadeza...Aunque yo no soy experta de ballet, pero entiendo que su técnica está al servicio de expresión. 

En la segunda parte, ya es otra. Ella no tiene peso, su salto parece despacio como si fuera volando entre tinieblas. 







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