2017年1月19日木曜日

ニーム・フラメンコ祭ヘスース・メンデス

10年ぶりでやってきました、ニーム。
デニムの由来になった、繊維産業街が盛んなこの街は、 フランスで最も古いローマ都市で、現在も闘牛やコンサートが行われるローマ時代の円形劇場や、神殿が残っている古都だが、今年で27回というフラメンコ祭もこの街の名物の一つ。
フランス観光局のホームページでもイベントの第1番に上げているほどだ。

今年のフェスティバルは12日、ロシオ・モリーナの新作「カイダ・デル・シエロ」で開幕。その後、ロシオやハビエル・バロンやミラグロス・メンヒバルをゲストに迎えたラファエル・ロドリゲスのコンサート、エストレマドゥーラの女性たちによる公演、そしてドランテス、アンドレス・ペーニャ&ピラール・オガージャと続いてきた。

セビージャからマルセイユ経由で劇場へ直行してみたのがヘスース・メンデス。
Festival Flamenco de Nimes撮影Jean-Louis Duzert

朗々と歌い上げるそれは見事なトナーに始まり、アレグリアス、グラナイーナ、バンベーラ、ティエント/タンゴ、ソレア、そしてシギリージャ、ブレリア。

Festival Flamenco de Nimes撮影Jean-Louis Duzert
プログラム自体は、ファンダンゴ・デ・ウエルバがなかっただけで、昨年のビエナルでのリサイタルと同じなのだが、ギターが、いつもの相棒、マヌエル・バレンシアだけだからか、かえってより落ち着いた、骨太の、見事なカンテ公演になった気がする。
Festival Flamenco de Nimes撮影Jean-Louis Duzert
マヌエルのギターにはモラオやパリージャ、パコ・セペーロ(ティエントの始まりとか)まで、ヘレスのギターの伝統が息づいていて、それが全部合わさって彼自身のものになっているのがいい。伝統を受け継いだ、真摯で美しい伴奏あってこそ、ヘスースの熱唱も生きると言えるだろう。

最後のブレリアではマイクなしで歌うのだが、パケーラ譲りのこの声量。全公演、マイクなしでもいけたかも、と思わせるほどだ。フラメンコなエコーがいつまでもこだましている、感じ。
Festival Flamenco de Nimes撮影Jean-Louis Duzert

観客も熱心な拍手を送っていた。

マノロ・バレンシアの伴奏も素晴らしく、ビエナルでの公演よりも全体的な印象が良かったのでありました。



Festival Flamenco de Nimes撮影Jean-Louis Duzert











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