2015年4月10日金曜日

フエベス・フラメンコス「セイス・サパトス」

セビージャの木曜日はカハソルでのフエベス・フラメンコス。今回はソラジャ・クラビホ、メルセデス・デ・コルドバ、ルシア・アルバレス“ピニョーナ”という3人の女性舞踊手たちによる「セイス・サパトス」 6つの靴、つまり3足の靴という意味。3人それぞれのソロに加え、プレゼンテーション、まんなかのカンティーニャス、最後のシギリージャと三人一緒に踊る曲もあるという、満足のいく構成。二人でやっても最初ちょっとあわせて最後フィン・デ・フィエスタのブレリアだけっていうこともよくあるから余計リスペクト。
3人で踊るとそれぞれの個性がより際立つ。
ソラジャの野性、メルセデスの官能、ピニョーナのまっすぐさ。
それは衣装にも、それぞれのソロにも現れていた。
最初のソロでセラーナを踊ったピニョーナは男装。ただし、パンタロンには短いフレコが全体についており(そういう生地なのかな)、白いジャケットの下はタンクトップというちょっと不思議なもの。白いジャケットの前が前下がりになっているせいか、姿勢が悪くみえる。上体は固い印象。まっすぐな感じ。カンティーニャスのバタ・デ・コーラさばきはクリスティーナ・ヘーレン財団でミラグロスに習っただけはある見事なテクニックだが、やはり上体が少し弱いか。
メルセデスは得意のタラント。この人はピニョーナとは対称的に身体を柔軟に使って効果をあげる。背をまるめ小さくみせたり大きく身体を開いたり。長年その舞踊団で活躍しているエバ・ジェルバブエナ(会場にも来てました)の影響は大きいけれど、そのテクニックはとってつけたようなものではまったくなく、彼女自身の血肉となっており、自らの表現になっているのは高評価。エバにはあまりみられない色気、官能性が彼女の魅力かも。タラントはかなり複雑な構成で、照明とかにもこれないこの劇場では少々残念なかんじもあったけれど、カンティーニャでもシギリージャでもきちんと髪を結い、きちんとした衣装を着こなした彼女は一番セビージャ風かもしれない。コルドバの出身だけどセビージャ在住も一番長いかも?
ソラジャはソロの男っぽいマルティネーテは彼女らしく、彼女にあっていてなかなかの力演でよかったけれど、衣装が残念すぎる。マルティネーテは身体にぴったりしたすとんとしたワンピースに黒い短いブラウス風上着。カンティーニャスのバタにいたっては上はレオタードであります。劇場でこれってありえない、と思う私は考え方がセビージャ式過ぎるのでありましょうか。

この日もっと残念だったのは音響。歌いはじまる前にすでにハウリング。古い劇場でいろいろ問題があるのかもしれないが、せっかくいいアルティスタたちがそろっているのだから、
そこはなんとかしてもらいたいものであります。

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