2014年4月9日水曜日

へスス・カルモナ「7バルコネス」

フラメンコ・ビエネ・デル・スール初登場のへスス・カルモナ。
ヘスス・コルバチョとラ・ファビのカンテ二人、
ギターにダニエル・フラド、パルマとハレオのバネサ・コロマ。

60年代ぽいルンバの録音に始まり、
マラゲーニャ、ファンダンゴ、歌い手二人が互いに踊るタンゴ、
サンブラが挿入されたソレア、カンシオン、そしてアレグリアス
と流れるようにアンコールまで展開していく。
構成、振付けまで本人の手で行われている。

1985年バルセロナ生まれ
国立バレエ団出身でテクニックは抜群。
姿勢もよくきれいなかたち。
 サパテアードもしっかりしている。
若い人にありがちなように
動きも音も多く、時に少しはじっとしててと思うほどだけど
歌のマルカールなどは少しゆっくりしていて悪くはない。
 回転も美しいしところどころにフラメンコ的な間のよさもはさんでくる。
 客席にたくさんいた踊り手たちもハレオをかける。

巧いと思う。
タンゴ以外ずっと休まず踊っているし
30歳前で一人でこれだけの作品をつくったことは評価する。
でも、だけど、なんですね。
オレ!と思わず声をかけたくなるような瞬間も
見終えたあとの高揚感もまるでない。
うーん。なぜだろう。

ある批評家はフラメンコ性がないと断言してたけど
そうなのかな。
いや、ところどころフラメンコな感じははさんでくる。
でもなんか足りないような。
なんなんでしょうね。
コロカシオン、姿勢フェチな私的にも
かたちはきれいだし
歌い手とギタリストが舞台の前面にでて
踊り手がその後ろで踊るという、
ちょっと面白い趣向のファンダンゴも楽しかったんだけど。

わりとどの曲踊っても同じ感じ、ってのはあるかもしれない。
曲のキャラクターをもっと演じてほしいというのかな。
本人きいたら怒られそうですが、
なんか表面的というか、
しっかり曲の中にどっぷりはいって踊ってる感じがないのかも。
アスリートが流してるような、感じとでもいうのかな。

でもヘレスのフェスティバルのガラでみたときよりはよかった。
なんでまた観てみたいと思います。
若手は一回の公演で判断しちゃ失礼ですし。

ヘレスのフェスティバルでも
私的にはうーんだったマルコ・フローレスが
若手舞踊家たちは絶賛してたから
若い人と好みがちょっと違ってるだけなのかもしれないし。

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