2012年7月1日日曜日

カマロン20周忌

カマロン・デ・ラ・イスラが亡くなって
今日で20年。

あの暑い日は昨日のように思えるけど。



私がスペインに来ることを決めたのは
カマロンが交通事故にあったというニュースを聞いたときだ。
同じ時代に生きているのに
生で聴くことなしに終わるのはいやだ、
という気持ちが私の背中を押して
87年秋にセビージャにやってきた。
その年の暮れだったか
マルベージャのフェスティバルで歌う彼を観た。
あまり調子はよくなかったけど
ついにライブでみることができて、
彼を神のように敬愛しおしゃれをして会場に集うヒターノたちの中で
なんだかとても幸せだった。

それから何度彼の舞台をみたことだろう。
一度はセビージャの川ぞいで歌い、
その姿がうちからみえたこともあった。
闘牛場でみかけたことも
フェリアで会ったこともあった。

インタビューはしていない。
フェリアで会って
一緒に写真をとってもらったときも
話らしい話はしていない。


彼が亡くなった翌日
ビセンテ・アミーゴの同行通訳として日本へ飛んだ。
カマロンの伴奏をしたビセンテもお葬式には行けなかった。

カマロンのアルバムをしばらく聴けなかった。
パセオの特集を書くために
聞き出すと止まらなくなった。



ずっと会ってなかった人だから
遠い人だったから
どこか実感がなかったのかもしれない。



その数年後
サン・フェルナンドで行われたカマロンについての会合にでかけて
思いついてふとお墓に行った。
お墓をみたとたん涙があふれてきた。
急に彼の死が現実として身近に感じられたのだ。


いないということの重さ。

彼がいたことの重要さ。
彼が残したアルバムは今も
私たちのビダを彩ってくれている。

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