2024年9月18日水曜日

カリスト・サンチェス『ポル・ロス・シグロス・デル・カンテ』

21時半からアルカサルでは70代の歌い手たちによる公演『ポル・ロス・シグロス・デル・カンテ』
70年代、各地のフェスティバルで活躍していた面々による、ガラ的な公演。
出演予定だった92歳のロメリート・デ・ヘレスが病気で出演できなかったのは残念だったけど。

カリスト・サンチェスのプレゴン、ホセ・デ・ラ・トマサのバルコニーから歌いかけるマルティネーテというオープニングは、ちょっと作品ぽかったけど、凝った構成と言えるものもなく、シンプルに。

ナノ・デ・ヘレスとフアン・ビジャールが舞台に上がる。
まずはナノのソレア・ポル・ブレリア、伴奏はエドゥアルド・レボジャール。
続いてフアンがタンゴ、そしてブレリア。フアンの伴奏はマヌエル・ヘロ。独特の歌いっぷり健在。伴奏はニーニョ・ヘロから息子に代わったけど、カンシオンぽいブレリアはストレートなフラメンコのブレリアよりもメロディに変化があり、伴奏大変なこともあると思うけどしっかりサポート。さすがですね。パルマ(プログラムに記載なし)がちょっとなあ、というところがあって残念だったけど。ソレアやアレグリアスも聴きたかったなあ。ちゃんといいパルメーロで。


Archivo Fotográfico de La Bienal de Flamenco / ©Laura León
Archivo Fotográfico de La Bienal de Flamenco / ©Laura León

ソレア・ポル・ブレリアではどんどん押してくるタイプの伴奏でちょっと窮屈そうだったナノはフェステーロ的な存在でもあるので、ブレリアを生き生きと歌い踊った。でもパルマもギターもイマイチなのでもうひとつ。パルマもギターも大切。
                    

Archivo Fotográfico de La Bienal de Flamenco / ©Laura León

Archivo Fotográfico de La Bienal de Flamenco / ©Laura León 


マルセロ・ソウサはファルーカとシギリージャ。まっすぐな歌。
Archivo Fotográfico de La Bienal de Flamenco / ©Laura León


Archivo Fotográfico de La Bienal de Flamenco / ©Laura León

伴奏のマヌエル・エレーラが素晴らしかった。かつてのマノロ・フランコのように、派手さは無いかもしれないけど知る人ぞ知るの実力派では無いかと。カンテ伴奏の世界も奥が深い。

ホセ・デ・ラ・トマサはシギリージャとタラント。
おまけでファンダンゴというのが昔のフェスティバルぽい。
Archivo Fotográfico de La Bienal de Flamenco / ©Laura León

 
Archivo Fotográfico de La Bienal de Flamenco / ©Laura León



こちらも伴奏がいい。アントニオ・カリオン。日本で確か歌のCDも出していましたよね。
歌心のある人の伴奏はいいな、やっぱり。ヘレスのホセ・ガルベスもそうですね。


最後はカリスト・サンチェス。ソレアとティエント。伴奏はレボジャール。すごく久しぶりに聴いた気がする。昔はマノロ・フランコやペドロ・バカンとかの伴奏だったよね、とノスタルジーに浸る。多分観客もそうだったのではないかな。


ベテランだからいいということはないけれど、ここ数年ベテランのカンテ公演少なかったから良かったと思う人も多いと思う。
でも、ベテランだからいいってわけでもなく、若い時から音程が不安定だった人はやっぱり不安定だし、また加齢で耳が遠くなり音程を悪くする人もいる。
この世代だとパンセキートが良かったけど亡くなったし、レブリハーノやホセ・メネセ、チケテテ…そう考えるともうほんと、随分亡くなってしまったんですね。ランカピーノも体調良くないらしいし。
それでも健康で舞台に立てて良かったですね、ということであります。







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