1月17日金曜日コルドバのグラン・テアトロで
アンダルシア・フラメンコ舞踊団の新作
「エン・ラ・メモリア・デル・カンテ;1922」 が初演された。
昨年同舞踊団の新監督となった
ラファエラ・カラスコの企画/振付けで
ガルシア・ロルカやマヌエル・デ・ファリャらが関わり、
1922年、アルハンブラのアルヒベ広場で行われた
カンテコンクールをモチーフに
作り上げた作品。
このカンテコンクールは当時の、“商業主義に感化された” フラメンコではなく
プロではない人が口伝えで覚えた“純粋なフラメンコ”を取り戻す、という
ロマン主義的上から目線で主催されたものなのだが
フラメンコの歴史に残るものとして知られるのは
ロルカやファリャなど有名知識人の関わりゆえだろう。
始まる前に舞台に投影されているのは
コンクールのポスターの絵
舞台の上にはコンクールの小さな舞台。
今もあちこちの村のフェスティバルでよくみかける折り畳み椅子が並ぶ。
そのコンクールの“宣言書”が
作品のプレゼンテーションとなり女性5人男性3人による群舞で踊られ、
続く“審査員紹介”では
アントニオ・チャコン、ニーニャ・デ・ロス・ペイネス、マヌエル・トーレという(!)
フラメンコの歴史上最強の歌い手たち3人を、
ダビ・コリア、アナ・モラーレス、ウーゴ・ロペス。
三人のソリストがそれぞれ踊る。
それぞれのSP録音にあわせて踊るというのが面白い。
曲はひとつではなくいろいろな録音が途切れ途切れにでてくる。
コンクールで伴奏ギタリストをつとめた
ラモン・モントージャの“ロンデーニャ”は6人の群舞で。
ギターのビブラートを
6人が6本の弦のようになって踊るのも楽しい趣向だ。
最初のソロはマヌエル・トーレ/ウーゴ・ロペスのシギリージャ。
長身をいかしてダイナミックに踊る。
サンブラのクアドロは8人の群舞。
華やかな衣装でグラナダのクエバの定番で、
アルボレアに始まり、カチューチャやモスカまで楽しくみせる。
若いからかおばちゃんたちのようにはなかなかいかない。
とくに女性舞踊手にもう少しニュアンスがでてくるともっといいだろう。
2番目のソロはニーニャ・デ・ロス・ペイネス/アナ・モラーレスのサエタ。
有名な「アイ、ピラト」の録音ではじまるのだが
この人の動きの美しさは特筆ものだ。
サエタのバックに流れる太鼓の音が軍隊行進のイメージと重なり
時代の不穏な空気を表現していく。
あのコンクールに参加していた少年時代のカラコールのトナーは
再び6人の群舞でみせる。
3番目のソロはアントニオ・チャコン/ダビ・コリアのマラゲーニャ。
これがまたよかった。
ラファエラ舞踊団のメンバーでもあったダビは
繊細で美しい踊りをみせるのだがこれがチャコンのマラゲーニャにぴったりくる。
コンクール優勝者であるディエゴ・ベルムデス“エル・テナサ” のソレアは
カンテのアントニオ・カンポスとミゲル・オルテガ、
カーノとヘスース・トーレスのギターで。
ラモン・モントージャのソレアは全員の群舞で
最後の最後に白い衣装のラファエラ・カラスコが
ラ・マカローナのイメージでカンティーニャ。
この、1922年のコンクールの写真でのマカローナをイメージしたのだろう、
エプロンをつけた衣装はいつものラファエラらしくなく、
大ざっぱな感じなのが 残念だが踊りはやはり素晴らしい。
ファエラらしい洗練と繊細さで
しっかり歴史的コンクールを研究し
よくつくられた作品だ。
ベースとしてはしっかりできている。
暗めの照明もふくめ、時代の雰囲気をよくあらわしている。
22年のコンクールについて知っている人はもちろん
まったくなにも知らない人も
楽しめる近づきやすい作品といえるだろう。
踊りだけでなくカンテやギターも大切にしているのも好感がもてる。
初演ということでまだまだ荒削りな部分もあったが
これから公演を重ねていけばどんどんよくなっていくことだろう。
なお客席には
前監督のルベン・オルモを始め、ハビエル・ラトーレや
パトリシア・ゲレーロ、ロシオ・コラルなどのアーティスト、
またプロモーターやマネージャーなどが多数顔をみせていた。
このカンテコンクールは当時の、“商業主義に感化された” フラメンコではなく
プロではない人が口伝えで覚えた“純粋なフラメンコ”を取り戻す、という
ロマン主義的上から目線で主催されたものなのだが
フラメンコの歴史に残るものとして知られるのは
ロルカやファリャなど有名知識人の関わりゆえだろう。
始まる前に舞台に投影されているのは
コンクールのポスターの絵
舞台の上にはコンクールの小さな舞台。
今もあちこちの村のフェスティバルでよくみかける折り畳み椅子が並ぶ。
そのコンクールの“宣言書”が
作品のプレゼンテーションとなり女性5人男性3人による群舞で踊られ、
続く“審査員紹介”では
アントニオ・チャコン、ニーニャ・デ・ロス・ペイネス、マヌエル・トーレという(!)
フラメンコの歴史上最強の歌い手たち3人を、
ダビ・コリア、アナ・モラーレス、ウーゴ・ロペス。
三人のソリストがそれぞれ踊る。
それぞれのSP録音にあわせて踊るというのが面白い。
曲はひとつではなくいろいろな録音が途切れ途切れにでてくる。
コンクールで伴奏ギタリストをつとめた
ラモン・モントージャの“ロンデーニャ”は6人の群舞で。
ギターのビブラートを
6人が6本の弦のようになって踊るのも楽しい趣向だ。
最初のソロはマヌエル・トーレ/ウーゴ・ロペスのシギリージャ。
長身をいかしてダイナミックに踊る。
サンブラのクアドロは8人の群舞。
華やかな衣装でグラナダのクエバの定番で、
アルボレアに始まり、カチューチャやモスカまで楽しくみせる。
若いからかおばちゃんたちのようにはなかなかいかない。
とくに女性舞踊手にもう少しニュアンスがでてくるともっといいだろう。
2番目のソロはニーニャ・デ・ロス・ペイネス/アナ・モラーレスのサエタ。
有名な「アイ、ピラト」の録音ではじまるのだが
この人の動きの美しさは特筆ものだ。
サエタのバックに流れる太鼓の音が軍隊行進のイメージと重なり
時代の不穏な空気を表現していく。
あのコンクールに参加していた少年時代のカラコールのトナーは
再び6人の群舞でみせる。
3番目のソロはアントニオ・チャコン/ダビ・コリアのマラゲーニャ。
これがまたよかった。
ラファエラ舞踊団のメンバーでもあったダビは
繊細で美しい踊りをみせるのだがこれがチャコンのマラゲーニャにぴったりくる。
コンクール優勝者であるディエゴ・ベルムデス“エル・テナサ” のソレアは
カンテのアントニオ・カンポスとミゲル・オルテガ、
カーノとヘスース・トーレスのギターで。
ラモン・モントージャのソレアは全員の群舞で
最後の最後に白い衣装のラファエラ・カラスコが
ラ・マカローナのイメージでカンティーニャ。
この、1922年のコンクールの写真でのマカローナをイメージしたのだろう、
エプロンをつけた衣装はいつものラファエラらしくなく、
大ざっぱな感じなのが 残念だが踊りはやはり素晴らしい。
ファエラらしい洗練と繊細さで
しっかり歴史的コンクールを研究し
よくつくられた作品だ。
ベースとしてはしっかりできている。
暗めの照明もふくめ、時代の雰囲気をよくあらわしている。
22年のコンクールについて知っている人はもちろん
まったくなにも知らない人も
楽しめる近づきやすい作品といえるだろう。
踊りだけでなくカンテやギターも大切にしているのも好感がもてる。
初演ということでまだまだ荒削りな部分もあったが
これから公演を重ねていけばどんどんよくなっていくことだろう。
なお客席には
前監督のルベン・オルモを始め、ハビエル・ラトーレや
パトリシア・ゲレーロ、ロシオ・コラルなどのアーティスト、
またプロモーターやマネージャーなどが多数顔をみせていた。
ビデオがアップされていましたが
ロンデーニャとクアドロ・デ・サンブラの群舞のみなのが残念
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