スペイン国立バレエ団新作
「ソロージャ」
ソロージャはバレンシア生まれの画家。
その彼がニューヨークのイスパニックソサエティーの依頼で描いた
14枚の絵「ビジョン・オブ・スペイン(スペインの情景)」をもとに
14枚の絵「ビジョン・オブ・スペイン(スペインの情景)」をもとに
アントニオ・ナハーロ芸術監督が企画した作品。
ソロージャは1863年バレンシア生まれ。
明るい海辺にあそぶ
白い服の女性やこどもたちを描いた一連の絵画で
スペインではとてもポピュラーな画家。
だがその代表作のひとつである
この絵はニューヨークにあるということもあって
スペインでもあまり知られていなかったが
バレンシア、バルセロナ、ビルバオ、セビージャ、マドリードで
展覧会が開かれた。
ナハーロ監督もこれで観たのかもしれない。
ガリシア、エストレマドゥーラ、カスティージャ、
アンダルシア、ギプスコア、カタルーニャ、
アラゴン、エルチェ、バレンシア、そしてウエルバ、セビージャを描いた3枚
(イスパニックソサエティの一連の絵画の中で
ナバッラの絵だけは舞踊になっていない)
そして
プロローグと全部で14の場面が
1時間40分の舞台で展開していく。
ソロージャの絵画に出てくるような
白い衣装の女性が波のようにもみえる大きな布とたわむれるプロローグ
振付けはアントニオ・ナハーロ。
バレエのような動きもある
クラシコな曲だ。
最初はガリシア
海をはさんだむこうのセルティックダンスにも似た
軽やかでパワフルな踊り。
国立バレエ団のかつてのレパートリー、
グラン・アントニオのガリシア・ファンタジーを思い出す。
続くエストレマドゥーラは
花笠の女性と男性とのデュエット。
カスティージャを描いた絵「パンの祭り」はサラマンカの民族舞踊を。
パンを手にした女性たちは絵から抜け出たようだ。
柱の周りを女たちがリボンをもってあんでいくのは
たしかサラゴサでもあったような。
牛をおっていくアンダルシアの情景を描いた「牛追い」は
二人のバイラオールによるサパテアードで。
曲はパコ・デ・ルシアのものだが、
3台のギターでちょっとうるさい。
椅子を牛に
バストンを牛追いにつかう長い棒にみたて
いっときとしてなりやまないサパテアードで追い立てて行く。
振付けはマヌエル・リニャン。
ギプスコアはボロというボーリングのような遊びをする場面を描いた絵だが
ここではバスク地方の舞踊でつづっていく。
カシャランカという輿の上で踊る舞踊に始まり
男性だけのスピーディで跳躍と足さばきが特徴的な群舞へ。
カタルーニャを描いた絵は魚、と題され
漁師らしき者と魚を並べる女たちがいるが
これはパレハでの一曲に。
2月の日本公演でも上演された
アラゴンの民族舞踊ホタもソロージャの絵画の題材となっているが
これも最初は絵にあるような長いドレスの女性が登場し
続いて民族衣装でパワフルでエネルギッシュなホタへ。
エルチェの世界遺産、椰子園でのダティル摘みの絵は女性のソロになり
バレンシアの女性たちの群舞になった。
ウエルバ、アヤモンテでのマグロ漁は
男性とバタ・デ・コーラの女、二組のパレハで
ファンダンゴ・デ・ウエルバのリズムで。
やすみなくくりだされるパソ
コーラさばきも悪くない。
セビージャを描いた3枚の1枚目は聖週間
目だけあけたとんがり帽子のダンサーたち。
続く「トレロ」
闘牛士へのオマージュは
闘牛士の伝統的な衣装を身体にぴったりした衣装に描いているという
斬新な衣装でのエスクエラ・ボレーラ。
男性だけのボレーラだが跳躍、回転など華やかな一曲。
闘牛をフラメンコの強さで表現するのではなく
エスクエラ・ボレーラの優雅な身のこなしで現したのは面白いし、正解だと思う。
これはアントニオ・ナハーロ振付けだ。
最後は最も有名な絵であろう
「エル・バイレ」
祭りの飾り付けがされたパティオで4人の娘が踊っているのはセビジャーナスだろうか。
この華やかな、踊りそのものが題材となった絵は
ナハーロとリニャン二人の振付けによる。
最初の部分はナハーロのスペイン舞踊的なもの、
そして後半はリニャンのフラメンコだ。
リニャンの振付けにはマリオやガデスへの目配せ/オマージュもみられる。
絵と同じポーズになる女性たちの姿かたちの美しさ!
華やかでパワフル。
スペインのエネルギーが伝わってくる感じだ。
音楽は民族音楽をベースとしたオリジナルだが
同じような響きのせいか
フラメンコのみが目立つ結果になっているのが残念。
そのフラメンコもギターのアレンジのせいか
音響のせいかカンテがちゃんとききとれないのは残念。
伝統的な衣装をベースにした衣装は
伝統からほとんど離れないものがあるかと思うと
闘牛や最後のエル・バイレのマントンのように
刺繍を手描きの絵で現したものは面白いし
本物のように重くないので動きやすく効果的だろう。
バックや袖のパネルにうつしだされる
ソロージャの絵のイメージの画像は
工夫の余地ありだろう。
などなどいろいろあるものの
スペインでもなかなか観る機会のない各地の民族舞踊を
新しい感覚を加え舞台にあげたことに拍手。
スペインはフラメンコをはじめとした
豊かな舞踊文化が 根付く土地なのである。
劇場ロビーにて
ソロージャは1863年バレンシア生まれ。
明るい海辺にあそぶ
白い服の女性やこどもたちを描いた一連の絵画で
スペインではとてもポピュラーな画家。
だがその代表作のひとつである
この絵はニューヨークにあるということもあって
スペインでもあまり知られていなかったが
バレンシア、バルセロナ、ビルバオ、セビージャ、マドリードで
展覧会が開かれた。
ナハーロ監督もこれで観たのかもしれない。
ガリシア、エストレマドゥーラ、カスティージャ、
アンダルシア、ギプスコア、カタルーニャ、
アラゴン、エルチェ、バレンシア、そしてウエルバ、セビージャを描いた3枚
(イスパニックソサエティの一連の絵画の中で
ナバッラの絵だけは舞踊になっていない)
そして
プロローグと全部で14の場面が
1時間40分の舞台で展開していく。
ソロージャの絵画に出てくるような
白い衣装の女性が波のようにもみえる大きな布とたわむれるプロローグ
振付けはアントニオ・ナハーロ。
バレエのような動きもある
クラシコな曲だ。
最初はガリシア
海をはさんだむこうのセルティックダンスにも似た
軽やかでパワフルな踊り。
国立バレエ団のかつてのレパートリー、
グラン・アントニオのガリシア・ファンタジーを思い出す。
続くエストレマドゥーラは
花笠の女性と男性とのデュエット。
カスティージャを描いた絵「パンの祭り」はサラマンカの民族舞踊を。
パンを手にした女性たちは絵から抜け出たようだ。
柱の周りを女たちがリボンをもってあんでいくのは
たしかサラゴサでもあったような。
牛をおっていくアンダルシアの情景を描いた「牛追い」は
二人のバイラオールによるサパテアードで。
曲はパコ・デ・ルシアのものだが、
3台のギターでちょっとうるさい。
椅子を牛に
バストンを牛追いにつかう長い棒にみたて
いっときとしてなりやまないサパテアードで追い立てて行く。
振付けはマヌエル・リニャン。
ギプスコアはボロというボーリングのような遊びをする場面を描いた絵だが
ここではバスク地方の舞踊でつづっていく。
カシャランカという輿の上で踊る舞踊に始まり
男性だけのスピーディで跳躍と足さばきが特徴的な群舞へ。
カタルーニャを描いた絵は魚、と題され
漁師らしき者と魚を並べる女たちがいるが
これはパレハでの一曲に。
2月の日本公演でも上演された
アラゴンの民族舞踊ホタもソロージャの絵画の題材となっているが
これも最初は絵にあるような長いドレスの女性が登場し
続いて民族衣装でパワフルでエネルギッシュなホタへ。
エルチェの世界遺産、椰子園でのダティル摘みの絵は女性のソロになり
バレンシアの女性たちの群舞になった。
ウエルバ、アヤモンテでのマグロ漁は
男性とバタ・デ・コーラの女、二組のパレハで
ファンダンゴ・デ・ウエルバのリズムで。
やすみなくくりだされるパソ
コーラさばきも悪くない。
セビージャを描いた3枚の1枚目は聖週間
目だけあけたとんがり帽子のダンサーたち。
続く「トレロ」
闘牛士へのオマージュは
闘牛士の伝統的な衣装を身体にぴったりした衣装に描いているという
斬新な衣装でのエスクエラ・ボレーラ。
男性だけのボレーラだが跳躍、回転など華やかな一曲。
闘牛をフラメンコの強さで表現するのではなく
エスクエラ・ボレーラの優雅な身のこなしで現したのは面白いし、正解だと思う。
これはアントニオ・ナハーロ振付けだ。
最後は最も有名な絵であろう
「エル・バイレ」
祭りの飾り付けがされたパティオで4人の娘が踊っているのはセビジャーナスだろうか。
この華やかな、踊りそのものが題材となった絵は
ナハーロとリニャン二人の振付けによる。
最初の部分はナハーロのスペイン舞踊的なもの、
そして後半はリニャンのフラメンコだ。
リニャンの振付けにはマリオやガデスへの目配せ/オマージュもみられる。
絵と同じポーズになる女性たちの姿かたちの美しさ!
華やかでパワフル。
スペインのエネルギーが伝わってくる感じだ。
音楽は民族音楽をベースとしたオリジナルだが
同じような響きのせいか
フラメンコのみが目立つ結果になっているのが残念。
そのフラメンコもギターのアレンジのせいか
音響のせいかカンテがちゃんとききとれないのは残念。
伝統的な衣装をベースにした衣装は
伝統からほとんど離れないものがあるかと思うと
闘牛や最後のエル・バイレのマントンのように
刺繍を手描きの絵で現したものは面白いし
本物のように重くないので動きやすく効果的だろう。
バックや袖のパネルにうつしだされる
ソロージャの絵のイメージの画像は
工夫の余地ありだろう。
などなどいろいろあるものの
スペインでもなかなか観る機会のない各地の民族舞踊を
新しい感覚を加え舞台にあげたことに拍手。
スペインはフラメンコをはじめとした
豊かな舞踊文化が 根付く土地なのである。
劇場ロビーにて
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