2011年1月24日月曜日

ホセ・メルセenセビージャ

1月22日、23日の両日、セビージャのマエストランサ劇場で
ホセ・メルセのリサイタルが開催された。
昨年発表された「ルイード」(騒音)というタイトルがついていたが
新譜からの曲ではなくスタンダードなフラメンコではじまった。

最初はトナとデブラ。
セビージャのオペラハウス、大劇場の舞台にホセがただ一人たたずみ歌い上げる。
声がめちゃフラメンコで、その響きだけでも価値がある。
続いてメジーソのマラゲーニャ。そつなくこなす。
そしてソレア。シギリージャ。
最初のトナはともかく、あとはいつものレパートリーをいつもの通り歌っている。
声、音程、コンパス、ルックス…何をとっても文句のつけようがなく
なんでもそつなくこなすのだが、いつも同じ、という感じをまぬがれない。
もうひとつひねりがほしい、と思うのは贅沢?
ま、個人的には大好きなモライートの伴奏きいているだけで幸せなんですが。

5曲目からはパーカッションにコルドバのグイトやコーラス隊も加わり
新譜からのアレグリアスぽくないアレグリアス。
テミータとよばれる、フラメンコと歌謡曲の間みたいな曲である。

続くモライートのソロのブレリアが素晴らしい。
エネルギーにみちているのにどこかゆったりとしていて
ここちよく、楽しく元気になってくるようだ。
人柄そのまま、といったところか。
これぞ本物。純粋正統フラメンコ!

舞台に戻ったホセはダニ・デ・モロンの伴奏でまた新譜の曲。
かと思うと次は大ヒットした「アル・アルバ」
もともとはルイス・エドゥアルド・アウテというシンガーソングライターの曲で
愛の歌のようにきこえるが、
1975年、スペイン最後の死刑執行に際してつくられた歌。
愛の歌ではなくプロテストソングなのであるが
スペインでは誰もが知っているようなポピュラーで
ホセは観客に合唱させる。。。
続いて新譜の中でスペイン歌謡のパシオン・ベガとデュエットしている
「ナナ・デ・ラ・セボージャ」(タマネギの子守唄)。
ミゲル・エルナンデス(スペイン内戦で共和国側だったため獄死した詩人)の歌詞。

後、コーラス隊によるタンゴ、新譜の曲「フェ」と続き、
最後はブレリア。
エストレージャ・モレンテが同名の映画の中で歌っている「ボルベール」などを
歌い踊る。
そのウナ・パタイータがヘレスぽく、ゆるい感じでわるくない。
最後は観客は総立ち。
これもヒット曲「アイレ」をまたまた合唱させる。

フラメンコ公演、ではあるのだが、
ベテラン、ポピュラー歌手のコンサートの雰囲気。
とはいえ、二日間満員とはさすがの人気。

一般の人気とフラメンコな醍醐味は同居しないのだろうか。。。
んなことはない、と思うのだけど。

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