昨年、ビエナルで初めて見た時もそのすごさに感動して思いを綴り(ブログ1)、内容についても書いたのだけれど(ブログ2)やっぱ、これはすごい作品だ。ビエナルの作品賞を取っただけではなく、歌のダビ・ラゴス、ギターのアルフレド・ラゴス、そして新人賞をパウラ・コミトレが受賞しているというのも納得できるはず。
内容についてはブログ2で書いている通り、スペインの近現代を映す内容なのだけど、多分、細かいところまで把握できなくても何も問題がないと思うくらい、完成度が高い作品。フラメンコだけでなく、コンテンポラリーダンス的な要素や演劇的な要素もあるから、純粋にフラメンコだけを求める人には向かないだろうが、反対にフラメンコでの表現の広がりを感じることができる作品だともいえる。
©Javier Fergo-Festival de Jerez |
これは全員で一丸となってみせる舞台作品だ。
©Javier Fergo-Festival de Jerez |
©Javier Fergo-Festival de Jerez
ダンスが好きな人なら必ず魅入られるはずだ。 |
©Javier Fergo-Festival de Jerez |
ダンサーたちのレベルは非常に高い。フラメンコ、スペイン舞踊、コンテンポラリーなど、様々なジャンルを学んできたのではないだろうか。その彼ら一人一人に見せ所がある。
©Javier Fergo-Festival de Jerez |
そしてギターのアルフレド・ラゴス!彼のギターの素晴らしさ!これもやはり特筆すべき。彼に加え、サックスなどを演奏する、フアン・ヒメネスも、コンピューターミュージックのダニエルも作品に彩りを、アクセントを加える。
そしてグロリア・モンテシノの照明!
写真ではどうしても暗く写ってしまうのだけれど、見ていると、いつでもしっかり主役の姿は見えるけれど、明るすぎることはなく、細やかな変化で、その場のドラマをも演出する。陰影がちゃんとあり、その陰影はこの作品のテーマであるスペインの近現代の陰影なのだ、と思う。
パウラ・コミトレの素晴らしさについても書いておこう。この人、普段は可憐という言葉がぴったりの小柄で笑顔が素敵な女性なのだが、舞台の上では大きくなり、凄みすら感じさせられる。
すべての出演者のレベルが高く、スタッフもきちんと仕事をしている、文句のないあ素晴らしい舞台。いろんな人にいてもらいたいし、もう一度見たい。
©Javier Fergo-Festival de Jerez |
この作品はパリで初演されたが、世界が求める作品にはこのレベルが必要なのである。
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