2021年5月10日月曜日

へレスのフェスティバル4日目その1アナ・クリスマン『アルパ・ホンダ』

 ハープでフラメンコを奏でるというへレス出身アナ・クリスマン。もともと音楽の先生でフラメンコ好き。偶然見かけたハープをフラメンコにぴったり、と思い、独学で猛練習したそう。で、去年はビエナル、今年はへレスでリサイタル、ってすごくないですか?

©Javier Fergo-Festival de Jerez

ビエナルでは誰かの公演と重なってみられなかったのでへレスでみようと13時、アタラジャという時計博物館のマルチスペースの特設舞台へ。ここ、今回からへレスのフェスティバルの会場の一つとなったところで、すでにアントニオ・レイ、ホセ・バレンシアも公演。広めの会場だけど、客席が平面で舞台もあまり高くなく、ちょっと見にくいかな。ま、音楽は聴くことができればいいといえばいいんだけどね。


歌も歌うパルマ隊3名とパーカッション、そして特別ゲストにアルフレド・ラゴス。

Javier Fergo- Festival de Jerez

始まりはソレア。ギターのファルセータをなぞるように演奏するのだけど、クラシックの音楽家風というか、コンパスをキープするのではなく、思い入れたっぷりにテンポも変えていくんですね。フラメンコのコンパスも伸び縮みはあるけれど、これはやりすぎ。特に揃って、その人が持ってるコンパスに左右されるから、これはないよ。で、その後コンパス隊加わると、普通にリズム通り弾けるんじゃん。なのになんで? 彼女はフラメンコにぴったりと思ったそうだけど、ハープの音色ってオルゴールみたいで、深みが感じられない気がする。続くロンデーニャもギターのメロディをなぞっていく。多分、フラメンコの曲種、そしてメロディーでも、きっとハープにより合う曲があるんじゃないかと思うんだよね。楽器の特性を活かすことなしだと、珍しい楽器でフラメンコ弾いてみました、だけど何? だから何?になっちゃう。ティエント/タンゴで歌伴奏もやったんだけど、これも基本、ギターの歌伴奏の真似。

アルフレドのソロはとてもよくて、セビージャの一人っきりでのリサイタルを思い出す。ここではパーカッションのペドロ・ナバロも加わり、これもよし。音を出してない時もコンパスが回っている。音に色彩があり、メロディに情景が浮かんでくるようで。ああ、ずっと聴いていられたら、と思うくらい。

お色直しを終えたハープで始まるシギリージャ。最初のソレアと同様、思い入れがコンパスを凌駕。ここでもアルフレドがすごすぎてハープは押されっぱなし。仕方ないよね。キャリアも違う。アルフレドのパコみたいな音使いがツボ。


©Javier Fergo Festival de Jerez

アルフレド去って、サンブラ。ハープのオリエンタルな響きは合いそうなんだけど、そうでもない。でも、もしフラメンコ版アラビアンナイトとかやるなら選択肢にはなるかもね。アレグリアス。そしてブレリア。最後はアナがちょっとブレリア踊ってへレスのアピール。

フラメンコは難しいね。

ブレリアでこの後、15時からのペーニャ、ロス・セルニカロスへ。アンパーロ・アグヘータと云う女性歌手。昔日本にも来たパコ・アグヘータの娘だそうな。マラゲーニャ、タランタ/カルタヘネーラ、ティエント/タンゴ、シギリージャ、ソレア、ファンダンゴ。へレスの歌い手がよく歌うような曲をカルボネーロの伴奏で歌い継いでいく。自然な感じというより、勉強した感じ。形にはなっているのだけど、慣れない感じ。こなれていない。どこか外人ぽいというか。

ペーニャも席数減らして予約者のみに

最後のブレリアで会場にいたミゲル・アンヘル・エレディアも舞台に上がったので、パタイータ期待したけどなし。踊りに歌うとかも慣れてないのかな。

フィンデフィエスタ。ビデオ撮ろうと待ちかまえてたんだけど肩透かし。残念。



ミゲルと会えてよかった。月曜からクラスだそう。





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