2023年4月25日火曜日

コルドバギター祭プログラム発表




コルドバのギター祭のプログラムが発表になりました。

今年もクラシック、ジャズ、そしてフラメンコとバラエティに富んだ内容でギターを満喫できるプログラムです。クルシージョ申し込みも24日から開始しています。

なお、今年のプログラムで注目したいのは長年、このフェスティバルでマスタークラスを開講していたマノロ・サンルーカルの名作を、その第2ギターをも務めたサンティアゴ・ララが演奏する開幕コンサートでしょうか。エステベス/パーニョスの公演は昨年のへレスのフェスティバルでみましたが、フラメンコ、スペイン舞踊、コンテンポラリーが見事に並び立つ本当に素晴らしい作品なのでこちらもぜひ!
 

◇第42回コルドバ・ギター祭※うちフラメンコ関連公演のみ

76(木)〜15(土)

7/7(金)2030分『ラ・コンフルエンシア』

[出]〈b〉エステベス/パーニョス・イ・コンパニア

710(月)2030分『トダ・ラ・ビダ、ウン・ディア』

[出]〈c〉シルビア・ペレス・クルス

714(金)2030分『プーラ・サングレ』

[出]〈c〉イスラエル・フェルナンデス

[場]コルドバ グラン・テアトロ

[料]1127ユーロ

79(日)2030分『プリンシピオ・イ・オリヘン』

[出]〈c〉ロサリオ・ラ・トレメンディータ

713(木)2030分『カミノス』

[出]〈g〉フアン・ゴメス“チクエロ”

[場]コルドバ ゴンゴラ劇場

[料]12ユーロ

76(木)2230分マノロ・サンルーカル『メデア』『カンシオン・デ・アンダルシア』

[出]コルドバ管弦楽団、〈g〉サンティアゴ・ララ、〈c〉ロシオ・ルナ

[場]コルドバ アセルキア劇場

[料]招待券

711(火)22時『ミサ・フラメンカ、ア・モレンテ』

[出]〈c〉アントニオ・ゴメス“エル・トゥリィ”

[場]コルドバ カプチーノ広場

[料]無料

712(水)22時『ギタリスタ・アスール』

[出]〈g〉ホセ・アントニオ・ロドリゲス、コルドバ管弦楽団

[場]コルドバ メスキータ、オレンジの中庭

[料]招待券

7/10(月)2030分ホーベン・タレントス伴奏ギターコンクール決勝

[場]コルドバ ポサーダ・デ・ポトロ

[料]無料

[問]https://teatrocordoba.es/festival-guitarra-cordoba/


◇第42回コルドバ・ギター祭※うちフラメンコ関連のみ

76(木)〜15(土)

フラメンコギター

76(木)〜8(土)10時〜14時 計12時間

[教]〈g〉ホセ・アントニオ・ロドリゲス

[内容]中上級『コンサート・フラメンコ・ギターの技術、表現、様式』定員12

[料]180ユーロ

[場]コルドバ ラファエ高等音楽院ル・オロスコ

710(月)〜12(水)11時〜14時 計9時間

[教]〈c〉フアン・ゴメス“チクエロ”

[内容]中上級『ギターラ3.0』定員12

[料]180ユーロ

[場]コルドバ ラファエ高等音楽院ル・オロスコ

713(木)、14(金)10時〜14時 計8時間

[教]〈g〉ディエゴ・デル・モラオ

[内容]中上級『ファルセータ、技術とカンテ伴奏』定員12

[料]180ユーロ

[場]コルドバ ラファエル・オロスコ高等音楽院

舞踊伴奏

7/9(日)〜12(水)1030分〜1245分 計9時間

[教]〈b〉インマクラーダ・アギラール、〈g〉ダビ・ナバロ、〈c〉ヘマ・クンプリド

[内容]中級 定員15

[料]180ユーロ

場]コルドバ アセルキア劇場

76(木)11時〜14時 計3時間

[教]〈b〉エステベス&パーニョス

[内容]上級『フラメンコ舞踊、再構築と振付、カンティーニャ/ラ・ディビナ・ペレグリーナロマンセ』定員15

[料]60ユーロ

[場]コルドバ アセルキア劇場

77(金)〜9(日)11時〜14時 計9時間

[教]b〉オルガ・ペリセ

[内容]中上級『バイレとカンテ。アバンドラオとシギリージャの舞踊』定員15

[場]コルドバ アセルキア劇場

[料]100ユーロ

[問]https://teatrocordoba.es/festival-guitarra-cordoba/

2023年4月23日日曜日

全日本フラメンコ・コンクール決勝 コンクール総評

 4月21日、在日本スペイン大使館オーディトリウムで第4回全日本フラメンココンクール決勝が開催されました。予選を勝ち抜いてきただけに、レベルの高い演技が続き、長丁場、審査する方も大変でしたが、セキュリティの関係で一度入場したら途中で一時的に外に出ることはできなかったため、観客の皆さんも大変だったことと思います。お疲れ様でした。

結果は、以下の通りです。

カンテ部門優勝 中里眞央 準優勝 許有廷

バイレ部門優勝 内田好美 準優勝 石川慶子 

小松原庸子特別賞 佐藤心晴 平田かつら

入賞者の皆さん、おめでとうございます。

特にバイレは接戦で、僅差での結果となりました。入賞していない人の中にも素晴らしい歌い手、踊り手、将来有望な方などたくさんいらっしゃいました。日本のフラメンコの未来も安心と感じられるほどです。

なお、毎回、言っていることですが、コンクールの結果は、その時のその演技を、その時の審査員がどう評価したか、であって絶対的なものではありません。未来を約束するものでも、未来への扉を閉じてしまうものでもありません。

スペインのコンクールでも、現在第一線で活躍しているアーティストたちがコンクールで思うような結果を残せなかったケースはままあります。ロシオ・モリーナがコルドバでもラ・ウニオンでも入賞はおろか、決勝にも残れなかったのは有名な話ですし、ロシオはその数年後にはスター格の出演者としてウニオンに招かれています。またラ・ウニオンでエドゥアルド・ゲレーロが優勝した年は、準優勝のメルセデス・デ・コルドバだけでなく、エル・チョロやマリア・モレーノといった他の年なら優勝間違いなしの実力者が決勝に残れなかったというケースもあります。

ではコンクールは意味がないか、というとそんなことはありません。コンクール入賞という一文を履歴書に書くことで注目されることもあるかもしれませんが、それだけで仕事が山のようにくる、なんてことは起こりません。

それよりも何よりも、コンクールという目標に向かって努力すること、その中でいろいろ学ぶことがその人の今後のキャリアにとって大きいと思います。また、プレッシャーとの戦いや、通常とは違う観客(審査員も広い意味で含まれます)に見てもらうことで、通常、先生や仲間たちからもらうのとは違う意見やアドバイスを得ることで気づきを得ることもあるでしょう。アドバイスを全部聞く必要はないかもしれませんが、自分としては納得できない意見でも、そういう見方もあると知ることは悪いことではないと思います。

さて今回、大阪、東京の予選、そして決勝とたくさんの歌を聴き、踊りを観て思ったこと。まずは熱意に感服です。遠いスペイン、アンダルシアで生まれたアートを愛し、やってみようと思うこと、真摯に取り組んでいること、本当にすごいと思います。

ただし、フラメンコとしてみた場合、こうすればもっと良くなるのに、と思うこともいろいろありました。文化も習慣も全く違う遠い国で生まれたアートなので、日本で実践していく上で学ぶことが難しいこともたくさんあるのだと思います。

今回、カンテ、バイレ、共通してまず思ったことは、曲の理解ということ。フラメンコの各曲にはそれぞれの特徴があります。それはリズム、コンパスや調性、メロディの違いだけでなくシギリージャなら重厚で深刻、悲劇性があり、アレグリアスなら軽妙、明朗、上昇感、グアヒーラなら明るさだけでなく、熱帯的、コロニアルな感じ、ティエントのねっとりした粘りつくような感じなど、それぞれのキャラクターが感じられるようなパフォーマンスはいいパフォーマンスだと、私は感じます。

アレグリアスの踊りには笑顔の要素があるわけで、ずっと無表情だったりシリアスな表情ばかりだったりすると違和感があります。でもかといって、何もずっと歯見せて笑っている必要はなく、ちょっと口角が上がっているような感じでいいのです。踊りもパフォーマンスなのでお芝居的な演技も必要な部分はあるのですが、それがわざとらしくはない自然な演技だと一番いいのではないでしょうか。でも、最初は形から入る、つまり笑顔を作ることで楽しい気分になってアレグリアスの気持ちになる、ということもあるかもしれません。

たくさん見聞きすることでその曲の特徴やキャラクターというものはわかってくるのではないかと思います。今はYouTubeなどで手軽にいろんなアーティストのパフォーマンスを観聴きすることができるので是非いろいろ観ましょう、聴きましょう。ライブにも足を運びましょう。たくさん見ている人は自分が踊る、歌う時も、ここはあの人のああいう感じで、といったイメージを持つことができるし、それがより良いパフォーマンスにつながることも多いのではないかと思います。


カンテで特に気になったのは発音です。日本人が苦手なrとlの発音、特にrrの発音は気をつけ過ぎるくらい気をつけないと、ぼんやりしがちな人が多いように思います。またf の音が気になる人もいました。音程もリズムも、曲の理解も表現もいいのに、発音が残念すぎる、という方もいらっしゃいました。また、声量がある方も多かったのですが、ずっと大声で一本調子で歌うのではなく、声の強弱のコントロールをつけたほうがメリハリが効いてダイナミックになると思います。強弱のつけ方もいろんな人の歌を聴くことで学んでいけるのではないかと思います。また音符に一つずつ音を乗っけるような歌い方の人も気になりました。スタッカートみたいに聞こえてフラメンコらしくなくなります。音をつなげる、リガールする歌い方のほうがよりフラメンコらしく聞こえると思います。なお、音程も大切です。好きだという気持ち、伝えたいものはもちろん大切ですが。いくら心があっても基本の技術である、音程、リズム、メロディを含む曲についての知識、発音はその気持ちや伝えたいものを聴いている人に伝えるために、必須です。

バイレでも同様です。まずは姿勢、そしてサパテアードやブラソ、胴体をも含めた身体のコントロール。基本の技術を押さえた上で、振りのセンティード、どういう方向性、意味を持ってるのか、意識がどこにあるか、また舞台への登場退場の仕方、など考えるべきことはたくさんあります。振り付けをなぞる、追うだけになってしまわないように、たとえ他の人に振り付けてもらった曲でも、自分のものとして踊れるように、歌を聴いてこたえるように反応し、自分の中での心の動きが自然と体の動きに現れているかのように、となるのが一つの理想かもしれません。

装いも重要です。曲のキャラクターにあった、振り付けにあった動きがしやすい衣装を選ぶべきです。マントンを使う場合は、ある程度重さのある、フレコにも重さがあるものでないと、綺麗な動きになりません。良いものは高いので、予算の関係で難しいのかもしれませんが。また、スカートにはある程度ゆとりがないと足の動きに制約が生まれてしまいます。また靴も案外目立つものなので気をつけたいところです。髪や花、櫛、イアリングなどアクセサリーも一緒で、悪目立ちしてしまっては元も子もありません。全体の場卵子を考えて選ぶと良いと思います。

なお、これらの意見は審査員全員のものではなく、あくまでも志風個人の意見です。

来年は5周年ということで、また多くの方がご参加いただけますよう願ってやみません。





2023年4月5日水曜日

マノロ・サンルーカルへのオマージュ

 4月25日にヘレスで、昨年亡くなったマノロ、サンルーカルへのオマージュ公演が開催されます。

オヨスによるプロローグに始まり、名作『タウロマヒア』から『ナセンシア』をリケーニ、ロメロ、ロドリゲスが演奏。『デ・ムレータ』はマカニータが歌います。ロドリゲスのファルーカ、リケーニのソレア、『メデア』の『コンフーロ』はエバとメルチェが踊り、再び、『タウロマヒア』に戻り『マエストランサ』はディエゴ・カラスコと3人のギタリストで…

と、プログラムを聞くだけでも凄さが伝わります。

『メデア』のセドゥクシオンをファルキートとパストーラで、って、どんな舞台になるのでしょう。

この時期ヘレスにいるならぜひ!



◇アンダルシア・フラメンコ『マノロ・サンルーカル』

425 2030

[出]〈b〉クリスティーナ・オヨス、ファルキート、パストーラ・ガルバン、メルチェ・エスメラルダ、エバ・ジェルバブエナ〈g〉ラファエル・リケーニ、フアン・カルロス・ロメロ、ホセ・アントニオ・ロドリゲス、マヌエル・バレンシア、ディエゴ・カラスコ、ダビ・カルモナ、〈c〉マカニータ、カルメン・リナーレス、ヘスス・メンデス、ナイケ・ポンセ。〈perc〉ティノ・ディ・ジェラルド、パキート・ゴンサレスほか[場]ヘレス ビジャマルタ劇場

[料]30ユーロ

[問]https://www.teatrovillamarta.es/

2023年4月3日月曜日

フラメンコBBK

3月31日、ヘスス・カルモナの『ゲーム』で始まったビルバオでのフラメンコ公演シリーズ。
今年もオリジナリティのある、いいプログラムです。



 

◇フラメンコBBK

428(金)20時『カンタオーラス』

[出]〈c〉モンセ・コルテス、レラ・ソト、〈g〉ジョニ・ヒメネス、〈b〉オルーコ、〈perc〉バンドレーロ

519(金)20時『サビア・ヌエバ』

[出]〈b〉クラウディア・ラ・デブラ、ジョエル・バルガス、パウラ・カルモナ、〈c〉アントニオ・エレディア、セルヒオ・エル・コロラオ、〈g〉ルイス・マリアノ

69(金)20時『フェステホス』

[出]〈b〉フロレンシア・オス、ラファエル・ラミレス、マルタ・ガルベス、〈c〉ヘスス・コルバチョ、ぺぺ・デ・プーラ、〈g〉ホセ・ルイス・メディナ

[場]ビルバオ サラBBK

[料]20ユーロ

[問]https://salabbk.bbk.eus

2023年4月2日日曜日

ウベダのフラメンコ祭

 ウベダのフラメンコ祭、今年も開催されます。


4月27日にはノリコ・マルティンさんというマドリ在住の、日本人の歌い手さんも出演されるそう。日本語のカンテを歌ったシングルを、ウベダゆかりのパコ・オルテガがプロデュースしたそう。いろんな試みがありますね。

◇第6回 ウベダ市フラメンコス・イ・メスティソス

414(金)21時『エジャス』

[出]〈fl〉セルヒオ・デ・ロペ、〈〈c〉〉アンヘレス・トレダノほか

[料]15ユーロ

415(土)21

[出]〈c〉カルメン・リナーレス

[料]20ユーロ

421(金)21時『アルテ・デ・トレス・ミル・ビビエンダス』

[出]〈g〉カラカフェ、特別協力〈b〉パストーラ・ガルバン

[料]12ユーロ

428(金)21時『タコネス・ボランテス』

[出]〈b〉ロサリオ・イ・ビセンテ・フラメンコ舞踊団

[料]12ユーロ

 

429(土)21時『インティモ』

[出]〈b〉ファルキート

[料]20ユーロ

55(金)21

[出]〈c〉アンヘレス・トレダーノ、〈piano〉チコ・ペレス

[料]15ユーロ

[場]ハエン県ウベダ サンティアゴ病院音楽堂

416(日)

[出]ルシア・エスピン

[料]無料

[場]ハエン県ウベダ ホテル・アルバル・ファニェス

420(木)21時『サビナ・フラメンコ』

[出]〈c〉アリシア・ヒル

[料]6ユーロ

[場]ハエン県ウベダ パラシオ、アングイス・デ・メディニジャ

427(木)21

[出]講演 ダビ・ロペス〈c〉ノリコ・マルティン

[料]無料招待券

[場]ハエン県ウベダ パラドール

430(日)1930

[出]タブラオ・ラ・カンタオーラ・デ・セビージャ

[料]25ユーロ飲み物付き、40ユーロタパ飲み物付き

[場]ハエン県ウベダ カサ・ムセオ・アンダルシ

54(木)21

[出]〈fl〉ホルヘ・パルド

[料]6ユーロ

[場]ハエン県ウベダ サン・ロレンソ教会

56(土)21

[出]〈g〉ライムンド・アマドール

[料]20ユーロ

[場]ハエン県ウベダ ラ・セントラル

[問]https://www.flamencosymestizosciudaddeubeda.com