今年のフェスティバルは生誕150周年を迎えたマヌエル・デ・ファリャに捧げられていて、ポスターにも彼の肖像が描かれているのですが、このフェスティバルの創設者でもあるギタリスト、フランシスコ・ベルニエルが所属するクアルテト・デ・ギターラ・デ・アンダルシアが、マヌエル・デ・ファリャへのオマージュとして、ファリャの『4つのスペイン小品』、『三角帽子』よりを、新しい編曲で演奏するとともに、ホセ・アントニオ・ロドリゲス『インボカシオン・ア・ファリャ』を世界初演したのであります。
ファリャの音楽はフラメンコに関わっている人なら誰もが聴いたことがあるだろうと思うのだけど、ギターのためにかいた作品は『ドビュッシーの墓に捧げる』一曲だけだそう。今回も、もともとは小品集はピアノ曲なのですが、ギターで、それも四台のギターで、一人が主役であとは伴奏という形ではなく、全員が一つになって一つの曲を作り上げていくのが素晴らしく、また、普段フラメンコギターを聴き慣れているせいか、クラシックギターの繊細な表現が新鮮だし、やっぱ音が綺麗。聴き惚れてしまいました。聴いたことがある曲だったというのもあるかもだけど、ファリャはカディス出身でフラメンコの影響も受けているし、アンダルシア以外の民族音楽にも造詣が深かったということもあるかもしれません。
これがホセ・アントニオ・ロドリゲス、の作品は、ファリャの作品を思い出させるようなフレーズから展開していく感じ。フラメンコギタリストだけど、早くからオーケストラと共演曲なども作曲していたから、クラシック、フラメンコ関係なく、ギターのための作品というのも、自然な形でできたのだろう。これも素晴らしかった。日本でも誰かぜひ。
最後は『三角帽子』から、粉屋の女房の踊り、近所の人の踊り、粉屋の踊りと3曲。よく知っている曲だけど、オーケストラでなく、ギター・カルテットでの演奏はまた一味違い、楽しめた。
いつもはクラシックより断然フラメンコが好きなのだけど、この日はこの後のフラメンコギターのリサイタルよりも、クラシック推しになってしまったのでした。
フラメンコはダニエル・カサレス。ミネーラやアレグリアス、グアヒーラなど、思い入れたっぷりの演奏はクラシックよりもクラシック寄りかも。
カルテットだと一人の思い入れで速度変えたり、伸ばしたりできないから、テンポが一定していたのかな、だから前半のカルテット好きだったのかも。
ダニエルはずっとソロでやってて、舞踊伴奏とかしていないからもあるのか、コンパスがキープされていないというか、いやコンパス外すとかとはちょっと違うんだけど、思入れからか、なんなのか、途中ちょっと立ち止まるような感じがあったりで苦手なタイプでした。うまいのはうまいんですよ、でも好みじゃないの、ごめんなさい。って別に私の好みはどうでもいいのでありますが、でも今の中堅若手でいばマヌエル・バレンシアやジョニ・ヒメネス、ダビ・デ・アラアルとか、私の好きなギターソロを演奏するアルティスタは舞踊や歌の伴奏もバリバリやっている人たちなのでありました。ちなみにパコ・デ・ルシアもビセンテ・アミーゴもリケーニもヘラルドもカニサーレスもトマティートも、もっと言えばサビカスだって、若い頃、みーんな歌や舞踊伴奏バリバリやってたわけで。ソロを演奏するフラメンコギタリストには絶対必要。だと思います。

