2021年7月27日火曜日

イタリカ舞踊祭公演録画のストリーミング配信

6月22日から7月17日までセビージャ県で開催されていたイタリカ国際舞踊祭。
このフェスティバルで上演された5作品が8月2日から9月5日にかけて順次、ストリーミング公開され、公式WEBでメーリングリストに登録するだけで無料で観ることができます。

プログラムは以下の通り。
8月2日から8日 ジョン・マジャ&アンドレス・マリン『ジャリン』
©︎Lolo Vaco Festival Italica


8月9日から15日 アントニオ・ルス/パブロ・マルティン『ダブル・バッハ』
©︎Lolo Vaco Festival Italica


8月16日から22日 ハビエル・バロン『エントレ・ムヘーレス』
©︎Lolo Vaco Festival Italica


8月23日から29日 マリア・モレーノ『ベルソ・リブレ/ワーク・イン・プログレス』
©︎Lolo Vaco Festival Italica


8月30日から9月5日 テアトロ・デル・ベラドル『Les Vieux』
©︎Lolo Vaco Festival Italica


アンドレスは新作も披露したのだけどそれではなく、バスクの舞踊家との共演作品。
アントニオ・ルスはスペイン国立バレエにも振り付けをしたコンテンポラリーのダンサーで彼の振り付けで、ヘラルド・ヌニェスのトリオなどで活躍するなどやはりフラメンコと縁のあるパブロ・マルティンの生演奏での共演。
ハビエル・バロンマリア・モレーノの新作についてはこのブログでも触れましたが、フラメンコ作品なので、ぜひ。
最後のは演劇とコンテンポラリーダンスの融合作品らしい。公演評は良かったです。

バロンとマリアの作品しか見ていないので他のを見ることができるのが私も楽しみです。
なお、登録はこちらから。
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2021年7月22日木曜日

へーレン財団フラメンコ才能コンクール

 昨年、久保田晴菜が準優勝したことで日本でも注目された、フラメンコ才能コンクール。

30歳以下を対象としていて、ビデオ予選を勝ち抜いた人がクリスティーナ・ヘーレン財団のトリアーナ・フラメンコ劇場での決勝に臨みます。なお、コンクールを主催するヘーレン財団フラメンコ芸術学校在学生や教職員などは参加できません。上位入賞者には賞金もあり、また入賞者の中から何人かには財団の学校で学ぶための奨学金が贈られます。

今年のコンクール、カンテ部門は劇場での準決勝を経て決勝へと進みます。今年の参加者はこれまでで一番多かったそうですが、6月29日と7月1日の準決勝を勝ち抜いた5人が決勝に進み、見事栄冠を勝ち取ったのはサムエル・ロモ。2004年生まれというからまだ18歳? すごいなあ。カディス県プエルト・デ・サンタ・マリアの出身だそう。奨学金も獲得しました。

左からサムエル、ブランカ、アンヘラ。

2位はハエンのブランカ・ペラエス“ラ・アルメンドリータ”、3位はウエルバのアンヘラ・ゴンサレス。こちらの二人も奨学金も受賞しました。


7月8日に行われたギター伴奏コンクール。優勝は1993年コルドバ県パルマ・デル・リオ生まれのニコラス・ディアス・リニャン。



2位はグラナダのパブロ・デ・ラ・ロサ、3位はオランダ、アイントホーフェンのJoesWieggershフアン・エル・トゥリで二人は来年度のクラス受講のための奨学金も受賞しました。



舞踊は40人の応募があり、その中から5人が決勝に進出。

優勝は2004年グラナダ県モトリル生まれのパオラ・アルモドバル。2位は1993年ボリビア、パス生まれのミレナ・テハダ、3位はマドリードのネレア・ピニージャ。奨学金はミレナと決勝進出した19歳のコルドバ出身のソニア・ロペスに贈られました。なお、もう一人の決勝進出者はフランスのマティルデ・フォリネリでした。

左からミレナ、パオラ、ネレア

なお、コンクールの模様はYouTubeで見ることができます。

舞踊





ギター



2021年7月16日金曜日

マリア・モレーノ『ベルソ・リブレ』

イタリカ国際舞踊祭、アルカラ・デ・グアダイラの城跡に作られた特設舞台での公演。
先のビエナルで魔法の瞬間賞を受賞したマリア・モレーノ。
その対象が、ソレアを踊っている時だったということから始まった作品。
ワーク・イン・プログレス、進行中とあるので、次回新作の一部なのかな、と思ったのだけどそうではなくて、ソレアを深めてみようと研究してみた、習作という感じなのだという。ここから次の作品に確実に何かが使われるかどうかはまだわからないそう。
ふむ。

ソレアだけだというので飽きちゃわないか、ちょっと心配だったのだけど杞憂でした。

最初はペペ・デ・プーラの歌、フアン・レケーナのギターという、ビエナル公演の時と同じ二人が、ご当地アルカラのソレアを初め、様々なスタイルのソレアを歌い継いでいく。それをマルカールして踊るマリア。

©︎Festival Italica Lolo Vasco

でもレトラでも足入れてくるんだよね。
それが彼女のスタイルなんだろうし、今の人ぽいといえばそうなんだけど、歌を聴かせるつもりじゃないのかな、とかも思っちゃう。古い人間なのかな。
あと衣装。白いガウンみたいな衣装に白いマントン。マントンはあまり重厚な漢字じゃなく、それもあってちょっと安っぽく見えるのと、体のラインや胴体の動きとかが見えにくいのはちょっと残念。
バックが黒で、彼女が白というのは主役を目立たせるためなんだろうけど。

©︎Festival Italica Lolo Vasco
照明は両袖に低く設置されてました。舞台の上の円は塩で。

マリアの語り。「ソレアは生ハムみたいなもの。お腹いっぱいでも食べたくなる」
客席からカルメン・レデスマが声をかける。「いろんなソレアがあるでしょう。ソレアは母」
舞台へ上がったカルメンの語りが続き、それを聴くマリア。
ちょっとマルカールするカルメンの動きの凄さ。
マリアとのそれあについての対話。
©︎Festival Italica Lolo Vasco
©︎Festival Italica Lolo Vasco

下手から現れたトレメンディータはベースでソレアを弾き語り。
かっこいい。
©︎Festival Italica Lolo Vasco

ベースで刻むリズムを、素晴らしい歌唱を、マリアが踊る。
©︎Festival Italica Lolo Vasco

ちょっと気になったのは横向きのせいかもだけど、サパテアードするときにちょっと腰を曲げてやってること。これも最近の流行りなのかな。ヘレスでもこういうふうに上体をちょっと曲げてサパテアードしてる人がいたな。誰だったか今思い出せないのだけど。

©︎Festival Italica Lolo Vasco

フアン・レケーナのギターソロで踊り、結界を崩すかのように円をけり、やがて舞台に横たわる。
©︎Festival Italica Lolo Vasco

舞台の整理(構成、そして舞台の上の動きの整理)はよくできているし、カルメンが持っていたバケツの中からマントンが出てきた李、それが照明になってマリアが手持ちでカルメンを照らしたり、自分を照らしたり、とか面白い工夫もあるし、演出家の手が感じられるのだけど、どれもその技が悪目立ちするわけではないのに好感を持ちました。

さて、ここからどんな作品が生まれてくるのかな。

2021年7月15日木曜日

スーマ・フラメンカ・ホーベンenマドリー



マドリード州のフラメンコ祭、スーマ・フラメンカの若者編が九月にマドリードで。

主役となるのは30歳以下のアルティスタたち。

ロシオ・モリーナやファルキートの伴奏を務めたジェライや国立バレエのエステラ・アロンソなど面白いプログラムであります。

お値段もお手頃。



◇スーマ・フラメンカ・ホーベン

923(木)

[出]ソロ〈g〉アンドレア・サルセド、〈c〉サムエル・セラーノ伴奏〈g〉パコ・レオン、〈b〉エル・ジージョ伴奏〈c〉ミゲル・デ・トレア、〈g〉エドゥアルド・コルテス、〈カホン〉エル・モスキート

924(金)

ソロ〈g〉アンヘル・フローレス、〈c〉アンヘレス・トレダーノ伴奏〈g〉べニート・ベルナル、〈b〉レベカ・オルテガ伴奏〈c〉フアニャレス、サウル・キロス、〈g〉へスース・デル・ロサリオ、〈palmas〉マルティン・レブエロ

925(土)

ソロ〈g〉ジェライ・コルテス、〈c〉エル・プリリ伴奏〈g〉アントニオ・カリオン、〈b〉エステラ・アロンソ伴奏〈c〉ジョナタン・レジェス、ロベルト・ジョレンテ、〈g〉ダニエル・フラド

926(日)

ソロ〈g〉アルバロ・マルティネーテ、〈c〉レラ・ソト伴奏〈g〉ピノ・ロサーダ、〈b〉マカレーナ・ラミレス伴奏〈c〉ミゲル・ラビ、〈g〉フアン・ホセ・アルバ、〈perc〉カルロス・メリノ

[場]マドリード カナル劇場 サラ・ベルデ

[料]920ユーロ

[問]https://www.teatroscanal.com/espectaculo/suma-flamenca-joven-2021/

フローレス・エル・ガディターノ逝く

 7月14日、歌い手フローレス・エル・ガディターノが亡くなりました。99歳でした。

本名フロレンシオ・ルイス・ララは1921年11月7日、カディス県アルヘシラスの生まれ。共に故人となってしまったチケテテの父、マヌエル・モリーナの父とのトリオ、トリオ・ガディターノとして活躍。またソロでも、マグナ・アントロヒアというカンテの大全集にもそのファンダンゴが収録されている歌い手。

アルヘシラス市のhijo predilecto秘蔵っ子(名誉市民的称号で、その町出身者におくられる)で、アルヘシラスにはその名を冠した通りもあり、市は喪に服しました。




晩年は詩人、作家として著書もあるそうです。

2021年7月12日月曜日

ハビエル・バロン『エントレ・ムヘーレス』

ハビエル・バロンの踊りが大好き。

フラメンコが好きだ、踊るのが好きだ、という思いがストレートに伝わってくる踊り。

クリアな靴音で刻むリズムの心地良さ。回転にしても間合いの良さ。ちょっとした細部のかっこよさ。本当にすごいフラメンコを、コンスタントに見せてくれる。

だけど、作品となるとロルカの幸せな少年時代を扱った『ディメ』以外、どうもパッとしない。あれは良かった。マノロ・ソレール、ディエゴ・カラスコ、フアン・ホセ・アマドール、ホセ・ルイス・オルティス・ヌエボ、ハビエル・パティーノ。終演後見ていたみんなの口角が上がっている、みんなが幸せになっている、そんな作品でありました。

でも他の作品は、彼の踊りは良くても、作品としては印象が薄い。なんかいつもちょっと残念な感じ。

イタリカ舞踊祭。今年はイタリカのローマ劇場とともにアルカラ・デ・グアダイラの城跡の特設舞台でも公演が行われ、行ってきました。40度超える猛暑の中。夜になっても38度とか、そんな感じで暑い、暑い。

会場はバルもオープンしてて、ちょっと人多かったけど、40代以上のワクチン接種済みであろう人が多いのでちょっと安心。


で、今回の新作も残念ながら、な、感じなのかなあ。

演出家を入れ、映像やキーボードやコンテンポラリー?なダンサーなども入れているのだけど、それらが効果をあげているかというと微妙で、結局、最後のソレアが素晴らしいから、なんとなく満足した気になっちゃうんだけど。

正直言っていやいや、これじゃない感。

いいとこいっぱいありますよ。

春の女神のような、ベルディアーレス楽団の帽子をも思い出させる、花冠の女たちが子供の歌をブレリアのリズムで歌い継ぎ、それを踊るシーンとか。


©︎Lolo Vasco Festival Internacional de Danza Italica

  
ハビエルが踊るカンティーニャとか。

でもタラントは、コンテの人とデュオなんだけど、昔の、94年のエル・フラメンコで踊っていたあのすごいタラントを忘れられない私的にはやっぱり一人で踊ってほしいし、コンテの彼女は背中がとても綺麗で見惚れたけど、踊り自体はうーん、発表会的な感じ。留学して勉強もしてる人らしいんだけどね。

なんで、全体としてはちょっとまあもったいない。

ソレアがいかに絶品とても。

©︎Lolo Vasco Festival Internacional de Danza Italica



ハビの踊りをもっと生かすような作品が欲しいなあ。

©︎Lolo Vasco Festival Internacional de Danza Italica

髪ちょっと切った方がいいかな。風のせいもあるかな。ライオンみたい。


なお、伴奏のサルバドール・グティエレス、ハビエル・パティーノの二人のバランスも良く、歌はメルチョーラ・オルテガがさすがに舞台経験の違いで一日の長あり、だけど、ナタリア・セグーラはいかにもへーレン財団出身的だけど上手だし、良かったなあ。そう、フラメンコの部分は悪くないのですよ。アンダルシア・ロック的?なエレキとキーボードの音楽やコンテなしで良かったんじゃないのかなあ。

©︎Lolo Vasco Festival Internacional de Danza Italica


演出家の、今年二月に亡くなった、女優だったお母さんに捧げられているのだけど、作品自体は女性へのオマージュだそう。子供の歌は母への想いだろうし、アルバムをみて懐かしむような演技もありました。でコンテは恋の相手なんだろうな。
結局、女性って母か恋愛の対象でしかないのかな。ま、それがわかりやすいからだろうけど。



©︎Lolo Vasco Festival Internacional de Danza Italica


90年代からの、踊り手は作品を作ってなんぼ、的な時代が彼には向いていない。

こんな時代じゃなかったら、もっと評価されてたんだろうなあ、と思いつつ、まあ、文化省のプレミオ・ナショナルも貰ってるしね。

生まれ育ったアルカラでこんな風に踊ることができてるし、いいのかな。



2021年7月10日土曜日

スペイン国立バレエ団『ラ・べジャ・オテロ』


7月7日マドリードのサルスエラ劇場で初演された『ラ・べジャ・オテロ』


ルベン・オルモ監督就任以来、昨年のヘレスで『エボカシオン・ボレーラ』『ロ・フラメンコ』、今年4月にはセビージャでグラン・アントニオへのオマージュで『ビト・デ・グラシア』『エスタンパ・フラメンカ』と新作を上演してきましたが、ヘレスでは前監督アントニオ・ナハロの作品と、セビージャではアントニオ自身の振り付け作品との併演でした。いずれも素晴らしい作品でしたが、今回はストーリーのある一本だての作品ということで、より注目されているのでしょう。劇場にはマノロ・マリン、グイト、タティ、マリア・パヘス、アントニオ・カナーレス、ラファエラ・カラスコ、ホアキン・コルテス、コンチャ・ハレーニョらたくさんの舞踊家たちの顔が。

そんな華やいだ雰囲気だけど、まだ2席ごとに1席空けているのはコロナゆえ。それでも劇場で、生オーケストラ伴奏での舞踊公演を観ることができるのは本当に幸せなこと。



大作でした。

La Bella Otero-Ballet Nacional de España  Maria Alperi 
北スペイン、ガルシアでのお祭りの場面


ラ・べジャ・オテロは19世紀末に大変人気のあったダンサーで、パリのフォリー・ベルジェールのスターとして活躍し、ロシア大公、スペイン国王、モナコ大公、セルビア王、英国国王などの寵愛を得た、という伝説的な存在。実は北スペイン、ガリシア地方の生まれで少女時代に性暴力を受け、その後出奔し、ポルトガル、バルセロナでショービジネスに入り、パリで活躍。カルメンの娘という触れ込みで、アンダルシアのジプシーとして、パリはもちろん、アメリカでも公演した世界的スターでありました。その彼女の人生を追った作品で、ガリシアの民族舞踊に始まり、ヒターノたちの踊りに親しみ、オペラ『カルメン』にインスパイアされ、カフェで踊るフラメンコに影響を受け、世界を周り、フォリーベルジュールのスターとなり、カジノに溺れ、ベルエポックに輝き、各国王を集めた誕生パーティーを開き、やがてカジノ沼に沈んでいくというその人生が、簡潔に、それぞれの場面にまとめられています。民族舞踊、スペイン舞踊、フラメンコ、フラメンコシューズで踊るタップ風あり、オリエンタル風あり、フレンチカンカンあり、セクシーダンスあり、と踊りもたっぷり。

オテロは、若き日をパトリシア・ゲレーロが、晩年をマリベル・ガジャルドが踊り、かつ歌います。

La Bella Otero-Ballet Nacional de España  Maria Alperi 
マントンで踊るパトリシア

幕開きで美しいカスタネットの響きを聴かせるマリベルや、神父そしてオテロのマネージャーの2役を踊ったゲスト・プリンシパルのフランシスコ・ベラスコら、ベテランの存在感が作品に重み、厚みを与え、またモナコ大公とバレエ教授とフォリー・ベルジェールの司会の3役を演じた第一舞踊手エドゥアルド・マルティネスは芝居心に加え、歌も歌って大活躍。他にもジプシー青年とロシアのツァーを演じたホセ・マヌエル・ベニテスら、それぞれにちょっとした見せ場もありつつ、非常にわかりやすくまとめられている作品で、衣装も美しく、時代の雰囲気を表そうとしています。


La Bella Otero-Ballet Nacional de España  Maria Alperi 
フォリー・ベルジェールのカンカン娘たち


ただ最初のガリシア、民族舞踊のシーンの衣装はオテロの赤いスカート以外は地味な色合いでまた舞台上の人数が多いのでせっかくのダンスが映えない、とか、上手にオテロがパトロンと並んで座って見てるていの、劇中劇『カルメン』が全幕?って思うくらい長かったり、カフェのフラメンコシーンも長めだったりとか、フォリー・ベルジェールでのカンカンが衣装のせいもあるのかな、で、いまいちだったり、はちょっと残念かもしれません。


La Bella Otero-Ballet Nacional de España  Maria Alperi 

それでも、カジノのシーンで、ルーレットと一緒に回り出す人たちや、棒を繋いだ長い袖を翻して踊るロイ・フラーのイメージの挿入、ベルエポックの衣装姿の散歩など、面白かったり、美しい場面も多く、また、終わり近く、怪僧ラスプーチンを踊るルベン・オルモの体の使い方の素晴らしさなど、観るべきところも多く、おすすめできる理由もたくさん。

ゲストで主役のパトリシアは熱演。これまでにも自分の作品にも演技的要素があったし、そういった経験も生きているのでしょう。でも、この作品は、ラ・べジャ・オテロの人生をなぞるように描いてはいても、彼女の内面や感情はあまり描いていないという感じ。どうして彼女に皆が夢中になったのかも見えてこない。あえてそうしたのかなあ。各国の国王たちが集う誕生日に宝石だけで身につけて登場したとか、彼女がまとった衣装を生まれ故郷の聖母様の衣装として寄贈したというエピソードは丹念に描いているのだけど、人としての彼女が見えてこない。カジノが大好きで顔が輝くのはわかったけど、男性や宝石はそれほど好きだったようにも見えなかったし。うーん。

ちょっとミュージカルみたいな感じもあり、美しく、楽しく観られる作品だけど、個人的にはそこがちょっと不満。期待しすぎたのかな。でも、アーティスト、スタッフが一丸となって作り上げた大作で、スペイン舞踊ファン必見の作品には違いありません。


マドリー公演は全て売り切れだそうですが、来年5月にはセビージャのマエストランサ劇場での公演が予定されています。それまでに他にもきっと公演を重ねて、また違った印象があるかもしれないな、と思っておりまする。