2026年5月17日日曜日

正木清香、三枝麻衣、瀬戸口琴葉en トーレス・マカレーナ

エミリオ・マジャ率いる日本人バイラオーラたちのグラナダ、ヘレス公演に先駆けて、同公演出演のため来西中の正木清香と三枝麻衣がセビージャ在住の瀬戸口琴葉とペーニャ、トーレス・マカレーナに出演。

金曜日ということもあってほぼ満席。

クーロ・バルガスのギターソロで幕を開け、正木はティエント。

真っ直ぐな、真面目なティエント。



タンゴでもっと変化つけてもいいかもしれない。トップバッターだったから緊張してたのかな。

続いて、スペインで踊るのは初めてという三枝麻衣。ソレア。

ソレアらしい重さの表現もちゃんとしているし、ムシコたちを引っ張っていく力もある。


休憩を挟んで二部はカンテソロでは珍しいロンデーニャから始まり




瀬戸口はソレア・ポル・ブレリア。髪をお団子に結ってくれているのが嬉しい。そうです。セビージャはお団子! いや、セビージャで踊るなら絶対おだんごってわけじゃないけど、セビージャにいるならセビージャらしいあつらえを、って思う私は昭和かも。
以前に見た時よりもずっと力が抜けて、歌をギターを満喫して自由に踊っている感じで、何より楽しそう。踊りがただ上手なだけでなく表情が出てきた、という感じ。さすがです。

フィン・デ・フィエスタでは会場に見にきていた遠藤郷子や中原潤、萩原淳子も参加。遠藤の歌は観客を驚かせていたし、中原も姿勢が良くなってるし、セビージャ留学の効果はテキメン。萩原はもう貫禄。日本のフラメンコもレベル高い。


今回ちょっと気になった衣装のことはまた改めて書きますね。


2026年5月15日金曜日

訃報/エル・カブレーロ

 歌い手、エル・カブレーロが5月13日、セビージャ郊外の病院で亡くなりました。81歳でした。

本名ホセ・ドミンゲス・ムニョスは1944年10月19日セビージャ県県アスナルコジャールの生まれ。カブレーロとは山羊飼いのことで、その名の通り、子供の頃から山羊飼いを職とし、ラジオでフラメンコを聴いて学んだと言われます。 70年代にセビージャの劇団、ラ・クアドラの作品でプロとしてのキャリアをはじめ、75年に初録音。80年にはコルドバのコンクール、ソレア部門、マラゲーニャ部門で優勝し、80年代、90年代は各地のフラメンコ・フェスティバルを主に活躍。得意のファンダンゴでは社会的政治的テーマを歌うことも多く、高い人気があった。

黒いシャツに黒いズボン、カーボーイハット(のようなツバの広い帽子)と首に巻いたチーフがトレードマーク。パワフルな声で歌う彼はフェスティバルでカマロンと並ぶほどの人気で、観客の熱狂を昨日のことのように思い出します。パセオ誌で活躍した写真家の高瀬さんはカブレーロのブレリアが好きだったなあ。

2020年に引退、その後脳梗塞を患ったそうです。



合掌。

彼についてのドキュメンタリーがYoutubeで無料で見られます。



これ観ていると、音程いいし、ファンダンゴだけでなく、ファルーカなんかも歌っているし、レパートリー広かったんだな、と。ただフェスティバルでは数曲しか歌わないから、ファンダンゴとブレリア主体になっていたんだろうな、と思うなど。スペイン語母語じゃないこともあってか、ファンダンゴ苦手だったんだよね、あの頃。

2026年5月14日木曜日

サロメ・ラミレスen トーレス・マカレーナ

 Impecable って言うスペイン語の言葉がある。辞書をひくと、「欠点のない、完璧な、」とある。文句のつけようのない、ってことですね。昨日のサロメがそうだった。

豪華なマントン、華やかなピンクのバタ・デ・コーラは花のようなフリルで裏打ちされ、下りお団子にまとめた髪に小さめのこれもピンクの花が綺麗につけられている。まさにまさにインペカブレ、非の打ちどころの無い、完璧なフラメンカ。バタもひっくり返ったまんまになったりすることなく、優雅に舞い、手に取る時もかがまず蹴って手に取り、小さな舞台でもしっかりコントロールして最前列の観客を煩わせることがない。マントンも余裕を持って扱い、きちんとしている。伝統的な構成で、全てがきちんとしている正統派フラメンコ。歌のミゲル・アンヘル・エレディアとの相性も抜群。ヘレスの時より何倍も良かった。


フラメンコ舞踊に何を求めるか、どこを評価するかというのは人それぞれだと思うけど、私の場合オレ!が出るのは、コンパスの掴み方放し方などの間合い、呼吸にしびれるというのはあるんだけど、見た目の美しさというのもすごく重要視していて、姿勢、動きやかたちの美しさはもちろん、衣装やアクセサリー、小物などのあしらいが美しいとそれだけでもオレ!なのであります。

公演はアルバロ・モーラのギターソロのタランタに始まり、ジョナタン・レジェスのカンテソロでグアヒーラ。カンテソロでのグアヒーラは珍しい。彼の声や歌い方はこの曲種のもつゆったりした感じとはあまり合っていないような?

そしてこのアレグリアスでありました。休憩を挟んだ後半はミゲルのソロでタンゴからのコプラ。


そしてソレア。黒い衣装。飾りと言えるのはジャケットの黒いスパンコール(?)での飾りと、髪につけた臙脂の花だけ。シリアスな曲にふさわしい装い。ソレアらしい重み。ブレリアでのミゲルとの絡みも同じヘレスで昔から知っている仲だからこそ、かも。


フィン・デ・フィエスタも、ダビ・ロメロ、マリア・カラスコ、チョロ、瀬戸口琴葉という豪華な顔ぶれでした。


明日、15日はその瀬戸口と日本からの正木清香、三枝麻衣という日本人組がガジとラビの歌、クーロ・バルガスのギターで共演。楽しみです。


2026年5月13日水曜日

フラメンコ・オン・ファイア2026


北スペイン最大のフラメンコ祭、フラメンコ・オン・ファイアが今年も開催されます。
今年で13回目。
牛追い祭りで知られる街、パンプローナで開催されるこのフェスティバル、
今年のフェスティバルは、パンプローナゆかりのヘミングウエイの写真がポスターに。
バルコニーでの無料リサイタルでも知られていますが、毎年、ギター公演も充実しています。


◇フラメンコ・オン・ファイア

8/21(金)19時45分

[出]〈g〉ホセ・ガルベス

[場]ビアナ 市役所バルコニー

8/21(金)21時

[出]〈c〉マイテ・マルティン

[場]ビアナ サン・ペドロ遺跡

8/22(土)19時45分

[出]〈g〉ダビ・デ・アラアル

8/22(土)21時

[出]〈c〉サンドラ・カラスコ、〈g〉ダビ・デ・アラアル、〈b〉アナ・モラーレス

[場]エステジャ/リサッラ エスパシオ・クルトゥラルラル・ロス・ジャノス

8/26(水)18時30分

[出]〈g〉フアン・ディエゴ・マテオス

[場]パンプローナ  Civivox コンデスタブレ

8/26(水)20時『トレス・オリージャス』

[出]〈g〉ラファエル・リケーニ、〈サックス〉ティム・ライズ、〈歌〉アナ・モウラ

[場]パンプローナ ガジャレ劇場

8/26(水)21時45分

[出]〈g〉フェリペ・マジャ

[場]パンプローナ ナバラ政府バルコニー

8/26(水)22時45分

[出]〈c〉ラ・ファビ

[場]パンプローナ オテル・トレス・レジェス

8/27(木)12時

[出]〈c〉ラ・ファビ、〈g〉クーロ・カラスコ

[場]パンプローナ 市役所バルコニー

8/27(木)12時45分

[出]〈c〉モレニート・デ・イジョラ、〈g〉ヘロニモ・マジャ

[場]パンプローナ ホテル・ペルラ・バルコニー

8/27(木)18時30分

[出]〈g〉フェリペ・マジャ、ヘロニモ・マジャ

[場]パンプローナ  Civivox コンデスタブレ 

8/27(木)19時45分

[出]セルバタナ

[場]パンプローナ サラ・セントラル

8/27(木)21時15分『カンタ・ア・マヌエル・アレハンドロ』

[出]〈c〉ホセ・メルセ

[場]パンプローナ アウディトリオ・バルアルテ

8/27(水)23時15分

[出]〈b〉アゲダ・サアベドラ

[場]パンプローナ オテル・トレス・レジェス

8/28(金)12時

[出]〈c〉ホセ・メルセ、〈g〉マヌエル・セルパ

[場]パンプローナ 市役所バルコニー 

8/28(木)12時45分

[出]〈c〉カルメン・カルモナ、〈g〉フアンホ・レオン

[場]パンプローナ ホテル・ペルラ・バルコニー

8/28(金)18時30分

[出]〈g〉ホセリート・アセド

[場]パンプローナ  Civivox コンデスタブレ

8/28(金)19時45分

[出]〈c〉ロサリオ・ラ・トレメンディータ

[場]パンプローナ サラ・セントラル 

8/28(金)21時15分『ムエルタ・デ・アモール』

[出]〈b〉マヌエル・リニャン

[場]パンプローナ アウディトリオ・バルアルテ

8/28(金)23時15分

[出]〈c〉エル・ペレ

[場]パンプローナ オテル・トレス・レジェス

8/29(土)12時

[出]〈c〉エル・ペレ、〈g〉ニーニョ・セベ

[場]パンプローナ 市役所バルコニー

8/29(土)12時45分

[出]〈c〉ミゲル・アンヘル・エレディア、〈g〉クリストバル・サンティアゴ

[場]パンプローナ ホテル・ペルラ・バルコニー

 8/29(金)18時30分

[出]〈g〉アレハンドロ・ウルタード

[場]パンプローナ  Civivox コンデスタブレ

8/29(土)21時15分『ソロ』

[出]〈g〉ジェライ・コルテス

[場]パンプローナ アウディトリオ・バルアルテ

8/29(土)22時45分

[出]〈b〉パロマ・ファントバ

[場]パンプローナ オテル・トレス・レジェス

[問] https://www.flamencoonfire.com/


 

2026年5月12日火曜日

ギリホンド祭

セビージャ郊外の街、パロマーレス・デル・リオでの、外国人フラメンコに焦点を当てた世界で唯一のフラメンコ祭、ギリホンドが今年も開催されます。
2024年は日本、25年はフランス、そして、26年はオランダが招待国ということで、オランダ人アフィシオナードや記者、プロデューサーが表彰され、またオランダ人ギタリストや踊り手の公演が行われるほか、セビージャ在住の中国人ギタリスト、ロラ・ヤンの公演では中国人カンタオールやお母さんが日本人のマレーナ・アルバも出演します。
最終日にはエル・ペレも出演するとか。


◇ギリホンド祭

6/3(水)

20時開会宣言、21時 マルリエ・ジャンセン講演

22時

[出]〈g〉ガスパール・デ・オランダ、ゲスト〈c〉ヘスス・メンデス

6/4(木)

20時ギタリスト、パコ・ペーニャへのインタビュー

21時『ギリス・コン・アヘ』[出]〈g〉ロラ・ヤン、〈c〉マヌエル・デ・ラ・チナ、〈b〉 マレーナ・アルバ

21時45分

[出]〈b〉マリア・ラ・セラーナ、〈c〉フアン・ホセ・アマドール、ぺぺ・デ・プーラ、〈g〉ルイス・アマドール

6/5(金)

20時オランダのビエナル監督エルネスティーナへのインタビュー

21時30分『ゴッホに捧げる』

[出]〈g〉ティノ・ヴァン・デル・スマン、〈b〉クリスティーナ・ホール、特別協力〈c〉ダビ・ラゴス

[場]セビージャ県パロマーレス・デル・リオ 市立カルロス・アルバレス・ノボア劇場

6/6(土)

20時 クリスティーナ・ヘーレン小授賞式

22時30分

[出]〈c〉エル・ペレ、エル・トゥリ、〈g〉ニーニョ・セベ、ホセ・フェルミン

[場]セビージャ県パロマーレス・デル・リオ バーニョス・アラベス

[問]https://www.guirijondo.com/

 

2026年5月11日月曜日

ホセ・アンヘル・カルモナen トーレス・マカレーナ

 ペーニャには舞踊公演に行くことが多いのですが久しぶりに歌の公演。

ホセ・アンヘル・カルモナ。

セビージャ近郊ロス・パラシオスの出身で、主に舞踊伴唱で活躍していたが一時舞台から遠ざかっていたのを、ロシオ・モリーナ公演等で共演していたオルーコが、今年のヘレスでの公演で復帰させたそうで、そのオルーコがコンパスで参加、伴奏はフアン・レケーナ。

プレゴンを歌いながら登場し、ソレア・ポル・ブレリア。ギターと二人でタランタ、



からの、マラゲーニャ(と言ってたけど、ファンダンゴぽいやつ)。 そしてブレリア。

声良し、音程良し、コンパスも良し、で踊り出したくなるようなソニケテを満喫。


上着を脱いでの二部はソレア、シギリージャ、ファンダンゴ、そしてブレリア、だったかな。実はよく覚えてない。なんかアレグリぽいのも歌っているんだが。




引き込まれるような魅力を持っているのは確か。聴いていて嬉しくなっちゃう感じとか、久しぶりかも。(だから写真がめっちゃ少ない)。歌詞も伝統的なよく歌われるものではなく、私は初めて聞くようなものが多く(歌詞についてはエクスポフラメンコでキコ・バジェが詳しく書いていて勉強になります)、それも面白い。勉強している、本物のアフィシオナードなんだな、と感嘆。

なんだけど、どこか何か引っ掛かる感じがあったのはなんでだろう。もう一度聴くとわかるかな。観客に聞かせるということをあまり意識せずに歌っているような感じというか、観客とコミュニケーションをとろうとはあまりしてない感じ、というか。うーん。でも神様の杖が触れた人であることには間違いない。本物の才能。

ちなみにお父さんも歌い手で、フアニート・ディスティンギードって言うんだけど顔はあんまり似ていない。でもほほのあたりにちょっと面影ある?って思って友達に声かけてもみんなお父さんのことを知らなくて、あ、これって世代かも、って年配の人と話して同意してもらうという。。。今ネットで見たらやっぱあまり似てないけど、声の貼り方とか声質とかは似てる。

2026年5月9日土曜日

 フランシスコ・イダルゴenトーレス・マカレーナ

 カディス県アルゴドナレス出身のフランシスコ・イダルゴ、2024年のヘレスのフェスティバルで、コンテンポラリーダンス寄りのフラメンコ作品『モスカ・イ・ディアマンテ』を上演し、作品の完成度と個性で私たちを驚嘆させたバイラオール。その彼がセビージャで踊るのは10年ぶりだという、それもその最後のセビージャでの公演はこのペーニャだったという。

フアン・アントニオ・ゴメスのギターソロで始まり


一曲目はアレグリアス。ホセ・アニージョ、トリニ・デ・イスラと、オール・カディスだから音楽もよく、スッと登場したフランシスコも伝統的な感じで踊っていく。のだけど、流れは伝統的なのだけど、身体の使い方、腕や手の形が独特。彼独自の言語でフラメンコを語っている、という感じ。写真で見るとどこか違和感を感じるかもなのだけど、流れは伝統的だしm、リズムとの絡みもいいし、で魅了される。


アレグリアスからマラゲーニャへと移り、そこからロンデーニャへ。歌を踊っているのだけど、それはカンテが持つ形と熱を描くような踊り方で、セビージャの歌の踊り方とは違う。もっと抽象的というか、擬人化した音楽そのものになっているというか。いや、面白い。

休憩を挟んでの第二部はカンテソロでファンダンゴがあってからのソレア。


他の誰にも似ていない、彼独自の言葉で踊るフラメンコ。取ってつけたようなコンテンポラリーぽい動きとかではなく、フラメンコもコンテンポラリー的なテクニックも、すべて彼の血肉になっているからこそ踊ることができるフラメンコ。

好き嫌いはあるかもしれないけど、一見の価値あり。フラメンコの表現の多様性、可能性を改めt感じさせてくれるアーティストであります。

終演後、聴いたら、やっぱりちゃんとバルセロナやマドリーできちんとコンテを習っているのであった。なるほどね。付け焼き刃かそうじゃないかってやっぱわかるってことだよね。

この日はなぜか空いていたんだけど、うん、なんでみんな来なかったんだろう。おすすめなんだけどなあ。