スペインで最も人気のあるフラメンコ舞踊家、サラ・バラスの新作初演。満員御礼。
アンダルシア8県をテーマにしたプログラムで、舞踊団群舞のマントンを使ったブレリアからファンダンゴ・デ・ウエルバに始まり、黒い衣装のサラのタラント/タンゴはアルメリア、ギターソロでのマラゲーニャに続くお祭り風のベルディアーレスはマラガ、コルドバはパンタロンに乗馬用の足あて、サホネスをつけたセラーナで、サラのソロに群舞が加わり表現、ハエンはホセ・メルセが歌ったトリージャでと言った具合。ここで聞かせたソロ・デ・ピエのクリアさは健在。さすが。
| Archivo Fotográfico de La Bienal de Flamenco / ©Laura León |
踊り自体は90年代ぽい感じというか、今風の身体表現や超絶技は登場しません。グラナダはギターソロのグラナイーナとカンテのアバンドラオ。セビージャはソレアで始まりそれがシームレスにセビジャーナスへ。最後は彼女の生まれ故郷のカディスで、アバニコとコルドベスを手にした群舞のタンギージョからサラのアレグリアス。
| Archivo Fotográfico de La Bienal de Flamenco / ©Laura León |
オスカル・デ・ロス・レジェスの照明は綺麗だし効果的。靴音が明確に聞こえてくる音響もよく、華やかな仕上がりはさすが。一方、踊りそのものは、現在のフラメンコ舞踊のような、体幹の強さを感じさせるような、超テクニックは登場しないし、群舞も基本全員同じ振りという感じで特にこれと言って見るべきところはないような。彼女が頭角を表した90年代ぽい感じの踊りというか、今となってはちょっと時代を感じさせる。ただ、それはきっと、あの時代から今までずっと舞踊をその移り変わりも含めて見ているからそう思うのであって、サラの名前に惹かれて見にきた観客は、美しい舞台に満足して家路を辿ったことでしょう。