2026年6月13日土曜日

マノロ・サンルーカル国際フラメンコギター学院

 

マノロ・サンルーカル財団により、2026年9月にマノロ・サンルーカル国際フラメンコギター学院がセビージャに開校するそうです。

全く素養のないところからはじめることもでき、その場合11年かけて卒業とのことですが、実力に応じて中途入学も可とのことで、日本をはじめ世界中の人が受講可能だそう。ビザも取得可能だそう。また卒業時には提携大学からの証書も出るとか。

校長は校長はフアン・カルロス・ロメロで、パコ・ハラーナとともに自ら指導にあたる予定。

まだ色々未定な部分も多いので、日本やアメリカなど、ビザが必要な国の生徒が受講するのは27年度以降になるだろうが、マノロの遺志によるこの学院、どのようなカリキュラムになるのか注目していきたい。ああ

ミゲル・サラド逝く

 


6月12日、ヘレスのギタリスト、ミゲル・サラドが亡くなりました。

1981年9月20日ヘレス生まれ。歌伴奏を得意とし、決して前に出過ぎず、歌を支える演奏で、多くの歌い手たちと共演してきました。写真は昨年7月、ラス、カベサス・デ・サン・フアンのフェスティバルでアウロラ・バルガスを伴奏しているところ。

ニュース記事によるとガンが見つかったのは2023年と言いますが昨年までは普通に演奏を続けていました。ホセ・メルセ、ランカピーノ、パンセキート、ヘスス・メンデスなど数多くの歌い手たちを伴奏してきたのでした。安らかに。


2026年6月12日金曜日

ルシア・アルバレス“ラ・ピニョーナ”『セントラル』

 なんというか、ほんと、何が何だかわからないんだけど、気がつくと泣いていた。終演後、友達に、また泣いちゃったよーって言ってるうちにもっと込み上げてきてしまい止まらない。恥ずかしい。なんで泣いたか自分でもわからない。私が泣いたからすごい、とかそう言いたいわけじゃない。でも、ルシアの踊りには私の中のなにかを突き動かすなにかがあったということはたしかなのであります。

はじまり。客席から登場して舞台に上がり踊り始めるソレア。  すっくと立ち場を完璧に支配するその姿の美しさ。気高さすら感じられる。

歌を聴いて丁寧に踊る。


©︎ Remedios Malavárez/Fundación Cajasol

ギターソロはパコ・デ・ルシアのモチーフを借りて展開するロンデーニャ

続くファルーカはキンキラキンの衣装で。コンクールでこれきてたら、衣装警察としては、おい、って言いそうだけど、リサイタル/自分の作品であれば問題なし。なんか意味あるのかなとおもったけど、特になさそう。ただ形としては女性の乗馬衣装アマソナ的デザインなので、伝統を新しく捉える、ってことなのかもしれない。わかんないけど。

そういえば彼女の踊りも伝統的な形やパソも出てくるんだけど、その組み合わせかたにオリジナリティがあるので新しい形に見える。

ギターがなんかちょっと違和感あったので終演後、観にきていたギタリスト、フアン・カンパージョに聞いたところ通常の調でなく、サンブラ的な調で演奏されていたとのこと。なるほど〜。

そう、ファルーカはサンブラを経て、タンゴへ。

©︎ Remedios Malavárez/Fundación Cajasol
 
 トナからの

最後はシギリージャ。伸びやかで品格のあるシギリージャ。

©︎ Remedios Malavárez/Fundación Cajasol

彼女の踊りは、動きの一つ一つにセンティードがあると感じる。体操と舞踊の違いはそこだと思うのだけど、体操的になっちゃう踊り手も特に若い人には多い気がする。心をこめる、というか、意味を持たせるというか、動きに必然性があるというか。漫然とではなく、意識して動くというか。

止まって上を見る、何かを探しているような、遠くを見つめているような。その眼差しにノックアウトされた。

最初と同じように客席中央の通路を歩いて去って行き、おしまい。ぎゅっと凝縮された感じ。

フラメンコは、別にドラマやコンセプトやあらすじやそんなものを付け足す必要はなくて、踊り一曲だけで、全てを表現できちゃうんだなあ、と。物語は踊り手自身の中に、もしくは観客ひとりひとりの中にあって、フラメンコはそれを目覚めさせる、という気がする。


いつもいつもカハソル劇場公演の後は一人で大好きなバルに寄ってから帰るんだけど、昨日はつい遅くまでみんなと飲んじゃったよ。






2026年6月11日木曜日

アリシア・モラーレス『モチュエロ』

グラナダ出身の歌い手アリシア・モラーレスの新譜『モチュエロ』の発表会見。

アリシアはグラナダ出身でグラナダやマドリードのタブラオなどを中心に、ギタリスト、アントニア・ヒメネスのグループなどでも公演。3枚のアルバムを発表している実力派。

モチュエロとは蝋管レコードにもその声を残す、フラメンコ草創期のカンタオール。1868年セビージャ生まれで、セビージャやマドリードにとどまらず中南米などでも活躍しました。フラメンコ以外のホタなども含め、多数録音があります。ギタリスト、ホセ・ケベド“ボリータ”とともに曲を選び、録音し、アルバムにまとめたとのこと。

古いカンテを当時そのままに再現するのではなく現在のものとして再創造していったとのこと。

その場で歌ってくれた3曲をシェアします。







存在感のある、パワーを感じる声ですね。
彼女のwebはこちらです。


2026年6月10日水曜日

ビエナル座談会/記者会見 セントラル劇場

 

6月9日はセントラル劇場で、ビエナルのセントラル劇場公演の座談会(という名の記者会見)。

ビエナルのセントラル劇場公演は

9月11日のトレメンディータ『メノス・エス・マス』に始まります。


13日はホセ・マジャ『レハーノ』

15日はイサベル・バジョンへのオマージュ公演でダビ・ラゴス、ミゲル・オルテガ、アントニオ、カンポス、インマ・リベロ、ヘスス・トーレス、カニートということでカニートがイサベルのメッセージを読み



イサベルとの関係を語りました。




21日オルガ・ペリセは『ペルスペクティバ・ソブレ・ウン・バイレ・ソノーロ』

23日フアン・トマス・デ・ラ・モリア、アゲダ・サアベドラという若手二人は『テ・アトレボ』

25日アンドレス・マリンはセビージャはアラメーダのフラメンコをテーマに新作『デシエルト』、ホセ・デ・ラ・トマサがゲストで。



27日エステベス/パーニョスは今年、ヘレスのフェスティバルで初演した『ドンセジャ』。ギタリスト、ラモン・モントージャとその生きた時代を今と照らし合わせながら進む必見の作品。アレハンドロ・ウルタードのギターも絶品。

29日サラ・ヒメネスはエステベス/パーニョスやジェルバブエナ、ロシオ・モリーナの作品にも協力したコンテンポラリーのフアン・クルスの力を借りて新作『ラ・コンパニア』を初演。

この劇場での最後のビエ公演は10月2日サンドラ・カラスコ、ダビ・デ・アラアル『ポエマ・デ・リベルタ』。フルートのフアン・パリージャ、バイオリンのベルナルド・パリージャ、バイレでホセ・マルドナードもという豪華なメンバーでの新作初演。音楽はすでに出来上がっているそう。楽しみ。



2026年6月9日火曜日

第10回マノロ・ソレール舞踊フラメンコ才能コンクール 

ヘーレン財団のフラメンコ才能コンクールも今年で第10回。

カメラ持って見にいって、審査員の隣に座って見学。今年は参加者応援団がたくさん来てて通常は観客入れない2階まで満員。なかなかの実力派揃いでありました。


トップバッターはローラ・ロセンド。タラント。衣装、無地は良いけど、袖のレースとかタラントらしくないし、なぜかアバニコを最初と最後に。ブルタなとこはあるけどまだ若い。3位受賞で、また奨学金獲得し来年財団学校で学べるので、飛躍することを祈ります。


2番はナタリア・ガルシア。バタ、アバニコでのグアヒーラ。バタも上手。今日の出場者の中では一番のお姉さんで26歳。タブラオでも仕事してるだけ合ってそつない。アンダルシア舞踊団での研修賞。


準優勝のロサ・エンリエは21歳。バタ、マントンでアレグリアス。マントン忙しい感じなのは流行りなんだろうね、マントン滑りそうになったり絡みそうになったりちょいちょい。アンダルシア舞踊団研修賞も。

優勝はヘレスの17歳、マヌエル・ヒメネス、シギリージャ。大胆豪快。シリアスさは出てたけど深みはちょっと不足、歌ぶりは多分勉強すればもっとよくなるはずかと。ということで来年財団学校での奨学金獲得。







セビージャの17歳、ナタリア・カロはタラント。きらきらのダイヤモンド鉱山。若い子はタラントが鉱山の歌って知らないのか?時間オーバーしてるし、ちゃんとしてくれ。にもかかわらず。奨学金獲得。コンクール、出る時はみんな要項ちゃんと呼んで守ろうね。これ他のコンクールなら失格案件。


こちらにコンクールのビデオ貼っておきます。



なお審査員はこちらの面々。左からルイサ・パリシオ、チョロ、フェルナンド・ヒメネス、パトリシア・ゲレーロ、マルタ・カラスコ。



2026年6月7日日曜日

ホセ・バレンシア『ペルセクシオン』

 アンダルシア州主催のフラメンコ公演シリーズ『アンダルシア・フラメンコ』、セビージャ、セントラル劇場での最終日はホセ・バレンシア『ペルセクシオン』。

1976年に発表された、レブリハーノのアルバム『ペルセクシオン』は、詩人フェリクス・グランデと共にスペインにおけるヒターノのペルセクシオン、迫害の歴史を描いた渾身作。そレから50年ということで、レブリハーノの甥、アルバムのギタリストの一人、ペドロ・ペーニャの息子、ペドロ・マリア・ペーニャが企画、同じレブリーハのホセ・バレンシアを中心に、レラ・ソトも協力(初演では初演ではアナベル・バレンシア)、アルバム収録曲にバイレ(ナサレ・レジェス)も加えて舞台作品に。原盤ではフェリクスが担当していた語りはレブリハーノの妹でジャーナリストのテレ・ペーニャ。

全員揃っての「リブレス・コモ・エル・アイレ』、風のように自由に、輝く星のように自由に、と歌う始まりからグッとくる。この歌は、スペインのヒターノの民族歌に制定して欲しいくらい。フラメンコを愛する人ならきっと一緒に歌いたいはず。

続くブレリア、『サングレ、サングレ』もポピュラーな曲だからレラが歌うというのはちょっと意外だったけど、良かった。ティエント『ノ・レ・テンブラロン・ラス・マノ』はホセが。張りのある、よく通る声で歌い上げる。この作品を今の歌い手でするなら彼とペドロが思ったのも納得。後半のトナやシギリージャも圧巻。レブリハーノと違うのは歌い終わりが彼は上へと開けた感じで、レブリハーノは下へと閉まった感じということかもしれない。個人の感想ですが。

途中、入った踊りは正直なくても全然良かったけれど、ナサレは母フアナ・アマジャに顔も踊りも似ているのだけど、もう少し、トロンコ使えるともっといいのではと思ったり。

最後は観客も一緒に『リブレ・コモ・エル・アイレ』を合唱して終わり。



名作は、踊りのガデスやグラネーロの作品もそうだけど、若い世代に歌い、おどってもらって、どんどん引き継いでいって欲しいな、と思ったことでした。