2026年5月21日木曜日

マヌエル・モンテスen トーレス・マカレーナ

 今年、ヘレスでのエステベス/パーニョス公演に出演していたマヌエル・モンテスを観にペーニャへ。

1997年コルドバ生まれ。地元の教室やコルドバとマドリードのコンセルバトリオに学び、エステベス/パーニョスが監督を務めていたアンダルシア舞踊団などで活躍し、現在はセビージャのタブラオなどに出演している実力派。

真っ暗な中舞台に進み、舞台中央の椅子に座ってギターを弾き始めるフアン・アンギータと背中合わせで座り、ギタリストの肩越しにのぞいたマヌエルが満面の笑顔だったので、あ、アレグリアスだな、と。予想的中。

丈の短いジャケットに、腰高のズボンというアンダルシアの伝統的な衣装で踊り始める。細かいサパテアード、力強いゴルぺ。


ギターソロ
終わるとギタリストは引っ込み、歌い手二人、ペーニャのレギュラー?と思えるくらい最多出演のガジとラビ。トナー。そこへ黒い衣装に着替えたマヌエルが登場してマルティネーテ。

曲を普通に踊るというのはいつもタブラオでやっているから、一人だけの舞台ということでテアトロみたいにしたかったのかもしれません。

凝った?サパテアードとかうまい。若いパワーで、ぐいぐい行きます。

休憩を挟んだ二部はカンテソロに始まり、ソレア。


この日の3曲のうちでは一番踊り慣れているのか曲としてのまとまりもいい感じかな。若い人あるあるで、色々詰め込みすぎなところはあるけれど、あまり動かずに踊ることもできてくればもっとよくなるように思ったことでした。地力はあるから。

フィン・デ・フィエスタでは来週水曜日に踊るウーゴ・アギラールも踊っています。ヘレスでの兄弟公演も良かったから期待大!




2026年5月20日水曜日

ビエナル記者会見ロペ・デ・ベガ劇場公演出演者

 5月19日、ロペ・デ・ベガ劇場前のレストランにて、今秋のビエナルで、ロペ・デ・ベガ劇場で公演を行うアルティスタたちによる記者会見/談話会が行われました。



セビージャ市立のロペ・デ・ベガ劇場はマエストランサ劇場ができるまではバレエもクラシックもジャズも全部ここで行われていたたセビージャを代表する劇場。1929年セビージャで行われたイベロアメリカ博覧会のために作られ、長年、さまざまな公演が行われてきました。もちろんフラメンコ公演も多く行われ、ビエナルも1980年の第1回から主な会場の一つとしてあまたの感動を与えてくれましたが、2023年秋より改装工事のため閉館しており、24年のビエナルでは、会場として使われることがありませんでした。現在も工事は続いていますが進捗状況は良好とのことで、9月12日、ピアニスト、ドランテスの公演でこけら落としとなる予定だそう。他にもアルカンヘルやアントニオ・レジェス、マイテ・マルティン、アウロラ・バルガスとバルガスとフアナ・アマジャ、ラファエル・リケーニ、そしてマノロ・マリンとアナ・マリア・ブエノが出演するセビジャーナスの公演も行われます。

記者会見の模様をビデオにしたのでよければどうぞ。最後、アントニオがちょこっと歌っていますよ。司会を務めているのはビエナル監督ルイス・イバッラ。元々ジャーナリストということもあるのでしょうが、いつもあんちょこなしで見事な司会を見せてくれます。





パストーラ・ガルバン『6タクシ6』

 舞台の上には二脚の椅子。歌い手もギタリストもいない。タイトスカートにドラッグクイーンのようなあげぞこの派手なブーツで現れ、客席を見渡し、手でハートマークを作ってみせる。

華やかな衣装も、アクセサリーもない。プログラムには、ローマ、コパカバーナ、カサブランカ、トランシルバニア、ヌエバ・オルレアンズ(ニューオリンズ)、トリアーナと6つの都市の名とその地にちなんだ曲がプログラムには記されていて、タイトルもそういうことなのだろうけど、実際にその曲がかかってその曲の中で踊ったりもするのだけど、その曲と曲がないところで時に自分で歌ったり、後半登場するラモン・マルティネスのパルマで踊ったり。一つのテーマのまとまった作品というより、コント集のような感じ、といえば伝わるかな? 

タクシーと叫んでタクシーを止める仕草をする。椅子に座って安全ベルトを装着する仕草。軽やかなカルロタズギャロップの曲は映画『8 1/2』の曲だけど、ハチャトリアンの剣の舞にも似た感じで、確かに街を行くタクシー感がある。座ってイタリア語を話し始めるパストーラ。 という最初の場面は芝居がかってて、先日のロシオ・モリーナじゃないけど、演劇に行くのか?と思わせたけどそれは危惧で、音楽は音楽、でも彼女は自分でリズム作って踊る踊る。

靴をスニーカーやぺたんこの靴、パンプス、かかとの高いブーツと履き替えるだけで衣装替えも何もないんだけど、目が離せない。音楽がなくとも彼女の踊りはフラメンコ。

 ©︎ Remedios Malavárez/Fundación Cajasol

そう、フラメンコは一人でもできる。

でも後半、ラモン・マルティネスが登場することによって明らかに作品としてもフラメンコとしても厚みが増し、より良くなったのも確か。

タクシー運転手となって、ラジオのチューニングを口でやったり、テキエロ、愛してるを各国語で言ったり歌ったり、ユーモアたっぷりに相手役を務めた。

©︎ Remedios Malavárez/Fundación Cajasol


パストーラ・パボン、ニーニャ・デ・ロス・ペイネスのセビジャーナスをカスタネット付きで、でも基本の振り付けとは全く違う感じで踊って幕。

いやいや、舞台見てて、色々思い出しましたよ。

タイトスカートは、マリア・パヘス舞踊団時代、『ラ・ティラーナ美術館の亡霊』で履いてたのを思い出したし、背番号を指さすような仕草は『フランセサ』という、フランスをテーマにした作品を思い出させる。最後のセビジャーナスは、大昔、イスラエルと踊った、イスラエルが全然動かないセビジャーナスやこれも昔、ルベン・オルモと共演してたことを思い出させたのでした。過去をめぐるタクシーだったわけでもないだろうけど。

結論。フラメンカは何をやろうとフラメンカ。ロシオしかり、パストーラしかり。

2026年5月17日日曜日

正木清香、三枝麻衣、瀬戸口琴葉en トーレス・マカレーナ

エミリオ・マジャ率いる日本人バイラオーラたちのグラナダ、ヘレス公演に先駆けて、同公演出演のため来西中の正木清香と三枝麻衣がセビージャ在住の瀬戸口琴葉とペーニャ、トーレス・マカレーナに出演。

金曜日ということもあってほぼ満席。

クーロ・バルガスのギターソロで幕を開け、正木はティエント。歌はガジとラビ。

真っ直ぐな、真面目なティエント。



タンゴでもっと変化つけてもいいかもしれない。トップバッターだったから緊張してたのかな。

続いて、スペインで踊るのは初めてという三枝麻衣。ソレア。

ソレアらしい重さの表現もちゃんとしているし、ムシコたちを引っ張っていく力もある。


休憩を挟んで二部はカンテソロでは珍しいロンデーニャから始まり




瀬戸口はソレア・ポル・ブレリア。髪をお団子に結ってくれているのが嬉しい。そうです。セビージャはお団子! いや、セビージャで踊るなら絶対おだんごってわけじゃないけど、セビージャにいるならセビージャらしいあつらえを、って思う私は昭和かも。
以前に見た時よりもずっと力が抜けて、歌をギターを満喫して自由に踊っている感じで、何より楽しそう。踊りがただ上手なだけでなく表情が出てきた、という感じ。さすがです。

フィン・デ・フィエスタでは会場に見にきていた遠藤郷子や中原潤、萩原淳子も参加。遠藤の歌は観客を驚かせていたし、中原も姿勢が良くなってるし、セビージャ留学の効果はテキメン。萩原はもう貫禄。日本のフラメンコもレベル高い。



今回ちょっと気になった衣装のことはまた改めて書きますね。


2026年5月15日金曜日

訃報/エル・カブレーロ

 歌い手、エル・カブレーロが5月13日、セビージャ郊外の病院で亡くなりました。81歳でした。

本名ホセ・ドミンゲス・ムニョスは1944年10月19日セビージャ県県アスナルコジャールの生まれ。カブレーロとは山羊飼いのことで、その名の通り、子供の頃から山羊飼いを職とし、ラジオでフラメンコを聴いて学んだと言われます。 70年代にセビージャの劇団、ラ・クアドラの作品でプロとしてのキャリアをはじめ、75年に初録音。80年にはコルドバのコンクール、ソレア部門、マラゲーニャ部門で優勝し、80年代、90年代は各地のフラメンコ・フェスティバルを主に活躍。得意のファンダンゴでは社会的政治的テーマを歌うことも多く、高い人気があった。

黒いシャツに黒いズボン、カーボーイハット(のようなツバの広い帽子)と首に巻いたチーフがトレードマーク。パワフルな声で歌う彼はフェスティバルでカマロンと並ぶほどの人気で、観客の熱狂を昨日のことのように思い出します。パセオ誌で活躍した写真家の高瀬さんはカブレーロのブレリアが好きだったなあ。

2020年に引退、その後脳梗塞を患ったそうです。



合掌。

彼についてのドキュメンタリーがYoutubeで無料で見られます。



これ観ていると、音程いいし、ファンダンゴだけでなく、ファルーカなんかも歌っているし、レパートリー広かったんだな、と。ただフェスティバルでは数曲しか歌わないから、ファンダンゴとブレリア主体になっていたんだろうな、と思うなど。スペイン語母語じゃないこともあってか、ファンダンゴ苦手だったんだよね、あの頃。

2026年5月14日木曜日

サロメ・ラミレスen トーレス・マカレーナ

 Impecable って言うスペイン語の言葉がある。辞書をひくと、「欠点のない、完璧な、」とある。文句のつけようのない、ってことですね。昨日のサロメがそうだった。

豪華なマントン、華やかなピンクのバタ・デ・コーラは花のようなフリルで裏打ちされ、下りお団子にまとめた髪に小さめのこれもピンクの花が綺麗につけられている。まさにまさにインペカブレ、非の打ちどころの無い、完璧なフラメンカ。バタもひっくり返ったまんまになったりすることなく、優雅に舞い、手に取る時もかがまず蹴って手に取り、小さな舞台でもしっかりコントロールして最前列の観客を煩わせることがない。マントンも余裕を持って扱い、きちんとしている。伝統的な構成で、全てがきちんとしている正統派フラメンコ。歌のミゲル・アンヘル・エレディアとの相性も抜群。ヘレスの時より何倍も良かった。


フラメンコ舞踊に何を求めるか、どこを評価するかというのは人それぞれだと思うけど、私の場合オレ!が出るのは、コンパスの掴み方放し方などの間合い、呼吸にしびれるというのはあるんだけど、見た目の美しさというのもすごく重要視していて、姿勢、動きやかたちの美しさはもちろん、衣装やアクセサリー、小物などのあしらいが美しいとそれだけでもオレ!なのであります。

公演はアルバロ・モーラのギターソロのタランタに始まり、ジョナタン・レジェスのカンテソロでグアヒーラ。カンテソロでのグアヒーラは珍しい。彼の声や歌い方はこの曲種のもつゆったりした感じとはあまり合っていないような?

そしてこのアレグリアスでありました。休憩を挟んだ後半はミゲルのソロでタンゴからのコプラ。


そしてソレア。黒い衣装。飾りと言えるのはジャケットの黒いスパンコール(?)での飾りと、髪につけた臙脂の花だけ。シリアスな曲にふさわしい装い。ソレアらしい重み。ブレリアでのミゲルとの絡みも同じヘレスで昔から知っている仲だからこそ、かも。


フィン・デ・フィエスタも、ダビ・ロメロ、マリア・カラスコ、チョロ、瀬戸口琴葉という豪華な顔ぶれでした。


明日、15日はその瀬戸口と日本からの正木清香、三枝麻衣という日本人組がガジとラビの歌、クーロ・バルガスのギターで共演。楽しみです。


2026年5月13日水曜日

フラメンコ・オン・ファイア2026


北スペイン最大のフラメンコ祭、フラメンコ・オン・ファイアが今年も開催されます。
今年で13回目。
牛追い祭りで知られる街、パンプローナで開催されるこのフェスティバル、
今年のフェスティバルは、パンプローナゆかりのヘミングウエイの写真がポスターに。
バルコニーでの無料リサイタルでも知られていますが、毎年、ギター公演も充実しています。


◇フラメンコ・オン・ファイア

8/21(金)19時45分

[出]〈g〉ホセ・ガルベス

[場]ビアナ 市役所バルコニー

8/21(金)21時

[出]〈c〉マイテ・マルティン

[場]ビアナ サン・ペドロ遺跡

8/22(土)19時45分

[出]〈g〉ダビ・デ・アラアル

8/22(土)21時

[出]〈c〉サンドラ・カラスコ、〈g〉ダビ・デ・アラアル、〈b〉アナ・モラーレス

[場]エステジャ/リサッラ エスパシオ・クルトゥラルラル・ロス・ジャノス

8/26(水)18時30分

[出]〈g〉フアン・ディエゴ・マテオス

[場]パンプローナ  Civivox コンデスタブレ

8/26(水)20時『トレス・オリージャス』

[出]〈g〉ラファエル・リケーニ、〈サックス〉ティム・ライズ、〈歌〉アナ・モウラ

[場]パンプローナ ガジャレ劇場

8/26(水)21時45分

[出]〈g〉フェリペ・マジャ

[場]パンプローナ ナバラ政府バルコニー

8/26(水)22時45分

[出]〈c〉ラ・ファビ

[場]パンプローナ オテル・トレス・レジェス

8/27(木)12時

[出]〈c〉ラ・ファビ、〈g〉クーロ・カラスコ

[場]パンプローナ 市役所バルコニー

8/27(木)12時45分

[出]〈c〉モレニート・デ・イジョラ、〈g〉ヘロニモ・マジャ

[場]パンプローナ ホテル・ペルラ・バルコニー

8/27(木)18時30分

[出]〈g〉フェリペ・マジャ、ヘロニモ・マジャ

[場]パンプローナ  Civivox コンデスタブレ 

8/27(木)19時45分

[出]セルバタナ

[場]パンプローナ サラ・セントラル

8/27(木)21時15分『カンタ・ア・マヌエル・アレハンドロ』

[出]〈c〉ホセ・メルセ

[場]パンプローナ アウディトリオ・バルアルテ

8/27(水)23時15分

[出]〈b〉アゲダ・サアベドラ

[場]パンプローナ オテル・トレス・レジェス

8/28(金)12時

[出]〈c〉ホセ・メルセ、〈g〉マヌエル・セルパ

[場]パンプローナ 市役所バルコニー 

8/28(木)12時45分

[出]〈c〉カルメン・カルモナ、〈g〉フアンホ・レオン

[場]パンプローナ ホテル・ペルラ・バルコニー

8/28(金)18時30分

[出]〈g〉ホセリート・アセド

[場]パンプローナ  Civivox コンデスタブレ

8/28(金)19時45分

[出]〈c〉ロサリオ・ラ・トレメンディータ

[場]パンプローナ サラ・セントラル 

8/28(金)21時15分『ムエルタ・デ・アモール』

[出]〈b〉マヌエル・リニャン

[場]パンプローナ アウディトリオ・バルアルテ

8/28(金)23時15分

[出]〈c〉エル・ペレ

[場]パンプローナ オテル・トレス・レジェス

8/29(土)12時

[出]〈c〉エル・ペレ、〈g〉ニーニョ・セベ

[場]パンプローナ 市役所バルコニー

8/29(土)12時45分

[出]〈c〉ミゲル・アンヘル・エレディア、〈g〉クリストバル・サンティアゴ

[場]パンプローナ ホテル・ペルラ・バルコニー

 8/29(金)18時30分

[出]〈g〉アレハンドロ・ウルタード

[場]パンプローナ  Civivox コンデスタブレ

8/29(土)21時15分『ソロ』

[出]〈g〉ジェライ・コルテス

[場]パンプローナ アウディトリオ・バルアルテ

8/29(土)22時45分

[出]〈b〉パロマ・ファントバ

[場]パンプローナ オテル・トレス・レジェス

[問] https://www.flamencoonfire.com/