2026年6月30日火曜日

ヘスス・メンデス『キエロ・カンタルテ』

 セビージャ カハソル劇場でのフラメンコ公演シリーズ『フラメンコ・アパルテ』は、今はカイシャ会社銀行になったカハソル銀行がエル・モンテ銀行時代に始まったフエベス・フラメンコスに加えて始まったフラメンコ公演。その夏休み前の最後の公演はヘスス・メンデス。

パリータのヒット曲 Callejón del sueñoの出だしの一節に始まり、伝統的な歌詞と共にカマロンが歌った歌詞を多く歌うアレグリアスは、ぺぺ・デル・モラオのギター、アネ・カラスコのパーカッション、パルマ二人の伴奏で。

©︎ Remedios Malavárez/Fundación Cajasol


リズム隊抜けてマラゲーニャ、ソレア。


©︎ Remedios Malavárez/Fundación Cajasol


リズム隊帰ってきてのタンゴに続いてのシギリージャが私的にこの日のハイライト。最高でした。シギリージャは厳格な感じ、というか、重さと深みを真摯に重ねて強靭な大聖堂の伽藍を築くような曲だと思うのですが、まさにそんな理想的なシギリージャで心に深く染み込んでいったのでした。
©︎ Remedios Malavárez/Fundación Cajasol

その後、うってかわってカンシオン・ポル・ブレリア、トレス・べセス・ロコを歌ったのですが、これはうーん、この日会場に来ていたミゲル・アンヘル・エレディアの方がいいかな。ヘススはカンシオン系より昔ながらのヘレスのブレリアの方が任に合うというか、得意なような気がします。正統派の歌い手って感じなのかな。続いて歌った、ローレ・イ・マヌエルの『ロメロ・ベルデ』も、同様。てか、あの曲を聴くとファミリア・モントージャのピシッと効いたパルマも思い出すので、ヘレスの、セビージャよりリラックスした感じの自然なパルマだとなんか物足りない気までしてしまう。で、そこから繋がった普通のブレリアの方が魅力発揮される気が。で最後はヘレスのブレリア。マイクなしでも十分な声量はさすがパケーラゆかりの人だけあります。

夏休み前にいいフラメンコを見せてもらえたので気持ちよく夏が迎えられます。



ビエナル関連イベント、開幕前公演、プレゴン、展覧会など

6月28日、ビエナル関連イベントの記者発表がありました。

ビエナル開会前、9月3日からの公演や展覧会など、色々盛りだくさん。楽しみですね。


Archivo Fotográfico de La Bienal de Flamenco / ©Laura León

Archivo Fotográfico de La Bienal de Flamenco / ©Laura León

 


 

◇第24回ビエナル・デ・フラメンコ セビージャ

フラメンコ・ア・ピエ・デ・カジェ

9/3(木)21時30分『ラ・ノチェ・デ・ラス・ヒターナス』

[出]〈c〉エルミニア・ボルハ、マラ・レイ、サマラ・カラスコ、〈g〉ルイス・アマドール、〈perc〉ファリ・エル・エレクトリコ、〈palmas〉エミリオ・カスタニェダ〈b〉マヌエラ・バルガス、伴奏〈c〉ぺぺ・デ・プーラ、ほか

[場]セビージャ ファクトリア・デ・くるとぅら(3000)

9/4(金)21時30分『クエスティオン・デ・ティエンポ』

[出]〈b〉ディエゴ・アギラール、ウーゴ・アギラール

[場]セビージャ  サン・ヘロニモ修道院

9/5(土)21時 第3回マカレーナ・フラメンコ祭 ホセ・デ・ラ・トマサに捧げる

[出]〈c〉ポティート、伴奏〈g〉マヌエル・エレーラ、〈c〉アントニオ・レジェス、伴奏〈g〉ノノ・レジェス、〈c〉レメディオス・レジェス、伴奏〈g〉フリオ・ロメロ、〈c〉マヌエル・デ・ラ・トマサ、伴奏〈g〉ノノ・レジェス、〈b〉マヌエラ・アマドール・カラスコ、伴奏〈c〉エミリオ・モリーナ、マヌエル・タニェ、〈g〉ルイス・アマドール

[場]セビージャ ビルヘン・デル・ピラール広場 

9/6(日)21時30分『ナサレノ・イ・オリバレス/フォスフォリートの人生と作品』

[出]〈c〉ベルナルド・ミランダ、〈g〉アレハンドロ・ウルタド、〈b〉 ジョランダ・オスナ、俳優エンリケ・ガルセス

[場]セビージャ マリア・ルイサ公園アメリカ広場 民俗博物館


9/9(水)20時30分『プレゴン』

[出]〈c〉セグンド・ファルコン、ラファエル・デ・ウトレラ、マリア・テレモート、エスペランサ・フェルナンデス、ペドロ・エル・グラナイーノ、〈b〉アナ・モラーレス

[場]セビージャ サン・フランシスコ広場

2026年6月28日日曜日

ヘレスのブレリア祭

ヘレスは夏もフラメンコ!と言うわけで毎年恒例、ビエルネス・フラメンコスは7月24日から、そして8月19日から4日間、ブレリア祭も開催されます。ビエルネス・フラメンコスのホセ・バレンシア、ブレリア祭のアンヘリータ、モントージャとペレといったごく少数の例外をのぞいてほぼ全員がヘレスのアーティストというのがすごいですね。人口あたりのアーティストの数って絶対ヘレスが一番多いと思います。
ブレリアの生まれ故郷、ブレリアのメッカでフラメンコ、思いっきり楽しんでくださいませ。


◇ビエルネス・フラメンコス

7/24(金)『ミサ・フラメンカ』

[出]〈g〉ぺぺ・デル・モラオ、〈violin〉ベルナルド・パリージャ、〈perc〉ペリーコ・ナバロ、〈c〉マリア・ペーニャ、ロシオ・パリージャ、トマサ・ペーニャ、ロシオ・バレンシア、ペドロ・モントージャ“チャンキータ”、グレゴリオ・パリージャ、ベルナルド・ルビチ、ルイス・モントージャ

[場]ヘレス サンティアゴ広場

7/31(金)

[出]〈c〉カプージョ・デ・ヘレス、ホセ・バレンシア、マヌエル・デ・カンタローテ、〈g〉ラモン・トルヒージョ、フアン・レケーナ、ノノ・ヘロ、〈b〉 サライ・ガルシア、伴奏〈c〉ホセ・エル・ペチュギータ、マヌエル・デ・ラ・ニナ、gヘスス・ロドリゲス

8/7(金)

[出]〈c〉モモ・モネオ、〈g〉ドミンゴ・ルビチ、〈c〉ベルナルド・ルビチ、ルイス・モントージャ“チャンキータ、〈g〉マヌエル・セルパ、〈b〉 マリソル・ヒメネス、マルタ・デ・サンティアゴ、『ヘレスのブレリア』〈c〉コラル・デ・ロス・レジェス、タマラ・タニェ、ミゲル・アンヘル・エレディア、フアン・デ・ラ・マリア、〈g〉ドミンゴ・ルビチ、〈b〉マリア・カルピオ"ミヒータ"、ベレン・レジェス、フアナ・デル・オビスポ

8/14(金)

[出]〈c〉トマス・ルビチ、チェロ・パントハ、マヌエル・モネオ“バルージョ”、〈g〉マヌエル・ルビオ、クーロ・カラスコ、〈b〉ソラジャ・クラビホ、伴奏〈g〉ホセ・デル・ボリータ、〈c〉フアニ・デ・ラス・トレスミル、〈palmas〉トロンボ

[場]ヘレス サント・ドミンゴ修道院

[問]https://www.turismojerez.com/detalle-fiestas/viernes-flamenco


 ◇第59回フィエスタ・デ・ラ・ブレリア

8/19(水)21時30分

[出]〈c〉エル・トロ、アンヘリータ・モントージャ、ダビ・カルピオ、〈g〉ドミンゴ・ルビチ、マヌエル・バレンシア、〈palmas〉フアン・ディエゴ・バレンシア、アリ・デ・ラ・トタ

8/20(木)21時30分

[出]〈c〉マカレーナ・デ・ヘレス、〈g〉イスマエル・エレディア、〈palmas〉マヌエル・ビナサ、ダビ・デ・ヘルトゥデス、マヌエル・デ・ラ・マカ、ラ・マキ、〈c〉ルイス・エル・サンボ、〈g〉ドミンゴ・ルビチ、〈palmas〉ハビエル・ペーニャ、アリ・デ・ラ・トタ、ルイス・ラモス、〈c〉マカニータ、〈g〉マヌエル・バレンシア、〈perc〉カルロス・メリノ、〈palmas〉ハビエル・ペーニャ、マヌエル・マカノ

8/21(金)21時30分

[出]〈c〉ホセ・ミヒータ、〈g〉ドミンゴ・ルビチ、〈c〉フェリパ・デル・モレーノ、〈g〉マヌエル・バレンシア、〈c〉ルイス・モネオ、〈g〉フアン・マヌエル・モネオ

8/22(土)21時30分

[出]〈c〉エル・ペレ、〈g〉ニーニョ・セベ、〈c〉ヘスス・メンデス〈g〉アントニオ・イゲロ、〈perc〉ペリーコ・ナバロ、〈palmas〉ディエゴ・モントージャ、マヌエル・サラド、『ブレリア・デ・ヘレス」〈c〉エンリケ・レマチェ、マヌエル・デ・ラ・ニナ、ペドロ・モントージャ“チャンキータ”、〈g〉フェルナンド・デル・モラオ、マヌエル・デル・サラド、〈b〉ティア・ジョジャ、ティア・フアナ・デ・ラ・クーラ、ルイサ・レヒレス、ルイサ・デ・トラン。マヌエラ・デル・パスティージャ、ティア・マフマ

[場]ヘレス ベレン広場

[問]https://www.turismojerez.com/detalle-fiestas/fiesta-de-la-buleria

ジョエル・バルガスen トーレス・マカレーナ

2023年ラ・ウニオンのコンクールで優勝したジョエル・バルガス。2003年、バルセロナに近いローマ遺跡で知られる街、タラゴナ生まれ。地元で踊り始め、後、バルセロナ舞踊学院にも学び、2020年にはマドリードのスペイン舞踊振り付けコンクール、2021年にはカステジョンのコンクールで入賞。以後は、マヌエル・リニャン『ビバ』『ムエルタ・デ・アモール』、今年のヘレスのフェスティバルではエステベス/パーニョス『ドンセージャ』に出演し、ビエナルでは同作品とともにアルフォンソ・ロサのカンパニーに出演する予定という若手のホープ。

歌い手の一人の到着が遅れているということで30分以上遅れて開始。

腰高のズボンに丈の短い上着という伝統的な衣装トラへ・コルトで登場。



え?カバーレス? シギリージャの締め歌として歌われることが多く、それだけで歌われることは少なく、それだけで踊られることは滅多にない(一曲として踊られるの見たのは初めてかも?)曲なのでびっくり、途中、シギリージャぽくなったりもして最後はまたカバーレス。

シギリージャではなくあえてカバーレスだった理由はなんなんだろう。


本業は踊り手で、会場に来ていたカルメン・レデスマにも習っていたというカルメン・モレーノがブレリアを歌い踊る。複雑なことはせず、かつてのルンベーラみたいな感じ。自然体で好感。


ジョエルの二曲目はタラント、と思ったのだけど、

歌い手がカスタネットを渡す。え、カスタネットでのタラント、珍しいなあ、と思ったんだけど、一旦そのカスタネットを床に置いてタンゴ?あれ?


と思ったらハビエル・コンデのギターがパコのロンデーニャを奏で、ソレにカスタネットで合わせる。これはなんという曲と言うべき?うーん。


終演後に本人と話してわかったのだけど、タラント、タンゴ、タラントの起源であるファンダンゴから同じ系列のロンデーニャと組み合わせたと言うことでした。わかりにくい。舞台作品もやっていると言うことなのでそのためのものだったのかな。こういうの、昔、ハビエル・バロンが作品『メレディアナ』でやっていたなあ。あれはいつ?ああいう舞台作品では趣向としてありだとは思うけど、ペーニャだと違和感あるかも。趣向としては面白いんだけど。

休憩挟んだ2部はカンテソロでタンゴ、クリスティーナ・トバルとアナ・ポランコと女性ふたりだからからか、日本でもお馴染みレポンパのタンゴとか歌ってました。で、踊りはカンティーニャス/アレグリアス。




全体的に、スペイン舞踊的な身体づかいとかもあるけど、フラメンコとしてもちゃんとしている。でもやっぱり若いからかな、色々詰め込んで、余白がほぼない。足も強いけど、靴音が音楽に聞こえてくるような色彩、ニュアンスはない。できる人にもっともっとと期待しちゃうのは私の悪い癖かも、2年前、前年優勝者として踊っているのを見た時から確実に進化しているのはそう。今後もまだまだ変わっていくんだろうな。この世代では無敵で自信もある感じ。いいライバル、仲間がいるといいね。自分のスタイルが見つかるといいね。楽しみにしています。

最後は、会場にいたアナ・サラサール、ハイロ・ベガも加わってフィン・デ・フィエスタでした。




2026年6月26日金曜日

ディエゴ・デル・モラオ『ア・クエルダ・ペラー』

 カハソルのフエベス・フラメンコす、夏休み前の最終回はギターソロ。ヘレスのディエゴ・デル・モラオが登場。

なんとカンテもパルマもない、全くの独り舞台。というだけでなく、ピックアップのついたギターとペダルが舞台に!ええ?

舞台に登場したディエゴはまず、持ってきた、いつもの?ギターでロンデーニャ。2010年の曲だという。



©︎ Remedios Malavárez/Fundación Cajasol

続いてエアレコでタランタ/ブレリア。ブレリアはパコ・デ・ルシアの曲をだいぶなぞるのだけど、彼には自分の音があるからパコっぽく聴こえないのが面白い。

©︎ Remedios Malavárez/Fundación Cajasol
 

再びいつものギターでソレア・ポル・ブレリアのようなスピードのソレア。ヘレスのソレアは他のところのソレアより早いよね。

シギリージャは、先日、早逝したミゲル・サラドに捧げて。「いつも謙虚で、歌の邪魔をしないギターだった」と。

パコ・デ・ルシアとの思い出のブレリア『エル・レガロ』はもちろん、ぱこに。昔、まだパコと知り合う前にコンサートに来てたディエゴをパコに紹介するよ、って言ったのだけど、いや、まだとか言って遠慮してるうちに箱が帰ってしまい紹介失敗して、その数週間後にパコから電話があって、一緒に録音することになったのは、2003年7月、カディス県ヒメナ・デ・ラ・フロンテーラでのこと。なんて話を思い出しつつ。

もう一曲、エレアコで弾いて、最後はブレリア。これが良かった。ヘレスらしく、リズムが生き生きとしていて、こっちの鼓動も高まるようなそんなブレリア。

©︎ Remedios Malavárez/Fundación Cajasol



ディエゴのことは彼がまだ子供の頃から知っているので、ずっと若手という認識だったんだけど、78年生まれだから47歳だということで、もう立派なベテランなんですね。

演奏も、いぜんとはイメージがちょっと変わって、ビセンテよりもパコ寄り、またブラジルというか、ちょっとラテンギターの影響も感jられるような気がしました。ソロでの公演は多くないから、たまに聞くとびっくりしたりしますね。





2026年6月22日月曜日

アルカサル庭園の夜

今年も6月25日から、毎夏恒例、アルカサル庭園の夜、コンサートが開催されます。

暑いセビージャの夏。夜に夜にアルカ毎週月曜朝10時にその次の週の公演の切符が売り出されます。

クラシックや古楽、ワールドミュージックなどと共にフラメンコ公演も。

今年は、カンタオーラ二人が3公演ずつ行うほか、オランダ人ギタリストらのグループ、ディエゴ・ビジェーカスが出演します。予定が合えばぜひ。




◇第27回レアル・アルカサル庭園の夜 ※フラメンコ公演のみ

7/2(木)、29(水)、8/11(火)

[出]〈c〉マリア・ホセ・ペレス、〈g〉アルベルト・ロペス

7/7(火)、8/4(火)、8/25(火)

[出]〈c〉エステル・メリノ、gニーニョ・セベ

7/24(金)、8/26(水)『ラ・クエルダ・デ・トレス・イロス』

[出]ALXARAF〈c〉ビセンテ・ヘロ、〈perc〉ダビ・チュペテ、〈g〉ティノ・ヴァン・デル・スマン

8/20(木)『イン・クレッシェンド』

[出]〈fl、sax〉ディエゴ・ビジェガス、〈g〉ビクトル・フランコ

[場]セビージャ レアル・アルカサル庭園

[問]https://www.actidea.es/nochesalcazar2026/

2026年6月20日土曜日

ロルカとグラナダ2026

 今年もグラナダの夜を彩る、フラメンコ公演シリーズ、ロルカとグラナダが開催されます。

世界遺産、アルハンブラの中でも奥の高台にあるヘネラリフェ庭園にある野外劇場で夜行われるフラメンコ公演。

2002年、アンダルシア舞踊団による『血の婚礼』、翌年はオヨス舞踊団の『イエルマ』といったようにロルカ作品の上演から始まったこの公演シリーズ、当初は一つの公演が一ヶ月以上続くものでしたが、ここ数年は複数の作品/公演からなり、今年も3作品が公演。

マヌエラ・カラスコとパストーラ・ガルバン観たすぎる!でも私は私はラ・ウニオンのフェスティバル/コンクールと丸かぶりでその後日本へ行くので観ることが叶いません。悲しい。

夜のアルハンブラ庭園に入れるのも魅力的ですよね。月曜火曜は休演なのでお気をつけて、。



◇ロルカとグラナダ22時

7/31(金)~8/15(土)『ラス・ヒターナス・カンタン・イ・バイラン・ア・ロルカ』月火休演

[出]〈b〉マヌエラ・カラスコ、パストーラ・ガルバン、、マヌエラ・カラスコ・イハ、サライ・デ・ロス・レジェス、〈c〉ラ・トバラ、サマラ・カラスコ、エンリケ・エル、エストレメーニョ、〈g〉ペドロ・シエラほか、ゲスト〈c〉第1週エスペランサ・フェルナンデス、第2週アウロラ・バルガス

8/19(水)~22(土)22時『ティエラ・ベンディタ』

[出]〈b〉アンダルシア舞踊団

8/27(木)~29(土)22時『オメガ』

[出]〈c〉キキ・モレンテ、ラガルティーハ・ニック、〈b〉イスラエル・ガルバン、〈g〉アントニオ・レイ

[場]グラナダ アランブラ ヘネラリフェ庭園野外劇場

[問] https://www.juntadeandalucia.es/cultura/lorcaygranada/