2026年6月19日金曜日

セルヒオ・アランダen ペーニャ・トーレス・マカレーナ

 日本ではお馴染みのセルヒオ・アランダだけど、なんと私は初見であります。彼も以前ここでの公演が予定されていたものの天候か何かで延期になってこの日のリベンジ。

ニョニョのギターソロに始まり

タニェのカンテソロ

ホセ・アニージョも加わって、セルヒオのアレグリアス。

軽快。もともと地元マラガの舞踊学院、コンセルバトリオで学んだと言うのだけど、コンセルバトリオ系というかアカデミック感じはなく、フェステーロな感じに見えるのは上体、腕の動きが限定的だからかもしれません。身体づかいとか、きっとフィエスタ系のフラメンコの方が、舞踊団系、劇場系のものより好きなんでしょうね。


休憩を挟んでナタリア・カロのタラント。ニョニョのギターで前座? 10代にしてはちゃんとしている。この時気づかなかったんだけどm、ヘーレン財団のコンクールで時間オーバーした子だ。

先日のキラキラ衣装よりはタラントぽい。17歳。来週末のラ・ウニオンの若者舞踊コンクール準決勝出場のためのデモンストレーションだったみたい。

ホセ・アニージョのマラゲーニャ+ベルディアーレス。

 そしてソレア。

歌聞いていないわけじゃないけど、レトラの時もどんどこ足突っ込んでくるタイプなんですね。ふむ。


この日は普段、公演がない木曜日ということで観客は少なかったのですが、最後、フィン・デ・フィエスタではカルメン・レデスマやぺぺ・トーレ、エル・ルビオ・デ・プルーナが舞台に上がり、思いがけなく得した気分。彼らがわざわざやってくるというのはやはり愛されてるのでしょうね。小さい子はナタリアの妹、踊らなかった子はカルメンの孫らしい。









2026年6月18日木曜日

スサナ・カサス、中原潤、ハイロ・ベガen トーレス・マカレーナ

 クリスティーナ・オヨス舞踊団などで活躍したスサナ・カサス。彼女が今年、2ヶ月ほど、クリスティーナ・ヘーレン財団フラメンコ芸術学校で指導した時に出会った二人の生徒と一緒に舞台に。

オープニングは最初にミュージシャンたち、ギタルストと歌い手たち、クリスティーナ・トバル、マヌエル・パハレス、そしてスサナ、ハイロ、中原と順番に舞台に上がっていってのマルティネーテ。


男装のスサナ初めて見たかも。マヌエラ・カラスコのように、二人のバイラオールを従えて踊るというのは彼女の新しい面を見たという感じ。三人三様だけど、劇場作品並みにしっかり作ってありました。

ルベン・ロメロによるギターソロでのブレリアを経て、




中原のソロはソレア、舞台に上がる時からしっかりソレアの中に入っていっている。集中力。


歌をしっかり聴いて反応して踊っている。ちゃんとしたソレア。

以前、日本で見るたびに気になっていた首が前に出る癖も治っている。フラメンコ的な感覚、センスもよく、メリハリのきいたソレアで、ペーニャのメンバーを含めた観客を魅了した。私が今まで見てきた中で一番良かった。このいい感覚をそのまま日本のお客様にもお届けしてくださいませ。


休憩を挟んだ第2部はカンテソロのアレグリアスに始まり、ハイロのタラント。


彼は昨年のヘーレン財団のフラメンコ才能コンクール舞踊部門優勝者なのだけど、だいぶ体重も減って、お尻を突き出すような姿勢もなくなってきている。膝がくっつきがちなのと、重すぎるサパテアードは相変わらずだけど。力強いというより力任せ、力をコントロールできていない感じ。靴音はデカけりゃいいってもんじゃない。ここぞというときに決めればいいわけで、その意味からもずーっとドデカ音で来られると効果も出ない。むしろ引いちゃうんじゃないかと。タンゴになってからの、ヒターノぽい、どうだ!っていうようなこれみよがせな感じとか、昔のホセ・ガルバン風というか、面白いんだけどね。でもタンゴが強すぎてタラントの意味がどっかいっちゃったかも。むしろタンゴだけで一曲にした方が良いかも。と思ったことでした。


フィン・デ・フィエスタは同級生?が大挙来ていた事もあって、出演者だけで。


1年と言うか、実質、9ヶ月のクラスでも、二人とも確実に学んでアルティスタとして成長している、と言うのを実感。集中して勉強することってやっぱ必要なのかも、ですね。


2026年6月16日火曜日

レウニオン・デ・カンテ・ホンド

 6月11日 アンダルシア・フラメンコ機関でレウニオン・デ・カンテ・ホンドのプログラムの記者発表が行われました。

アンダルシアでも歴史の古いフェスティバルの一つ。ラ・プエブラ・デ・カサージャはセビージャから東へ約70キロ、昔からフラメンコ熱でも有名で、歌い手ニーニャ・デ・ラ・プエブラやホセ・メネセらの出身地。

今年のフェスティバルにはモネータやマイテ・マルティンが出演するが、それまでの1週間、街のあちこちで無料のコンサートや講演会なども開催されます。

                          

◇第57回レウニオン・デ・カンテ・ホンド

7/3(金)~11

7/3(金)23時

[出]〈g〉メルセデス・ルハン/〈c〉ミゲル・デ・テナ、 伴奏〈g〉パトロシニオ・イホ

[場]セビージャ県ラ・プエブラ・デ・カサージャ プラサ・ビエハ

7/4(土)23時

[出]フラメンコ・ロック ダニ・ジャマス/〈c〉ラ・トレメンディータ、〈g〉ホセ・アセド、〈ドラムス〉マヌエル・レイナ

[場]セビージャ県ラ・プエブラ・デ・カサージャ プラサ・デ・アンダルシア

7/6(月)17時

[出]〈c〉ミゲル・デ・テナ、gパトロシニオ・イホ

[場]セビージャ セビージャ刑務所II

7/7(火)22時30分

[出]〈b〉ホセ・ガラン フラメンコ・インクルシブ協会

[場]セビージャ県ラ・プエブラ・デ・カサージャ プラサ・デル・アジュンタミエント

7/8(水)23時

[出]〈c〉アロア・デ・バスティアン、〈g〉ルベン・ポルティージョ/〈c〉コンスエロ、〈g〉アントニオ・カリオン

[場]セビージャ県ラ・プエブラ・デ・カサージャ プラサ・デ・ラス・メリアス

7/9(木)23時

[出]〈c〉マヌエル・カストゥロ、〈g〉マヌエル・バレンシア/〈c〉エル・ペレーテ、〈g〉ホセ・アンヘル・カスティージャ

[場]セビージャ県ラ・プエブラ・デ・カサージャ プラサ・ヌエバ

7/10(金)23時

[出]〈c〉イスマエル・デ・ラ・ロサ、〈g〉フランシスコ・ビヌエサ/〈b〉フアン・トマス・デ・ラ・モリア、〈g〉ヘスス、ロドリゲス, 〈c〉ホセ・エル・ペチュギータ、セバスティアン・サンチェス

[場]セビージャ県ラ・プエブラ・デ・カサージャ プラサ・デル・コンベント


7/11(土)22時『第57回レウニオン・デ・カンテ・ホンド』

[出]〈c〉マイテ・マルティン、ルビート・イホ、伴奏〈g〉アントニオ・カリオン、パトロシニオ・イホ、ホセ・デ・プーラ、パコ・レオン、ホセ・ガルベス、〈b〉フエンサンタ・ラ・モネータ

[場]セビージャ県ラ・プエブラ・デ・カサージャ アシエンダ・フエンロンギージャ

[問]https://www.pueblacazalla.org/ayto/index.php/8-en-desarrollo/2643-la-deliciosa-imagen-del-monstruo-2020

2026年6月13日土曜日

ペドロ・コルドバen ペーニャ・トーレス・マカレーナ

かつて新宿『エル・フラメンコ』にも出演していたペドロ・コルドバがペーニャで公演。
これ、本当は1月にプログラムされていたのが、マドリードとセビージャを結ぶ新幹線事故で電車が運休になり延期になっていたもののリベンジであります。

最初は一人舞台に上がりソロ・デ・ピエでマルティネーテ。

後半はキニ・デ・ヘレスとセバスティアン・デル・プエルトの歌も加わる。セバスティアン、初めて聴いたけど、ムイ・フラメンコな声。
日本でもお馴染みニョニョのギターソロでブレリア。

二曲目はアレグリアス。

強い足だけでなく、パソもそうだけど、ふとした上体の動き、顔や首の角度、ミラーダなんかに、全盛期、90年代のアントニオ・カナーレスを思い起こさせる。ペドロは1978年バルセロナ近郊サバデル生まれでバルセロナで舞踊人生をスタート、その後マドリードに移り、ラトーレやカナーレスのカンパニーでも踊ったというけど、うん、10代の時、カナーレスに憧れた世代なのかも。カナーレスのいいとこが凝縮されて受け継がれているという感じ。

第2部はカンテソロのタンゴに始まり



ソレア。男らしくまっすぐなソレア。
歌にマヌエル・デ・ラ・ニナが加わってより厚みが出たかも。マヌエル、子供の時はほんと、愛嬌たっぷりな感じだったけど、いつの間にか、舞踊伴唱のエキスパートに。楽しんで歌っている感じ、一生懸命な感じが良き。キニも少年だったよね、最初に会った時は、としばし遠い親戚のおばさん的な感慨に浸るのでありました。

 やっぱ、カナーレスぽい。好き。なんか昔日本で観たときより、重みが風格が出てきて、いい感じ。

フィン・デ・フィエスタではムシコたちもみんな踊っていたのが最近では珍しいかも。




マノロ・サンルーカル国際フラメンコギター学院

 

マノロ・サンルーカル財団により、2026年9月にマノロ・サンルーカル国際フラメンコギター学院がセビージャに開校するそうです。

全く素養のないところからはじめることもでき、その場合11年かけて卒業とのことですが、実力に応じて中途入学も可とのことで、日本をはじめ世界中の人が受講可能だそう。ビザも取得可能だそう。また卒業時には提携大学からの証書も出るとか。

校長は校長はフアン・カルロス・ロメロで、パコ・ハラーナとともに自ら指導にあたる予定。

まだ色々未定な部分も多いので、日本やアメリカなど、ビザが必要な国の生徒が受講するのは27年度以降になるだろうが、マノロの遺志によるこの学院、どのようなカリキュラムになるのか注目していきたい。ああ

ミゲル・サラド逝く

 


6月12日、ヘレスのギタリスト、ミゲル・サラドが亡くなりました。

1981年9月20日ヘレス生まれ。歌伴奏を得意とし、決して前に出過ぎず、歌を支える演奏で、多くの歌い手たちと共演してきました。写真は昨年7月、ラス、カベサス・デ・サン・フアンのフェスティバルでアウロラ・バルガスを伴奏しているところ。

ニュース記事によるとガンが見つかったのは2023年と言いますが昨年までは普通に演奏を続けていました。ホセ・メルセ、ランカピーノ、パンセキート、ヘスス・メンデスなど数多くの歌い手たちを伴奏してきたのでした。安らかに。


2026年6月12日金曜日

ルシア・アルバレス“ラ・ピニョーナ”『セントラル』


なんというか、ほんと、何が何だかわからないんだけど、気がつくと泣いていた。終演後、友達に、また泣いちゃったよーって言ってるうちにもっと込み上げてきてしまい喋れない。涙止まらない。恥ずかしい。なんで泣いたか自分でもわからない。私が泣いたからすごい、とかそう言いたいわけじゃない。でも、ルシアの踊りには私の中のなにかを突き動かすなにかがあったということはたしかなのであります。

はじまり。客席から登場して舞台に上がり踊り始めるソレア。 すっくと立ち場を完璧に支配するその姿の美しさ。気高さすら感じられる。女王感。

歌を聴いて丁寧に踊る。


©︎ Remedios Malavárez/Fundación Cajasol

ギターソロはパコ・デ・ルシアのモチーフを借りて展開するロンデーニャ

続くファルーカはキンキラキンの衣装で。コンクールでこれきてたら、衣装警察としては、おい、って言いそうだけど、リサイタル/自分の作品であれば問題なし。なんか意味あるのかなとおもったけど、特になさそう。ただ形としては女性の乗馬衣装アマソナ的デザインなので、伝統を新しく捉える、ってことなのかもしれない。わかんないけど。


そういえば彼女の踊りも伝統的な形やパソも出てくるんだけど、その組み合わせかたにオリジナリティがあるので新しい形に見える。

ギターがなんかちょっと違和感あったので終演後、観にきていたギタリスト、フアン・カンパージョに聞いたところ通常の調でなく、サンブラ的な調で演奏されていたとのこと。なるほど〜。

そう、ファルーカはサンブラを経て、タンゴへ。

©︎ Remedios Malavárez/Fundación Cajasol
 
 トナからの

最後はシギリージャ。伸びやかで品格のあるシギリージャ。

©︎ Remedios Malavárez/Fundación Cajasol

彼女の踊りは、動きの一つ一つにセンティードがあると感じる。体操と舞踊の違いはそこだと思うのだけど、体操的になっちゃう踊り手も特に若い人には多い気がする。心をこめる、というか、意味を持たせるというか、動きに必然性があるというか。漫然とではなく、意識して動くというか。

止まって上を見る、何かを探しているような、遠くを見つめているような。その眼差しにノックアウトされた。

最初と同じように客席中央の通路を歩いて去って行き、おしまい。ぎゅっと凝縮された感じ。

フラメンコは、別にドラマやコンセプトやあらすじやそんなものを付け足す必要はなくて、踊り一曲だけで、全てを表現できちゃうんだなあ、と。物語は踊り手自身の中に、もしくは観客ひとりひとりの中にあって、フラメンコはそれを目覚めさせる、という気がする。


いつもいつもカハソル劇場公演の後は一人で大好きなバルに寄ってから帰るんだけど、昨日はつい遅くまでみんなと飲んじゃったよ。