2026年8月6日木曜日

ラ・ウニオン2026/コンクール準決勝1日目

 コンクール準決勝初日は8人が登場

ピアノとクラリネットのホセミ・カスターニョ

©︎ Festival Internacional de Cante de Las Minas 

コルドバ出身でムルシア在住マルコ・モラーレスはタラントと

©︎ Festival Internacional de Cante de Las Minas
帽子を使ったカーニャ。

グラナダの若手エストレージャ・デ・マヌエラはミネーラ、タランタ、アレグリアス。
©︎ Festival Internacional de Cante de Las Minas
同じくグラナダのパブロ・カンポスはタランタとサンブラ
©︎ Festival Internacional de Cante de Las Minas

イバン・カルピオはミネーラ、カルタヘネーラ、ソレア。
©︎ Festival Internacional de Cante de Las Minas

中国は上海出身、セビージャ留学中のドゥアンはタランタとグアヒーラ。
©︎ Festival Internacional de Cante de Las Minas

グラナダ出身、スサナ・サンチェスはタラントとシギリージャ
©︎ Festival Internacional de Cante de Las Minas

マラガのイサベル・リコはミネーラ、レバンティカ、カーニャ、アレグリアス。
©︎ Festival Internacional de Cante de Las Minas

今日は9人が出場します。オフィシャルサイトYouTubeFacebookのオフィシャルでストリーミングもありますよ。 
スペイン時間22時からなので、日本だと朝の5時。YouTube動画は残っているので後から見ることも可能なはず。

昨日のはこちらにありますよ。






2026年8月5日水曜日

ぺぺ・アビチュエラ逝く

 ラ・ウニオンでフラメンコ三昧を楽しんでいる時に届いた悲報。

ちょうど1年前にはこの街で、名誉賞を受け取り、大通りに名前を刻み、伝記本の出版を祝っていたのに。



1944年グラナダ生まれ。。サクロモンテでプロとしての道を歩み始めマドリードに出て多くのタブラオなどで活躍。日本へもエル・フラメンコの二組目のグループとしてタティや、ぺぺの奥方でトリアーナ生まれ踊り手のアンパーロ・ベンガラとともにやってきてレコードも録音。



ジャケットに写っているのはホセ・サラサールとカニェータ夫妻ですが、ギターはぺぺです。



アントニオ・チャコンを歌ったアルバムなど、エンリケ・モレンテの伴奏でも知られていますが、ソリストとしても1983年にソロアルバムを発表し、リサイタルも数多く行なっています。

これは1988年グラナダのフェスティバルでの演奏、ブレイク前のケタマ、甥のフアンとアントニオ、息子ホセミと共演しています。

私が彼と初めて会ったのは88年のフェリア。ゲンキデスカ、などと昔覚えた日本語で話しかけてきて日本語でサインをもらったのもいい思い出です。



それから幾年月。何度も聴くことができたけど、いつ会っても飄々としてかっこよく、ユーモアもあって、楽しい思い出がたくさん。


特に去年はここラ・ウニオンでご夫妻と、伝記の作者、ホセ・マヌエル・ガンボア、写真家パコ・マンサーノやウニオンの友達たちと楽しい時間を過ごしたことが忘れられません。



©︎ Paco Manzano

いつまでも忘れません。安らかに。



ラ・ウニオン2026/イスラエル・フェルナンデス『レシタル・イ・カンテ』

 現在、ミゲル・ポベーダを追い越す人気のカンタオール、イスラエル・フェルナンデス。この公演も早くから満員札止め。

開演の前に昨年のこの日にその名が風間れたプレートのお披露目もしたぺぺ・アビチュエラの訃報が伝えられ、1分間の黙祷。

公演はタランタとカルタヘーナを続けて歌うカンテ・デ・レバンテに始まり、ソレア、ティエント/タンゴと、ディエゴ・デル・モラオのずっと聴いていたくなる最高にフラメンコなギターとアネ・カラスコのカホンが支える。


©︎ Festival Internacional de Cante de Las Minas

ソロでトナを歌った後はディエゴのソロでタランタ/ブレリア。これが本当に素晴らしかった。先日のセビージャでのリサイタルも凄かったけど、ここでもしっかりした構成で、タランタからのブレリアを抜群のリズム感で聴かせてくれたのでした。パコ・デ・ルシアのフレーズ弾いても彼の個性でただのコピーになっていないのがいいな。


©︎ Festival Internacional de Cante de Las Minas

イスラエル自身のピアノで弾き語りでしっとりとグラナイーナ。ギターでの弾き語りを聞かせる歌い手は多いけど、ピアノはそう多くない。グラナイーナという抒情的な曲種はピアノにもあっているような気がする。

©︎ Festival Internacional de Cante de Las Minas
ぺぺに捧げてシギリージャ、そしてブレリア。アンコールはファンダンゴを熱唱。

絹に引き続き、彼の名前も会場前の通りに刻まれました。
©︎ Festival Internacional de Cante de Las Minas 

その後は会場前のテラスでジジョが踊りました。

さて今日からいよいよコンクールです。


2026年8月4日火曜日

ラ・ウニオン2026/ジェライ・コルテス『ポプラール』

 ロシオ・モリーナの伴奏で、フラメンコファンにも知られるようになったジェライ・コルテス。映画に取り上げられたことで一般の人気も獲得し、スペイン各地をツアー中。

©︎ Festival Internacional de Cante de Las Minas 

©︎ Festival Internacional de Cante de Las Minas 

マリア・レジェス、サロメ・ラミレス(去年ウニオン優勝)、マリナ・ペレア、マカレーナ・カンポ、ルシア・ペドロス、ネレア・ドミンゲスという6人の歌って踊るメンバーと一緒に彼らしい、タイトル通り、ポピュラーな世界を見せた。いや、彼のアルバムのタイトルなんですけどね。ポピュラー、一般に親しまれる魅力があるのだと思う。舞台は黒が貴重で、スモークが多すぎな感じもあるけどそれがスタイリッシュってことなのかな。
終演後は会場前の道に名前を刻んだものの開幕式も行われたのでした。人気者は大変。


©︎ Festival Internacional de Cante de Las Minas 

夜中のイベント、マドルガー・フラメンカではオフェリア・マルケスの舞台に最後、サロメ・ラミレスやエドゥ・ゲレーロも飛び込みでブレリアを賑やかに。エドゥのブレリアが最高だったことを記しておきます。

2026年8月3日月曜日

ラ・ウニオン2026/マドリード州立スペイン舞踊団『ビアへ・アル・アモール・ブルホ』

 マドリード州立スペイン舞踊団は、2024年ヘスス・カルモナを監督に創立され、現在はモニカ・フェルナンデス、ガラ・ビバンコス、アントニオ・カスティージョの3人が共同監督というまだ若いカンパニー。マヌエル・デ・ファリャの『7つのスペイン民謡』をオルガ・ペリセが、『恋は魔術師』をエステベス&パーニョスが振り付け、音楽はファリャとダニ・デ・モロンという第一線で活躍するメンバー。舞踊団員も有名な人こそいないけれど、ちゃんとテクニックはある、一定のレベルはクリアしていると思います。だがしかし、なのであります。


©︎ Festival Internacional de Cante de Las Minas

全体としてとっ散らかってて統一感はなく、どんな観客を想定しているのか、何が言いたいのだかまーったくわからない。
プログラムがないから出演者の名前もわからないし、場面の説明もなにもないので、これを書くのにネットで見つけた他の場所での公演のプログラムを見つつこれ書いてます。ギタリストがセレドゥエラでパーカッションがルキ・ロサーダというのも最後の挨拶のとこで判明。ネットだけでプログラムあったほうが絶対いいと思います。

途中、エスクエラ・ボレーラやホタが登場する時と、後半、『恋は魔術師』の中の役を踊っているのであろう時にかな、赤や緑の衣装も登場するものの、基本が稽古着のような黒い衣装で、体操みたいに繰り広げられる群舞に始まり、オーケストラの録音で(カラオケ)でソプラノの歌う7つのスペイン民謡が踊られ、『ドビュッシーの墓のために』では寸劇ぽくもあり、続いて「場面1何なに、」みたいなセリフの後に情景を見せるようなフラメンコ曲の場面があって最後が『恋は魔術師』。
チェロ・パントーハの熱唱はフラメンコで良き!のでありますが、物語が見えない。オリジナルのあらすじ、知っていても、え、誰がカルメロ?亡霊は?って感じ。なんかやたらセクシュアルな振りがあったり、うーん、なんだかなあ。エスクエラ・ボレーラもホタも、形はなぞっているけれどプロの踊りには見えない。スペイン国立バレエ団やナハーロ舞踊団のレベルの高さがこういうのを見るとよくわかるという感じ。

10月には新作を披露するそうですが、なんかこれを見る限り期待はしないほうがいいかも、とまで思ってしまいました。船頭多くして船山に登る、ってやつなのかなあ。ガラはスペイン国立に居た人だし、モニカはカナーレスに鍛えられているんだけど、やっぱ複数で舵を取るのは難しいのかもしれません。

©︎ Festival Internacional de Cante de Las Minas

©︎ Festival Internacional de Cante de Las Minas




ラ・ウニオン2026/フエンサンタ“ラ・モネータ”とルシア“ラ・ピニョーナ”『クエルポス・ミネラレス』

 ラ・ウニオンのコンクールで2003年に優勝したラ・モネータと2011年優勝のルシア“ラ・ピニョーナ”の共演による作品『クエルポ・ミネラレス』はこれが初演。

オープニングは二人でのタラント。

©︎ Festival Internacional de Cante de Las Minas


©︎ Festival Internacional de Cante de Las Minas

©︎ Festival Internacional de Cante de Las Minas

©︎ Festival Internacional de Cante de Las Minas

©︎ Festival Internacional de Cante de Las Minas

©︎ Festival Internacional de Cante de Las Minas

背が高く手足の長い、色白のピニョーナは黒い衣装、小柄でモレーナなモネータは白い衣装で踊りもスタイリッシュなピニョーナとグラナダ風のプリミティブな要素の多いモネータと、対照的な二人による踊りは、それぞれの魅力を活かしつつ、対称の面白さも見せるもので、しっかりした構成の力作。マントンの扱いにしても違いがあって面白い。

その後はカンテソロがあってモネータのブレリア、ピニョーナのファルーカ、モネータのシギリージャ、ピニョーナのソレアとそれぞれのソロを見せるという構成。

カンテソロはエセキエル・モントージャとマヌエル・パハレスのトリージャ。そのまま残った二人にエミリオ・カスタニェーダがパルマで加わりブレリアの宴が始まる。
モネータのこのブレリアは踊りの一曲というよりフィエスタのブレリアの集大成的な感じ。ちょっと長かったかな。


ピニョーナのファルーカは先日のセビージャでの公演で見せた金色の衣装でのもの。伝統的なファルーカらしいポーズや形の組み合わせが現代風で間合いも良く、オリジナリティあふれるものになっている。ラモン・アマドールのギターが、サンブラの調性で途中サンブラになってまたファルーカに戻るというのもしゃれている。
©︎ Festival Internacional de Cante de Las Minas

©︎ Festival Internacional de Cante de Las Minas

ラモンのロンデーニャのギターソロに続いてのモネータのシギリージャは、ブレリアもそうだけど、彼女らしい、グラナダらしい、首のくいっとする動きとかも豊富にあって、プリミティブなフラメンコを思い起こさせる。途中、靴から指先が出てしまい靴を履き直すというアクシデントもあったものの、無事終了。 

©︎ Festival Internacional de Cante de Las Minas
           

トリはピニョーナのシギリージャ。これがまた素晴らしかった。ソレアが歌われる中、下手からスッと背筋を伸ばした彼女が登場する、。ただ歩いているだけなのに、すでにソレア。ソレアの中に入り、ソレアを体現している。場を完璧に制圧する存在感。女王の貫禄。風格。威厳。
歌をゆっくりゆっくりマルカールしていく、その丁寧さ、コンパスを緻密になぞっていく。そして爆発するサパテアード。やっぱすごい。最高なフラメンコだ。

©︎ Paco Manzano

フィン・デ・フィエスタも賑やかに華やかに。
今は一人の踊り手による作品公演が主流だけど、こういう競演、もっと他のアルティスタたちにもやって欲しいと思ったことでした。昔のベレン・マジャとラファエラ・カラスコ、ベレンとマヌエル・リニャンとかも良かったしなあ。












2026年8月1日土曜日

ラ・ウニオン2026/アルカンヘルとパウラ・コミトレ

 ラ・ウニオンのウニオンのカンテ・デ・ラス・ミーナス国際フェスティバルのメインイベントはコンクールなのだけど、その前に前夜祭/ラ・ウニオンの日、開会宣言/前年優勝者ガラ、そして第一線で活躍のあるティスタたちによるフラメンコ公演が5公演行われます。このフラメンコ公演は、広くスペイン国内での知名度の高い、一般にも人気があるアルティスタが中心というのが特徴かもしれません。なので、ミゲル・ポベーダやサラ・バラスと並んで、フラメンコフェスティバルでは珍しくソウルも歌うピティンゴが出演したりするわけです。で、その効果はてきめんで、今年もイスラエル・フェルナンデス、ジェライ・コルテス、そして初日のアルカンヘルが前売りで売り切れになったそう。

©︎ Festival Internacional de Cante de Las Minas


そのアルカンヘル。今回の公演はヒットパレードというか、カマロンやローレ・イ・マヌエル、レブリハーノといった先人たちが歌った、ポピュラーなフラメンコ曲を次々に歌っていくというもの。フランシス・ゴメス、べニート・ベルナルのギター、リト・マネスのパーカッション、ロス・メジのパルマとコーラス、そしてパウラ・コミトレが舞踊で参加。


レジェンダ・デ・ティエンポはカマロンが歌ったバージョンが有名だけど、エンリケ・モレンテの方のバージョンではじまり、ぺぺ・デ・ルシアの『スエニョ・デ・アモール』、カマロンの歌った『ロマンセ・デ・アマルゴ』やローレ・イ・マヌエルの『ヌエボ・ディア』、『ディメ』など、フラメンコファンならきっと口ずさめるだろう名曲、カンシオン系フラメンコ曲ばかりを歌っていくというのは今までになかったかも。

©︎ Festival Internacional de Cante de Las Minas 

ゲストのパウラ・コミトレもアルカンヘルが歌う名曲を彩るばかりではなく、ソロでカスタネットを使ってのファルーカを踊り、これが本当に素晴らしかった!

カスタネットは彼女が6年前に最初の作品『カマラ・アビエルタ』のために特注した金属製のもの。彼女らしいオリジナルティのあるフラメンコで魅了されました。

メジの二人がディエゴ・カラスコのCDでレメディオス・アマジャが参加した『ナナ・デ・コローレス』を歌い、再び舞台に戻ったアルカンヘルがエストレージャ・モレンテが歌った『レ・ディ・ア・ラ・カサ』、カマロンの『ナダ・エス・エテルノ』と続き、最後はストレートにカンティーニャを。

©︎ Festival Internacional de Cante de Las Minas 

©︎ Festival Internacional de Cante de Las Minas 


写真がないのが残念なのだけど、最後のカンティーニャは、バタ・デ・コーラにマントンで、最初椅子に座ってのコロカシオンからしてマティルデ・コラルの形というか、セビージャの伝統フラメンコを彷彿とさせ、美しい。マントンも最近はオリンピック競技ですか?ってくらい早くぶん回す人が多いけど、しっかり間合いを取ってアルテを見せてくれるのが嬉しい。そうなんです。マントンやバタもやりゃあいいってもんではなく、優雅に美しく見せて欲しいです。もうほんとオレ!の連続。回転などをみても軸がしっかり、体幹がちゃんとしてるからの美しさなんだなと思ったり。

最後はアルカンヘルの十八番ファンダンゴ。本場の人だけあって見事な熱唱。最後のコーラスのところをパウラがマルカールして踊っていくの美しく楽しく。2時間近い講演でしたが、