2026年7月13日月曜日

スペイン国立バレエ団『フラメンコ ロック アンダルース/メデア』

 

マドリーの国立サルスエラ劇場でスペイン国立バレエ団の公演初日に参戦。

前半はラファエラ・カラスコ振付の新作、後半はバレエ団の古典的名作『メデア』というプログラム。ラファエらの新作は当初、『トリアーナ』というタイトルで告知されていたので、トリアーナのフラメンコぽいのやるのかな、ラファエらはセビージャの人でマティルデ・コラル門下だし、って思っていたのですがトリアーナはトリアーナでも、、アンダルシア・ロックを代表するグループのトリアーナ(wiki)の方だったのでありました。ええ? いや、wikiにもあるように、フラメンコとプログレッシブロックを合わせた音楽と言われていますし、実際、ハビエル・ラトーレによる、トリアーナの曲をフラメンコで踊った『ノンブレ・デ・ラ・ロサ』という作品(YouTube)もありますし、これが初めてというわけではないのですが。

客席に入って手渡されたプログラムを見ると、曲名もなく、28人の出演ダンサー名がずらずらと書いてあるだけ、ということは群舞中心?と考えつつ開幕。

舞台後方に足場のようなステージが組まれ、上手にエレキギターとギター、下手にドラムス。真ん中に歌手、アンヘレス・トレダーノ。いつもの彼女のステージのようにサンプラーを手元に置いてボーカルをリピートしたりしつつ歌う彼女の衣装は黒のロングドレス、そして登場するダンサーたちも皆黒い衣装。でも一人として同じ衣装ではない。一つのかたまりのような群舞で同じ振りつけを踊っていたかと思うと、そこから跳んで頭を出すものがいたり、また気がつくと一人一人違う動きをしていたり。個性のある個が集まって集団となっている。ソロでの場面が全くないわけではなく、グループと離れてちょっとソロのように踊ったり、何にかが一歩前に出て踊るということもあるのだけどそれも集団あっての個というか、一人だけ目立ちすぎるということはないのであります。

トリアーナの曲には詳しくないのだけど、代表曲『セ・デ・ウン・ルガル』、『アブレ・ラ・プエルタ』など、でもオリジナルの通りそのままに歌うのではなく、メロディ歌詞はそのままでも今風にアレンジしているのもいい。ロックコンサートのような舞台奥から客席に向かっての明かりやムービングライトなども雰囲気はあるんだけどハードではなくどこか上品。

ラファエラはコンテンポラリー的な要素もないではないのだけど根本がムイ・フラメンコでフラメンコの枠から大きく外れるようなことがない。中盤の黒いバタ・デ・コーラ、男性によるリフトなど、フラメンコにはないこともやるんだけど、でもバタに敬意を払っているというか、バタをけがしたり、素っ頓狂なことはしないのです。

あとで本人と話していたら、上から見ると、渦のように動く群舞の軌跡、見せる形が見えるそうで、もう一回上の方から見たいなあ、と思ったことでした。


休憩を挟んでメデア。アントニオ・ガデス『血の婚礼』『カルメン」と共に、時代を超えて伝えていくべき古典的作品。昨年、エバ・ジェルバブエナも踊ったタイトルロール、メデアを、バレエ団の第一舞踊手、インマクラーダ・サロモンが踊るという。実は前回の王立劇場でも1回踊るはずだったのが諸般の事情で延期となっての今回の初日。なお、ハソン(イアソン)役でも若手ソリスト、マティアス・ロペスが今回のサルスエラ劇場公演でデビューしたのですが、それは翌日12日なので私は見ていません。初日はベテラン、プリンシパル、フランシスコ・ベラスコでした。彼も若い時よりも風格が増して重みが出て、より良くなっていると思います。そしてインマクラーダ!しっかりとメデアだった。直接教えを受けたマリベル・ガジャルドぽいところがちょこちょこ見えるけど、でもちゃんと自分の方に引き寄せて、真似ではない彼女のメデアになっていたと思います。男性群舞が昔の、チンピラ風の雰囲気がなくなってなんかきちんとしてるというか、軍隊ぽいというか、に変わってる気がしたけどこれは時代かな。花嫁クレウサはアイーダ・ゴメスやマリベルのイメージなのだけどエステラも可憐で汚れのない乙女な感じをよくだしていたと思います。父クレオンのクリージョ、乳母役、ルペ・ゴメスは様々な主役と共演してきただけにそつなく、舞台に風格を与える役割。

オーケストラ、リズム、タイミングがもう少し良くなるといいのだけど、ギターソロのアレハンドロ・ウルタードが素晴らしかった。私はマノロ・サンルーカルの生演奏伴奏も見ているけどそれと肩を並べると言ったら言い過ぎ?でも彼の素晴らしい演奏はマノロをより偉大にしていると思います。
長いこと、いろんなメデアを見てきたから、いろんなシーンでいろんな踊り手たちの顔が、姿が二重写しのようになって感慨深かったです。またインマクラーダ・サロモンとマティアスのメデアが日本に行くといいなあ。




2026年7月10日金曜日

マノロ・マリン伝記『ソロ・キエロ・バイラール』

 7月8日トリアーナにあるクリスティーナ・ヘーレン財団、トリアーナ・フラメンコ劇場においてフランス人作家クリスティーヌ・ディジェによるマノロ・マリンに伝記、『ソロ・キエロ・バイラール(ただ踊りたい)』の出版発表会が行われました。


元々2017年にフランス語で出版されたのですが、スペイン語でもぜひという声に応えて出版されたのがこのスペイン語版。この日は、壇上に、マノロのスタジオを受け継いだマヌエル・ベタンソス、クリスティーナ・ヘーレン、マノロ、クリスティーヌ(赤い服)、ABC紙の舞踊評論家マルタ・カラスコ、元ビエナル監督で舞踊評論家ロサリア・ゴメスが上がりましたが、客席にはよくマノロと劇場で一緒にいるのも見かけるホセ・アントニオとアナ・マリア・ブエノ、子供が産まれて仕事ができなくて大変だった時マノロに助けてもらったというカルメン・レデスマ、そしてマノロの教え子たち、イサベル・バジョン、ヘスス・トーレス夫妻、フェルナンド・ロメロ、マノロのスタジオで代教を務めていたピラール・オルテガをはじめ、トリアーナ出身ロシオ・コラル、マルコ・バルガス、ピラール・アストラをはじめ、ホセ・セラーノ、ホセ・オルテガ、クロエ・ブルーレ、カルメン・セグーラらたくさんの踊り手たちや関係者の姿がありました。それだけ皆に愛されているのだなあ、と改めて。

マノロ・マリンとマティルデ・コラルがセビージャのフラメンコ舞踊の規範でした。そして、私の舞踊観も彼らの舞踊に基づいているのだなあ、と最近改めて思います。女性らしい柔らかな動き、歌を踊るということ。

本では物語のようにして、彼が生まれ成長していった時代背景にも触れながら映画のように描いていきます。セビージャからバルセロナへ、バルセロナやロンドンでクラシックバレエも学び踊り、パリではサルトルやボーボワールとも交友があり、また海岸地帯のタブラオでも長らく活躍し、やがてセビージャに帰ってスタジオを開き…多くの教え子たちがプロとして活躍し、アンダルシア舞踊団やクリスティーナ・オヨス舞踊団への振り付け、マリア・パヘス舞踊団作品『ティラーナ』に出演し…

多くの日本人も彼の教えを受けました。

会の終了後はロビーでサイン会が始まり、その後は近くのバルで楽しいひと時を過ごしたのでありました。マエストロ、いつまでもお元気で!








2026年7月8日水曜日

セビージャ トリアーナの夏祭りベラ


 今年もトリアーナの夏祭り、ベラが7月21日から26日まで開催されます。

川沿いのベティス通りにカセータが立ち並び、飲食ができるほか、行事もいろいろ。

トリアーナ橋のたもと、アルトサーノ広場には特設舞台ができ、

23日はセビジャーナスのグループ、カントーレス、デ・イスパリスの50周年公演が行われ、24日はナノ・デ・ヘレスへのオマージュで、モンセ・コルテスとラ・タナ・ギターのホセ・アセドとペルラ、踊りにポジートが出演。またナノも、ホセ・メンデス、マヌエル・フンケーラと出演するそうです。25日はトリアネーロの孫娘たちというタイトルで、スペイン歌謡のシルビア・パントーハ、フラメンコのロシオ・ディアス、歌も歌う踊り手ピラール・アストラらが出演するそう。無料なのですごい人ですが、夜のセビージャ散歩のついでに覗いてみてはどうでしょう。


2026年6月30日火曜日

ヘスス・メンデス『キエロ・カンタルテ』

 セビージャ カハソル劇場でのフラメンコ公演シリーズ『フラメンコ・アパルテ』は、今はカイシャ会社銀行になったカハソル銀行がエル・モンテ銀行時代に始まったフエベス・フラメンコスに加えて始まったフラメンコ公演。その夏休み前の最後の公演はヘスス・メンデス。

パリータのヒット曲 Callejón del sueñoの出だしの一節に始まり、伝統的な歌詞と共にカマロンが歌った歌詞を多く歌うアレグリアスは、ぺぺ・デル・モラオのギター、アネ・カラスコのパーカッション、パルマ二人の伴奏で。

©︎ Remedios Malavárez/Fundación Cajasol


リズム隊抜けてマラゲーニャ、ソレア。


©︎ Remedios Malavárez/Fundación Cajasol


リズム隊帰ってきてのタンゴに続いてのシギリージャが私的にこの日のハイライト。最高でした。シギリージャは厳格な感じ、というか、重さと深みを真摯に重ねて強靭な大聖堂の伽藍を築くような曲だと思うのですが、まさにそんな理想的なシギリージャで心に深く染み込んでいったのでした。
©︎ Remedios Malavárez/Fundación Cajasol

その後、うってかわってカンシオン・ポル・ブレリア、トレス・べセス・ロコを歌ったのですが、これはうーん、この日会場に来ていたミゲル・アンヘル・エレディアの方がいいかな。ヘススはカンシオン系より昔ながらのヘレスのブレリアの方が任に合うというか、得意なような気がします。正統派の歌い手って感じなのかな。続いて歌った、ローレ・イ・マヌエルの『ロメロ・ベルデ』も、同様。てか、あの曲を聴くとファミリア・モントージャのピシッと効いたパルマも思い出すので、ヘレスの、セビージャよりリラックスした感じの自然なパルマだとなんか物足りない気までしてしまう。で、そこから繋がった普通のブレリアの方が魅力発揮される気が。で最後はヘレスのブレリア。マイクなしでも十分な声量はさすがパケーラゆかりの人だけあります。

夏休み前にいいフラメンコを見せてもらえたので気持ちよく夏が迎えられます。



ビエナル関連イベント、開幕前公演、プレゴン、展覧会など

6月28日、ビエナル関連イベントの記者発表がありました。

ビエナル開会前、9月3日からの公演や展覧会など、色々盛りだくさん。楽しみですね。


Archivo Fotográfico de La Bienal de Flamenco / ©Laura León

Archivo Fotográfico de La Bienal de Flamenco / ©Laura León

 


 

◇第24回ビエナル・デ・フラメンコ セビージャ

フラメンコ・ア・ピエ・デ・カジェ

9/3(木)21時30分『ラ・ノチェ・デ・ラス・ヒターナス』

[出]〈c〉エルミニア・ボルハ、マラ・レイ、サマラ・カラスコ、〈g〉ルイス・アマドール、〈perc〉ファリ・エル・エレクトリコ、〈palmas〉エミリオ・カスタニェダ〈b〉マヌエラ・バルガス、伴奏〈c〉ぺぺ・デ・プーラ、ほか

[場]セビージャ ファクトリア・デ・くるとぅら(3000)

9/4(金)21時30分『クエスティオン・デ・ティエンポ』

[出]〈b〉ディエゴ・アギラール、ウーゴ・アギラール

[場]セビージャ  サン・ヘロニモ修道院

9/5(土)21時 第3回マカレーナ・フラメンコ祭 ホセ・デ・ラ・トマサに捧げる

[出]〈c〉ポティート、伴奏〈g〉マヌエル・エレーラ、〈c〉アントニオ・レジェス、伴奏〈g〉ノノ・レジェス、〈c〉レメディオス・レジェス、伴奏〈g〉フリオ・ロメロ、〈c〉マヌエル・デ・ラ・トマサ、伴奏〈g〉ノノ・レジェス、〈b〉マヌエラ・アマドール・カラスコ、伴奏〈c〉エミリオ・モリーナ、マヌエル・タニェ、〈g〉ルイス・アマドール

[場]セビージャ ビルヘン・デル・ピラール広場 

9/6(日)21時30分『ナサレノ・イ・オリバレス/フォスフォリートの人生と作品』

[出]〈c〉ベルナルド・ミランダ、〈g〉アレハンドロ・ウルタド、〈b〉 ジョランダ・オスナ、俳優エンリケ・ガルセス

[場]セビージャ マリア・ルイサ公園アメリカ広場 民俗博物館


9/9(水)20時30分『プレゴン』

[出]〈c〉セグンド・ファルコン、ラファエル・デ・ウトレラ、マリア・テレモート、エスペランサ・フェルナンデス、ペドロ・エル・グラナイーノ、〈b〉アナ・モラーレス

[場]セビージャ サン・フランシスコ広場



2026年6月28日日曜日

ヘレスのブレリア祭

ヘレスは夏もフラメンコ!と言うわけで毎年恒例、ビエルネス・フラメンコスは7月24日から、そして8月19日から4日間、ブレリア祭も開催されます。ビエルネス・フラメンコスのホセ・バレンシア、ブレリア祭のアンヘリータ、モントージャとペレといったごく少数の例外をのぞいてほぼ全員がヘレスのアーティストというのがすごいですね。人口あたりのアーティストの数って絶対ヘレスが一番多いと思います。
ブレリアの生まれ故郷、ブレリアのメッカでフラメンコ、思いっきり楽しんでくださいませ。


◇ビエルネス・フラメンコス

7/24(金)『ミサ・フラメンカ』

[出]〈g〉ぺぺ・デル・モラオ、〈violin〉ベルナルド・パリージャ、〈perc〉ペリーコ・ナバロ、〈c〉マリア・ペーニャ、ロシオ・パリージャ、トマサ・ペーニャ、ロシオ・バレンシア、ペドロ・モントージャ“チャンキータ”、グレゴリオ・パリージャ、ベルナルド・ルビチ、ルイス・モントージャ

[場]ヘレス サンティアゴ広場

7/31(金)

[出]〈c〉カプージョ・デ・ヘレス、ホセ・バレンシア、マヌエル・デ・カンタローテ、〈g〉ラモン・トルヒージョ、フアン・レケーナ、ノノ・ヘロ、〈b〉 サライ・ガルシア、伴奏〈c〉ホセ・エル・ペチュギータ、マヌエル・デ・ラ・ニナ、gヘスス・ロドリゲス

8/7(金)

[出]〈c〉モモ・モネオ、〈g〉ドミンゴ・ルビチ、〈c〉ベルナルド・ルビチ、ルイス・モントージャ“チャンキータ、〈g〉マヌエル・セルパ、〈b〉 マリソル・ヒメネス、マルタ・デ・サンティアゴ、『ヘレスのブレリア』〈c〉コラル・デ・ロス・レジェス、タマラ・タニェ、ミゲル・アンヘル・エレディア、フアン・デ・ラ・マリア、〈g〉ドミンゴ・ルビチ、〈b〉マリア・カルピオ"ミヒータ"、ベレン・レジェス、フアナ・デル・オビスポ

8/14(金)

[出]〈c〉トマス・ルビチ、チェロ・パントハ、マヌエル・モネオ“バルージョ”、〈g〉マヌエル・ルビオ、クーロ・カラスコ、〈b〉ソラジャ・クラビホ、伴奏〈g〉ホセ・デル・ボリータ、〈c〉フアニ・デ・ラス・トレスミル、〈palmas〉トロンボ

[場]ヘレス サント・ドミンゴ修道院

[問]https://www.turismojerez.com/detalle-fiestas/viernes-flamenco


 ◇第59回フィエスタ・デ・ラ・ブレリア

8/19(水)21時30分

[出]〈c〉エル・トロ、アンヘリータ・モントージャ、ダビ・カルピオ、〈g〉ドミンゴ・ルビチ、マヌエル・バレンシア、〈palmas〉フアン・ディエゴ・バレンシア、アリ・デ・ラ・トタ

8/20(木)21時30分

[出]〈c〉マカレーナ・デ・ヘレス、〈g〉イスマエル・エレディア、〈palmas〉マヌエル・ビナサ、ダビ・デ・ヘルトゥデス、マヌエル・デ・ラ・マカ、ラ・マキ、〈c〉ルイス・エル・サンボ、〈g〉ドミンゴ・ルビチ、〈palmas〉ハビエル・ペーニャ、アリ・デ・ラ・トタ、ルイス・ラモス、〈c〉マカニータ、〈g〉マヌエル・バレンシア、〈perc〉カルロス・メリノ、〈palmas〉ハビエル・ペーニャ、マヌエル・マカノ

8/21(金)21時30分

[出]〈c〉ホセ・ミヒータ、〈g〉ドミンゴ・ルビチ、〈c〉フェリパ・デル・モレーノ、〈g〉マヌエル・バレンシア、〈c〉ルイス・モネオ、〈g〉フアン・マヌエル・モネオ

8/22(土)21時30分

[出]〈c〉エル・ペレ、〈g〉ニーニョ・セベ、〈c〉ヘスス・メンデス〈g〉アントニオ・イゲロ、〈perc〉ペリーコ・ナバロ、〈palmas〉ディエゴ・モントージャ、マヌエル・サラド、『ブレリア・デ・ヘレス」〈c〉エンリケ・レマチェ、マヌエル・デ・ラ・ニナ、ペドロ・モントージャ“チャンキータ”、〈g〉フェルナンド・デル・モラオ、マヌエル・デル・サラド、〈b〉ティア・ジョジャ、ティア・フアナ・デ・ラ・クーラ、ルイサ・レヒレス、ルイサ・デ・トラン。マヌエラ・デル・パスティージャ、ティア・マフマ

[場]ヘレス ベレン広場

[問]https://www.turismojerez.com/detalle-fiestas/fiesta-de-la-buleria

ジョエル・バルガスen トーレス・マカレーナ

2023年ラ・ウニオンのコンクールで優勝したジョエル・バルガス。2003年、バルセロナに近いローマ遺跡で知られる街、タラゴナ生まれ。地元で踊り始め、後、バルセロナ舞踊学院にも学び、2020年にはマドリードのスペイン舞踊振り付けコンクール、2021年にはカステジョンのコンクールで入賞。以後は、マヌエル・リニャン『ビバ』『ムエルタ・デ・アモール』、今年のヘレスのフェスティバルではエステベス/パーニョス『ドンセージャ』に出演し、ビエナルでは同作品とともにアルフォンソ・ロサのカンパニーに出演する予定という若手のホープ。

歌い手の一人の到着が遅れているということで30分以上遅れて開始。

腰高のズボンに丈の短い上着という伝統的な衣装トラへ・コルトで登場。



え?カバーレス? シギリージャの締め歌として歌われることが多く、それだけで歌われることは少なく、それだけで踊られることは滅多にない(一曲として踊られるの見たのは初めてかも?)曲なのでびっくり、途中、シギリージャぽくなったりもして最後はまたカバーレス。

シギリージャではなくあえてカバーレスだった理由はなんなんだろう。


本業は踊り手で、会場に来ていたカルメン・レデスマにも習っていたというカルメン・モレーノがブレリアを歌い踊る。複雑なことはせず、かつてのルンベーラみたいな感じ。自然体で好感。


ジョエルの二曲目はタラント、と思ったのだけど、

歌い手がカスタネットを渡す。え、カスタネットでのタラント、珍しいなあ、と思ったんだけど、一旦そのカスタネットを床に置いてタンゴ?あれ?


と思ったらハビエル・コンデのギターがパコのロンデーニャを奏で、ソレにカスタネットで合わせる。これはなんという曲と言うべき?うーん。


終演後に本人と話してわかったのだけど、タラント、タンゴ、タラントの起源であるファンダンゴから同じ系列のロンデーニャと組み合わせたと言うことでした。わかりにくい。舞台作品もやっていると言うことなのでそのためのものだったのかな。こういうの、昔、ハビエル・バロンが作品『メレディアナ』でやっていたなあ。あれはいつ?ああいう舞台作品では趣向としてありだとは思うけど、ペーニャだと違和感あるかも。趣向としては面白いんだけど。

休憩挟んだ2部はカンテソロでタンゴ、クリスティーナ・トバルとアナ・ポランコと女性ふたりだからからか、日本でもお馴染みレポンパのタンゴとか歌ってました。で、踊りはカンティーニャス/アレグリアス。




全体的に、スペイン舞踊的な身体づかいとかもあるけど、フラメンコとしてもちゃんとしている。でもやっぱり若いからかな、色々詰め込んで、余白がほぼない。足も強いけど、靴音が音楽に聞こえてくるような色彩、ニュアンスはない。できる人にもっともっとと期待しちゃうのは私の悪い癖かも、2年前、前年優勝者として踊っているのを見た時から確実に進化しているのはそう。今後もまだまだ変わっていくんだろうな。この世代では無敵で自信もある感じ。いいライバル、仲間がいるといいね。自分のスタイルが見つかるといいね。楽しみにしています。

最後は、会場にいたアナ・サラサール、ハイロ・ベガも加わってフィン・デ・フィエスタでした。