2026年3月24日火曜日

第3回マドリード共同体ギター祭

第3回マドリード共同体ギター祭のプログラムが発表されました。

スペイン各地で様々なギター祭が開催されていますが、フラメンコギターに絞ったギター祭は少ないのです。今年はセビージャ出身のギタリスト、ニーニョ・リカルドへのオマージュとして、彼をテーマにしたメサ・レドンダ(座談会)や講演にギターりさいたるがみっつとゲストも迎えた4つのガラ公演が行われます。お楽しみに。



◇第3回マドリード共同体ギター祭

4/21(火)

18時30分〈メサレドンダ〉ペドロ・カルボ、ホセ・マヌエル・ガンボア、アレハンドロ・ウルタード、ノルベルト・トーレス、

19時30分 〈g〉ホセ・アセド、ホセリート・アセド、ウンベルト・ウィルケス

4/22(水)

18時30分〈講演〉ノルベルト・トーレス

19時15分〈g〉アレハンドロ・ウルタード

4/23(木)

18時30分〈講演〉ホセ・マヌエル・ガンボア

19時15分〈g〉ラファエル・ロドリゲス

[場]マドリード カナル劇場 サラ・ネグラ

4/23(木)21時

[出]〈g〉フランシスコ・ビヌエサ、ゲスト〈c〉イスマエル・デ・ラ・ロサ、ゲスト〈b〉アルフォンソ・ロサ

4/24(金)21時

[出]〈g〉マノロ・フランコ、ゲスト〈c〉アンヘレス・トレダーノ、ゲスト〈b〉ハビエル・バロン、〈c〉エル・ガジ

4/25(土)21時

[出]〈g〉チクエロ、ゲスト〈c〉マイテ・マルティン、ゲスト〈b〉フアン・トマス・デ・ラ・モリア

4/26(日)19時30分

[出]〈g〉ホセ・アントニオ・ロドリゲス、ゲスト〈c〉カルメン・リナーレス、ゲスト〈b〉マルコ・フローレス

[場]マドリード カナル劇場 サラ・ベルデ

[問]https://www.madrid.org/sumaflamenca/2026/guitarra/


 

2026年3月21日土曜日

アルベルト・セジェスen トーレス・マカレーナ

いやあもうなんといったらいいかわかんないほど楽しくて最高でありました。

水曜日の水曜日のフロレンシア・オスでのフラストレーション一気に解消。そうそう、私が好きなのはこういうフラメンコなのですよ。心を動かして幸せにしてくれるやつ。

一部のギターソロからのタラントでは泣きそうになり、レトラの時に足入れるの大嫌いなのに、君なら何やってもいいの、ってなってしまう自分に困惑するほど。とにかく全身でずっと語りかけてくるのであります。伝わってくるものがすごい!それはタラントらしいコラへだった、重苦しい気持ちだったり、僕は踊るのが好きだ!フラメンコだぞ!だったり、いや、そんなふうに言葉にならない言葉がずーっとこっちの心に流れ込んでくる感じ。



超テクニックで、でも、そのテクニックが彼の中にあるものを見ている人に伝えるために使われている。曲の持つキャラクター、カンテのインテンシオンを汲んで動くので全てに意味があるのだ。タンゴの間合いの取り方も秀逸で、いかに彼が愛しているかが伝わってくる。


二部は昨年ヘレスでアルベルトとの共演作を発表したミゲル・アンヘル・エレディアのカンテソロでのソレア・ポル・ブレリアに始まり(ヘレスの粋!)


アレグリアスは歌いながら登場し、踊り歌い踊るというもの。


エスコビージャとかもして、ここからブレリア・デ・カディスか?と思いきや、バンビーノのルンバで知られるVoy a perder la cabeza por tu amorを歌い始めそこからは歌謡曲?というか、コプラ、ボレロ(ラテン・バラード)をミゲル・アンヘルと歌って踊って。


いやもうこれはカラオケ大会的でもあるのだけど、歌う二人がめちゃフラメンコでどどっと足踏んだり、一振りしたりするからめちゃフラメンコで、歌い踊る彼らが楽しんでいるだろうことも伝わるから、もうこれはうちわのフィエスタ気分。もう観てるみんなもニコニコで。楽しい一夜は明けたのでありました。

フィン・デ・フィエスタはマリ・ペーニャの娘マヌエラが口火を切って若手たちが次々と。



客席にはチョロやマリア・モリーナもいたという。いやあ、トーレス・マカレーナほど第一線で活躍するアーティストたちが舞台の上にも下にもいるペーニャってないんじゃないかな。そしてバイレをわかっている会員が多いペーニャも。



ヘレスのフェスティバル/各賞


地元紙ディアリオ・デ・ヘレスの観客賞はマリア・モレーノ 


© Festival de Jerez/Esteban Abión


 批評家/ジャーナリストらの投票による ギター賞/マルコ・デ・シルビア(ホセ・マジャ『コロール・シン・ノンブレ』) 
© Festival de Jerez/Rina Srabonian

作品音楽賞/アレハンドロ・ウルタード
© Festival de Jerez/Rina Srabonian



 ゴメス・デ・ヘレスとアナ・マリア・ロペスの協力でおくるヘレスのペーニャ協会による
伴唱賞はマヌエル・デ・ヒネス(アンダルシア舞踊団『ティエラ・ベンディタ』

特別賞にフニャリト(ベレン・ロペス『ラティード』)
© Festival de Jerez/Rina Srabonian



新人賞はマヌエル・デ・ラ・ニナ(ペーニャ、フェルナンド・テレモートのリサイタル、伴唱ヘスス・ロドリゲス)


そして批評からの投票による批評家賞はエステベス/パーニョス・イ・コンパニアの『ドンセジャス(フエルガ・ペルマネンテ)』に決定したと20日発表がありました。

© Festival de Jerez/Rina Srabonian

これで全部の賞が発表されました。受賞者の皆さんおめでとうございます。



2026年3月20日金曜日

フロレンシア・オスen Torres Macarena

 ペーニャでフロレンシア・オス。

ダビ・カロのギターソロの後、客席を歌いながら現れたマヌエル・パハレスのマルティネーテがめっちゃ良かった。

フロレンシアのシギリージャは、うん、めちゃくちゃうまいんだけど、なんというか、足の練習見せられているような、というか、無機質。超テクニックだけど、だから何?って言ったら失礼だけど、伝わってくるものが何もなく空虚な感じ。いや、うまいのよ、でも、シギリージャの持つ悲劇性や重み、深みなどなーんも見えてこないのですよ。うーん。

休憩挟んでカンテソロからのアレグリアス。


ご覧の通りのバタ、マントン。なんだけど、舞台小さいのに慣れてないのか最前列中央に座っていた人たちの顔面掠めていくんですよ。いや、うまいのよ。バタもマントンもちゃんと使える。で、アレグリアスのとこいは少し、歌やギターとの会話も見られて、シギリージャよりは良かったかもだけど、でもやっぱ、なんというか、この人が何好きなんだか、何考えてるんだか、まーったく見えない感じない。マントンも忙しくくるくる回す、今、流行りのやつやるんだけどさ、体操じゃないんだからって気になる。スピードいらないのよ。アルテが欲しい。

といささか欲求不満で終わったのでありました。今日の収穫は歌のマヌエルくん。


5月、田村陽子さんの公演で来日するそうですよ。要注目!

2026年3月17日火曜日

萩原淳子 La Yunko en Empeñados

ビエナルがセビージャのペーニャ協会との協力で開催中のエンペニャードスに萩原淳子が出演。セビージャ市の端っこにあるペーニャ、ラス・チョーサスに出演した。

会場は入場無料ということもあって地元民で満員。

ティエント/タンゴスと


ソレア・ポル・ブレリアを熱演。



どちらの曲も観客総立ちでした。

萩原というとバタ・デ・コーラ、マントンの印象が強く、バタ、マントン無しの公演を観るのはひょっとすると初めてだったかもしれない。足も強いんだなあ、と再確認。
きちんとモーニョを結って衣装もアクセサリーも過不足なく。ベテランの佇まい。
なんか日本人とか意識せずにみられる感じ。いやアジア人の風貌ではあるんだけどね、それがマイナスにはならないというか。動きがスペイン人のそれになってるということかも。

ギターのクーロ・バルガス(コンチャの息子)もとても良くて、去年のフェスティバル、ヘレスでも聞いてきたわけだけど、うん、もう貫禄風格すら感じさせられます。今後も楽しみ。







2026年3月9日月曜日

ヘレスのフェスティバル最終日ラ・ルピ『ロ・インエディト』

© Festival de Jerez/Esteban Abión

ラ・ルピが昨年マラガのビエナルで初演した作品で、ゲストにスペイン国立バレエ団監督アシスタントのミゲル・アンヘル・コルバチョとコンテンポラリーダンサーのイバン・アマジャも出演。そのイバンとの場面にはじまり、ペテネラへ。黄色やペテネラは不吉と言ってフラメンコたちでは避ける人も多いものをあえて使い踊る。

© Festival de Jerez/Esteban Abión
ゲストのミゲル・アンヘルのソロからパレハ、

マントン大会。
最初、ミゲル・アンヘルが両腕に一枚づつ、さらに体に一枚巻いて出てきたのにはびっくり。


どれもフレコの長い、上等なマントンで、動かした時の軌跡がきれい。これ重要。ミゲル・アンヘルのマントンあしらいはちょっとした細部がエレガントで美しく、私には彼のマントン捌きしか目に入らなかったくらい。
© Festival de Jerez/Esteban Abión

ギターが夫のクーロ・デ・マリアに代わって仮面つけてのソレア

© Festival de Jerez/Esteban Abión
最後はハードロックがかかり最初の衣装を燃やそうとして幕。
© Festival de Jerez/Esteban Abión

劇場作品としての構成はちゃんとしている。演出家が入って脚本演出手掛けている成果だと思う。照明もきちんと出演者を見せてくれて、美しい(資料を読むとデザイナーさんが最近亡くなってその方に捧げる公演だとあった)。最近照明が暗くて演者の顔が見えないのが続いていた(ベレン・マジャ、ヘスス・カルモナ、マリア・モレーノ、ホセ・マジャ)のでちゃんと見えるというだけで評価アップ、なんだけど問題は踊りの中身なんですよ。
姿勢、肩が前に出て首が落ちてせむし気味。スカート持ち上げすぎるなど全体に美しくない。はすっぱな感じというか、お下品。コンテンポラリーダンサーとの絡みでもユーモアあるのはいいんだけどスカートの下に入り込むのを多用するなど,はお下品な感じになってしまうよね。映画『サクロモンテ』で語られていた貧しいヒターノたちがお金を稼ぐためにスカートを捲ったという話を思い出す。ま、伝統を守るといえばそうなのかな、でも、品格が欲しいと私は思う。ここら辺は好みの問題なのかもではありますが。また。コンテンポラリーのダンサーもコンテンポラリーを勉強した人だとはわかるけどオルガ・ペリセ公演の時のダンサーとは月とすっぽんだし、ルピもオルガやロシオ・モリーナやベレン・マジャのようなコンテンポラリーの理解、勉強が不足というか、もともと身体のコントロールに長けている人ではないから中途半端な感じになってしまう気がする。
他ジャンルの要素を取り入れたり、セリフがあったり、色々みんな工夫して、なんとか新しい作品を作ろうとしているというのはわかるけどね。











2026年3月7日土曜日

ヘレスのフェスティバル15日目ホセ・マジャ『コロール・シン・ノンブレ』

 ソロでは初登場のホセ・マジャ。抽象画家マーク・ロスコ(wiki)の作品にインスパイアされて作った作品。記者会見で「この人は悲劇とエクスタシー、死に、多くインスパイアされていた。それはフラメンコにも通じる」と話していたのだけど、デジタルアート(と記者会見では言ってたけどビデオゲームのような映像)の中にロスコの作品を思わせるものがたくさん出てくるのであります。おそらく著作権の関係で作品を使うことはできず苦肉の策なんでしょう。

ロスコが線や形を使わず一面に色を塗るような作品を描いていたことからか、最初はロスコの作品に囲まれたような映像と、チェロに音楽で、フラメンコの伝統的な動きではなく、もっと自由なコンテンポラリーチックな動きから始まります。

© Festival de Jerez/Rina Srabonian

すごいフラメンコな人なのになんでこんな中途半端なダンスめいたものをやるんだろう、と正直、思ったけど、それがフラメンコへと近づいていくと、やはり唸らされる。コンテぽい動きも彼にとって必要なものだったのでしょう。

© Festival de Jerez/Rina Srabonian


衣装がずっとパジャマみたいなルーズフィットのもので、それが汗で色が変わるくらいしか変化がないのだけど、そんな衣装ですら、凄さが伝わるのだから、どんだけすごいんだってことではあるけれど、もう少しちゃんとした衣装だったらどれだけ、とは思いました。男性の衣装は女性衣装に比べ、変化がつけにくいので皆苦労するところかもですが、それを考えるのもやめて最初から最後まで1着というのはかえって清々しいのかもしれません。
© Festival de Jerez/Rina Srabonian

映像はほぼずっと流れていて、いろんな想いが詰まっているのだろういるのだろうことは理解できないわけじゃないですが、なくても良かったように思います。反対に気が散る。あと、歌はカンシオンぽいのりというかちゃんと歌える人たちがコーラスみたいな感じで歌ったりするのにもちょっと抵抗がありました。ギターのマルコ・デ・シルビアはヘレス出身の19歳ということですが、巧い!今後の展開も楽しみです。

最後の無伴奏のソレア!ホセの歌が、最近よくある踊り手も歌いますよ、っていう感じをはるかに超えるくらいに良くて最高で、ひとふし歌って踊るそのかっこよさ。もうこれだけで何もいらない。圧倒的な力!なんかもうひれ伏すしかない、っていうくらいの凄さでありました。みんなこれが観たかったんだ!っていうくらい。


© Festival de Jerez/Rina Srabonian