| © Festival de Jerez/Rina Srabonian |
ファルーカも全部同じ色。色彩の濃淡がない。フラメンコにはいろんな曲種があってその性格を演じ分けられるはずなのだけどなあ、と爆音での頭痛に耐えつつ思ったことでした。スピードとバイオレンスではないものは彼らにとってのフラメンコじゃないのでしょうか。
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スペイン、セビージャ在住フラメンコ研究家による最新のフラメンコ情報
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サラ・コンパニアは去年マドリードのビエナルで初演したという『ロス・マグニフィコス』素晴らしい人たち、ってな意味で一流のアーティストを集めた、っていう感じでつけたのだろう思う。
歌、ギター、ピアノ、踊り、4人のジャンルの違うアーティストの名前が並ぶプログラムからも、これは誰か一人が主役という作品じゃないことはわかる。
アンドレス・バリオスのピアノで、サンドラが客席を歩きながらマラゲーニャを歌って舞台に上がるオープニングからしてちょっと違和感。サンドラは音程完璧で素晴らしい歌い手であることには変わりないのだけど、ピアノがフラメンコぽくないのであります。歌伴奏をするというより自己主張が激しい、というか。よく指が動く人だとは思うけれど、音楽性、フラメンコ性はうーん、今ひとつというか、その後のソロ演奏でも思ったけど、タララを観客に歌わせてから演奏、観客は置き去りにして色々バリエーションを見せつつ自身も歌うというのも含め、生理的に合わない。昔、ビエナルで見に行った時もフラメンコじゃないじゃん、って思ったのは、数字的にはリズムが合ってても、フラメンコのアクセントとか曲ごとのキャラクターに繋がるような表現とかがない感じがするからかも。
| © Festival de Jerez/Esteban Abión |
踊りはエル・ジジョというバルセロナ出身で各地のタブラオなどで踊っている人だったんだけど、うーん、体幹が弱い? 開店の時に軸がブレる。首や肩の位置も気になる。ホアキン・コルテスのうわべだけを真似してるような感じ。ホアキンのような体幹もないし訓練もされてないから踊りになっていない気が。
| © Festival de Jerez/Esteban Abión |
サンドラの歌とダビ・デ・アラアルのギターはフラメンコだし、良いのだけど、この舞台では生きてこない。ダビのソロはマノロ・サンルーカルやリケーニの抒情性を受け継いでいる感じもあって良かった。でも二人だけの公演の時のようにはいかないのはやはり流れが途切れるからかも。
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フェスティバル公式で現在2つの展覧会が行われているのですが、その会場、 コワーキング・クルトゥラ・イ・エンプレサ・カマラ・デ・コメルシオで、その展覧会の一つの作品を制作した、バイラオール、ホセ・マルドナード『モンストゥルオス・デル・フラメンコ』会場で、3月1日12時からホセによるパフォーマンスが行われました。
| ©︎ Kyoko Shikaze 展覧会開会日に取材を受けるホセ |
複数のアーティストのパーツを組み合わせてコラージュした作品が中心ですが、その肖像は写真を見て描いたもので写真そのものを加工したものではありません。会場奥には 、これは他のアーティストと組み合わせることなく描かれたパケーラ・デ・ヘレスの大作も。
| ©︎ Kyoko Shikaze |
フラメンコ曲の録音を流しながら、肖像の前に白いボードを吊り、パケーラのブレリアで怒涛のサパテアードを聴かせ、その後、別の曲をかけ即興で描いていく。強い目力を持った目が徐々に現れてくる。その合間にも踊り…
最後はサパテアードをしていた板を立てかけるとそこに口が現れ、パケーラも他のアーティストとのコラージュとして完成されるという粋さ。
ヘレスのフェスティバルの30周年を祝う、ヘレスのアーティストたちによる、ヘレスの女性アーティストたちにスポットライトを当てた作品。
3人の少女たちがヘレスの歌い手たちのブレリアの録音で達者に踊るオープニング。
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ローラ・フローレスのスペイン歌謡の録音で白いバタ・デ・コーラで少女(メルセデスとサンティアゴの娘パストーラ)が踊り
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メルセデスのガロティンは、ガロティンという曲の持つアイレがあまり感じられなかったのが残念。彼女は第1回のマスタークラスにアンダルシア舞踊団の面々と一緒に出席していた。
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サロメのマントンでのマラゲーニャ。去年のラ・ウニオンの覇者。丁寧に踊っている。
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そしてフェスティバルのTシャツを着た、クルシージョ生みたいな格好のアンヘリータが優雅で愛嬌もあって最高。 |
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2019年のヘレスのフェスティバルでのコンサートが素晴らしかったことが印象的なレラ。先日のセビージャでのペーニャ公演はイマイチだったものの、その前のマエストランサ劇場でのシギリージャは絶品だったし、と観に行ってみたレラ・ソト。お父さんの歌い手ビセンテ・ソト、踊り手のお母さんルイサ・エレディア(一緒にエル・フラメンコに来ていたこともある)をはじめ、クーロ・カラスコ、ディエゴ・デル・モラオ、アントニオ・マレーナ・イホと多数のゲストを迎えてのリサイタル。電子楽器による伴奏でのマルティネテに始まり、マラゲーニャ、クーロの伴奏でソレア・ポル・ブレリア、ティエント、タンゴ、
ディエゴ伴奏のソレア(繊細なディエゴの伴奏が素晴らしかった!)
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アントニオ伴奏のブレリア、
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ミロンガ
ビセンテと一緒に歌うタンゴ、
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そして最後はブレリアで母が踊るという盛り沢山のプログラム。
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最後はまた全員登場してブレリア。
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なんか盛りだくさんすぎて、前回のような感動はなかったけど、若手のホープの一人であることは間違いないし、パルマに若い世代の女性を起用しているのも好感が持てるし、今後に期待したいところです。
何度も言っていることだけど、ヘレスのフェスティバルは、フラメンコのフェスティバルではなく、フラメンコ舞踊とスペイン舞踊に特化したフェスティバルで、カンテやギターの公演も行なわれるけれど、メインはあくまでも舞踊のフェスティバルなのだ。それでも、現在、フラメンコの人気が高く、作品も圧倒的に多いということもあって、特にビジャマルタ劇場ではエスクエラ・ボレーラやエスティリサーダ(クラシコ・エスパニョール)など、純粋なスペイン舞踊作品の上演は少ない。最近だとスペイン国立バレエ団くらいだろうか。とはいえ、最近の作品には先日のエステベス/パーニョス舞踊団やオルガ・ペリセの作品のようにボレーラやコンテンポラリーなどいろんな舞踊の要素を盛り込んだ作品も少なくない。舞踊のジャンル分けは意味がないくらいにクロスオーバーなのだ。
エステベス/パーニョス、フランシスコ・ベラスコの作品、そしてスペイン国立バレエ団では出演していたものの、個人の作品としてヘレスのフェスティバルに初登場のセルヒオ・ベルナル。それもデビューがビジャマルタというのは異例中の異例なのだが、それも納得。この上もなく美しく、非常にクオリティの高い、素晴らしい作品だった。
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ロダンと弟子で愛人だったクローデルの物語をゲストのスペイン国立ダンスカンパニーのバレエダンサー、アナ・バディアとのパドドゥを盛り込んでラマニノフの交響曲2番にのせて語るオープニング。セルヒオの動きもバレエダンサーのそれと遜色なく、最初にすっと手を伸ばしただけでわっとなる。いやもう、これはバレエじゃないのか?
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バレエとスペイン舞踊の垣根はどこにあるんだ?などと考える。その後はロダンの衣装を文字通り脱ぎ捨てて、彼自身が作品になって踊る。手足の長い恵まれた体を鍛え上げた美しい肉体を持つ彼にしかできないだろう作品。
『落ちる人』では、太陽王ルイ14世をイメージして、
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ジョルディ・サヴァルのバロック音楽をバイオリンやビオラ、チェロなど弦楽とクラリネットの生演奏で、
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『接吻』ではラヴェルの『亡き王女のためのパヴァーヌ』で再びアナ・バディアと。
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今回が初演という『三つの影』ではギターを中心に、ハバネラなどの要素も取り入れたオリジナル曲のサンブラで、サパテアードも使って、最もフラメンコ寄りな振付。サパテアードをするときの筋肉の動きが見えるというのもなかなかない。
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そして最後は『考える人』。セルヒオ自身を踊っているというが、
最後、有名なポーズをとり、
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バレエダンサーで映画にもなったポルーニンを思い出したのは私だけではあるまいと思うのだけどどうですか? バレエファンが見たらどう思うのかなあ。
スペイン、セビージャの最大のイベント、聖週間。街を練り歩く聖像の行進に涙する人々。エキセントリックなまでの宗教との関係。日本でイメージするカトリックや宗教というものとセビージャのそれは根本的に違っているように思う。宗教というより(宗教なのだが)もっと深く根付いた文化、習慣という方がイメージに近いのではないだろうか。そんな土地で生まれ育ったアンドレス、若くしてその街にやってきたアナが、宗教について考えて、自分たちの言葉、フラメンコ、舞踊を使って表現したのがこの作品なのだろう。
2年前のビエナルで初演した作品で、内容は変わっていない(ビエナル上演時のブログを見ていただけたら幸い)のだが、よりスムーズに進み、作品にリズムが出てきたという感じ。
聖週間のコルネットで幕前でソロでアンドレスが踊って始まり、幕が開くと聖母像のように見えるのは青い布にくるまったアナ。
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歌い手でこの作品ではギターやエレキベースも弾くアントニオ・カンポス(元お肉屋さん)が切り分ける生肉(初演より小さい)をくわえてのデュオや聖像に扮してのシーンを経て
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