2023年2月28日火曜日

第8回トリノ・フラメンコ・プーロ国際舞踊コンクール結果詳細

 へレスで行われたトリノ・フラメンコ・プーロ国際舞踊コンクールの結果詳細が分かりましたのでお知らせします。

ノンプロのシニアの優勝と準優勝、プロのアダルトで優勝と3位、とシニア部門で優勝するなど日本人の活躍が目立ちました。

入賞者の皆様おめでとうございます。

審査員マヌエル・ベタンソス、アナ・モラーレス、アリシア・マルケスに祝福される受賞者  ©Festival de Jerez/Esteban Abión

そのほかのタブラオ出演や衣装や小物、クラス受講など多数の賞品が用意された特別賞でも、ヘレスのフェスティバルクラス受講が押野由起子、ベタンソスのオリジナル振付が土方健人、アマイの衣装が宮北華子におくられました。

なお入賞者の名前、スペイン以外の人も多いように見えるのですが、スペイン人以外のものはオリジナルの発音と違う可能性があります。




アルムノ(生徒)部門

ジュニア/カミラ・シンミノ

アダルト/1位アレッサンドロ・セルクア、2位ラウラ・アレスタ、3位ラビニア・サラリス

シニア/1位ダニエラ・シカルディ、2位ジオルジア・ゴルゴグリオネ、3位該当者なし

ソリスト・ノンプロ

ニーニョ(子供)8-13歳/イダイラ・コルテス

ジュニア14-17歳/ルス・マリア・ベルナル、2位カルメン・ロドリゲス、3位アンドレア・マルティン

エン・プログレソ18-29歳/1位該当者なし、同率2位マリア・アロージョ、アナ・ガルシア、3位ハビエル・モンテスクア

シニア30歳以上/1位相坂直美、2位押野由起子、3位該当者なし

ソリスト/プロ

ジュニア12-17歳/1位トリアーナ・ルビオ、2位コラル・エスピノサ、3位ビルヒニア・ルイス

プロメサ18-25歳/1位アンディナ・メロ。同率2位セリナ・ダウサン、アルバロ・ガルシア、3位ミレナ・テハダ

アダルト26-40歳/1位瀬戸口琴葉、同率2位エレナ・ブサット、ラウラ・グアスティニ、同率3位土方憲人、アナ・レボロ

シニア41歳以上/1位宇根由佳、2位アリアンナ・マラト、3位該当者なし

パレハと群舞/ノンプロ アカデミアと学校

パレハ/アカデミア・イアコピニ

子供群舞/アカデミア・マリア・ホセ・セラーノ

群舞/1位グルーポ・フンカル(ピラール・オガージャ教室)、2位グルーポ・フラメンクーラ(ピラール・オガージャ教室)、3位該当者なし

パレハと群舞/プロ 

ファミリア・アラグー

フィグーラ

女性/アラセリ・ムニョス

男性/マヌエル・ヒメネス



へレスのフェスティバル3日目ラファエラ・カラスコ『ノクトゥルナ』

ビエナルでの初演時もそのクオリティの高さと美しさに圧倒されたのだけど、スペイン各地での公演をへて、より作品として充実した、完成度の高いものになっていたように思う。

幕が降りた後の拍手の嵐と何度も何度も繰り返される出演者の挨拶。

とにかく美しい。動きも静止したポーズも、ひるがえるスカートも、衣装も、照明も、ヘマ・カバジェーロの繊細かつ力強い歌声も、すべてが美しい。リズムへの入り方、とどめの刺し方、群舞の揃いっぷりも国立に勝るとも劣らない。本当に本当に素晴らしい作品だと思う。

© Festival de Jerez/Tamara Pastora

内容は前述のビエナルの時の記事に書いた通り。簡単に言ってしまえば眠れない一夜の物語というわけだが、黒い衣装のラファエラ。その前に現れる白い衣装の女性たちは眠りの精のようでもあり、眠れない夜に頭に浮かぶ様々な考えたちのようでも、ラファエラの分身のようでもあり、そのどれでもない星明りに見える埃のようなもののようでもあり、と、一冊の本を読むように、見ている時も終演後もいろいろ考えるのも楽しい。

この群舞のメンバーのレベルが非常に高く、それぞれの見せ所もあり、決して主役と引き立て役ではなく、ある意味全員が主役のようなところもあるのもいい。しかし、国立といい、本当にダンサーたちのレベル、とんでもないことになっていますね。恐ろしいほどです。


© Festival de Jerez/Tamara Pastora

ピアノの録音なども使われていますが、ヘマの歌声や朗読、そして何よりダンサーたちがサパテアードで音楽を作っていくという感じも、フラメンコという舞踊ならではの聴く楽しみを改めて感じさせてくれました。全員が同じように、だけではなく、ずらしたりすることによってより音楽的になるのでしょう。


© Festival de Jerez/Tamara Pastora


フラメンコは音楽を踊るだけではなく、踊り手自身が音楽を作っていくことができるのです。


© Festival de Jerez/Tamara Pastora


ラファエラの舞踊言語の豊かさ。語彙の豊富さ。ひとつとして同じパソはありません。ニュアンスのつけ方やちょっとした体使いで、より雄弁に語りかけてくるという感じです。

ちょっとシュールな夢のような場面もあったり。

© Festival de Jerez/Tamara Pastora

© Festival de Jerez/Tamara Pastora
元国立バレエ団のカルメン・コイはコンテンポラリー風に。

© Festival de Jerez/Tamara Pastora

自分の中のいろんな私を見るようでもあり。
© Festival de Jerez/Tamara Pastora

夜明けは骨だけの扇を持って踊られ
© Festival de Jerez/Tamara Pastora
そしてまた1日が始まる。

© Festival de Jerez/Tamara Pastora

 フラメンコの伝統の形に敬意を払いつつも、こんなにも自由に、新しい形の表現ができるのだなあ、と。
舞踊学校に学ぶ若い才能たちにみてもらいたい。がんばればこんなこともできるんだよ、と励みになるはず.
新しい地平を切り開いていくという意味ではマリオ・マジャ舞踊団でともに活躍したイスラエル・ガルバンにも通じるところがあるのかもし、などとも思った夜でありました。
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2023年2月26日日曜日

へレスのフェスティバル2日目ヘマ・モネオ『アトレビーダ』

© Festival de Jerez/Tamara Pastora

 

Atrevida とはむこうみずな女性のこと。タイトル通り、できるかできないかわからないけど後先考えずに無鉄砲と言われようがやってみた、と言うことなのでしょう。

地元ヘレス出身、父はこの日の公演にも出ていたギタリスト、母はマヌエル•モネオやトルタの妹という血統書付きのフラメンカ、ヘマが歌い踊るという作品。

彼女の歌と踊りの合間にプルガとラビのカンテソロやパコ・イグレシアスのギターソロがあるという、昔ながらという感じの構成。前日の国立バレエとはうってかわって、踊るのは一人だけ。あれもこれもフラメンコ/スペイン舞踊な訳で、、、バラエティにとんでおりますな。だから面白くもあるのだけど。

© Festival de Jerez/Tamara Pastora

歌も上手だしいい声だし歌い手としてもやっていける。踊りは熱があって激しいサパテアードを聞かせるのだけど、同じようなことの繰り返しが多いのと上半身、とくにブラソがあまり得意ではなさそうで私的には不満。ピアノとのデュオや衣裳とかもなんかださいというかどんくさいというか時代遅れぽいというか。他の公演で見た時の好印象が一夜にして無くなったかも。

© Festival de Jerez/Tamara Pastora


ゲストのマリア・ビサラガは叫ぶように歌い歌詞も聞き取れないし、全体的にフラストレーションを感じる公演でございました。
サラ・バラスみたいなこともしてみたり。いろいろやってみたりはするけどとっ散らかっちゃったのかなあ。

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へレスのフェスティバル2日目トリノコンクール優勝者ガラ公演

 イタリア、トリノではじまったフラメンコ舞踊コンクール。今年もフェスティバル開催直前に予選決勝と行われ、生徒、アマチュア、プロそれぞれの部門が年代べつになった15のカテゴリーでの優勝者たちによるガラ公演が、サラ・コンパニアで行われた。

それぞれの踊りをただ羅列するだけでなくつながりを持たせた演出は好感が持てる。

年配者から子どもまで、老若男女が各地で一生懸命フラメンコに取り組んだ結果だと思うと胸が熱くなります。

基本は大事だね。熱く気持ちが盛り上がったときにそれを外に出すには基本がなくちゃなんだなあ、と改めて思う。湧き出るものをコントロールするためにも。


© Festival de Jerez/Tamara Pastora

マントンやアバニコ、バストンとこものづかいもいろいろ。

男性一人と女性4人のグループがあったのですが、男性が手首も回すし、女性と全く同じ風に踊っていたのがちょっときになったのですが、男女同権の時代、そんなことを言うのはハラスメントになるのかな、いや、でも男性が伝統的な男性の振りをしたほうが変化ついていいよね、とか思ったり。

同様のことが衣装でもあって、伝統的なものにはあまりないキラキラしたものが多く、でもどれで優勝したと言うことは、第一線で活躍している踊り手たちが審査員はそれで良しとしてるのだろう、ってことはそこにこだわってしまう自分が古いのかなとか。

時代の変わり目いろいろ難しい。

© Festival de Jerez/Tamara Pastora

ガラ公演、プログラムがなく誰が誰だか不明だったので主催者に聞いています。わかったらもう少し書きます。

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前半のみです


ヘレスのフェスティバル開幕/スペイン国立バレエ『エル・ロコ』

 ヘレスのフェスティバル開幕!

ビジャマルタ劇場では恒例シェリー酒のサービスも。



初日の公演は昨年に引き続きスペイン国立バレエ団、演目は『エル・ロコ』。18年前にマドリードにあるテアトロ・レアル王立劇場で初演したハビエル・ラトーレ振付作品。

ディアギレフのバレエリュスがファリャの『三角帽子』を初演にあたってスペインから招いたフェリクスというフラメンコダンサーが、言葉や文化の問題に加えて自分が主役じゃないことを知り正気を失いイギリスの精神病院でなくなったという史実を元にした創作。


作品の規模というか、舞台上の人数も多い大作で、音楽衣装装置照明とどれをとっても一流のクオリティ。初演の時より整理されてより良い作品となったようだ。初演時も印象的だった、主人公がフラメンコを習うシーンやカフェ・カンタンテにディアギレフ一行がやってくる場面、レオニード・マシーンとフェリクスのバレエとフラメンコの違いをわかりやすく見せる場面

© Festival de Jerez/Esteban Abi


などがやはり素晴らしい。

 特にこの日主役を踊った(12月のサルスエラ劇場ではトリプルキャストだったそうだ)ホセ・マヌエル・ベニテスの素晴らしさ!

© Festival de Jerez/Esteban Abión


ラトーレらしい優雅さを完璧なコントロールで再現。オレ!と呟かずにいられないデテールの数々。カニサーレスらしい複雑な味わいのあるトーケを見事に再現したギターの3人にもオレ!

休憩を挟んだ後半では三角帽子の舞台と

© Festival de Jerez/Esteban Abión


狂気の淵に沈んでいくフェリクスを見事に描く。

© Festival de Jerez/Esteban Abión


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来週はコルドバでも上演されるそうです。


2023年2月18日土曜日

ヘレスのタブラオでの公演

ヘレスのフェスティバル開催時に、タブラオ、プーロ・アルテでもフラメンコ公演が開催されるそう。

カルペータにドゥケンデなど、なかなかの顔ぶれ。

昔の酒蔵を改造したであろう大きなお店は駅に近く、店主は踊り手ラウル・オルテガ。通常のショーは22時から飲み物付きで30ユーロで行っている。


◇フェスティバル・フラメンコ・プーロ・アルテ

224(金)0時『バイレ・デ・タブラオ』

[出]〈b〉エル・カルペータ、ゲスト〈c〉マロコ、フェリパ・デル・モレーノ、マヌエル・デ・カンタローテ

[料]20ユーロ

32(木)0

[出]〈c〉マラ・レイ、ゲスト〈c〉イスラエル・フェルナンデス、協力〈b〉フアン・テヘロ、イレネ・カラスコ

[料]25ユーロ

33(金)0

[出]〈c〉ペドロ・モントージャ“チャンキータ”、〈g〉ルベン・マルティネス

[料]15ユーロ(飲み物込み)

34(土)0

[出]〈g〉アントニオ・レイ、ゲスト〈g〉ディエゴ・デ・モラオ、ジョニ・ヒメネス〈c〉マラ・レイ、〈perc〉アネ・カラスコ

[料]20ユーロ

310(金)0

[出]〈c〉エセキエル・モントージャ、マヌエル・デ・ラ・ニナ、フアン・デ・ラ・マリア、ゲスト〈b〉ファルーカ

[料]15ユーロ

311(土)0

[出]〈c〉ドゥケンデ、〈g〉パコ・ソト

[料]25ユーロ

[場]ヘレス タブラオ・プーロ・アルテ

[問]https://puroarteflamencojerez.com

追悼パンセキート

1990年のコンサートで
パンセキートが亡くなった。

facebookでヘレスのフラメンコ・ジャーナリスト、フアン・がリードが家族から聞いたという知らせを読んだ時の動揺。言葉を失う。え、そんなんきいてないよ、元気だったよね、今年はポタヘ・ヒターノでオメナヘがあって、8月にはヘレスの、ティオ・ぺぺの酒蔵のコンサートが予定されてるよね。嘘であってほしい…フアンの投稿をシェアするとアーティストからも連絡があって、震える声で本当なの?って。フアンが言うなら本当だと思う、と説明。でも信じきれない。

本名ホセ・コルテス・ヒメネス。1945年、カディス県ラ・リネア・デ・コンセプシオン生まれ。子供の頃にセビージャに移り、後、カディス県のプエルト・デ・サンタ・マリアに移り、当初は芸名でもパンセキート・デル・プエルトと言われていました。

マラガやマドリードのタブラオを経て1971年、エンリケ・モレンテのプロデュース・パリージャ・デ・ヘレスの伴奏で初のソロ・アルバムを発表。1972年には2枚目を録音。1974年、コルドバのコンクールでクリエイティブ賞を受賞。この年にリリースしたアルバム収録のブレリア、『タパメ』がヒット。70年代非常に人気のあった歌い手の一人であり、聞いた話だが、いわゆるトップテンに登場するような人気だったそう。子供の頃から仲が良かったというカマロンでさえも彼の人気には及ばなかったほどという話を聞いたことがあります。


その後は各地のフェスティバルなどで主に活躍。2002年にはトマティートとのCDもリリース。

ビエナルやヘレスのフェスティバルにも出演しています。

独特の歌いっぷり。洒脱でダンディ。私のことは名前を覚えずいつもマリアと呼んでいました。それでも決して感じ悪くなかった。

私生活では歌い手アウロラ・バルガスとセビージャ郊外に住み、彼女と一緒の舞台も多く、その仲の良さはフラメンコ界にはよく知られていました。

2008年トリアーナのマイテ・プルポンのオフィスで。アウロラやロシオ・コラルと


心からご冥福を祈ります。








 

2023年2月17日金曜日

ヘレスのフェスティバル関連イベント

来週末からはじまるヘレスのフェスティバルの関連イベントが発表されました。

長年、フェスティバルのオフィシャル写真家を務め、昨年、急逝したハビ・フェルゴへのオマージュ/写真展がクラウストロ・デ・サント・ドミンゴで開催されるほか、サンティアゴ街生まれのジプシー画家ルイス・マルケス(ディエゴ・カラスコの甥でマリア・テレモートの祖母の兄の息子)による展覧会がエクスポ・フラメンコで開催。

また、書籍やファスティバルのプレゼンテーション、前回のフェスティバル各賞の授賞式なども開催されます。詳しくはこちら

他にもお昼に恒例、ペーニャで開催される公演もありますよ。

また、書籍やファスティバルのプレゼンテーション、前回のフェスティバル各賞の授賞式なども開催されます。詳しくはこら

◇デ・ペーニャ・エン・ペーニャ

225(土)1530

[出]〈c〉ルイス・モントージャ、ベルナルド・ルビチ、マヌエル・フンケーラ、〈g〉エンリケ・パントーハ、アントニオ・モラオ、クーロ・カラスコjr、〈b〉アントニオ・エル・ピパjr、マリソル・ヒメネス

[場]ヘレス ペーニャ・ラ・ブレリア

2/26(日)1530

[出]〈c〉アブラアム・エル・サンボ、〈g〉ドミンゴ・ルビチ

[場]ヘレス ドン・アントニオ・チャコン

2/28(火)1530

[出]〈b〉ラケル・ゴンサレス、〈c〉ミゲル・ロセンド、〈g〉マヌエル・ヘロ、ゲストトリアーナ・ヘロ

[場]ヘレス ペーニャ・ブエナ・ヘンテ

34(土)1530

[出]〈c〉ファミリア・ルイス・モネオ

[場]ヘレス ペーニャ・ロス・セルニカロス

3/5(日)1530

[出]〈c〉エバ・デ・クリスト、トロ・デ・ヘレス、〈g〉サンティアゴ・モレーノ、〈b〉ホセ・ペーニャ

[場]ヘレス ペーニャ・ティオ・ホセ・デ・パウラ

[問]https://www.festivaldejerez.es




2023年2月11日土曜日

追悼カルロス・サウラ



カルロス・サウラが2月10日、呼吸不全でなくなりました。1月4日に91歳の誕生日を迎えたばかりでした。明日土曜日にはスペインのアカデミー賞的存在、ゴヤ賞の名誉賞を受賞することになっていました。没後受賞として賞は予定通りおくられるそうです。

1932年ウエスカ生まれ。写真家を経て映画学校に学び、映画監督に。
1958年、長編監督としてデビュー。1966年、68年にはベルリン映画祭で監督賞、74年にはカンヌ映画祭で審査員賞、76年には特別グランプリを受賞するなど国際的に評価されてきました。

フラメンコ・ファンにとっては、1981年の映画『血の婚礼』に始まるアントニオ・ガデスとのフラメンコ3部作(1983年『カルメン』1986年『恋は魔術師』)でお馴染みですが、その後、1992年のセビージャ万博を機に作られた『セビジャーナス』、そのヒットを受けて制作された『フラメンコ』(1995年)に始まる一連の音楽映画(『タンゴ』、『イベリア』、『ファド』、『フラメンコ・フラメンコ』『ホタ*/邦題ビヨンド・フラメンコ』)も印象深いのではないでしょうか。アイーダ・ゴメスの『サロメ』もありましたね。
映画『フラメンコ』撮影時の写真ではフラメンコの写真集も出しています。

映画『フラメンコ』撮影時のスナップ。手前は音楽監督のイシドロ・ムニョス




2010年ラ・ウニオンで。モレンテ、マノロ・サンルーカル、アルカンヘルと。


私は映画『カルメン』がフラメンコとのファーストコンタクトでした。その後、映画『フラメンコ・フラメンコ』では、友達が多く関わっていたこともあり、毎日のように撮影現場に出掛けて見学し、カメラを覗かせてもらうという貴重な経験もしました。フィナーレの『ベルデ』にはモブで出演もしています(映画で探しても見つかりませんが、自分ではこの影が私、とわかる)。


心よりご冥福を祈ります。
 

2023年2月5日日曜日

アントニオ・ソレーラ逝く

 2月4日、グラナダ出身のギタリスト、アントニオ・ソレーラが亡くなりました。



本名フアン・アントニオ・サフラ・モレーノ。1952年の生まれなので70歳。

1972年からアントニオ・ガデス舞踊団のギタリストとして、ガデスの作品『カルメン』『フエゴ』などの音楽も手掛けています。

 カルロス・サウラ監督の映画『カルメン』にももちろん出演しています。青いセーターのギタリストがソレーラです。



オヨス退団後、ガデスの相手役に抜擢されたエステラ・アラウソと結婚し、ガデスが亡くなった後も、二人でそのスピリッツを世界中に伝えてきました。
2007年の来日公演の時には、劇場近くの火事で人命救助に尽力し表彰されたことも。


昨秋の日本公演は、病気のため来日できないとのことで心配していたのですが、悲しい知らせが届いてしまいました。


2 月2日にはウエルバ出身のギタリスト、ダニ・ベレスも亡くなったそうです。マヌエル・ベタンソスのスタジオでクラスを行うなど伴奏を得意としたギタリストでした。

お二人のご冥福をお祈りします。




2023年2月3日金曜日

ムルシアのフラメンコ祭

2月といえば、末から行われるヘレスのフェスティバルが有名ですが、それよりも前に、ムルシアのフラメンコ祭が開催されます。

今年で30回!

ムルシアはアンダルシアの東隣。フラメンコ好きにとってはこの州の小さな町、かつて鉱山で栄えたラ・ウニオンの町で開催されるコンクールが馴染み深いことでしょう。

一方、このフェスティバルは州都ムルシアで開催されます。なかなか充実のプログラムですね。


◇ムルシア・クンブレ・フラメンカ

2/8(水)1930分『カンテス・ミティコス』

[出]〈c〉クーロ・ピニャーナ

2/9(木)1930

[出]お話/フォスフォリート、〈c〉フリアン・エストラーダ

[場]ムルシア カハムルシア財団アウラ・デ・クルトゥラ

2/10(金)20

[出]〈c〉ドゥケンデ、エセキエル・ベニテス

211(土)20

[出]〈c〉ロシオ・マルケス

2/16(木)20時『ペネロペ』

[出]〈b〉カルメン&マティルデ・ルビオ舞踊団

[場]ムルシア シルコ劇場

[料]1520ユーロ

218(土)20

[出]〈c〉ぺレーテ

[場]ムルシア県エル・パルマル ベルナル劇場

[料]6ユーロ

223(木)20

[出]〈c〉アルバ・モリーナ

[場]ムルシア ロメア劇場

[料]1520ユーロ

224(金)20時『ラス・ピカシアーナス』

[出]〈b〉ロ・フェッロ舞踊団

[場]ムルシア アウディトリオ・レヒオナル・ビクトル・ビジェガス

[料]20ユーロ

225(土)20

[出]〈g〉ビセンテ・アミーゴ

[場]ムルシア ロメア劇場

[料]2025ユーロ

[問]https://cumbreflamencamurcia.wordpress.com