2021年2月19日金曜日

さよならビジャロサ

 マドリードのタブラオ、ビジャロサの閉店が発表されました。

感染拡大により観光客が減少し、マドリードでは5月にカサ・パタス(1987年開店)、9月にカフェ・デ・チニータス(1979年開店)と老舗が相次いで閉店を発表。そして今、ビジャロサも。

マドリードの中心、プエルタ・デル・ソルにも近い、サンタ・アナ広場のすぐそば。豪華なタイル画の外装を覚えている人は多いのではないでしょうか。




もともと、1911年、アンダルシア風の居酒屋とし営業し始めたのが、やがてフラメンコを見せる店になったそう。その長い歴史の中で、姿形はさまざまに変わり、タブラオとして営業し、小島章司も出演していたこともある時代もあったが、その後、セビジャーナスバーやディスコとしても営業。長い間、閉まっていたこともありました。


10年前に再びタブラオとしてスタート。昔と舞台の位置を買え、新しいタイル画を設置。元スペイン国立バレエ団のジョナタン・ミロを芸術監督とし、第一線で活躍する若手たちが数多くこの舞台に登場しました。マヌエル・リニャン、マルコ・フローレス、へスース・カルモナ、ルシア・ラ・ピニョーナ、アドリアン・サンタナ…現在、自身の作品を劇場で上演する踊り手たちなど、数多くのアーティストたちがこの店の舞台に立ってきました。

ジョナタン

基本、踊り手たちは3人くらい、歌とギターも一人ずつだったりと、伝統的なタブラオに比べるとコンパクトな構成でショーも短く、その分、料金も安めで、観光客にも人気の店でした。


またコンクールを開催し、若手に活躍の場を与えるなど応援もしてきました。また、仲間達の舞台を観に、アーティスト仲間がやってきて立ち見をしているのもよく見かけました。


コンクールで優勝した梶山さんが舞台に立ったことも

そんなお店がなくなってしまう。3月入ってからずっとしまったまま。その後6月には8割の従業員を解雇したものの、なんとか復活すべく、賃料は払い続けていたようですが、ついに力尽きたということなのでしょう。



ホセ・マルドナード


写真のように、雰囲気もあるお店でした。


いつかまた、誰かがこの、歴史ある店を再びタブラオにしてくれますように。