昨年3月にフェスティバルが閉幕して1週間後に外出制限などが始まり1年あまり。いつもの2月末ではなかったけれど、2ヶ月半ずらして5月、アンダルシアが一番いい季節に、無事開幕しました。
今年は25周年ということで、どうしてもやろう、ということだったのでしょう。座席は一席おきに座るようになっていたり、入場時に体温検査があったり、会場内はもちろんマスク必須(鼻出ていたら係員が飛んできて注意します)だし、今はまだ夜間外出禁止令で11時前にはバルも閉まってしまうけど、それでもとにかく開幕。
英断に感謝です。
初日を飾ったのはエバ。新作初演です。
舞踊団旗揚げ当時は作品初演といえばセビージャのビエナルだったけど、最近は『ジュビア雨』や『アパリエンシア』のようにヘレス初演も多いみたいです。
幕開け、そして中盤、最後に流れるマリア・カラスが歌う『カスタ・ディーヴァ』の曲に乗せて、エバが自分の中に自分の中に潜っていくような、そんな作品。
女優のモノローグ、エバが敬愛してやまないピナ・バウシュのカンパニーに所属していたダンサーや繊細な歌い方が魅力のサンドラ・カラスコ、エバ舞踊団でおなじみ、フェルナンド・ヒメネス(好演)らが絡んで進んでいきます。
芝居のような、現代舞踊のような感じ。タランタなどのフラメンコ曲もストレートにフラメンコで踊るのではなく、コンテンポラリー的な動き?も取り入れた彼女独特の表現。ダンサーと二人、静止したまま1分?くらい、とか、舞踏を思わせるゆっくりした動きなどもあり、エバらしい世界といえばそうなのだけど、観客は置いてけぼりになってる感もあり。
©Javier Fergo_Festival de Jerez |
熱唱にこたえてのエバのフラメンコがすごかった。まあいの良さ、形の良さ。
フラメンコの醍醐味を満喫。振り付けはエバの舞踊団で長年活躍したメルセデス・デ・コルドバ。
©Javier Fergo Festival de Jerez |
©Javier Fergo Festival de Jerez |
©Javier Fergo Festival de Jerez |
演出家がいて舞台の上はよく整理されているし、きっと一つ一つの場面に意味があるのだろうけど。なんというか、少なくとも私は、ついていくことができなかった。
アルティスタには、観客の好きなようにではなく、自分の好きなように自由がある。そしてエバはそうしたのだけれど、個人的には、フラメンコは、セリフやコンテンポラリーの力を借りずとも、人の心を動かす力があるのに、なぜ?という思いが消えない。
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