2021年5月22日土曜日

ヘレスのフェスティバル16日目その2ヘスス・カルモナ『エル・サルト』

 またまた気分が上がる、素晴らしい公演を観ることができました。

ヘスス・カルモナの『サルト』はビエナルで公演予定がメンバーの一人の陽性が発覚し(結局偽陽性で感染ではなかったとのこと)昨年12月にセビージャで初演された作品。

それがより整理され、洗練されて登場。30分以上短縮され見やすく、わかりやすくなっていました。

上半身裸でスカートの男たちがスーフィー舞踊のように踊るオープニング。やがてスカートを取りマントンのように回したり。

そこへ現れたヘスースが、ホセ・バレンシアによる、ビセンテ・エスクデーロのバイレ十戒の語りで踊り始める。ファルーカ、ソレア。男性らしい舞踊とは、男性らしさとは…

©Javier Fergo Festival de Jerez

スーツにサングラスで決めた男たちが、いわゆる“男らしい”、“マッチョな”仕草をベースに見せる。
ボクシング用のミットでリズムを取りながら、ヘルメットを着けて踊ったり、群舞で、男性らしさというプレッシャーを表現しているのだと思う。

©Javier Fergo Festival de Jerez


パーカッションやギターとの掛け合い。

©Javier Fergo Festival de Jerez

男性らしさにこだわることでのいろんな不自由さ。

©Javier Fergo Festival de Jerez



コート姿の男性らしさ警察に追われ、追い詰められる。


©Javier Fergo Festival de Jerez


 

©Javier Fergo Festival de Jerez

舞踊をサッカーのラジオ中継のように実況するう語りに男たちが一喜一憂する、ユーモアいっぱいの場面に続いてホセがナナを歌い、自由になっていく感じ。

そしてアレグリアス。

©Javier Fergo Festival de Jerez

ストレートなフラメンコも、すごい回転で見せまくる。

©Javier Fergo Festival de Jerez
©Javier Fergo Festival de Jerez

最後は大音量のダンスミュージックの中、みんなが服を脱いでいく、裸の自分に戻る、というメッセージだろう。
©Javier Fergo Festival de Jerez

ヘスースは自分の知っている様々な技術を使って語りかけてくる。
写真に群舞が少ないのが残念なのだけど、群舞もすごかった!
回転しながら跳躍って、フィギュアスケートかよ、ってくらい。

とにかくヘスースや群舞の若手たちの動きが美しく、リズムの取り方も素晴らしく、もうそれだけで十分なくらい。

あー楽しかった! いや作品としてはシリアスではあるのだけどね、ある意味去年のマヌエル・リニャン「ビバ!」にも通じるものがあるよね。自分と向き合う。そこから作品は生まれるのかも。

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