2018年9月9日日曜日

ファルキート

マエストランサ劇場でのファルキート。満員御礼。


下手に机を囲んで座る人たち。
舞台の中心のスクリーンに映る影が踊る、祖父ファルーコ譲りのソレアに始まる。
影だけでもその凄さはわかる。

上手の机の上に置かれた椅子の上のコルドベスとステッキに敬意を表するような仕草を見せていたので、ファルーコに捧げているのかなあ。わからん。

が、とにかく照明が暗めで残念。
続くソレア・ポル・ブレリアでも、従兄弟のバルージョから踊り継いだシギリージャでも、ファルキート自身の踊りはいいのだが、照明が悪すぎてよく見えず、集中できないのは残念な限り。私が座っていた5列目からでもちゃんと見えないのだから、後ろの方のお客さんはさぞかしもどかしかったことだろう。

白いバタ・デ・コーラのヘマ・モネオのアレグリアス。
ここ数年でどんどん実力をつけて、大舞台で活躍しているヘレス出身の踊り手。
一昨年もファルキートの作品で相手役を踊っていた。
バタの扱いや胴体の使い方など、まだまだ良くなる余地もあるので今後も注目。
そのアレグリアスで、一度引っ込んでバタを脱いで、ワンピースとなりファルキートと見せるパレハも楽しい。
そこからファルキートのソロに。
Bienal.© Óscar Romero
白のスーツなのだが、布地のせいか、ズボンがシワシワに見えて残念。
マリ・ビサラガの全身をふるわせての熱唱が会場を沸かせる。
マリア・メスクレの声はカンシオン風のカンテにマッチしている。

Bienal.© Óscar Romero
タラント・ファンタジー的な曲を経て、最後は机の上で踊るファンダンゴ。
ゲストのピティンゴが歌いながら現れ、メンバーが歌い継ぐ。

Bienal.© Óscar Romero

最後のブレリアではもう一人のゲスト、ホルヘ・パルドもサックスで登場。
ゲスト出演がほんの一瞬だけというのは贅沢なのか何なのか。

ファルキート、実はホアキン・コルテスが好きだったのかなあ、と思ったのはフルートのフアン・パリージャが出演しているせいもあるのかもしれないけれど、観客へのアピールの仕方や、カンシオン風のレトラを使ってコーラスするところとか、何となく影響があるようにも思う。


レトラを歌っている時はマルカールだけで、絶対に足を入れないファルキート。
歌に反応して踊る彼はやっぱり大好きだし、ちょっとした動きや間合いが、思わずハレオかけてしまうくらいフラメンコで、すごい。
バルージョは最後のブレリアがファルーコ!そのものですごかった。
なので満足な舞台なはずだったのだが、、、

ずーっとモヤモヤしていたのは照明のせい。
とにかく薄暗く、顔にも足にもライトが当たらないことも多く、見にくいことといったらない。挙げ句の果てはきっかけを間違える。音響もバランスが悪く、靴音がゴワンゴワンしたり、靴音と歌とギター、それぞれがちゃんと聞こえてこない。照明、音響、衣装、といった、中心となるアルテを盛り上げるべきものが足を引っ張っては元も子もない。アルテと同じくらい、技術さんの力も重要ですね、と改めて感じたことであります。


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