2018年9月30日日曜日

エバ・ジェルバブエナ「クエントス・デ・アスーカル」

エバが日本から奄美の島唄の歌い手、里アンナを招いて、作り上げた作品「クエントス・デ・アスーカル」、砂糖の物語。

なぜ?という疑問は瞬く間に消えていった。里の澄んだ、天から降りてくるような歌声は、心に直接響くのだ。心が動かされ、エバとアンナの物語が始まったのに違いない。

黒い衣装のエバが、黒子のように後ろに控えるフェルナンド・ヒメネスと二人羽織のようにして踊る幕あき。前作「アパリエンシアス」からの流れを感じる。

そこに黒留袖のように、裾に絵が入った黒いガウンを来た里が姿を見せ歌うのは奄美の子守唄。
奄美の言葉で歌っているので、ほとんど意味はわからないのだが、心にしみる。

エバのバタ・デ・コーラでのカーニャ。見事。
バタを開いたり閉じたり、なども面白い。

Bienal Oscar Romero
里の送り節。切ない感じ。踊るようにして袖に入っていく。

体操じみたブラソの印象的なカルタヘネーラは、フェルナンドとのデュオにつながり、
フェルナンドのソロに。そこをお魚の風船を持って歌いながら横切る里。
それまで並べられていた、円を縁取る銀色の飾りを蹴散らすフェルナンド。
Bienal Oscar Romero
やがて島唄はタンゴと交わりアレグリアスでのフィエスタに
Bienal Oscar Romero
最後はエバとアンナがお茶?お酒を酌み交わし終わる。
遠くて近い二つの世界が出会い、一つに溶け込んでいく。

テンポがいいので、最後まで息をつかせずに展開していく感じ。

この作品のため、エバは夫でギタリストのパコ・ハラーナと奄美まで行っていろいろ研究したというだけのことはある。
異文化への敬愛によって生まれた美しい作品。
日本でもぜひ見られますように。




0 件のコメント:

コメントを投稿