2017年3月12日日曜日

ヘレスのフェスティバル マヌエル・バレンシア「エントレ・ミス・マノス」

いやあ、シギリージャとブレリアに完璧、ノックアウトされました。
圧倒的なフラメンコの力。音の凄み。
ヘレスの伝統を受け継いで、新しい地平を見つめ、すくっと立っている。そんな感じ。

Javier Fergo para Festival de Jerez
ちょっと不思議なチューニングのソレア・ポル・ブレリアに始まり、本人曰くのファンダンゴ(というよりワルツ)、カンティーニャ、アラブ風なブレリア+ビセンテ・アミーゴ風サパテアード、ロンデーニャと進む。
ヘラルド・ヌニェスの影響が大きいが、コピーするというよりも、文法を学んで生かしてると云う感じが、そこにビセンテやパコの文法も加わる。でもその底にはヘレスの伝統が脈々として流れている。モラオやパリージャも顔を出す。
モチーフはたくさん持っているのだけど、曲としての構成はよりよくできるかもしれない。


後半のシギリージャがとにかく良かった。太い音でカテドラルを築き上げる。音を詰め込むのではなく、音の出ない間をも音楽にしていく。歌が聞こえてきそうな、でも歌がないことで寂しくなるわけではない、そんなフラメンコ。


Javier Fergo para Festival de Jerez
以前のコンサートでは歌を入れていたのですが、今回はベースとバイオリンだけで、歌を入れずにインストゥルメンタル、音楽だけで勝負。歌はなくてもいいけれど、ベースとバイオリンが入る曲よりも、パーカッションとパルマでいく曲の方が印象が残る。

特に、カルロス・グリロ、ディエゴ・アマジャ、マヌエル・サラドのパルマ隊は絶対無敵な強力さ。このコンパスだけをいつまでも聞いていたいと思ったほど。

Javier Fergo para Festival de Jerez
アンコールでのルンバも楽しく、はい、フェスティバルのフィナーレを飾ることができました。
でも、地元のアルティスタなのに満員でなかったのはちょっと残念。もう帰っちゃった人も多いしね、とは言っても。踊りがないせい?だとしたらかなり残念。

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