2017年3月16日木曜日

フラメンコ・ビエネ・デル・スール アントニオ・モレーノ、ディエゴ・ビジェガス

聞いたことがない名前、と思う人が大部分だろう。
彼らは踊り手でも歌い手でもギタリストでもない。でもフラメンコなのだ。
アントニオはパーカッション、ディエゴは金管楽器の専門家。
その二人が一部二部で公演。いずれもビエナルでは単独でリサイタルを開催している。

残念ながら劇場は満員とはいかなかったけれど、楽しめました。

一部はアントニオ。
木の枝を振り回してなるひゅっひゅっという音や、腰に下げた袋からとりだした石をぶつけて出す音で作っていくコンパス。鼻歌のように口ずさむトナ。ティンパニの音階で歌が続く。
フアン・ホセ・アマドールのサエタには銅鑼で伴奏。鐘のように叩いたかと思うと、細かく叩いて小太鼓のように。
シロフォンでタランタやロンデーニャを歌うアントニオ。
机にフアン・ホセと向かい合って机を拳で、また手のひらで、タブラのように叩いて調子を取るソレア。
現代音楽風からドラムスでディエゴ・デル・ガストールのファルセータを歌う。
パルマから、体を叩いてのリズム。指鳴らし。
イスラエルと共演するパーカッション奏者は、バダホスの音楽学校教授でもある。カホンとジェンベと、という、フラメンコのパーカッション奏者とは一線を画す。
ウトレーラで生まれ育ち、フラメンコを愛し、フラメンコ学で博士号も取得。
オレ!の瞬間が何度もあった。
最後はレオノール・レアルとのデュオ。

二部はディエゴ。
カンティーニャ(プログラムにはミラブラスとあるけど)はフルートで、こちらもレオノールと絡む。
タンギージョはアルトサックスで。ファンダンゴはハーモニカで。再びフルートでタンゴ。テナーサックスでソレア。
バックのグループと微妙な間合いがずれているような気がするのは私だけ?
ヘレスのフェスティバルでアンヘル・ムニョスの舞台で演奏していた感じがすごく良かったのだけど、今夜はなんだかちょっと欲求不満。
ディエゴはホルヘ・パルドに憧れているそうだけど、ホルヘよりもずっとフラメンコ。なんだけどリブレな感じも多く、それがホルヘならジャズになるのが、彼の場合、なんなんだろう。

レオオール・レアル。今日の席が舞台に近かったので思ったのだけど、彼女、上半身が前に傾いて踊るのですね。これがいつも彼女い感じる違和感だったのかも。


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