2026年10月4日日曜日

カルメン・リナーレス『ペルラス・ミジャレス』

 カルメン・リナーレスが1996年に発表した『アントロヒア・デ・ラ・ムヘル・エン・エル・カンテ』は、タイトル通り、カンテにおける女性、すなわち女性の歌い手たちの歴史に残る歌唱をカルメンが再現した、CD2枚組の名盤。ペリーコ・デル・ルナールの『アントロヒア・デ・カンテ・フラメンコ』同様、カンテのお手本として後進たちに親しまれてきた。そのアルバム発表30周年を記念したコンサートがビエナル閉幕公演となりました。

1951年生まれというから75歳。さすがに30年前と同じようにはいかないけれど、豊かな知識と経験に裏打ちされた歌唱は、ゲストのマリナ・エレディアが言うように”ダマ・デル・カンテ”カンテの貴婦人の名にふさわしい品格。


Archivo Fotográfico de La Bienal de Flamenco / ©Laura León
 

96年のビエナルの時と同じように、ファンダンゴ・デ・ルセーナとロンデーニャで始まる。96年はパコ・コルテス、ミゲル・アンヘル・コルテス兄弟の伴奏だったけれど、今回はパブロ・スアレスのピアノとサルバドール・グティエレスの伴奏で。その後はアレグリアス/カンティーニャス、ティエントス、バンベーラ/ファンダンゴ・デ・ウエルバ(最後に歌ったファンダンゴが素晴らしかった)とつづき、ピアノとギターで、パコ・デ・ルシアの『愛のうた』『シルヤブ』の演奏があり(なぜこの選曲?)、後半はゲストと。ロシオ・ルナとはグラナイーナ、マラゲーニャ、タランタ。マリア・テレモートとはソレア・ポル・ブレリア、マリナ・エレディアとはタンゴ。シギリージャはラファエラ・カラスコの、ピアノ伴奏でのサパテアードのイントロで始まり、歌に入ると顔つきまでシギリージャになるのがすごい。いつもながらにかたちの美しさは屈指。

Archivo Fotográfico de La Bienal de Flamenco / ©Laura León

そしてブレリアではロシオ、マリア、マリナと次々に歌い、コーラスのアナマリとロサリオも歌い、ラファエラが踊る。カルメンの真紅の衣装は素敵だったけど他はみんなバラバラで、ガラ感もなかったのはちょっと残念。

Archivo Fotográfico de La Bienal de Flamenco / ©Laura León

最後、アントロヒアの次のアルバムに収録されたトナをカルメンが歌う。ビエナルの生みの親で初代監督ホセ・ルイス・オルティス・ヌエボの作。心に沁みます。

Archivo Fotográfico de La Bienal de Flamenco / ©Laura León


その歌詞がいいのでコピペして訳も置いときます。

De vez en cuando la 'vía'
Parece una fantasía, y
Cuando menos lo esperas te da
Lo que más querías y aunque luego se la lleva
Pero no te desesperes, mira
Que ella es así
Mira que cosa es la 'vía'
La 'vía'
Tal como es
Un ramito de ambrosía y en el huerto de la
La hiel
La 'vía' que conocemos
Ay
La 'vía' que tanto amamos
Con sus horitas de dulce
Y sus finales amargos
Ay
時に人生は/夢のようで/思いがけない時に/一番欲しかったものをくれる/その後奪い去るけれど
でも絶望しないで/そんなもの/人生ってものは/人生は/そんなもの/不老不死の花束と苦しみの畑
私たちが知ってる人生は/こんなにも愛している人生は/甘い時間と/苦い最後



ちなみにこちらが96年のプログラム。出演者たちのサイン入っていますが、ご参考までに。


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