2016年8月10日水曜日

ラ・ウニオン2016/アントニオ・レジェス、ホセ・メルセ

ガラ最終日は二人のカンタオール。
まずは若手アントニオ・レジェスから。 1975年チクラナ生まれというから昨日のランカピーノ・イーホの同郷の、ひとまわり上の先輩にあたる。
こどものときから歌っていて、10歳でコンクールで優勝したという若きベテラン。
2000年にコルドバのコンクールで優勝して注目され、09年にソロアルバムを発表。

ギターは2015年発売のアルバムでも共演しているディエゴ・デ・モラオ。
2年前のビエナルで聴いたときにとてもよかったし、期待していたのだけど。
うーん。風格や重みもでてきていて、声はいいし、いいんだけれど。
歌をやたら長くするのですね。音をひっぱるひっぱる。そしてテンポもゆっくり。
なんでシギリージャとかはともかく、ブレリアのドライブ感などというものは無縁。
なんだかなあ、でございます。
ソレアではじめて、2曲目がタンゴで、昨日のランカピーノ・イーホがゆっくりめにうたいつつもカディスのアイレをいろこくのこし、味わいぶかかったのに比べて、ただゆっくりひきのばして歌っているって感じだけでアイレ感もタンゴらしいリズム感も感じられず残念。
彼の歌はアントニオ・マイレーナ的正統派とカマロン的モダンがまざった感じが魅力だったんだけど、そのどちらもあまり昨日は感じられず。
次のアレグリアスも後ろにひっぱられるような感じで、軽快さがなく、シギリージャはよしとしても、ブレリアは踊っている人が倒れるのではないかという感じ。

なんだかとっても残念でございます。
ディエゴは、ペリキン的狂気のかけらがみえるような感じのものもあり、父譲りの伴奏のうまさはやはりさすがで、ききごたえがありました。

この日は休憩もなくホセ・メルセへ。
髪が真っ白になってしまいましたな。
マラゲーニャ、ソレア、シギリージャ、タランタ、ブレリア。
伴奏はアントニオ・イゲーロ。悪くはないんだけど、私にはメルセはモライートの伴奏の印象が強すぎて、シギリージャとか、つい不満になってしまうのでありました。
ブレリアでは舞台前面にでてマイクなしで、ルイス・デ・ラ・ピカのレトラを歌い踊り、
観客を楽しませたのでありました。
この人は声量があるから、昨日のランカピーノ・イーホのように背中をむけた方はきこえないということはなく、 安心の展開。
そして公演の最後には、これまでフェスティバル最多出演だという彼にカルブロ・デ・オロというこのフェスティバル最高の名誉賞がおくられました。

終演は日付がかわっていてモライートの命日。5年もたつのですね。早いなあ。
今日の公演、息子もいるし、どこかでみていてくれたかな。


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