2016年8月12日金曜日

ラ・ウニオン2016/コンクール二日目


コンクールがネットで生中継でみることができるのを知らない人が多いようなので。
http://festivalcantedelasminas.org/directo/
でみることができます。開始はスペイン時間22時だから日本は朝の5時。たいてい遅れてはじまります。

二日目はその他楽器部門にノミネート、今回唯一のスペイン国外からの参加者、ラファエル・プラダルから。といっても彼はスペイン系で、祖父はアルメリア出身の画家だそうな。

 タランタ/カルタへネーラとアレグリアス。どちらも技術はしっかりしているし、リズムをキープしている。が、それがある意味機械的で、思い入れたっぷりとかでの伸び縮みが全くなくやや平板。きれいなんだけどリーチャード・クレイダーマン的というか、ホテルとかで低く流れているムードミュージックのような。

 続くはフルートのセルヒオ・デ・ロペ。コルドバ県プリエゴ・デ・コルドバ出身31歳。
ダニ・デ・モロンなどとも共演しているという。 バックにパーカッション、ギター、カンテ、ベースとフル装備。タラントとブレリアだけど、どうせならフルートの特徴をいかしたソロでこちらをうならせてほしい。
 歌の一人目はコルドバのアントニオ・ホセ・ニエト。1977年コルドバ県ルセーナ生まれ。各地のコンクールで入賞しており、ここラ・ウニオンでも2011年マラゲーニャ部門で優勝したそう。今回はミネーラ、タランタ、ファンダンゴ・デ・ルセーナ、シギリージャと4部門にノミネート。うーん、さすがに地元のファンダンゴ・デ・ルセーナはいいけど。
 そして舞踊の一人目、ルシア・カンピージョ。この人が素晴らしかった!
 1987年ムルシア生まれ。ムルシアの舞踊学院からマドリードの舞踊学院へ。2010年から2013年までスペイン国立バレエ団で活躍。ヘスース・カルモナの奥さんで、彼のカンパニーやマリア・パヘス、ロハス&ロドリゲスなどのカンパニーで活躍中。
だから、実力十分。

実は彼女のフラメンコのソロをじっくり見たのは今回が初めてではないかと思うのだけど、本当にすばらしかった! テクニックがあることはいうまでもない。

伝統的なフラメンコのかたち、ポーズがところどころにでてくる。その姿の美しいこと。
タラントという曲をよく理解、研究していて、センティードがしっかりしている。
ムイ・フラメンコで、エレガントで、女性らしく、なおかつタラントらしい飾り気のない感じ、悲しげな雰囲気もだしていて、いやいや、脱帽でございます。
衣裳もどこか昔風で、髪にも花をつけずにローズマリーの枝をさすという、あつらえもいい。
 この人には決勝にぜひ進んでもらいたいです。
 なおギターはアントニア・ヒメネス。歌はフアン・ホセ・アマドールともう一人はあとできいておきます。
続くカンテ、二人目は日本でもおなじみ、ホセ・アニージョ。
やっぱ、プロはちがいます。
なにが違うって、きちんと一曲一曲、曲の性格をよく知っているから、表情からして違うのであります。ちなみに上の写真はミネーラに続き、カルタへネーラを歌っているところ。叙情的な曲に魂をこめる。伴奏はラファエル・ロドリゲス。
 こちらはソレア。
 これは?表情でわかるでしょう。アレグリアス。
 そしてシギリージャ。こんなにも変わる、ということが、曲をインテルプレタール、演じる、ということではないかと思います。彼も決勝進出でしょう。
ルシアの2曲目はシギリージャ。バタ・デ・コーラにカスタネット。
バタにカスタネットというのは、今はあまりやる人がいないので、このコンクールでも その昔、平富恵さんがやって以来じゃないかしらん。
 これもまた素晴らしかったです。バタの扱いも完璧。文句のつけようがない。
 ギター部門は1991年セビージャ県ドス・エルマナス生まれのマルコ・セラット。
地元のペーニャなどのギタリストをつとめ、セビージャの音楽院やヘーレン財団フラメンコ芸術学校で学んでいるというのですが、うーん、これが本選に進んだのはおかしい。
タランタとブレリア・ポル・ソレアというのですが、アマチュア。パコ・デ・ルシアからディエゴ・ガストールまで古今東西のファルセータをつなげていくのですが、コンパスには穴だらけ。精進してください。
歌の3人目はモイセス・バルガス。1988年ウエルバ県カルタジャ生まれ。アルカンヘルやエスペランサ・フェルナンデス、エル・ペレに習ったというのですが、うーん。
タランタとブレリア・ポル・ソレア。
舞踊二人目はクリスティアン・ペレス。日本にも小松原舞踊団の招きで何度もきている実力派。タラント。
ちょっと芝居がかった、というか、下手から登場し、舞台を横切り、上手の椅子にあるジャケットを着る、というはじまり。うーむ、どういう意味があるんだろう。
舞台経験も豊富だし、実力はあるのだから、コンクールなんだし、もっと普通に踊ってほしかったかも。
歌4人目はモンセラット・ペレス。昨年の覇者、マリア・ホセ・ペレスの妹。
ファンダンゴ・ミネーロとレバンティカ、カルタヘーナとグラナイーナ。
コンクール常連らしい歌いっぷり。

最後はクリスティアンのアレグリアスで、二日目も幕をとじたのであります。






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