ホセ・エンリケはまだ22歳。私が最初にきいたのは2007年だからあのときはまだ13歳だったのか。。。
リズムの早いカーニャ/ポロにはじまり、タランタ、ティエント/タンゴ、ファンダンゴ、ブレリア…
そのどれもが父エンリケの歌をなぞるもので、もちろん、彼以上に、エンリケの歌を歌う権利がある人はいないわけだし、ちょっとした仕草が父エンリケをおもいださせるのもたしかなのだけど、彼はホセ・エンリケであってエンリケではない。親子といえども別人だ。
偉大な父をもつことの幸不幸。 いろいろあるんだろうなあ。
でも、晩年の父ではなく若き日の父を真似ることからはじめて自分の歌を築いていってほしい、と一ファンは思うのであります。
休憩をはさんだ第二部はピティンゴ。2004年のコンクールで新人賞を受賞した彼は2011年以来、5年ぶりの出演。
日本ではなんじみがないかもだが、フラメンコだけではなく、フラメンコ+ソウルの総レリアでも知られる彼。スペインでは非常に人気があり、マドリードでは劇場公演を数日間に渡って行うほどのスターなのである。
最初はフラメンコ。
ソレアがとにかくすごかった。
音程のよさ、リズム感のよさ、と簡単にいってはいけないと思うくらいにいいのだ。
とくに声のコントロールの素晴らしさは特筆ものだ。
細かい節回し、ビブラートも絶品。
ほかのフラメンコの歌い手と違うのは、バースツールのような高めの椅子に座ってることくらいで、それをモデルノといえばいえないこともないかもだけど、でも、歌っているのは正真正銘本格正統フラメンコである。ギターはプエルト・デ・サンタ・マリア出身のヘスース・ヌーニェス。
パルマ隊が登場しブレリア。
その後、パーカッションソロをへて
ブラックミュージック系で「やさしくうたって」をスペイン語で歌ったり、「イエスタディ」だったり、アルゼンチンタンゴだったり、ブレリアだったり。
いやあ楽しいコンサートでした。
エンターテイナー!
最後はバックのアフリカ系アメリカ人コーラスのおねえさんもブレリア踊ったり。
フラメンコからブラックミュージックまでなんでも自分風に歌ってしまう。
ブラックミュージックの中にフラメンコなペジスコがあったり、
フラメンコの中にソウルチックなうたいまわしがやってきたり、
いやほんとに面白い。
中途半端ではなく本格正統フラメンコを敬意をもってきちんと歌える彼は
それとおなじようにこどものころからきいてきたブラックミュージックなどにも敬意をもって彼流に歌っている。
それが観客にも伝わるからエンジョイできるのだろうな。
フラメンコだけにこだわる人にはおすすめしないけど、フラメンコも好きだけどほかの音楽もという人には一度コンサートにいってみることをおすすめします。とにかく楽しい。
実は彼のことはCDデビュー前から知っているのだけど、ほんと、その成長ぶりに、親戚のおばさんのように感動したのでありました。
コンサートでのトークも楽しい。ああいうコミュニケーション能力ってすごい。そうしてお客さんをポケットの中にいれてしまう。
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