2017年3月6日月曜日

ヘレスのフェスティバル ハビエル・ラトーレの振付工房

金曜日17時からは毎年恒例ハビエル・ラトーレの振付工房。

通常のクルシージョのように一曲の振りを覚えるというのではなく、全員で一つの振付作品を作っていくというもの。そして最後は劇場で観客の眼の前で踊る、というもの。
もちろん高いレベルが要求されるのだが、様々なレベルの生徒達をまとめ、一つの作品に仕上げるというのには、振付家の手腕も必要だ。

まずはハビエルの挨拶。

続いて、メキシコのセバスティアンのカーニャ。

クラスのアシスタントを務めた女性はマノロ・サンルーカルの名作「タウロマヒア」から「デ・カポーテ」




そしていよいよ生徒たちの登場。今年はブレリア。なので、衣装も色とりどり。





いやあ、毎年のことながらよく短期間でこれだけのものを仕上げるよねえ。
例年より人数が少なかったこともあってか、より見やすかったし、レベルも悪くない?
ああ、この人はブラソが綺麗だな、とか、首の角度がいいな、とか色々見えてくるものが、本当面白い。
日本人二人も頑張っていました。


最後はハビエルが踊って締めました。



2017年3月5日日曜日

ヘレスのフェスティバル ラファエラ・カラスコ「ローラ・フローレスの年」

あいにくの雨と強風の中、12時からティオ・ペペで有名なゴンサレス・ビヤスの酒蔵で行われたラファエラ・カラスコのパフォーマンス。今年はヘレスが生んだあスペインの美空ひばり的存在、スペイン歌謡の歌手で映画にも数多く主演したフラメンカなローラ・フローレスの年、ということでの記念のイベント。
雨の中たどり着くとまずはティオ・ペペで歓迎。

Javier Fergo para Festival de Jerez
ラフィら出演者も飲みに来て乾杯。
人々と談笑。
やがてベルが鳴り、

アルティスタたちが観客をかき分けて奥の蔵へと進む。
Javier Fergo para Festival de Jerez

Javier Fergo para Festival de Jerez
Javier Fergo para Festival de Jerez
 酒蔵に作られた舞台でシルビア・クルスの透明感のある声でのローラの代表曲「ペーナ、ペニータ、ペーナ」が響き、ラファエラが踊る。
Javier Fergo para Festival de Jerez
細かいパソで曲にしっかり合わせて作り込んである。伴奏はウッドベースのみ。

Javier Fergo para Festival de Jerez
 カルメン・リナーレスの伴奏にはピアノも加わり、「サルサモーラ」はバタ・デ・コーラで。よりフラメンカなバージョンとなった。

誰もローラの真似をするわけではなく、曲だけでオマージュ。

シルビアとカルメンの声が交差して「リモスナ・デ・アモール」


Javier Fergo para Festival de Jerez

舞台上手奥に細長く伸びた舞台で、ローラの話す声を、言葉をラファエラが踊る。


雨のせいで、当初予定されていた、酒蔵のあちこちを移動しながら、との企画どおりにはできなかったものの、仮設の舞台での熱演。シンプルで、心のこもったイベントだった。












2017年3月4日土曜日

ヘレスのフェスティバル ダビ・コリア「エル・エンクエントロ」

美しい。このうえもなく美しい。
全ての動きが、あらゆる形が。
涙が出るほど美しい。
繊細で、優雅、かつ力強く、華やかで上品。典雅。
これまでにないフラメンコ作品の登場だ。

ダビ・コリア「エル・エンクエントロ」出会い。

セビージャ出身。スペイン国立バレエ、アイーダ・ゴメスやラファエラ・カラスコのカンパニーで活躍。ロシオ・モリーナの「オロ・ビエホ」やエステベス&パーニョス「フラメンコXXI」などにも出演している。去年まではアンダルシア舞踊団ソリストとして活躍していた、というキャリアだけでもその実力のほどは知れるはずだ。日本にも、岡田昌己の招きで何度か来日している。
その彼の初めての大舞台でのリーダー作。2014年の「エスピラル」も良かっただけに期待は高まる。そしてその期待を大きく上回る、素晴らしい出来だった。

Javier Fergo para Festival de Jerez
パソドブレがかかる中、何かのパーティーなのだろうか。燕尾服のジャケットを羽織ったダビ。夜会服の女たち。マイクに向かっては言葉を出せず、また他の人が同じことを繰り返す、というオープニング。トリージャの歌でジャケットを肩脱ぎにし、また着るを繰りかえす。演劇的な場面に、どうなるんだろう、とちょっと心配もしたのだが全くの稀有だった。
Javier Fergo para Festival de Jerez

アナ・モラーレスとのパレハでのカーニャは、カーニャの基本といえるピラール・ロペス版に敬意を払いながらも、現代的なテクニックを駆使して美しくつくられている。これはもうガデスとオヨス以上のパートナーではないか。二人のバランスも良く、パレハで踊るときの基本である、互いを見て踊る、男性によるリードなどもきちんとしていて、もうこれ以上はないというほどのもの。ダビはすっと伸ばした腕がそのまま舞台の端まで届きそうにまっすぐで、美しい角度を描き、アナのやわらかな腕の動きとの対象も、これまた美しい。

ロマンセで花嫁のベールをめぐる攻防というか遊びというかがあり、
Javier Fergo para Festival de Jerez

そしてファルーカ!
Javier Fergo para Festival de Jerez

男性舞踊らしい昔からの動きやポーズがここでもちりばめられながらも、現代のテクニック、現代の美意識で再構成されている。ヘスース・トーレスの素晴らしい演奏も相まって、見事の一言だ。

オレンジを転がして二人の絡みがあってからの
Javier Fergo para Festival de Jerez



アナのタンゴもすごかった。アラベスクからのレマーテなんて見たことない。ビデオにあるので是非見て欲しいが、すごいの一言だ。コンパス感あってこその美しさ。

Javier Fergo para Festival de Jerez

ダビとアナの二人だけでなく、そのほかのダンサーたちも素晴らしい。
室内楽のような、とは小島先生の言葉だが、その言葉通り、素晴らしいアンサンブルを見せる。


最後、またパーティーの場面になって、乾杯して終わるというのもかっこいい。

1時間15分。何も余らず、何も不足なし。
もう一度、二度三度と見たい作品である。

Javier Fergo para Festival de Jerez

なお、ダビのこの作品はラファエラ・カラスコなしには考えられないし、イスラエル・ガルバンやベレン・マジャ、ロシオ・モリーナ、イサベル・バジョンら現代活躍中の踊り手たちはもちろん、ガデスやマリオ・マジャ、グラン・アントニオ、ピラール・ロペスなどなど、たくさんの先駆者あってのもの。皆が少しずつ開いてきた道で花を咲かせているという感じ。だから余計に美しいのだ。

卓越した技術と抜群のコンパス感、フラメンコへの深い敬愛あってこそのものなのだ。

ビデオはこちら

2017年3月3日金曜日

ヘレスのフェスティバル マリア・パヘス「オジェメ・コン・ロス・オホス」

マリア・パヘスの「オジェメ・コン・ロス・オホス」、私を目で聞いて、という不思議なタイトルの作品はアンダルシア初演だそうだが、2014年の作品で「ジョ、カルメン」よりも古いそうだ。
群舞はなく基本、マリアの一人舞台。詩をモチーフにしているので、詩を聞くということと、その詩を踊っていることから目で見て詩を感じて、ということなのだろう。

この作品としては初めてなのだが、内容はいつかどこかで見たような。あれ?

静寂の中で踊るソロ、
Javier Fergo para Festival de Jerez

 バタ・デ・コーラにカスタネットのシギリージャ、
Javier Fergo para Festival de Jerez
詩を読んでスローガンのように叫び(詩は美しいが、朗読はプロじゃないから仕方ないけどそう上手くない。モネタよりはいいけど。なんでみんな全部自分でやりたいんだろう)
Javier Fergo para Festival de Jerez

ティエント/タンゴ、
Javier Fergo para Festival de Jerez

バス停で暑い暑いとコミカルに庶民の会話を繰り広げるタンギージョを歌い踊り
Javier Fergo para Festival de Jerez
スカートをマントンのように使うグラナイーナ。
Javier Fergo para Festival de Jerez
「ユートピア」や「ミラーダ」、「セビージャ」など、これまでの作品の中にあったものを再構成しているものということなのかな?ふむ。

マリアはマリア・パヘスを踊る。
フラメンコの美しく整った姿勢を捨て、上体を柔らかく使い、肘を目立たせ、頭の周りで腕をぐるぐるさせ…彼女独特のスタイルでフラメンコの曲を踊る。フラメンコの決まりごとは知っていてわざと避けているようなところがある。自分自身をオブジェのように扱っている、というような。

マリア・パヘスは彼女自身のスタイル、好き嫌いが分かれるところだろう。

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2017年3月2日木曜日

ヘレスのフェスティバル UHF

UHFはUltra High Flamencoの略。

ウッドベースのパブロ・マルティン、パーカッションのパキート・ゴンサレス、バイオリンのアレシ・フェブレにギターのボリータという組み合わせだったのだが、ボリータが脱退。代わりにアルヘシラスのホセ・マヌエル・レオンが入って初の公演。ゲストでロサリオ・トレドが花を添えた。
Javier Fergo para Festival de Jerez



ホセ・マヌエル・レオンのギターは郷土の先輩パコのようなタッチもあり、ジャズフュージョン系の香りもあり、で素晴らしい。アレシのバイオリンはちょっと甘すぎる感じもあるか。パブロの「ソレア・ガステイス」は、彼の出身地バスクのビトリア、ガステイスにちなんだもの。骨太でフラメンコを一番感じさせたのが面白い。
Javier Fergo para Festival de Jerez


ロサリオは自分の公演以上に力が入っているというか、美しい衣装、髪もきれいに整えて登場。ムイ・フラメンカ。
Javier Fergo para Festival de Jerez


マントンを使った時に芝居っ気が出てきたのだが、
Javier Fergo para Festival de Jerez

赤いマントンを使った衣装ではそれがエスカレート。こういうの好き嫌いあるかも。踊りが出てくると主役をさらっちゃうなあ。ここら辺、バランスが難しい。

サラ・パウルでの公演は舞台が近いので表情が見えるのはいいね。

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ヘレスのフェスティバル マヌエラ・カルピオ「アル・コンパス・コン・ス・ヘンテ」

カンテにはマカニータ、エンリケ・エストレメーニョ、フアン・ホセ・アマドール、タニェ、フアニジョロ、ギターにはフアン・ディエゴとフアン・レケーナ、パルマにカルロス・グリロ。ブレリアにディエゴ・デ・マルガラやルイス・ペーニャが一振り見せる。
歌もギターもブレリアも素晴らしく、ほぼ言うことなし。
だが肝心のバイラオーラが、ブレリア以外全滅。

幕開けのアレグリアス。歩き方が舞台の上の歩き方ではなく、まるで自分の家の居間か何かのよう。サパテアードを始めると大きくコンパスを外す。振りも何もあったもんじゃない。サパテアードに集中するあまりか手をだらんとさせたり、と、この人は本当にプロの踊り手なのだろうかと愕然とする事態。

プレスリリースによると、ヘレスの舞踊教室で学び、昔、タブラオに出たこともあるそうなのだが、いや、一体何を学んできたのだろう。

続くブレリアは彼女抜きで男たちのフィエスタ。これは気持ち良く、フアニジョロの弟イスラエルのヘレスらしい一振り、ディエゴの優雅な一振りを楽しめたのだが、シギリージャでもソレアでも彼女は一緒。
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エンリケの熱唱で、ソレアはマヌエラ・カラスコ風なことをするのだが、いかんせん彼女はマヌエラ・カラスコではないし、体づかいも何も全くできてないので残念を通り越して悲しい。マカニータが力の入ったソレアを歌おうが、一緒。
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記者会見で話していた通り、心を込めて、入る。気持ちはある。でも基本となる技術がないのだから何もできないのだ。
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アルティスタを選ぶ目はあるのに、自分を客観視できていない。おそらく他の人の舞台を見ることもほとんどないのではないか。見ていたら、もう少し、踊りの言葉が増えて、形だけでも真似するとかあると思う。それとも私はこれ、と自己肯定で突き進んできたのだろうか。謎。
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結論。ビジャマルタ劇場で主役を張るべき人ではない。

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2017年3月1日水曜日

ヘレスのフェスティバル オルガ・ペリセ「ラ・エスピナ・ケ・キソ・セール、フロール・オ・ラ・フロール・ケ・ソニョ・コン・セール・バイラオーラ」「

アルティスタたちが挨拶をし始めたところでトイレにダッシュ。するとそこには長い列。ですよね。2時間の上演時間とくりゃ、みんなトイレにも行きたくなるわ。男子トイレも同じだったとか。

コルドバ出身、気鋭のバイラオーラ、オルガ・ペリセの新作。
スペイン演劇界注目の若手演出家カルロタ・フェレルを迎えて作り上げた作品「La espina que quiso ser flor o la flor que soñó con ser bailaora」花になりたかった棘もしくは踊り手になるのを夢見た花、という長い長いタイトル。

赤いふわっとしたスカートを身につけ踊る彼女に怒号と共に舞台袖から大量の靴が投げつけられたかと思うと、その靴を胸やお尻に入れて、婆様のような振りを見せる。かと思うと靴をピストルに見立て荒野の用心棒、など、ユーモアに溢れる感じで始まった。観客席の声に答えて話すなど、芝居的要素も。
Javier Fergo para Festival de Jerez

バレエシューズでなくサパト、かかとのある靴で踊るエスクエラ・ボレーラのパソやカスタネットの見事さ。回転やふとしたからだづかいに思わずオレ!が出てしまう。テクニシャン。
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ヘスース・フェルナンデスの長いティエント/タンゴはともかく
Javier Fergo para Festival de Jerez
二人がにわとりになって繰り広げるコミカルな場面や
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オルガの机の上でのソレアや
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バタでのカンティーニャ
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カルメン・アマジャ風の衣装にカスタネットでのグアヒーラはカバーレスでレマタール。
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クラシックのようなギターの爪弾きに合わせて上半身に何もつけず登場した彼女が黒い衣装をイスラムの婦人のようにかぶったり脱いだりの場面もうっすらとした照明も相まって美しい場面だった。

Javier Fergo para Festival de Jerez
最後は光をまとって登場。
Javier Fergo para Festival de Jerez

物語ではなく、イメージをつなげていくことで語っていくこの作品、内容は素晴らしいのだから、今後、整理整頓することができればもう一度是非見てみたい。